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そよ風のなかで Part2 https://soyokaze2jp.blogspot.com/

自宅(大阪府)を中心とした身近な所で、共に暮らす多様な生物の姿を紹介しています。

そよかぜ
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富田林市
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2016/07/28

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  • ナンジャモンジャゴケ

    岡山コケの会関西支部では毎月第4火曜日に顕微鏡観察会を行っていますが、6月の観察会にと長野県のKさんからいろいろなコケを送っていただきました。 上はそのうちの1種で、ナンジャモンジャゴケです。 上は葉の横断面です。 蘚類でも苔類でも葉には背面と腹面があるのですが、本種ではその...

  • マルバコオイゴケモドキ

    上はマルバコオイゴケモドキ Diplophyllum andrewsii で、大阪市立自然史博物館に収蔵されていた標本です。 先日載せた イボヒシャクゴケ とマルバコオイゴケとを比較検討するにあたり、この標本も参考にしました。 以下はこの標本の観察結果です。 腹片は長舌形で...

  • イボヒシャクゴケ

    先日、マルバコオイゴケに似たコケを、著しいいぼ状パピラがあることなどから、イボヒシャクゴケ Scapania verrucosa ではないかと思い、 こちら に載せましたが、先日大阪市立自然史博物館に収蔵されているイボヒシャクゴケの標本を見る機会があり、比較検討の結果、両者は...

  • マルバヤバネゴケ

    岩上に厚く育ったコケ群落、一見オヤコゴケの群落に見えましたが、持ち帰って調べてみると、群落の奥に細いひも状のコケがたくさんありました(上の写真)。 この細いひも状のコケ、観察の結果はマルバヤバネゴケ Cephalozia lunulifolia のようです。 オヤコゴケもマ...

  • タカネツキヌキゴケ

    上はタカネツキヌキゴケ Calypogeia neesiana でしょう。 雨中のTG-6での撮影で、画像はくっきりしていません。 亜高山帯ではふつうに見られるコケですが( こちら や こちら )、撮ったのは京都市右京区京北上弓削町の標高500m付近です(2025.6.1.撮...

  • クロバネキノコバエ科の一種

    下は Part1の 2013.1.6.に載せていたものを加筆し、こちらに引っ越しさせた記事です。 写真は 2012.12.14.の撮影です。  ハエやカの仲間の分類には翅脈が重要になります。 上は翅脈の様子から、クロバネキノコバエ科(Sciaridae)の一種だと思います。 ...

  • コモチネジレゴケ

    生垣の下のコンクリート壁についていたコケ、雨で濡れてよく分からないので少し持ち帰り、水分を拭き取って映したのが上の写真です。 ヒナノハイゴケの群落の所々にコモチネジレゴケ(赤い円内)が育っていました。 コモチネジレゴケ Syntrichia laevipila は、これまで...

  • フソウツキヌキゴケ

      上は無性芽をつけたフソウツキヌキゴケ Calypogeia japonica です。 岩上にありました。 上の写真は上が腹面、下が背面ですが、この撮り方では違いがよく分かりませんね。 とにかく、葉を含めた茎の幅は 2.5~2㎜、葉は広舌形で円頭です。 上の2枚は腹葉で...

  • フトリュウビゴケ

    写真はフトリュウビゴケ Loeskeobryum cavifolium でしょう。 、雨で濡れています。 蒴をつけていたので、持ち帰って観察することにしました。 大形のコケで、上の写真では長さ約8cmですが、10cm以上にもなります。 枝は不規則またはまばらに出て1~2回羽...

  • イワダレゴケ

    写真はイワダレゴケ Hylocomium splendens でしょう。 新芽が伸びてきています。 濡れているのは雨後のためです。 京都市右京区京北上弓削町で2025年6月1日に撮影しました。 平凡社では、「(本種は)深山,とくに亜高山の針葉樹林の林床や岩上,腐木上にしばし...

