青年の左手がおかしい。良く見ると左手の指先がさくらんぼうのように膨れている。奇形である。咄嗟にサリドマイド児ではないかと正夫は思った。正夫が挨拶すると向こうは頷いた。青ざめた青年の顔は痛々しい。 a id="&blogmura_banner" href="//novel.blogmura.com/novel_literary/ranking.html">
8月19日 久しぶりに病院の屋上に上って東京の空を眺めた。どんよりした天気、気が滅入る。今にも雨が降りそうな気配。 おや、向こうから青年がやってくる。それが実に奇妙な歩き方なのだ。蟹の横歩きのような奇妙な歩き方である。左手を隠すような仕草をしてやってくるのである。見ているものが不愉快を感じるような歩き方である。 a id="&blogmura_banner" href="//novel.blogmura.com/novel_literary/ranking.html…
若い彼女には屈託がない。右腕の火傷の傷跡も彼女の心に暗い影を落とさないとすれば正一郎にとっては驚きであり、救いでもあった。彼女からこの明るさを学ばなければならない。明るさは偉大なる財産であると正一郎はしみじみと思った。 a id="&blogmura_banner" href="//novel.blogmura.com/novel_literary/ranking.html">
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