患者に明確な利益をもたらさない「低付加価値医療(low-value care)」は、医療資源の浪費や不必要な副作用リスクの原因として、国際的に注目されています。これまでの研究は主に米国を対象としており、日本における医師の特性と低付加価値医…
現役の薬剤師が論文情報や情報の活用法についてご紹介します.
猫になりたい薬剤師と申します🐈 とっつきにくい論文,しかしその情報は有益であり,日常業務にも活かすことができます. 気軽に,気楽に,論文情報が活用できるよう,要点をご紹介していきます♪ 分からないことがあれば,お気軽にお問合せください.
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ケトプロフェン経皮製剤の大量使用で胃潰瘍になる?(症例報告; 日本プライマリ・ケア連合学会誌2019)
一般に、臨床において非ステロイド性抗炎症外用パッチ(テープ剤、パップ剤など;以下、NSAIDsパッチ)が処方される場合、胃十二指腸潰瘍などの有害事象は考慮されません。しかし、局所投与であれば1〜2枚で済むはずのNSAIDsパッチを、患者は…
55歳以上の成人における過活動膀胱に対する抗コリン薬投与に伴う認知症リスクはどのくらい?(コホート内症例対照研究; BMJ Med. 2024)
過活動膀胱に対する抗コリン薬治療の違いによって認知症発症リスクに差があるかどうかについては、充分に検証されていません。そこで今回は、イングランドの高齢者の大規模代表集団において、個々の抗コリン薬の使用と認知症の発症リスクとの関連性について…
成人急性虫垂炎に対する抗生物質治療と虫垂切除術の比較(個別患者データのメタ解析; Lancet Gastroenterol Hepatol. 2025)
ランダム化比較試験(RCT)では、画像診断で急性虫垂炎(俗に盲腸と呼ばれる)が確認された成人の虫垂切除術に対して、抗生物質が実行可能で安全な代替療法であることが示されています。しかし、患者の組み入れ基準やアウトカムの定義はRCTによって大…
心房細動と安定冠動脈疾患に対する抗凝固療法と抗血小板療法の比較(RCTのメタ解析; J Am Coll Cardiol. 2025)
心房細動(AF)と安定冠動脈疾患(CAD)を有する患者における最適な長期抗血栓戦略は未だ不明です。また、個々のランダム化比較試験(RCT)の結果報告にはばらつきがあり、有効性のアウトカムについては検出力がありませんでした。そこで今回は、A…
脳卒中後発作における最適な抗けいれん薬とは?(ネットワークメタ解析; Neurology. 2025)
脳卒中後発作(poststroke seizures, PSS)は、脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など)の後に発生する単発または複数回の発作を指します。脳卒中は成人における後天性てんかんの主要な原因の一つであり、特に高齢者での発症が…
50歳以上の乳癌患者に対する適切なマンモグラフィ実施頻度は?(RCT; Mammo-50試験; Lancet. 2025)
乳癌診断後の女性に対するマンモグラフィサーベイランスの頻度は世界的に異なります。しかし、どのくらいの頻度が適しているのかについては充分いn検証されていません。そこで今回は、50歳以上の女性において、年1回未満のマンモグラフィが乳癌特異的生…
透析患者における経口リン酸吸着剤と骨粗鬆症性骨折の発生率との関連性は?(データベース研究; Nephrol Dial Transplant. 2025)
末期腎臓病(ESKD)は、従来の骨粗鬆症のリスクと同様に、ミネラル・骨障害(MBD)に関連して骨粗鬆症性骨折のリスクが高いとされています。ESKD患者ではリン酸吸着剤を使用しますが、個々の薬剤と骨折リスクとの関連性については充分に検証され…
PCI患者における短期間の二重抗血小板療法後のチカグレロル単剤療法の有効性と安全性(メタ解析; Am J Cardiol. 2025)
アスピリンとP2Y12阻害薬からなる二重抗血小板療法(Dual antiplatelet therapy, DAPT)は、薬剤溶出ステント(drug-eluting stents, DES)を用いた経皮的冠動脈インターベンション(PCI)…
心血管イベントと危険因子に対するGLP-1受容体作動薬の有効性と安全性の比較(RCTのネットワークメタ解析; Diabetes Obes Metab. 2025)
グルカゴン様ペプチド-1受容体作動薬(GLP-1 RA)は2型糖尿病治療薬として承認されましたが、その後、さまざまな効果を有していることが示されています。特に心血管イベントに対するリスク低減効果が示されていますが、個々の薬剤の比較は充分に…