  • コアミメヒシャクゴケ

    岩面を真っ赤に覆うコケ、調べてみるとコアミメヒシャクゴケ Scapania parvitexta でした(2025.6.1.に京都市右京区京北上弓削町の標高500m付近で撮影)。 低地から亜高山帯まで広く分布するコケで、このブログでもこれまで何度も載せていますが(いちばん下に...

  • タカネミゾゴケ

    写真はタカネミゾゴケ Marsupella emarginata ssp. tubulosa だと思います。 和名に「高嶺」とありますが、低地にも分布しています。 濡れているためでもありますが、植物体は光沢があります。 上から見た時の葉を含めた茎の幅は1~1.5㎜です。 ...

  • イヌムクムクゴケ@6月上旬

    上はヤマトフデゴケと混生しているイヌムクムクゴケ Trichocoleopsis sacculata です。 前に同じ場所で採集した4月上旬の本種を載せましたが( こちら )、その時に比べて新しい枝が伸び、存在がはっきりわかるようになっていました。 雨に濡れて細部が分からない...

  • イボヒシャクゴケ?

    上は京都市右京区の京北上弓削町で採集されたヒシャクゴケ科のコケです。 採集地付近はこのコケの群落が数多く点在しているようですが、種名は不明で、みんなで検討しようということになりました。 以下は、少し分けていただいたものを自宅で観察した記録です。 分枝の様子を観察したところ、側...

  • フジウロコゴケ

    写真はフジウロコゴケ Chiloscyphus polyanthus でしょう。 堰堤上部の水飛沫のかかる所に育っていました。 和名は富士山に由来しているようですが、低地から亜高山帯の、水際や水深の浅い水中などに分布しています。 葉は斜めについて広く開出し、全縁で、葉先は円...

  • ノミハニワゴケ

    写真はノミハニワゴケ Haplocladium angustifolium でしょう。 伐採木上にありました。 蒴は傾くか水平になっています。 乾いた状態では葉は枝に密着し、その時の葉を含めた枝の幅は 0.3~0.5㎜です。 雌苞葉は1~1.5㎜の長さがあります。 株全体...

  • マツタケジャゴケの精子の噴出

    日本産のジャゴケ属( Conocephalum )は4種からなりますが( こちら )、従来はジャゴケ1種と思われていたように互いによく似ています。 いずれも雌雄異株で、雌株は高く伸びる雌器托をつくり、雄株は小判型の雄器托をつくり、そこから精子を空中に噴出させます。 マツタケジ...

  • ミヤマハイゴケ

    写真はミヤマハイゴケ Eurohypnum leptothallum です。 岩上にありました。 乾くと上のように葉が茎に接し、その時の枝は葉を含めて幅 0.5~1㎜です。 生育している様子や乾湿による変化は こちら にありますので、今回は省きます。 上は枝葉で、長さ約1...

  • コバノヤバネゴケ

    コバノヤバネゴケ Cephaloziella microphylla が胞子体をつけていました。 既に胞子を散布し終えた蒴もありますが、多くは花被に包まれています。 花被は短腹枝に頂生しているのですが、短腹枝は既に褐色になっていて、茎との関係は上の写真からは分かりません。 ...

  • イボムクムクゴケ

    写真はイボムクムクゴケ Trichocolea japonica でしょう。 5月9日~11日に開催された「 苔類だけのコケ展 」の会場で分けていただきました。 日本に分布する Trichocolea (ムクムクゴケ属)は、平凡社では1種しか載せられていませんが、現在では5...

  • ホソベリミズゴケ

    写真はホソべリミズゴケ Sphagnum junghuhnianum subsp. pseudomolle (別名コバノホソベリミズゴケ)でしょう。 枝葉の上部はやや反曲しています。 ミズゴケ類は北方系が多いのですが、本種の分布は本州~九州で、北海道には分布しません。 懸崖...

