高齢者の経皮的冠動脈インターベンション(percutaneous coronary intervention, PCI)後の二重抗血小板療法(dual antiplatelet therapy, DAPT)の至適期間は不明です。そこで今回…
現役の薬剤師が論文情報や情報の活用法についてご紹介します.
猫になりたい薬剤師と申します🐈 とっつきにくい論文,しかしその情報は有益であり,日常業務にも活かすことができます. 気軽に,気楽に,論文情報が活用できるよう,要点をご紹介していきます♪ 分からないことがあれば,お気軽にお問合せください.
|
https://twitter.com/iamneko13 |
---|
心疾患リスク因子を有さない集団における血清尿酸値正常と心血管系疾患の関連性は?(中国の大規模コホート研究; J Am Heart Assoc. 2023)
尿酸値が基準値7.0mg/dLよりも高い高尿酸血症について、日本では、腎臓や心血管アウトカムの発生リスク増加の懸念から早期治療を推奨しています。一方で、米国や欧州では痛風発作がなければ治療の対象としないとするスタンスが一般的です。しかし、…
糖尿病患者におけるHbA1cの長期的変動は腎関連アウトカムの発生リスクと相関しますか?(観察研究; Am J Kidney Dis. 2023)
血糖値の変動が大きいと血管への負荷が大きくなり、血管合併症のリスク増加の可能性が報告されています(PMID: 30040822)。したがって、グルコーススパイクなどの血糖変動が大きくなることと、患者の予後不良が関連している可能性があります…
2型糖尿病リスクを有する成人における最適な食事療法はどれですか?(RCT; Nat Med. 2023)
新規の断続的断食+早期時間制限食アプローチの効果とは?断続的断食(Intermittent fasting)は、ヒトの健康を改善するためのカロリー制限(calorie restriction, CR)に代わる同等の方法と考えられます。しかし
心房細動患者における抗凝固薬とアミオダロンの併用は出血関連入院リスクと関連性がありますか?(後向きコホート研究; Ann Intern Med. 2023)
アミオダロンはP糖蛋白やCYP3A4阻害作用を有していることから、薬物相互作用により併用薬剤の排泄を遅延させる可能性があります。しかし、この相互作用による患者予後については充分に検討されていません。そこで今回は、アピキサバンまたはリバーロ…
2型糖尿病と慢性腎臓病を有する集団における腎・心血管アウトカムに対する有効性・安全性で優れる薬剤はどれか?(RCTのSR&MA; Diabetes Res Clin Pract. 2023)
2型糖尿病は慢性腎臓病など多くの合併症を引き起こし、患者予後を悪化させます。多くの糖尿病治療薬が使用されていますが、患者予後に優れる薬剤の検証については充分に行われていません。そこで今回は、ナトリウムグルコース共輸送体2阻害薬(SGLT-…
心血管疾患を有する高齢者におけるインフルエンザワクチン接種率に対する電子ナッジの効果は?(NUDGE-FLU試験の事前指定解析; Circulation. 2023)
ナッジ(nudge:そっと後押しする)とは、行動科学の知見(行動インサイト)を活用することで「人々が自分自身にとってより良い選択を自発的に取れるように手助けする政策手法」とされています(環境省の資料より)。人々が選択し、意思決定する際の環…
重症アルコール性肝炎における抗生物質の予防的投与は死亡率を低減できるのか?(DB-RCT; JAMA. 2023)
アルコール性肝炎の入院患者に対して、予防的な抗菌薬投与が行われることがあります。一方で重症アルコール性肝炎の入院患者に対する予防的抗生物質の有益性は不明です。そこで今回は、重症アルコール性肝炎で入院し、プレドニゾロンで治療を受けている患者…
2型糖尿病患者におけるスルホニル尿素とβ遮断薬の併用と重症低血糖リスクの関連性はどのくらい?(人口ベースコホート研究; Diabetes Care. 2023)
スルホニルウレア系薬剤の使用者におけるβ遮断薬の血糖降下作用は、この致命的な副作用のリスクを強く高める薬剤ですが、そのリスクについては充分に検討されていません。そこで今回は、スルホニルウレア系薬剤とβ遮断薬の併用とスルホニルウレア剤単独使…
