慢性腎臓病(CKD)は、米国で3,700万人の成人が罹患しており、CKD患者にとって高血圧は腎不全、心血管イベント、死亡などの有害な転帰の主要な危険因子です。コンピュータ化された臨床判断支援(CDS)システムを導入することで、CKD患者の…
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心疾患リスク因子を有さない集団における血清尿酸値正常と心血管系疾患の関連性は?(中国の大規模コホート研究; J Am Heart Assoc. 2023)
尿酸値が基準値7.0mg/dLよりも高い高尿酸血症について、日本では、腎臓や心血管アウトカムの発生リスク増加の懸念から早期治療を推奨しています。一方で、米国や欧州では痛風発作がなければ治療の対象としないとするスタンスが一般的です。しかし、…
糖尿病患者におけるHbA1cの長期的変動は腎関連アウトカムの発生リスクと相関しますか?(観察研究; Am J Kidney Dis. 2023)
血糖値の変動が大きいと血管への負荷が大きくなり、血管合併症のリスク増加の可能性が報告されています(PMID: 30040822)。したがって、グルコーススパイクなどの血糖変動が大きくなることと、患者の予後不良が関連している可能性があります…
2型糖尿病リスクを有する成人における最適な食事療法はどれですか?(RCT; Nat Med. 2023)
新規の断続的断食+早期時間制限食アプローチの効果とは?断続的断食(Intermittent fasting)は、ヒトの健康を改善するためのカロリー制限(calorie restriction, CR)に代わる同等の方法と考えられます。しかし
心房細動患者における抗凝固薬とアミオダロンの併用は出血関連入院リスクと関連性がありますか?(後向きコホート研究; Ann Intern Med. 2023)
アミオダロンはP糖蛋白やCYP3A4阻害作用を有していることから、薬物相互作用により併用薬剤の排泄を遅延させる可能性があります。しかし、この相互作用による患者予後については充分に検討されていません。そこで今回は、アピキサバンまたはリバーロ…
2型糖尿病と慢性腎臓病を有する集団における腎・心血管アウトカムに対する有効性・安全性で優れる薬剤はどれか?(RCTのSR&MA; Diabetes Res Clin Pract. 2023)
2型糖尿病は慢性腎臓病など多くの合併症を引き起こし、患者予後を悪化させます。多くの糖尿病治療薬が使用されていますが、患者予後に優れる薬剤の検証については充分に行われていません。そこで今回は、ナトリウムグルコース共輸送体2阻害薬(SGLT-…
心血管疾患を有する高齢者におけるインフルエンザワクチン接種率に対する電子ナッジの効果は?(NUDGE-FLU試験の事前指定解析; Circulation. 2023)
ナッジ(nudge:そっと後押しする)とは、行動科学の知見(行動インサイト)を活用することで「人々が自分自身にとってより良い選択を自発的に取れるように手助けする政策手法」とされています(環境省の資料より)。人々が選択し、意思決定する際の環…
重症アルコール性肝炎における抗生物質の予防的投与は死亡率を低減できるのか?(DB-RCT; JAMA. 2023)
アルコール性肝炎の入院患者に対して、予防的な抗菌薬投与が行われることがあります。一方で重症アルコール性肝炎の入院患者に対する予防的抗生物質の有益性は不明です。そこで今回は、重症アルコール性肝炎で入院し、プレドニゾロンで治療を受けている患者…
2型糖尿病患者におけるスルホニル尿素とβ遮断薬の併用と重症低血糖リスクの関連性はどのくらい?(人口ベースコホート研究; Diabetes Care. 2023)
スルホニルウレア系薬剤の使用者におけるβ遮断薬の血糖降下作用は、この致命的な副作用のリスクを強く高める薬剤ですが、そのリスクについては充分に検討されていません。そこで今回は、スルホニルウレア系薬剤とβ遮断薬の併用とスルホニルウレア剤単独使…
地域在住の高齢女性の転倒予防に対する2年間の運動効果はどのくらい?(RCT; Age Ageing. 2023)