  • オオホウキゴケ

      瑞々しい葉を広げたコケ、オオホウキゴケ Solenostoma infuscum のようです。 上は2025年4月5日に京都市右京区京北上弓削町で撮影したのですが、私はこれまで こちら に載せたような赤いオオホウキゴケしか見たことが無く、特徴的なトリゴンのある葉身細胞を見...

  • フサゴケとコフサゴケ

      フサゴケ と コフサゴケ はとてもよく似ていて、平凡社のフサゴケの解説文にも「前種(コフサゴケ)に非常に近い。」と書かれています。 下は平凡社に書かれているフサゴケとコフサゴケの茎葉と枝葉の特徴を表にしたものです。 なお、葉身細胞や翼部などについては、その違いは記載からは...

  • ミヤマホラゴケモドキ

    写真はミヤマホラゴケモドキ Calypogeia integristipula でしょう。 岸壁で育っていました。 仮根は淡いピンク、葉を含む茎の幅は 1.5~2.5㎜でした(上の写真)。 腹葉は幅が茎径の約 1.5倍、先が少し凹んでいます(上の写真)。 上は葉です。 ...

  • アカツボミゴケ

    写真はアカツボミゴケ Solenostoma rubripunctatum だろうと思います。 岩上にありました。 アカツボミゴケとしたのは、その小ささと油体が確認できなかったことからです。 本種の特徴として、和名のとおりしばしば赤色を帯びることや、茎の先端に赤い単細胞の無...

  • シマヤバネゴケ

    写真はシマヤバネゴケ Cephalozia hamatiloba だと思います。 水の滴る岩上に育っていました。 上の写真では濡れて葉の形も良く分かりませんが・・・ オタルヤバネゴケ(以下、オタル)を大形にしたようなコケで、同種とされることもあるようですが、葉の付き方はオタ...

  • ヒロハホラゴケモドキ

    写真はヒロハホラゴケモドキ Metacalypogeia cordifolia だろうと思います。 湿った岩壁から垂れ下がっていました。 上は背面から撮っています。 実際の色を写真で表すのは難しいのですが、最初の写真と上の写真とを総合し、植物体の色は透明感の無い濃緑色~緑褐...

  • マイマイツボミゴケ

    先日胞子体をつけて元気の無いマイマイツボミゴケ Solenostoma torticalyx を載せましたが( こちら )、上は胞子体をつけていない元気な状態です。 上は背面から見ています。 ソロイゴケ科としては大形です。 葉は縦に近い斜めについています。 上は横から見て...

  • マルバコオイゴケ

      写真はマルバコオイゴケ Diplophyllum obtusifolium でしょう。 岩上の斜面に育っていて、古い茎は斜面に沿い、新しい茎は立ち上がっているので、背面も腹面も写っています。 ヒシャクゴケ科は腹片が背片より大きいのが特徴です。 葉を含めた茎の幅は1~1....

  • ミドリゼニゴケの蒴

    朽木上にミドリゼニゴケ Aneura pinguis が育っていました(上の写真:2025.4.5. 京都市の京北上弓削町にて撮影)。 若い胞子体をつけていたので(上の写真の黄色の円内)、持ち帰って育てていたところ・・・ 4月26日に蒴が開裂しました。 飛散した胞子や弾糸が...

  • ヒメテングサゴケ

    上の写真、胞子体をつけているのはヒメテングサゴケ Riccardia planiflora でしょう。 水の滴る岩上でツガゴケなどと混生していました。 和名のとおり、Riccardia(スジゴケ属)のなかでは小形です。(上の写真のスケールの数字の単位は ㎜ です。) 上の...

  • ツキヌキゴケ?

    水の滴る岸壁に垂れ下がる写真のコケ、2025.4.19.に京都府右京区京北上弓削町の標高500m付近で撮影しました。 Calypogeia (ツキヌキゴケ属)にも似たものが多く、消去法でツキヌキゴケ Calypogeia angusta としたのですが、平凡社では「亜高山帯...