地域在住の高齢女性の転倒予防に対する2年間の運動効果はどのくらい?(RCT; Age Ageing. 2023)
共同運動介入は、転倒や怪我の予防に役立つ可能性があります。しかし、そのような戦略の有効性を実証する実用的な臨床試験の結果は一貫しておらず、質の高い前向き研究の実施が求められます。そこで今回は、初期6ヵ月間の監督された週1回のジムと太極拳セ…
女性の尋常性ざ瘡に対するスピロノラクトンの効果はどのくらい?(DB-RCT; SAFA試験; BMJ 2023)
カリウム保持性利尿薬であるスピロノラクトンは、高血圧症などに広く使用されていますが、抗アンドロゲン作用を有していることから、長年にわたり尋常性ざ瘡に対して適応外処方されてきました。しかし、エビデンスは不充分です。
家族で食事をする時間が長い子どもは果物・野菜摂取量が多くなる?(RCT; JAMA Netw Open. 2023)
家族での食事は、子どもたちの食の選択と嗜好を形成する形成的な学習環境です。そのため、子どもの栄養状態を改善するための取り組みには理想的な環境であると考えられます。しかし、家族での食事時間と摂取する食事内容との関連性については充分に検討され…
高齢者の直接作用型経口抗凝固薬治療におけるギャップ予測因子と臨床転帰の関連性は?(後向きコホート研究; Thromb Res. 2023)
直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)は半減期が12時間程度と短いため、DOAC治療の短いギャップ期間であっても抗凝固作用が低下し、有害な臨床転帰のリスクが増加する可能性があります。しかし、このGapが臨床転帰に及ぼす影響は明らかとなっていま…
医療および地域社会におけるSARS-CoV-2感染予防のためのマスクの効果はどのくらいですか?(システマティックレビュー; Ann Intern Med. 2023)
COVID-19発症予防のためのマスク着用の効果はどのくらいなのか?COVID-19を予防するために様々な感染対策が講じられています。マスクの種類としてN95、外科用、布製が挙げられますが、最適な使用方法や予防効果の比較検討は充分に行われて
急性冠症候群における二重抗血小板療法のデエスカレーション戦略は有効ですか?(患者個人データのメタ解析; Eur Heart J. 2023)
経皮的冠動脈形成術(PCI)を受ける急性冠症候群(ACS)患者には、アスピリンと強力なP2Y12阻害剤による二重抗血小板療法(DAPT)が標準治療となっています。PCI後の虚血リスクと出血リスクのバランスをとるために、強力なP2Y12阻害…
スタチン治療を受けている患者における心血管イベントの予測因子として炎症とコレステロールどちらが良い?(大規模RCT3件の統合; Lancet. 2023)
炎症とコレステロールどちらがより適した患者予後の予測因子となりうるのか?炎症と高脂血症(脂質異常症)は共にアテローム血栓症に寄与しています。スタチンによる集中治療を受けると、将来の心血管イベントリスクに対する炎症と高脂血症の相対的な寄与が変
2022-2023年秋冬にCOVID-19と季節性インフルエンザで入院した患者の死亡リスクはどのくらい?(JAMA. 2023)
COVID-19パンデミックの最初の年、米国の2件の研究では、COVID-19で入院した人は、季節性インフルエンザで入院した人に比べて、30日死亡のリスクが約5倍になることが示唆されました(PMID: 33323357、PMID: 330…
自然環境で過ごすことと薬剤(向精神薬、降圧薬、喘息治療薬)の使用頻度に関連性はありますか?(横断研究; Occup Environ Med. 2023)
自然環境への曝露は人間の健康に有益であると考えられていますが、その証拠には一貫性がありません。そこで今回は、フィンランドでの都市環境における緑と青の空間への曝露が精神的・身体的健康と関連しているかどうかを検証した横断研究の結果をご紹介しま…
慢性腎臓病患者における脳卒中のタイプと発症リスクの程度はどのくらい?(SR&MA; Nephrol Dial Transplant. 2022)
慢性腎臓病(CKD)は、腎機能の低下のみではなく、脳卒中などの心血管イベントの発生リスク上昇と関連しています。しかし、CKD患者における虚血性脳卒中と出血性脳卒中の相対的な頻度については、明確に説明されていません。さらに、急性虚血性脳卒中…