非ビタミンK経口抗凝固薬と抗血小板薬単独療法における出血リスクの比較(RCTのメタ解析; Ann Intern Med. 2025)
動脈および静脈血栓塞栓症の予防において、治療用量の非ビタミンK経口抗凝固薬(NOAC)はアスピリンよりも優れていることが示されていますが、出血リスクについては充分に検証されていません。そこで今回は、NOACと単独抗血小板療法との出血リスク…
発作性片頭痛を有する患者に対する予防に適した薬物治療とは?(米国内科学会による臨床ガイドライン; Ann Intern Med. 2025)
発作性片頭痛は、患者のQOL低下や経済的損失を引き起こすことから予防治療が勧められます。予防薬による治療は、個々の患者の特性を踏まえ、診療ガイドラインの推奨を基に実施されることが多いですが、日本における頭痛の診療ガイドラインは2021年版…
急性期の運動がエピソード長期記憶に及ぼす影響は?(学生対象クロスオーバー試験; J Sci Med Sport. 2024)
長期記憶は、生涯にわたる認知の健康にとって重要です。これまでの研究で、1回の運動が記憶の保持を約1週間改善することが示されているが、その長期的な効果は不明です。そこで今回は、急性中強度運動が長期記憶に及ぼす影響について11ヵ月間調査したク…
騒音と公共環境が血圧測定に及ぼす影響は?(クロスオーバーRCT; Ann Intern Med. 2025)
騒音環境が血圧測定に及ぼす影響は?臨床ガイドラインでは、血圧測定のための静かな環境を重視しています。しかし、騒音と公共環境が血圧測定値に及ぼす影響は明らかとなっていません。そこで今回は、血圧測定値における騒音と公共環境の影響について検証した...
非重症インフルエンザ治療に対する抗ウイルス薬の効果は?(SR&NWM; JAMA Intern Med. 2025)
非重症インフルエンザの治療に最適な抗ウイルス薬は依然として不明です。そこで今回は、非重症インフルエンザの治療に対する抗ウイルス薬の効果を比較することを目的に実施されたネットワークメタ解析の結果をご紹介します。データ情報源はMEDLINE、…
食物・生薬中のフラノクマリン類含量のはどのくらい?(酵素免疫測定法; 医療薬学 2006)
6',7'‐ジヒドロキシベルガモチン(DHB)やベルガモチンのようなフラノクマリン誘導体はCYP3A4の阻害剤であり、グレープフルーツジュースから単離されています。同様に他の柑橘類や生薬、野菜にも含まれている可能性がありますが、充分に検証…
COVID-19ワクチンXBB.1.5の長期的な有効性は?(標的試験模倣研究; 2023-2024年; Ann Intern Med. 2025)
XBB.1.5オミクロン変異株を標的とした一価COVID-19ワクチンが2023年9月に導入されました。しかし、その有効性を示すランダム化比較試験の結果がないため、現実のワクチンの有効性(VE)に関する情報が必要とされています。そこで今回…
アトピー性皮膚炎治療薬タピナロフクリームの効果はどのくらい?(2件のRCT; ZBB4試験; J Dermatol. 2024)
芳香族炭化水素受容体(アリール炭化水素受容体; aryl hydrocarbon receptor, AhR)は、細胞内の受容体であり、主に環境化学物質や内因性リガンドに反応します。特に、AhRは多くの細胞において転写因子として機能し、環…
葉酸サプリメントの課題とは?(製剤学的品質評価; 医療薬学. 2024)
葉酸の補給は、胎児の神経管欠損症のリスクを軽減するために、妊娠中に不可欠です。さらに、妊娠中に推奨される葉酸摂取量を満たすためには、葉酸サプリメントが必要になることが多いと考えられます。これらのサプリメントは食品として分類されていますが、…
急性片頭痛に対するメトクロプラミド非経口投与の効果は?(RCTのメタ解析; BMJ. 2004)
急性片頭痛は頭痛だけでなく、めまいや嘔気・嘔吐を伴うことが知られています。しかし、制吐薬が片頭痛による疼痛に対して効果があるのかについては充分に検証されていません。そこで今回は、成人の急性片頭痛に対するメトクロプラミド非経口投与の有効性と…
従業員のストレスに対するデジタル瞑想の効果はどのくらい?(RCT; JAMA Netw Open. 2025)
デジタル瞑想プログラムの効果はどのくらいか?マインドフルネス瞑想は従業員の幸福感を向上させる可能性がありますが、デジタル瞑想プログラムの効果は充分に理解されていません。そこで今回は、一般的ストレスおよび仕事特異的ストレスに対するデジタル瞑想...