  • ホラゴケモドキ

    写真はホラゴケモドキ Calypogeia azurea です。 2月の岡山コケの会関西支部の観察会で、朽木上に生育していたらしいのですが、私は見逃してしまい、それを持ち帰って育てている人から少し分けていただきました。 小さいコケですのでプレパラートにしたのが上の写真ですが、...

  • ロゼットツボミゴケ

    上はロゼットツボミゴケ Solenostoma rosulans でしょう。 近畿地方以西の本州と九州の低地の、やや湿りがちの所に生育するのだと思っています。 平凡社の図鑑では、ツボミゴケ科のツボミゴケとして載せられています。 和名が変更されたのは、「ツボミゴケ」は科名にも...

  • ツムウロコゴケ

    赤くなるコケはいろいろありますが(注1)、上の写真の崖を赤く染めるコケはツムウロコゴケ Solenostoma fusiforme でした(2025.4.5.に京都府右京区京北上弓削町にて撮影)。 北海道~九州の山地帯の湿った崖や土手などに生育するコケで、児玉(1971)の『...

  • ホソエヘチマゴケ

    上は マイマイツボミゴケ の所に出した写真の再掲です。 今回は細長い葉のコケの方で、ホソエヘチマゴケ Pohlia proligera だと思います。 茎の上半部の葉腋に,多数の無性芽があふれるようについています。 少し動かすだけで無性芽がパラパラと落ちます。 上の写真の...

  • フサゴケ

    岩上に広がる写真の大形のコケ、フサゴケとコフサゴケはとてもよく似ているのですが、たぶん前者の  Rhytidiadelphus squarrosus だろうと思います。 茎は赤褐色、葉は著しく背側に反り返っています。 コフサゴケはこれほど著しく反り返ることは無いと思います。...

  • 蒴をつけたヤマトチョウチンゴケ

    ヤマトチョウチンゴケ Plagiomnium japonicum が蒴をつけていました(2025.4.5. 京都府南丹市 美山にて撮影)。 昨年同じ場所で採集した本種を こちら に載せていますので、今回は上の1枚の写真だけにしますが、直立茎の高さは4~6cmでした。

  • ヒメツボミゴケ

    たくさんの胞子体を伸ばした苔類の群落、調べてみると、2種類の苔類が混生していました。 上の写真のピントの合っているコケは マイマイツボミゴケ だと思いますが、今回はその後ろにある少し小形のヒメツボミゴケ Solenostoma emarginatum です。 同定には今回も...

  • マイマイツボミゴケ

      湿岩上でマイマイツボミゴケ Solenostoma torticalyx がたくさん胞子体をつけていました(上の写真)。 胞子体に栄養を取られたためか、時期的なものか、あまり緑色は残っていません。 なお、上の写真で混生しているのはホソエヘチマゴケだと思います。 最初の写...

  • イヌムクムクゴケ

    上はイヌムクムクゴケ Trichocoleopsis sacculata を腹面から撮っています。 いろいろな蘚苔類が混生している群落にほんの少し混じっていました。 コケ群落を持ち帰って調べている時に見つけたので、生態写真はありません。 本来はもう少し緑色をしているコケですが...

  • 「苔類だけのコケ展」のおしらせ

    私たち(生物学的意味の)消費者は食べないと生きていくことはできません。 生産者である植物が海から陸上に上がってきてくれたからこそ、人類も誕生できたと言えるでしょう。 その上陸した光合成できる植物にいちばん近いのがコケ植物だと言われています。 そこからいろいろな植物が進化し、それ...

  • よく見られるクラマゴケモドキ属の検索表

    平凡社の図鑑では日本産クラマゴケモドキ属全15種の検索表が載せられています。 腰を据えてきちんと調べるにはこの検索表を使うべきでしょうが、初心者にはなかなか使いにくいのも事実です。 例えば、この検索表ではキールの有無から始まっていますが、キールの有無は分かりにくく、確認に光学顕...