共同運動介入は、転倒や怪我の予防に役立つ可能性があります。しかし、そのような戦略の有効性を実証する実用的な臨床試験の結果は一貫しておらず、質の高い前向き研究の実施が求められます。そこで今回は、初期6ヵ月間の監督された週1回のジムと太極拳セ…
女性の尋常性ざ瘡に対するスピロノラクトンの効果はどのくらい?(DB-RCT; SAFA試験; BMJ 2023)
カリウム保持性利尿薬であるスピロノラクトンは、高血圧症などに広く使用されていますが、抗アンドロゲン作用を有していることから、長年にわたり尋常性ざ瘡に対して適応外処方されてきました。しかし、エビデンスは不充分です。
家族で食事をする時間が長い子どもは果物・野菜摂取量が多くなる?(RCT; JAMA Netw Open. 2023)
家族での食事は、子どもたちの食の選択と嗜好を形成する形成的な学習環境です。そのため、子どもの栄養状態を改善するための取り組みには理想的な環境であると考えられます。しかし、家族での食事時間と摂取する食事内容との関連性については充分に検討され…
高齢者の直接作用型経口抗凝固薬治療におけるギャップ予測因子と臨床転帰の関連性は?(後向きコホート研究; Thromb Res. 2023)
直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)は半減期が12時間程度と短いため、DOAC治療の短いギャップ期間であっても抗凝固作用が低下し、有害な臨床転帰のリスクが増加する可能性があります。しかし、このGapが臨床転帰に及ぼす影響は明らかとなっていま…
医療および地域社会におけるSARS-CoV-2感染予防のためのマスクの効果はどのくらいですか?(システマティックレビュー; Ann Intern Med. 2023)
COVID-19発症予防のためのマスク着用の効果はどのくらいなのか?COVID-19を予防するために様々な感染対策が講じられています。マスクの種類としてN95、外科用、布製が挙げられますが、最適な使用方法や予防効果の比較検討は充分に行われて
急性冠症候群における二重抗血小板療法のデエスカレーション戦略は有効ですか?(患者個人データのメタ解析; Eur Heart J. 2023)
経皮的冠動脈形成術(PCI)を受ける急性冠症候群(ACS)患者には、アスピリンと強力なP2Y12阻害剤による二重抗血小板療法(DAPT)が標準治療となっています。PCI後の虚血リスクと出血リスクのバランスをとるために、強力なP2Y12阻害…
スタチン治療を受けている患者における心血管イベントの予測因子として炎症とコレステロールどちらが良い?(大規模RCT3件の統合; Lancet. 2023)
炎症とコレステロールどちらがより適した患者予後の予測因子となりうるのか?炎症と高脂血症(脂質異常症)は共にアテローム血栓症に寄与しています。スタチンによる集中治療を受けると、将来の心血管イベントリスクに対する炎症と高脂血症の相対的な寄与が変
2022-2023年秋冬にCOVID-19と季節性インフルエンザで入院した患者の死亡リスクはどのくらい?(JAMA. 2023)
COVID-19パンデミックの最初の年、米国の2件の研究では、COVID-19で入院した人は、季節性インフルエンザで入院した人に比べて、30日死亡のリスクが約5倍になることが示唆されました(PMID: 33323357、PMID: 330…
自然環境で過ごすことと薬剤(向精神薬、降圧薬、喘息治療薬)の使用頻度に関連性はありますか?(横断研究; Occup Environ Med. 2023)
自然環境への曝露は人間の健康に有益であると考えられていますが、その証拠には一貫性がありません。そこで今回は、フィンランドでの都市環境における緑と青の空間への曝露が精神的・身体的健康と関連しているかどうかを検証した横断研究の結果をご紹介しま…
慢性腎臓病患者における脳卒中のタイプと発症リスクの程度はどのくらい?(SR&MA; Nephrol Dial Transplant. 2022)
慢性腎臓病(CKD)は、腎機能の低下のみではなく、脳卒中などの心血管イベントの発生リスク上昇と関連しています。しかし、CKD患者における虚血性脳卒中と出血性脳卒中の相対的な頻度については、明確に説明されていません。さらに、急性虚血性脳卒中…