ガバペンチンあるいはデュロキセチンの併用開始後の高齢者の転倒リスク評価(標的試験模倣研究; Ann Intern Med. 2025)
ガバペンチン使用による有害性はどの程度なのか?ガバペンチン使用の有害性を示すエビデンスには、使用者と非使用者の比較によるバイアスのリスクがあります。有害性について、より正確に把握するためには他剤との比較検証が求められます。そこで今回は、ガバ...
ダパグリフロジンとカロリー制限による2型糖尿病の寛解はどのくらいですか?(DB-RCT; BMJ. 2025)
2 型糖尿病は世界的な公衆衛生上の課題であり、世界中で4億2,200万人の成人が罹患しています(IDF Diabetes Atlas. 10th ed. 2021)。これまでの研究報告によると、初期の2型糖尿病は必ずしも永続的な状態ではな…
永続性心房細動におけるジゴキシンとβ遮断薬の費用効果(費用対効果分析; RATE-AF試験; Heart. 2025)
心房細動(AF)は医療サービスに対する大きな負担であり、増加の一途をたどっています。しかし、心拍数コントロールにおける薬剤間の費用対効果については充分に検証されていません。そこで今回は、心不全症状を有する永続的な心房細動患者において、心拍…
性的頻度と心血管疾患罹患率および死亡率との関連は?(サーベイ研究; Sci Rep. 2024)
性行為は人間の健康と複雑な関係にありますが、予後との検証は充分ではありません。そこで今回は、米国の若年・中年成人における性行為頻度と心血管疾患(CVD)発症率および全死因死亡率との相関関係を明らかにすることを目的に実施されたサーベイ研究の…
片頭痛の引き金となる食べ物とは?(横断研究; Laeknabladid. 2024)
片頭痛は、激しい頭痛と一時的な運動・感覚障害を特徴とする神経疾患です。片頭痛の誘因は、片頭痛発作の可能性を高める内的または外的要因です。片頭痛患者の中には、ある種の食品の摂取と発作を関連付ける人もいますが、アイスランドでは実施されていませ…
脳卒中と慢性閉塞性肺疾患患者における経皮ツロブテロールの使用と短期転帰との関連性は?(後向きコホート研究; Medicine (Baltimore). 2023)
経皮吸収型ツロブテロール(商品名:ホクナリンテープ)は、経皮吸収型の長時間作用型β作動薬であり、日本、韓国、中国を含む一部の国で入手可能です。経皮吸収型ツロブテロールは、急性脳卒中など吸入器を効果的に使用できない患者における慢性閉塞性肺疾…
2型糖尿病患者におけるセマグルチドと非動脈炎性前部虚血性視神経症リスクとの関連性は?(デンマークの前向きコホート研究; Int J Retina Vitreous. 2024)
非動脈炎性前部虚血性視神経症(NAION)は治療不可能な疾患であり、しばしば罹患眼に重篤かつ不可逆的な視力低下を引き起こすことが報告されています。これまでの研究結果から、セマグルチドの使用がNAIONと関連することが示唆されていますが、実…