  • ホソウリゴケ

    場所からも雰囲気からもホソウリゴケ Brachymenium exile だと思った写真のコケ、これまで蒴は観察したことが無く、古い蒴がついていたので持ち帰って調べました。 育っていたのは街の道路の隅です。 上の2枚は乾いた状態で、乾くと葉は縮れず、茎に接着します。 平凡...

  • マイマイツボミゴケ

    マイマイツボミゴケ Solenostoma torticalyx だというタイ類(上の写真)をいただきました。 同定にポイントとなる花被は無く、油体も消えてしまっていて、私には同定を信じるしかありませんが・・・。 なお、上のスケールの最小目盛は 0.1㎜です。   葉は円頭...

  • ヤナギハムシ

    昨日(2025.3.24.)、コケの上を歩くヤナギハムシ Chrysomela vigintipunctata を見ました(上の写真:大阪府交野市で撮影)。 和名は「ヤナギ類の葉を食べる虫」の意味です。 ヤナギの葉も開いていない時期ですので、成虫越冬から目覚めて歩き出し、これ...

  • アツブサゴケモドキ

    写真はアツブサゴケモドキ Palamocladium leskeoides でしょう。垂直に近い岩から垂れ下がっていました。 上は乾いた状態で、下は同じ枝の湿った状態です。 湿ると枝の曲がりは伸びますが、葉の開き方はほとんど変化しません。 葉は密生していて、茎はほとんど見...

  • 顕微鏡の光源にCOBライトを使ってみました

    私の使っている顕微鏡はかなり古いもので、光源はハロゲンランプです。 ハロゲンランプは電球の一種ですから、熱は出るし寿命も短いので、LEDに変えたいと思っています。 しかし顕微鏡の光源を変換するためのLED光源は、需要が限られていることもあって、かなり高価です。 下にLEDライト...

  • マルグンバイ

    写真はマルグンバイ Acalypta sauteri です。 コケ群落を調べていてみつけました。 体長は約2㎜です。 グンバイムシ科の昆虫はふつう軍配のような形の体なのですが、マルグンバイ属はグンバイムシ科の中では珍しく、あまり軍配形ではありません。 私が昔昆虫に熱心だっ...

  • オオホウキゴケ

    写真はオオホウキゴケ Solenostoma infuscum でしょう。 本種はしばしば写真のように赤くなります。 湿った岩上にありました。 上を覆われている部分は緑色です。 葉は斜めに瓦状についています。 葉は卵状舌形で円頭です(上の写真)。 葉身細胞はトリゴンが大...

  • ノコギリコオイゴケ

    ノコギリコオイゴケ Diplophyllum serrulatum が花被をたくさんつけていました(以下の生態写真を含め、全て 2025.3.8.に滋賀県野洲市で撮影)。 花被の高さは1~1.5㎜でした。 ※ この花被の中で育った胞子体が伸びた様子は こちら に載せています...

  • 花被のあるトガリスギバゴケ

    朽木上に広がるトガリスギバゴケ Kurzia gonyotricha が、花被をつけていました。 ほんのわずかな数の褐色の花被が目立っていましたが・・・ 群落をほぐすと、多くの緑色の花被が隠れていました(上の写真の黄色の矢印)。 しかし花被の中の胞子体は確認できませんでした...

  • 『ミクロの世界のコケ図鑑』の「分類順さくいん」の変更

    昨日 は『ミクロの世界のコケ図鑑』(以下、「図鑑」)の図鑑部分に掲載している種と、 井上・山口(2024)の「日本産セン類の分類表」 (以下、「新分類」)との科名の違いについて書きました。 図鑑は生育環境別に載せているので、科の何がどう変化したのか、分かりにくい面もあったと思...

  • 『ミクロの世界のコケ図鑑』の一部掲載種の科名変更

    コケ植物の種名を覚えるにも、より深く理解するにも、その種がどの科に分類されているかが大切になります。 同じ科であれば何らかの共通点があるので、複数の種をまとめて理解することにつながりますし、逆に何らかの特徴から科が分かれば、種名はその科の中で検討できます。 このほど、「日本産...

