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  • 加賀花尽くし

    閲してみると、最後の金沢は騒動が始まるまえなのだった。つまりはそこから青森県にぞっこん惚れ込んで通い詰めだったわけですな。無論金沢に飽きるなどあり得るはずもなく、ただただ北陸新幹線開通で東京方面および外国の観光客で雑踏するのが煩わしかった。 金沢を好きになった大きな動機である、当地出身の小説家・泉鏡花が生誕百五十年を迎える年にふたたび遊ぶことになったのも何かの縁かもしれない。一泊ながら、久闊を叙すことが出来たというか旧交を温めたというか焼けぼっくいに火が付いたというか、ともかく楽しんできました。 といっても今回は神戸は北区鈴蘭台の『ビストロ ピエール』ご一家及び店の客による「大人の遠足」のため…

  • 昼と夜との花相撲

    誕生祝いのメッセージを寄せて下さった皆様に、この場を借りて心から御礼申し上げます。 ○アンドレイ・プラトーノフ『チェヴェングール』(工藤順他訳、作品社)……小説(長篇)、今回はこいつが尤物。ロシア革命後の、にもかかわらず帝政ロシアの風格たっぷりの民衆の群像がすごい。○パブロ・トリンチャ『バッサ・モデネーゼの悪魔たち』(栗原俊秀訳、共和国)……絵に描いたような極貧・穀潰し親父の家庭に育った男の子が保護される。そしてその男の子ダリオは、親や親戚のみならず、神父や学校の教師を性的虐待・悪魔崇拝の廉で次々と告発してゆく。何十人という人間が告訴され、有罪判決を受け、無論家庭は崩壊した。だが戦慄すべき真実…

  • 松坂のダンナ~双魚書房通信(19) 菱岡憲司『大才子 小津久足』

    戯作者山東京伝が京屋傳蔵としてたばこを商い、国学者本居宣長は内科・小児科の医師を以て日常の業としたことはよく知られている。生活の資を得るためであることは言うまでもない。ただその場合、あきんど・職業人としての顔はいわば身過ぎ世過ぎの表看板であるのか、むしろその反対にがちがちの封建社会にあってしょせん舞文弄筆はかりそめのわざくれと見るべきなのか。 この問いに対し、能うかぎり具体に即き、多面的に観察して答えようとしたのが『大才子 小津久足』である。小津久足(一八〇四~一八五八)なる人物とは・・・つまりこの一冊(本文じつに四百二十頁)まるごとの内容となるのだから、ここで要約して御覧に入れるわけには参り…

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