プロトンポンプ阻害薬は非ステロイド性抗炎症薬関連小腸障害のリスクを増加させる?(SR&MA; Clin Transl Gastroenterol. 2023)
プロトンポンプ阻害薬(PPI)と非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)関連の小腸障害との関連については、相反する結果が報告されています。そこで今回は、PPIがNSAID関連小腸障害のリスクを増加させるかどうかについて明らかにすることを目的に…
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患者に明確な利益をもたらさない「低付加価値医療(low-value care)」は、医療資源の浪費や不必要な副作用リスクの原因として、国際的に注目されています。これまでの研究は主に米国を対象としており、日本における医師の特性と低付加価値医…
発酵大豆食品として日本で親しまれている納豆。健康食品としてのイメージも強く、骨粗鬆症予防や動脈硬化の改善など、多くの効果が語られてきました。しかし、実際に「納豆を食べる人は長生きするのか?」という点を、長期間にわたって科学的に検証した研究…
◆ はじめに:「寝不足は万病のもと」って本当?現代人の多くが抱える「平日の睡眠不足」。その影響を和らげるため、週末にまとめて眠る「週末の寝だめ(Weekend Catch-Up Sleep: WCS)」をしている方も多いのではないでしょうか...
心筋梗塞(MI)後の患者ケアでは、心機能や再梗塞予防に注目が集まりますが、「便秘」の存在が予後に影響する可能性があることをご存知でしょうか?今回ご紹介するのは、心筋梗塞後の患者における便秘と心不全による再入院の関連性を後ろ向きに検討し、退…
これまで高コレステロール血症の治療といえば「スタチン」が中心でした。しかし、近年注目されているのが、Proprotein Convertase Subtilisin/Kexin type 9(PCSK9)を標的としたRNA干渉療法「インク…
ベンゾジアゼピン系薬(BZ系)や類似の睡眠薬(Z薬など)は、不眠症の治療薬として長年使用されてきました。しかし、依存や転倒リスク、認知機能低下といった副作用から、長期使用のリスクが懸念されています。そこで今回は、BZ系・関連睡眠薬(BSH…
2型糖尿病を抱える方の多くが、同時に高血圧を発症しています。これは心筋梗塞や脳卒中といった重大な心血管イベントのリスクを大きく高めるため、血圧管理が極めて重要です。しかし、体重減少を伴わない純粋な食事介入のみでの血圧改善効果については、こ…
◆ はじめに肺炎は入院治療が必要となる代表的な感染症であり、特に高齢者や基礎疾患を持つ患者においては重篤化することも少なくありません。その治療の中心に位置するのが、第3世代セフェム系抗菌薬「セフトリアキソン(Ceftriaxone)」です。...