  • 井上・山口(2024)の「日本産セン類の分類表」について

      平凡社の『日本の野生植物 コケ』(2001年発行)には、日本産のコケの(当時分かっていた)すべての種の検索表が載せられていますが、発行から四半世紀が経ち、その間、コケ植物の分類体系は分子系統学的手法を取り入れることで大きく変更されています。 コケ植物の多様性を体系的に把握す...

  • ホソハリゴケ

    写真はホソハリゴケ Claopodium gracillimum でしょう。 細かい砂質土壌の斜面で育っていました。 ところで、コケ植物の分類体系は分子系統学的手法を取り入れることで大きく変更しています。 Claopodium (ハリゴケ属)も、下に書くように葉身細胞にパ...

  • オオジャゴケ@2月

    上は2025.2.12.に兵庫県西宮市の廃線跡にあったオオジャゴケ Conocephalum orientalis です。 雌器托がタケノコのように伸びはじめていました。 雌器托は、葉状体の背面からではなく、葉状体の裂け目の奥から出ています。 また、雌器托の傘の表面にも気室...

  • ナガサキテングサゴケ

    写真はナガサキテングサゴケ Riccardia nagasakiensis でしょう。 水の滴る斜面に育っていました。 群落をほぐしてみると、上の2枚の写真のように、たくさんの胞子体が隠れていました。 葉状体の基部は褐色を帯びています。 雌枝の縁は鱗片状で、先は鋸歯状にな...

  • モリノコダマタケ

    モリノコダマタケ Bryoperdon acuminatum をいただきました。 本種は2023年に日本新産種として報告されたホコリタケ科のきのこで、蘚類に寄生します。 子実体は卵形~円錐形で、無性基部(いわゆる「柄」)を欠き、外皮には刺があります。 和名を漢字で表現す...

  • 古い蒴をつけたナガシタバヨウジョウゴケ

    樹幹についていた写真のコケは、ナガシタバヨウジョウゴケ Cololejeunea raduliloba だと思います。 下は上の赤い四角で囲った部分の拡大です。 あちこちに胞子を出し終えて白っぽくなった蒴がついています。 蒴は最初の写真には10個(以上)、上の写真には5個写...

  • ヤマトヨウジョウゴケの古い蒴?

    上は、2月12日に行われた「岡山コケの会関西支部」(通称「オカモス関西」)の観察会で撮った写真で、アカメガシワ?の樹幹に、小さなコケと、その周辺に赤い小さな粒がついています。 コケは、その大きさや育っている様子からヤマトヨウジョウゴケだろうと見当がつくものの、赤い粒については...

  • ホソバコオイゴケ

    前回に続き、いただいたコケで、ホソバコオイゴケ Diplophyllum taxifolium でしょう。 分布は、平凡社では「北海道~九州の亜高山帯以上にふつう」となっていますが、写真のコケの産地は京都府の美山町佐々里です。 腹片は鈍頭です。 背片と腹片の長さの比など葉の...

  • コナシガタソロイゴケ

    京都府の美山町佐々里で採集されたコナシガタソロイゴケ Solenostoma minutissimum をいただきました。 本種は平凡社では ナシガタソロイゴケ の変種となっていますが、片桐・古木(2018)の日本産タイ類・ツノゴケ類チェックリストでは独立した種となっています...

  • キダチヒダゴケ

    写真はキダチヒダゴケ Thamnobryum plicatulum だろうと思います。 コトラノオゴケという別名があるように、オオトラノオゴケによく似ています。 這う一次茎から二次茎が立ち上がり、二次茎は枝分かれして横に広がっています。 二次茎の下部は細長い柄のようになっ...

  • オオキヨズミシダ

    写真はオオキヨズミシダ Polystichum tsus-simense var. mayebarae だろうと思います。 上記の学名はヒメカナワラビの変種の扱いですが、ヒメカナワラビとオニイノデの雑種とする意見もあるようです。 シダはコケより種数は少ないのですが、雑種が多...