高齢者におけるRSウイルスのプレフュージョンF蛋白ワクチンの効果はどのくらい?(AReSVi-006試験; N Engl J Med. 2023)
呼吸器合胞体ウイルス(RSV)は、新生児や高齢者における急性呼吸器感染症、下気道疾患、臨床合併症、および死亡の重要な原因です。新生児、乳児、幼児に対してはシナジス(筋肉内注射用パリビズマブ(遺伝子組換え)製剤)が重篤な下気道疾患の発症抑制…
術後患者に対する説明の情報源としてChatGPTとGoogle検索どちらが優れていますか?(定性的研究; JAMA Otolaryngol Head Neck Surg. 2023)
人工知能を搭載した言語モデルチャットボットChatGPT(generative pretrained transformer:生成的な事前訓練を行ったネットワークアーキテクチャ)は、医療を含む多くの業界にとって革新的なリソースであると言わ…
2型糖尿病患者における笑いヨガは血糖コントロールに有効ですか?(RCT; Front Endocrinol (Lausanne). 2023)
笑いには様々な健康効果があることが報告されています。しかし、介入としての "笑い" による糖尿病への長期的な影響に関するデータは限られています。そこで今回は、笑いヨガ(Laughter yoga)が2型糖尿病患者の血糖コントロールを改善で…
CKD患者の血管石灰化に対するマグネシウム補充の効果はどのくらい?(DB-RCT; MAGiCAL-CKD試験; J Am Soc Nephrol. 2023)
血清マグネシウム濃度の上昇は、CKD患者における心血管イベントのリスク低下と関連していることが報告されています。また、マグネシウムはCKDの動物モデルにおいて血管石灰化を予防することも報告されています。したがって、CKD患者における血管石…
高効率微粒子エアフィルター付き手術用ヘルメットシステムの使用はCOVID-19発症予防に応用できるのか?(小規模DB-RCT; Int Orthop. 2022)
新型コロナウイルス感染症 2019(COVID-19)の急速な広がりにより、個人防護具の使用が増加していますが、その効果については充分に検証されていません。そこで今回は、市販の無菌手術用ヘルメットシステム(SSHS)がCOVID-19に対…
2型糖尿病における心血管予防療法を最適化するためのコーディネートケアの効果は?(クラスターRCT; COORDINATE–Diabetes Site試験; JAMA. 2023)
これまでの臨床試験により、心血管疾患の発症リスクを低減させるための治療法が示されています。しかし、成人の2型糖尿病患者における動脈硬化性心疾患リスクを低減するためのエビデンスに基づく治療法は、臨床現場で充分に活用されていません。そこで今回…
無症候性高尿酸血症患者における慢性腎臓病リスクに関するベンズブロマロン vs. アロプリノール(後向きコホート研究; Eur J Intern Med. 2023)
慢性腎臓病(CKD)と高尿酸血症に対する考え方は日本と海外(欧米)とでは大きく異なっています。本邦のガイドラインではCKDを伴う高尿酸血症の治療において、血清尿酸値が8.0mg/dLを超える場合には生活指導を行った上で薬物治療を考慮するこ…
漢方薬である血必浄により敗血症患者の28日死亡率が低下する?(DB-RCT; EXIT-SEP試験; JAMA Intern Med. 2023)
これまでの研究で、漢方薬ベースの点滴製剤である血必浄注射液(Xuebijing, XBJ:紅花・赤芍・川きゅう・丹参・当帰を配合)が敗血症患者の死亡率を低下させる可能性が示唆されています。しかし、検証は充分ではないことから、より質の高い前…
潰瘍性大腸炎の導入療法および維持療法としてのエトラシモドの有効性・安全性は?(BD-RCT2件; ELEVTE試験; Lancet. 2023)
スフィンゴシン1リン酸(S1P)受容体のサブタイプ1,4,5を選択的に活性化し、S1P2,3には活性が検出されない1日1回投与の経口薬であるEtrasimod(エトラシモド)は、潰瘍性大腸炎を含む免疫媒介疾患の治療薬として開発中です。今回…
外眼部写真のディープラーニングにより全身状態がわかる?(後向き研究; Lancet Digital Health 2023)