高齢者におけるRSウイルスのプレフュージョンF蛋白ワクチンの効果はどのくらい?(AReSVi-006試験; N Engl J Med. 2023)
呼吸器合胞体ウイルス(RSV)は、新生児や高齢者における急性呼吸器感染症、下気道疾患、臨床合併症、および死亡の重要な原因です。新生児、乳児、幼児に対してはシナジス(筋肉内注射用パリビズマブ(遺伝子組換え)製剤)が重篤な下気道疾患の発症抑制…
術後患者に対する説明の情報源としてChatGPTとGoogle検索どちらが優れていますか?(定性的研究; JAMA Otolaryngol Head Neck Surg. 2023)
人工知能を搭載した言語モデルチャットボットChatGPT(generative pretrained transformer:生成的な事前訓練を行ったネットワークアーキテクチャ)は、医療を含む多くの業界にとって革新的なリソースであると言わ…
2型糖尿病患者における笑いヨガは血糖コントロールに有効ですか?(RCT; Front Endocrinol (Lausanne). 2023)
笑いには様々な健康効果があることが報告されています。しかし、介入としての "笑い" による糖尿病への長期的な影響に関するデータは限られています。そこで今回は、笑いヨガ(Laughter yoga)が2型糖尿病患者の血糖コントロールを改善で…
CKD患者の血管石灰化に対するマグネシウム補充の効果はどのくらい?(DB-RCT; MAGiCAL-CKD試験; J Am Soc Nephrol. 2023)
血清マグネシウム濃度の上昇は、CKD患者における心血管イベントのリスク低下と関連していることが報告されています。また、マグネシウムはCKDの動物モデルにおいて血管石灰化を予防することも報告されています。したがって、CKD患者における血管石…
高効率微粒子エアフィルター付き手術用ヘルメットシステムの使用はCOVID-19発症予防に応用できるのか?(小規模DB-RCT; Int Orthop. 2022)
新型コロナウイルス感染症 2019(COVID-19)の急速な広がりにより、個人防護具の使用が増加していますが、その効果については充分に検証されていません。そこで今回は、市販の無菌手術用ヘルメットシステム(SSHS)がCOVID-19に対…
2型糖尿病における心血管予防療法を最適化するためのコーディネートケアの効果は?(クラスターRCT; COORDINATE–Diabetes Site試験; JAMA. 2023)
これまでの臨床試験により、心血管疾患の発症リスクを低減させるための治療法が示されています。しかし、成人の2型糖尿病患者における動脈硬化性心疾患リスクを低減するためのエビデンスに基づく治療法は、臨床現場で充分に活用されていません。そこで今回…
無症候性高尿酸血症患者における慢性腎臓病リスクに関するベンズブロマロン vs. アロプリノール(後向きコホート研究; Eur J Intern Med. 2023)
慢性腎臓病(CKD)と高尿酸血症に対する考え方は日本と海外(欧米)とでは大きく異なっています。本邦のガイドラインではCKDを伴う高尿酸血症の治療において、血清尿酸値が8.0mg/dLを超える場合には生活指導を行った上で薬物治療を考慮するこ…
漢方薬である血必浄により敗血症患者の28日死亡率が低下する?(DB-RCT; EXIT-SEP試験; JAMA Intern Med. 2023)
これまでの研究で、漢方薬ベースの点滴製剤である血必浄注射液(Xuebijing, XBJ:紅花・赤芍・川きゅう・丹参・当帰を配合)が敗血症患者の死亡率を低下させる可能性が示唆されています。しかし、検証は充分ではないことから、より質の高い前…
潰瘍性大腸炎の導入療法および維持療法としてのエトラシモドの有効性・安全性は?(BD-RCT2件; ELEVTE試験; Lancet. 2023)
スフィンゴシン1リン酸(S1P)受容体のサブタイプ1,4,5を選択的に活性化し、S1P2,3には活性が検出されない1日1回投与の経口薬であるEtrasimod(エトラシモド)は、潰瘍性大腸炎を含む免疫媒介疾患の治療薬として開発中です。今回…
外眼部写真のディープラーニングにより全身状態がわかる?(後向き研究; Lancet Digital Health 2023)