  • マルチバース

    数十年前と現在とでは、時間や空間といったものの本質に対する理解は大きく変わっています。 前に記事にした『 なぜ重力は存在するのか 』ではこれらの最新の発展については軽く触れられていただけですが、最近耳にすることも多くなったマルチバース(多元宇宙論)について、私の聞きかじりの知識...

  • 野村泰紀著『なぜ重力は存在するのか』について

    大学受験時、私は理学部の生物学科を志望しました。 私の当初受験しようとしていた大学の理学部の受験科目は、学科に関わらず物理と化学だったので、私も物理と化学を勉強して入学しました。 受験勉強では、化学は有機化合物の多さに、どこまで学習すればよいのかとまどい、物理はちょうどCGS...

  • ツルデンダ

    写真はツルデンダ Polystichum craspedosorum でしょう。 大きな石灰岩の上で育っていました。 私がこれまでに六甲山や滝畑などで本種を見た岩は石灰岩ではありませんでしたが、図鑑を見ると、石灰岩上でもよく見られるようです。 包膜は大きく、ソーラスを深く包...

  • コミミゴケ

    古い コウヤコケシノブ の葉についている白っぽい緑色のひも状のコケ、調べてみるとコミミゴケ Lejeunea compacta でした。 上は背面から撮っています。 反射光と透過光を併用して撮りましたので、気泡が小さい粒子状に写っています。 背片は重なり、強く内曲していま...

  • ヒョウタンゴケのフェノロジー

    1月、ヒョウタンゴケ Funaria hygrometrica の帽の長い角が葉の間から突き出ていました。 まるで伸び出したばかりの細い蒴のようです。 ヒョウタンゴケはよく知られているコケで、蒴はよく目立ちますが、このような姿を見た人は多くないだろうと思い、Facebookで...

  • ハマキゴケの蒴と葉

    蓋の取れた蒴をつけたハマキゴケ Hyophila propagulifera は こちら にも載せていますが、帽のある蒴をつけたハマキゴケを載せるのは初めてです。 上の写真で、ピントの合った3本の蒴のうち、右の1本は何者かに齧られていますが、左の2つの蒴には帽がついています...

  • ヤナギゴケ@1月

    湿った土上にヤナギゴケ Ambiystegium riparium がありました(上の写真)。 よく見ると、あちこちで胞子体が立ち上がり始めています。 春のかすかな気配を感じます。 茎は横に這い、不規則に分枝しています。 茎頂近くの葉はほとんど広がっていません。 葉の長...

  • 雌器托が枝分かれしたゼニゴケ

    枝分かれした雌器托をつけたゼニゴケ Marchantia polymorpha subsp. ruderalis です。 蒴柄が枝分かれしていると大変ですが、雌器托は配偶体の一部ですから( こちら )、枝分かれしていても大騒ぎすることもないでしょう。 一方、枝分かれしてい...

  • ナシガタソロイゴケ

    写真は2024年11月に京都府南丹市の美山で採集され、しばらく育てられた後に分けていただいたもので、ナシガタソロイゴケ Solenostoma pyriflorum だそうです。 この類は私には雌花序が無いとお手上げで、同定された結果を信じるしかありません。 平凡社ではブナ帯...

  • ミミケビラゴケ

    いただいたケビラゴケ属の標本の5種目はミミケビラゴケ Radula chinensis です。 2005年時点で報告されている本種の分布地は、広島県、岡山県、石川県、岐阜県、東京都(奥多摩)のおもに石灰岩地に限られていて、絶滅危惧Ⅱ類に指定されています。  植物体は黒みを帯...

  • タカサゴケビラゴケ

    いただいたケビラゴケ属の標本の4種目はタカサゴケビラゴケ Radula formosa です。 琉球列島に分布しています。 腹面から見ると、たくさんの尾状枝をつけています。 同じケビラゴケ属で チャケビラゴケ も尾状枝をつけますが、本種の腹片は茎や尾状枝の基部を覆っていませ...