疾患の早期発見・早期治療のために健康診断や検診時における採血などの侵襲的な方法が用いられています。しかし、このような侵襲的な方法は、経時的にデータを収集する上で患者負担を増加させることから代替案が求められています。外眼部の写真をディープラ…
公開ソーシャルメディアフォーラムに投稿された患者からの質問への対応における医師 vs. ChatGPT(横断研究; JAMA Intern Med. 2023)
バーチャルヘルスケアの急速な拡大により、医療従事者の仕事量と燃え尽き症候群の増加に伴い、患者からのメッセージが急増しています。人工知能(AI)アシスタントは、臨床医が確認できるような回答を作成することで、患者の質問に対する回答を作成するの…
機械的僧帽弁置換術後のワルファリンの用量は低用量と標準用量どちらが良い?(RCT; PROACT試験; Ann Thorac Surg. 2023)
現在のガイドラインでは、人工僧帽弁を装着した患者における国際標準化比(INR)の目標値は2.5~3.5であることが推奨されています。これは術後に弁の血栓化が生じるのを予防するための術後管理であり、INRが至適範囲を外れることで弁の血栓化が…
降圧療法のランダム化比較試験において起立性低血圧の除外は治療効果を変えるか?(SR&MA; Age Ageing. 2023)
症候性起立性低血圧の患者では、降圧療法の管理は困難であり、降圧療法に関するランダム化比較試験から除外されることが多い集団とされています。起立性低血圧は、転倒や失神などの有害事象の発生に関連することから、降圧効果を検証する臨床試験において交…
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慢性腎臓病(CKD)は、米国で3,700万人の成人が罹患しており、CKD患者にとって高血圧は腎不全、心血管イベント、死亡などの有害な転帰の主要な危険因子です。コンピュータ化された臨床判断支援(CDS)システムを導入することで、CKD患者の…
アフリベルセプト高用量製剤(8mg)の有効性・安全性はどのくらいなのか? アフリベルセプトの高用量製剤(8mg)は、標準的な比較対象であるアフリベルセプト2mgよりも注射回数が少なく、糖尿病黄斑浮腫(DMO)の治療成績を改善する可能性があり
グルタミン酸ナトリウムや塩化カリウムなどの食塩の代替は、心血管系の転帰を改善するための単純な戦略ですが、ますます有望視されています。そこで今回は、食塩代替が心血管転帰に及ぼす長期的影響を評価するために実施されたメタ解析の結果をご紹介します…
ナトリウム-グルコース共輸送体2型阻害薬(SGLT2i)は、心血管、腎臓、血清尿酸値低下作用を有する2型糖尿病(T2D)の画期的な治療薬とされています。血清尿酸の低下作用が痛風発作のリスク低減と関連しているのかについては充分に検証されてい…
呼吸器合胞体ウイルス(Respiratory syncytial virus, RSV)感染は高齢者に重篤な呼吸器疾患を引き起こす可能性があります。また、RSV疾患により心臓合併症が引き起こされる可能性がありますが、インフルエンザやSAR…
糖尿病治療に用いられるグルカゴン様ペプチド-1受容体作動薬(GLP-1 RA)であるリキシセナチドは、パーキンソン病モデルマウスにおいて神経保護作用を示しました。しかし、実臨床における検証は充分ではありません。そこで今回は、パーキンソン病…
臨床判断支援システム(Clinical decision support systems, CDSS)は、腎機能障害患者において投与量変更の必要性がある薬剤を特定するために使用されています。ChatGPTは、電子カルテ(electroni…
薬物療法において、目標とする臨床転帰を達成するためには、一定レベルの服薬アドヒアランスが必要です。Haynesの初期の経験的定義によれば、降圧薬の服薬アドヒアランスは80%以上であり、多くの研究者がこの閾値を使ってアドヒアランスのある患者…
ニルマトレルビルとリトナビルの併用は、軽度〜中等度の新型コロナウイルス感染症(Covid-19)に対する抗ウイルス治療薬です。一方で、重症Covid-19の標準的リスクを有する患者、またはワクチン接種が完了しており重症Covid-19のリ…