疾患の早期発見・早期治療のために健康診断や検診時における採血などの侵襲的な方法が用いられています。しかし、このような侵襲的な方法は、経時的にデータを収集する上で患者負担を増加させることから代替案が求められています。外眼部の写真をディープラ…
公開ソーシャルメディアフォーラムに投稿された患者からの質問への対応における医師 vs. ChatGPT(横断研究; JAMA Intern Med. 2023)
バーチャルヘルスケアの急速な拡大により、医療従事者の仕事量と燃え尽き症候群の増加に伴い、患者からのメッセージが急増しています。人工知能(AI)アシスタントは、臨床医が確認できるような回答を作成することで、患者の質問に対する回答を作成するの…
機械的僧帽弁置換術後のワルファリンの用量は低用量と標準用量どちらが良い?(RCT; PROACT試験; Ann Thorac Surg. 2023)
現在のガイドラインでは、人工僧帽弁を装着した患者における国際標準化比(INR)の目標値は2.5~3.5であることが推奨されています。これは術後に弁の血栓化が生じるのを予防するための術後管理であり、INRが至適範囲を外れることで弁の血栓化が…
降圧療法のランダム化比較試験において起立性低血圧の除外は治療効果を変えるか?(SR&MA; Age Ageing. 2023)
症候性起立性低血圧の患者では、降圧療法の管理は困難であり、降圧療法に関するランダム化比較試験から除外されることが多い集団とされています。起立性低血圧は、転倒や失神などの有害事象の発生に関連することから、降圧効果を検証する臨床試験において交…
「ブログリーダー」を活用して、猫になりたい薬剤師ver3.0さんをフォローしませんか?
高齢者の経皮的冠動脈インターベンション(percutaneous coronary intervention, PCI)後の二重抗血小板療法(dual antiplatelet therapy, DAPT)の至適期間は不明です。そこで今回…
メトホルミンは広く用いられており、特に海外では妊娠糖尿病に使用可能であり、母体の体重増加や妊娠高血圧症候群、児の新生児低血糖のリスクを低減することが報告されています(注意:日本の添付文書においては妊婦又は妊娠している可能性のある女性への投…
肥満は世界的な公衆衛生の問題になっており、中国は世界で最も多くの罹患者を抱えていることが知られています。持続性GIP/GLP-1受容体作動薬であるチルゼパチドは、副作用として紹介症状や体重減少をもたらしますが、肥満患者における有効性・安全…
混合型高脂血症患者では、中性脂肪(トリグリセリド、トリグリセライド)に富むリポ蛋白中の残存コレステロールに起因する非高比重リポ蛋白(HDL)コレステロール値の上昇により、アテローム性動脈硬化性心血管系疾患のリスクがあります。トリグリセリド…
心不全(HF)の基本的な治療薬として、β遮断薬、ACE阻害薬/ARB、そしてミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MA拮抗薬)が使用されていますが、腎機能障害の併存は、しばしば救命のためのHF治療の開始や継続を躊躇させます。そこで今回は、著し…
慢性腎臓病、2型糖尿病、高血圧(the kidney-dysfunction triad; 腎機能障害の3要素)を有する患者に対する有効な治療法があるにもかかわらず、この集団における死亡や合併症のリスクを減少させるためのガイドラインに沿っ…
シスプラチンは様々ながんに対する有効な第一選択療法です。シスプラチンは催吐性が強く、その結果生じる体液量の減少は急性腎障害(acute kidney injury, AKI)リスクの一因となります。この合併症を予防するために、5-ヒドロキ…
小児期の長期間にわたる短時間睡眠は、精神病の発症を含む長期的な精神的健康に有害な影響を及ぼす可能性があります。さらに、これらの関連性の潜在的な基礎となる機序は依然として不明です。そこで今回は、小児期の持続的な夜間睡眠時間の短縮と、24歳時…
リラクゼーション介入による母乳保育の効果は? 母乳保育は、乳児と母親・両親の健康を最適化するための重要な公衆衛生目標ですが、世界の授乳成績は推奨される授乳期間と排他性を満たしていません。また、授乳と精神的健康の関連性が報告されていますが、リ