喘息治療の根幹は「吸入薬の継続的な使用」です。しかし、日常診療では服薬アドヒアランス(服薬遵守)の低さが問題視されています。そこで近年注目されているのが「デジタル吸入器(スマートインヘラー)」です。今回ご紹介するのは、デジタル吸入器の1年…
近年、SNS・スマートフォン・ビデオゲームの利用が低年齢層にまで広がる中、その「依存的な使い方」が子どものメンタルヘルスや自殺リスクに与える影響が注目されています。これまでの研究では「総画面時間」の影響に焦点が当てられていましたが、実際に…
変形性膝関節症(knee osteoarthritis:OA)は、中高年に多く見られる関節疾患で、慢性的な痛みや運動制限の原因となります。近年では、関節液貯留や滑膜炎(effusion-synovitis)を伴う炎症性OAの存在が注目され…
関節リウマチ(RA)は関節の炎症や破壊を引き起こす疾患として知られていますが、動脈硬化や心筋梗塞、脳卒中といった心血管疾患(CVD)のリスクが高まることも近年注目されています。しかし、アジア人集団での具体的なリスクや、薬物治療がCVDに与…
直接経口抗凝固薬(DOAC)は、静脈血栓塞栓症(VTE)や心房細動(AF)の治療に広く使用されており、その利便性や安全性から臨床現場での使用が急速に拡大しています。しかしながら、消化管出血(GI bleeding)という重篤な出血イベント‥
心房細動を背景に脳梗塞を発症した患者では、脳卒中再発の予防として抗凝固療法の導入が必須です。しかし、脳出血リスクを踏まえた際、抗凝固薬であるDOAC(直接経口抗凝固薬)の開始タイミングは依然として議論の余地があります。特に、慢性腎臓病(C‥
高齢化が進む現代社会において、ポリファーマシー(多剤併用)や潜在的に不適切な薬物(PIMs)の問題はますます深刻になっています。薬剤が多ければ多いほど、有害事象のリスクは高まり、患者のQOLやアドヒアランスにも悪影響を及ぼすことが知られて…
心房細動(AF)や心房粗動(AFL)は、心血管・腎疾患や代謝異常(いわゆるCKMスペクトラム)における重篤な合併症のひとつです。こうした不整脈の発症は、心不全や腎機能悪化の予兆となりうるため、予防的介入が重要視されています。今回ご紹介する…
成人においては、β遮断薬(βブロッカー)が心不全の治療に有効であることが確立しています。中でもカルベジロール(商品名:アーチスト®)は、症状の改善や生命予後の延長に寄与する薬剤として知られています。しかし、小児や思春期の患者における有効性…
新生児の細菌性敗血症は、早期の診断と適切な抗菌薬治療が生存率に直結する疾患です。しかし、「何日間抗菌薬を投与すべきか」については、明確なエビデンスに乏しいのが実情でした。今回ご紹介する研究は、血液培養で細菌陽性となった新生児敗血症に対し、…
仕事のための通勤——多くの人が毎日繰り返すこの行為が、実は健康に悪影響を及ぼしている可能性があるとしたらどうでしょうか?都市化が進む現代、経済活動を支える日常的な移動は避けがたいものです。この日常的な移動の影響について、充分に検証されてい…
β遮断薬は、成人のうっ血性心不全(CHF)治療の柱とされており、死亡率低下や入院率減少などの有効性が確立しています。しかし、小児における心不全は、原因や病態、生理的特性が異なるため、成人のエビデンスをそのまま適用することはできません。そこ…
JN.1亜系統(変異株)に対する最新のCOVID-19ワクチン(BA.4/5 二価, XBB1.5 一価)の予防効果に関するデータはまだ限られています。そこで今回は、2023年11月26日から2024年1月13日まで、JN.1を主因とする…
連続しない2日間の絶食と週5日間の習慣的摂取からなる間欠的絶食プランと食事代替食(5:2 MR)は、2型糖尿病患者にさらなる利益をもたらす可能性がありますが、実臨床における検証は充分ではありません。そこで今回は、初期2型糖尿病患者の血糖コ…
心房細動は2型糖尿病患者で発症しやすいことが報告されています。また、2型糖尿病は認知症を発症しやすいことも報告されています。しかし、2型糖尿病患者における心房細動の新規発症と、認知症の発症リスクとの関連性については充分に検証されていません…
米国の成人の3人に1人がマルチビタミン(MV)を使用しており、その主な動機は疾病予防であることが報告されています。しかし、MVがヒトの予後に及ぼす影響については充分に検証されていません。2022年に米国の予防サービス専門委員会は、ランダム…