糖尿病の負担は世界中で増大しています。糖尿病に関連する費用は、特に低・中所得国において、患者と医療予算に大きな負担をかけています。糖尿病治療薬の価格は糖尿病治療へのアクセスを決定する重要な要因の一つですが、製造コストと現在の市場価格との関…
急性冠症候群に対するステント留置を伴う経皮的冠動脈インターベンション後、国際的な臨床ガイドラインでは、心筋梗塞やステント血栓症を予防するために、アスピリン+P2Y12受容体阻害薬による二重抗血小板療法を12ヵ月間行うことが一般的に推奨され…
急性冠症候群や心臓突然死は、脂質に富むアテローム性動脈硬化プラーク(脆弱プラークと呼ばれる)の破裂や血栓症によって引き起こされることが多く、その多くは非流動制限性(non-flow-limiting)です。脆弱プラークに対する経皮的冠動脈…
妊娠中のアセトアミノフェン(パラセタモール)使用は、小児の神経発達障害のリスクを増加させる可能性があることを示唆する研究がいくつかあります。これが事実であれば、妊娠中の疼痛や発熱の管理に大きな影響を及ぼすことになることから、更なる検証が求…
妊娠中のバルプロ酸塩の母親の使用は、小児の神経発達障害のリスク上昇と関連していることが報告されています。他の抗てんかん薬に関するほとんどの研究では、これらの障害のリスク増加は示されていないものの、母親のトピラマート使用に関連した自閉症スペ…
座っている時間(座位時間)が長いと、血行不良と代謝低下が引き起こされ、死亡率増加や循環器疾患発症と関わることが報告されています。特に座位時間が長くなりやすい高齢者において、心代謝系の健康を改善するための実践的な健康増進戦略が求められていま…
冠動脈性心疾患患者は心血管イベントの発生リスクが高いことから、手術や薬物療法が行われます。一方、酸素消費量、QOL、死亡率に対するさまざまな運動療法の効果については充分に検証されていません。そこで今回は、冠動脈性心疾患を有する成人を対象に…
心筋梗塞後のβ遮断薬治療の有用性を示した試験のほとんどは、大規模心筋梗塞患者を対象としており、現代のバイオマーカーに基づく心筋梗塞診断や経皮的冠動脈インターベンション、抗血栓薬、高強度スタチン、レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系拮…
エンパグリフロジンは心不全患者、心血管リスクの高い2型糖尿病患者、慢性腎臓病患者の心血管転帰を改善することが報告されています。しかし、急性心筋梗塞患者におけるエンパグリフロジンの安全性と有効性は不明です。そこで今回は、急性心筋梗塞で入院し…
急性心不全に対するダパグルフロジンの効果はどのくらい? 急性心不全(AHF)入院中の主な目標は、うっ血およびガイドラインに基づいた薬物療法(GDMT)の最適化です。利尿薬や他のGDMTとは異なり、ダパグリフロジンの早期投与はAHFの両目標を
症候性起立性低血圧の患者では、降圧療法の管理は困難であり、降圧療法に関するランダム化比較試験から除外されることが多い集団とされています。起立性低血圧は、転倒や失神などの有害事象の発生に関連することから、降圧効果を検証する臨床試験において交…
高血圧は、世界的に早期死亡の主要な危険因子です。高血圧患者における予後への影響は、降圧の程度に左右されることが示されています。これまで様々な薬剤クラス(薬効群)が販売されていますが、薬効群間の優劣については結論が得られていません。薬剤クラ…
妊娠はホルモンバランスの変化などにより、様々な疾患を合併することがあります。高血圧を発症する場合を妊娠高血圧症候群と呼びますが、これを放置すると母子ともに予後不良であるため、早期治療が求められます。一般的な妊娠高血圧症候群のリスク因子とし…
2型糖尿病と診断された青少年のうち、多くは若年成人期までに微小血管合併症を発症することが報告されています。そのため、早期発見・早期介入が求められますが、小児および青少年の糖尿病予備軍および2型糖尿病のスクリーニングの有益性・有害性について…
不健康行動(運動習慣なし、喫煙、飲酒、朝食抜き、肥満)が不眠症の発症リスクと関連していることは、これまでの報告から明らかです。一方、主要な心血管危険因子の有無によって層別化された個人における不健康行動の蓄積と不眠症の関連は不明です。そこで…