75歳以上の成人における心血管疾患(CVD)および全死亡の一次予防にスタチンを使用することについては、ランダム化比較試験におけるこの集団の割合が低いため、ほとんどコンセンサスが得られていません。そこで今回は、高齢者(75~84歳)および超…
COPD患者に対するβ1選択的遮断薬ビソプロロールの影響は? 慢性閉塞性肺疾患(COPD)は世界的に罹患率と死亡率の主要な原因です。観察研究では、β遮断薬の使用はCOPD増悪リスクの低下と関連する可能性があると報告されています。しかし、最近
変形性膝関節症は障害をもたらしますが、有効な治療法はほとんどありません。クリルオイル(オキアミ油)のサプリメントは膝の痛みを改善することが予備的に示唆しましたが、変形性膝関節症に対する効果は不明です。そこで今回は、著しい膝関節痛と滲出液-…
頭痛はプロトンポンプ阻害薬(PPI)の使用に伴う有害事象です。近年、片頭痛がPPI使用に伴う潜在的有害事象としてより具体的に浮上してきました。しかし、実臨床における検証は充分ではありません。そこで今回は、既存のデータを活用し、片頭痛および…
尿路感染症(UTI)の生涯罹患率は女性で50%以上である。尿路感染症の臨床的、生理的、生活習慣的な危険因子は多岐にわたりますが、トイレ後の肛門や会陰の衛生習慣、特にトイレットペーパーで拭く方向と尿路感染症の危険性との正確な関係はまだ調査さ…
アセトアミノフェン(パラセタモール)には、無細胞ヘモグロビンによる脂質やその他の基質の酸化を抑制するなど、敗血症に有益と思われる多くの薬理作用がありますが、その効果については充分に検証されていません。そこで今回は、アセトアミノフェンがプラ…
2型糖尿病患者において、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体作動薬とナトリウムグルコース共輸送体-2(SGLT-2)阻害薬の併用が、どちらか一方の薬物クラスのみの併用と比較して、主要有害心血管イベントおよび重篤な腎イベントのリスク…
スチュワードシップ(Stewardship)とは本来、管理運用、管理責任などの意味を有していますが、こと医療においては、抗菌薬の適正使用推進を指します。多剤耐性菌の発生を防いだり、資源として確保したり、今ある抗菌薬を適切に大事に使ってもら…
2型炎症を伴うCOPD患者におけるデュピルマブの有用性はどのくらいなのか? デュピルマブは、2型炎症の主要かつ中心的な促進因子であるインターロイキン-4とインターロイキン-13の共有受容体成分を遮断する完全ヒト型モノクローナル抗体です。 慢
低血圧は、重症患者や周術期の患者における有害な転帰と関連しています。しかし、これらの仮定は観察研究によって支持されていることから、更なる検証が求められます。そこで今回は、死亡率に対する血圧目標値の低値と高値の影響を比較することも目的に実施…
米国内科学会(American College of Physicians, ACP)は、2型糖尿病の新しい薬理学的治療に関する推奨事項を更新するために、診療ガイドラインを作成しました。本ガイドラインは、有効性、有益性と有害性の比較、患者…
帝王切開分娩時のトラネキサム酸の予防的使用は理論上、出血量を減少させることが示されていますが、輸血の必要性や母体死亡リスクへの影響は不明です。そこで今回は、米国の病院31施設で帝王切開分娩を受けた患者を、臍帯クランプ後にトラネキサム酸を投…
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と帯状疱疹との関連性が報告されていますが、SARS-CoV-2感染からの回復後の帯状疱疹の長期リスクは不明です。そこで今回は、COVID-19患者における帯状疱疹リスクを評価したレトロスペクティ…
アトピー性皮膚炎(AD)と複数の心血管疾患との関連は、慢性全身性炎症に関する病態機序と血管への影響の可能性から調査されてきました。しかしながら、成人期におけるADと静脈血栓塞栓症(VTE)発症との関連はほとんど知られていません。そこで今回…
骨粗鬆症の治療法として最も広く用いられているのが抗骨吸収剤です。デノスマブは、核因子κB(eceptor activator of nuclear factor κ, RANK)リガンド(RANK ligand, RANKL)に対するヒト…
CYP2B6遺伝子多型がクロピドグレルに及ぼす影響はどのくらいか?In vitro試験において、クロピドグレルの薬物代謝酵素としてCYP2C19、1A2、2B6、2C9、そして3A4/5が関与していると報告されています(Drug Metab