心血管アウトカム試験の結果から、フェノフィブラート療法が糖尿病網膜症の進行を抑制する可能性が示唆されています。しかし、実臨床における検証は充分に行われていません。そこで今回は、糖尿病網膜症の進行に対するフェノフィブラートの効果を検証したラ…
血漿中のエイコサペンタエン酸(EPA, イコサペント酸エチル)濃度が低いことは心血管イベントと関連していますが、イコサペント酸エチルの補充により心血管イベントのリスクが低減するか否かについて充分に検証されていません。そこで今回は、冠動脈疾…
時間依存性的な抗菌薬であるβ-ラクタム系抗生物質は、最小発育阻止濃度(MIC)以上の血中濃度を維持できている時間が長ければ長いほど効果を発揮することが報告されています。したがって、持続投与が求められますが、β-ラクタム系抗生物質はMIC未…
コルヒチンによる抗炎症療法は、冠動脈疾患の血管再発を予防することが示されました。冠動脈疾患の典型的な原因が動脈硬化であるのとは異なり、虚血性脳卒中は動脈硬化や小血管疾患など多様な機序によって引き起こされるか、原因不明であることが多いことが…
冠動脈バイパス術後の臨床転帰に対するさまざまな抗血小板戦略について、いずれかの効果が優れているのかについては充分に評価されていません。そこで今回は、冠動脈バイパス術後の異なる抗血小板療法戦略(DACAB)試験を対象に、5年間の追跡調査の結…
便失禁の主原因として、経膣分娩に伴う肛門括約筋裂傷が重要視されています。1993年の報告では、産後6週間時点での便失禁は、初産婦の場合10%、経産婦の場合23%であることが明らかとなっています。肛門括約筋裂傷がある場合、分娩直後から肛門失…
現在または過去に妊娠糖尿病(GDM)を発症した女性において、産後に高血糖や2型糖尿病(T2DM)を予防または遅延させるための介入の有効性をよりよく理解するために、利用可能なエビデンスを統合することが求められています。そこで今回は、GDM後…
急性心筋梗塞後には心血管イベントの再発しやすさが報告されており、高比重リポ蛋白の主要蛋白であるアポリポ蛋白A1を介するコレステロール排出能の低下は、心血管イベントのリスク上昇と関連していることも報告されています。CSL112は血漿由来のヒ…
ナトリウム-グルコース共輸送体2(SGLT-2)阻害薬は2型糖尿病、心不全、慢性腎臓病患者の転帰を改善しますが、臓器不全を有する重症患者の転帰に対する効果は不明です。そこで今回は、SGLT-2阻害薬であるダパグリフロジンを標準的な集中治療…
DOAC使用は認知症の発症リスクの低減と関連しているのか? 認知症の危険因子である心房細動(AF)の発生率および有病率は長期的に増加しています。経口抗凝固療法は、心房細動による脳卒中やその他の悪い転帰のリスクを減少させ、認知症の健康格差を縮
SARS-CoV-2ワクチン接種をためらう理由としては、副反応への懸念が一般的です。ワクチン接種後に発現する副反応は、免疫反応の一部として理解されており、中和抗体反応との関連性が示唆されています。発熱、疲労、筋肉痛、関節痛などの全身反応は…
観察的抗血栓療法の比較評価を行ったSTOP-CAD(Stroke Prevention in Cervical Artery Dissection:頸部動脈解離における脳卒中予防)試験では、世界16ヵ国63施設から得られたデータ(n=3,…
手袋着用時の手指衛生のゴールドスタンダードでは、手袋を外して手指衛生を行い、新しい手袋を着用する必要があるとされています(WHO:Five moments for hand hygiene)。アルコールをベースとした手指消毒剤(ABHR)…
ナトリウム-グルコース共輸送体-2阻害薬(SGLT2i)は心不全および腎臓関連の転帰を一貫して改善しますが、さまざまな患者集団における主要有害心血管イベント(MACE)に対する効果はあまり明らかとなっていません。そこで今回は、3つの患者集…
アンギオポエチン様3(ANGPTL3)は、リポ蛋白および内皮リパーゼを阻害し、トリグリセリドに富むリポ蛋白残渣の肝への取り込みを阻害します。ANGPTL3欠損機能保有者は、非保有者に比べて、トリグリセリド、低比重リポ蛋白(LDL)コレステ…
アテローム性動脈硬化症による急性軽症虚血性脳卒中または一過性脳虚血発作(TIA)患者における二次的脳卒中予防および神経保護に対する即時集中スタチン療法と遅延集中スタチン療法の比較は限られています。脳梗塞急性期のスタチン投与は、インターロイ…