EAST-AFNET 4(Early Treatment of Atrial Fibrillation for Stroke Prevention Trial)のサブ解析では、心房細動で合併症負荷が高い患者において、合併症負荷が低い患者と…
酒に含まれるアルコールの代謝経路は、これまでの研究結果からほぼ明らかとなっています。アルコールは、まずアルコール脱水素酵素(ADH)によってアセトアルデヒドに分解されます。 次にアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)によって酢酸に分解され…
食欲不振は進行性悪性腫瘍患者の30~80%にみられ、化学療法により悪化することがあります。オランザピンは、非定型抗精神病薬の一つです。脳内のドパミン2(D2)受容体遮断作用により、ドーパミン神経系の機能亢進により起こる陽性症状をおさえ、さ…
2型糖尿病で微量アルブミン尿または顕性アルブミン尿を有する患者において、アルブミン尿の進行を抑制する治療戦略の確立は重要な課題です。SGLT-2阻害薬やGLP-1受容体作動薬は腎機能に対して保護的に作用することが報告されていますが、単独療…
非ビタミンK系経口抗凝固薬(NOAC)は、腎機能による用量調節が必要です。臨床で採用されている腎機能の推定値は、推定糸球体濾過量(eGFR)が最も一般的ですが、添付文書(product monographs)では、用量調節にCockcro…
メトホルミンは末梢組織における糖取り込みの促進、小腸における糖吸収の抑制等の作用を介して血糖降下作用を示すとされています。仮説として報告されている作用機序は多岐にわたることから、2型糖尿病だけでなく、がんや他の疾患への有用性が期待されてい…
血液透析を行うための穿刺時痛(穿刺時疼痛)は主な課題であり、患者の快適性のために疼痛管理技術を必要とする共通の問題です。この問題に対して、鎮痛薬や麻酔薬を含む貼付薬やスプレーが利用されています。スプレーは、麻酔薬を含む軟膏と比較して即効性…
2型糖尿病患者において、ナトリウム・グルコース共輸送体-2阻害薬(SGLT2i)の使用初期にfirst dipと呼ばれる推定糸球体濾過量(eGFR)の低下が認められます。このeGFR低下とAKIなど腎アウトカムとの関連性、また併用薬による…
医療では、高リスクの患者は治療により最も恩恵を受けるという暗黙の前提のもと、臨床医が個人を治療する 'high-risk approach'(ハイリスクアプローチ)が用いられます。一方、新しい機械学習法を用いて最も高い利益を推定した個人を…
非定型抗精神病薬であるオランザピンは、せん妄抑制に最もよく使用される薬剤の一つです。しかし、重症成人のせん妄抑制に対するオランザピンの有効性と安全性に関する系統的な評価やメタ解析は存在しません。そこで今回は、集中治療室(ICU)に入院中の…
COVID-19で入院した患者は、サイトカインストームに伴う血栓塞栓症の発生率の高さが報告されています。したがって、血栓予防・治療が行われますが、退院後の血栓予防の延長の役割は不明です。そこで今回は、COVID-19入院後の退院患者におい…
敗血症の重症例では、副腎皮質ホルモンでステロイドの一種であるコルチゾールの分泌が不良となり、これを重症関連コルチコステロイド障害(critical illness-related corticosteroid insufficiency,…
高血圧は脳卒中や心筋梗塞などの心血管イベントを引き起こすことから、血圧コントロールが求められます。特に脳卒中の二次予防においては、より集中的に血圧を下げることが、一般的に血圧を下げることよりもどの程度優れているかは明らかにされていません。…
SARS-CoV-2ウイルスに対するmRNAワクチンを接種した際に、心筋炎リスクが増加する可能性が報告されています。しかし、COVID-19に伴う心筋炎との臨床転帰の比較については充分に検証されていません。そこで今回は、mRNAワクチン接…
国際的な重症患者栄養ガイドラインでは、質の低いエビデンスに基づき、様々な量のタンパク質投与を推奨しています。しかし、重症時に高用量タンパク質を投与することの効果については充分に検討されていません。そこで今回は、重症患者に高用量のタンパク質…