重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)の全体的な拡散には、特にエアロゾルと呼ばれる小さな粒子を介した空気感染が重要であることを示す証拠が増えつつあります。しかし、SARS-CoV-2の感染に対する学校環境の寄与はまだ…
脳卒中の発生予防のために抗凝固療法が実施されますが、実施タイミングの比較に関するエビデンスは充分ではありません。そこで今回は、急性虚血性脳卒中を発症した心房細動患者における直接経口抗凝固薬(DOAC)の投与開始時期が早い場合と遅い場合の効…
骨粗鬆症に対する基本的治療薬としてビスホスホネート系薬が使用されており、診療ガイドラインにおいても第一選択薬とされています。比較的新しい治療薬として骨同化薬であるアバロパラチドやロモソズマブが挙げられますが、閉経後女性の骨折リスク低減に対…
早期の重症呼吸器シンシチアルウイルス(respiratory syncytial virus, RSV)感染は、小児期の喘息疾患の発症と関連している可能性が報告されています。しかし、この関連性の検証は充分ではありません。そこで今回は、乳幼…
ピーナッツアレルギー患者に対する表皮免疫療法の効果は?幼児、小児の食物アレルギーの原因として、卵、牛乳、小麦、ピーナッツなどが挙げられます。米国ではピーナッツバターの使用量が多く、ピーナッツ(落花生)は関心の高いアレルゲンの一つです。日本に
慢性腎臓病(CKD)患者における腎機能の縦断的な軌跡は、心血管イベントと関連していることが報告されています。しかし、CKDを有さない患者における腎機能の変化パターンは、まだ報告されていません。そこで今回は、CKDを有さない集団における腎機…
五十肩の管理については、これまで多くの治療戦略が考案されてきました。しかし、これまでのところ、運動と経口コルチコステロイド(ステロイド)の有効性を直接比較したランダム化比較試験はありません。そこで今回は、五十肩患者を運動療法と経口ステロイ…
ブレクスピプラゾールは、セロトニン5-HT1A受容体部分アゴニスト作用、セロトニン5-HT2A受容体アンタゴニスト作用及びドパミンD2受容体部分アゴニスト作用を併せ持つ特徴的な薬剤です。日本では「統合失調症」の保険適応を取得しています(2…
セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)と呼ばれる抗うつ薬の一つであるデュロキセチン(Duloxetine)は、中枢性感作を抑制することで疼痛緩和作用も有していることから、鎮痛緩和を目的として以下の疾患にも用いられています。
プロトンポンプ阻害薬(PPI)は胃酸関連疾患の治療薬として広く使用されていますが、腸内細菌叢に影響を与える可能性があります。2型糖尿病は血管内皮細胞の機能低下に起因する血糖コントロール異常を特徴としますが、腸内細菌叢へ影響することも報告さ…
ワクチン接種後の突然死の原因とは?2022年8月10日、14歳の女子中学生がファイザー製ワクチンの3回目接種を受けました。 女子中学生は翌日、37.9度の発熱を認めましたが、夕方には下がりました。 夜に息苦しさを訴えながらも眠りについていま
尿酸値が基準値7.0mg/dLよりも高い高尿酸血症について、日本では、腎臓や心血管アウトカムの発生リスク増加の懸念から早期治療を推奨しています。一方で、米国や欧州では痛風発作がなければ治療の対象としないとするスタンスが一般的です。しかし、…
血糖値の変動が大きいと血管への負荷が大きくなり、血管合併症のリスク増加の可能性が報告されています(PMID: 30040822)。したがって、グルコーススパイクなどの血糖変動が大きくなることと、患者の予後不良が関連している可能性があります…
新規の断続的断食+早期時間制限食アプローチの効果とは?断続的断食(Intermittent fasting)は、ヒトの健康を改善するためのカロリー制限(calorie restriction, CR)に代わる同等の方法と考えられます。しかし
アミオダロンはP糖蛋白やCYP3A4阻害作用を有していることから、薬物相互作用により併用薬剤の排泄を遅延させる可能性があります。しかし、この相互作用による患者予後については充分に検討されていません。そこで今回は、アピキサバンまたはリバーロ…