  • トゲケビラゴケ

    写真はトゲケビラゴケ Radula anceps 、いただいたケビラゴケ属の標本の3種目です。 八重山列島に分布しています。 背片は広卵形で、葉先は内曲している葉が多くて少し分かりにくいのですが鋭尖で、鋸歯があります。 このようなケビラゴケは他にはありません。 上は葉身細胞...

  • マガリシタバケビラゴケ

    上はマガリシタバケビラゴケ Radula retroflexa 、分けていただいたケビラゴケ属の標本の2種目です。 分布は八重山列島と小笠原です。 本種の背片は接在しています。 分かりにくいので、上はできるだけ背片が離れている所を撮っています。 背片は円頭で全縁、キールは直線...

  • オビケビラゴケ

    ケビラゴケ属の標本を分けていただく機会があり、しばらく(今の予定では5回)その標本を観察した結果を載せる予定です。 標本ですので、生きた状態の色ではありませんし、油体は消えています。 今回はオビケビラゴケ Radula campanigera ssp. obiensis ...

  • 蒴をつけたコハネゴケ

      コハネゴケ Plagiochila sciophila が蒴をつけていました(上の写真)。 多くの花被は蒴柄に巻き付いて形が不明ですが、上の花被は形がよくわかります。 花被は扇形で、口部は広く、長い披針形の鋸歯があります。 これが苞葉ではなく花被であることを示すため、下...

  • ミヤコノツチゴケ

    上の写真は農道脇のコケ群落で、細長い若い胞子体をつけているのは ツチノウエノコゴケ 、写真右下の赤っぽい蒴が見え隠れしているのは トジクチゴケ だと思いますが、それらより小形で緑が濃いコケはミヤコノツチゴケ Archidium ohioense だと思います。 以下はこのミヤ...

  • 更新メモ

    ジャカランダ と ウマノスズクサ を更新しました。

  • ホウライサワゴケ

    写真はホウライサワゴケ Philonotis hastata でしょう。 葉腋に肉芽状の無性芽をたくさんつけていたのですが、湿らせようとスプレーで水をかけると、大部分の無性芽は吹き飛んでしまいました(-_-; 他のサワゴケの仲間同様水をよくはじき、水滴があちこちについていま...

  • マキバハナゴケ

      写真はマキバハナゴケ Cladonia polycarpoides だと思います。 鱗は表面が灰緑色、裏面が白色で、湿った状態では表面しか見えないのですが、乾くと上の写真のように巻き上がって白い裏面がとてもよく目立ちます。 和名は「巻き葉」で、この様子に由来しているのでし...

  • キシュウツボゴケ

    農道の傍らで撮った上の写真、いろいろなコケが混じっていますが、橙色の蒴が見え隠れしているのはキシュウツボゴケ Weissia kiiensis でしょう。 蒴は雌苞葉に覆われていますが、よく見ると、若い蒴には僧帽形の小さな帽がついています。 本種の種名は平凡社には載っていま...

  • ツクシホウオウゴケ

      湿った所にある転石上にツクシホウオウゴケ Fissidens bryoides var. lateralis が育っていました。 葉を含めた茎の長さは、上の写真で約5㎜、平凡社では3~12㎜となっています。 また、茎の上部の葉の長さは、上の写真で約2㎜、平凡社では 1...

  • カギヤスデゴケ

    ガードレールに張り付いたカギヤスデゴケ Frullania hamatiloba が花被をつけていました(上の写真)。 植物体に光沢はありません。 上の2枚は、1枚目が背面から、2枚目が腹面から撮った写真です。 本種の花被は3稜で、表面にいぼ状の突起があります。 上は腹面...

  • ネジレゴケモドキ

    写真はネジレゴケモドキ Tortella tortuosa でしょう。 大きな石灰岩についていました。 湿った状態では、上の写真のようにやや偏向して葉を広げていますが・・・ 葉は乾くと上のように縮みます。 葉は披針形~線状披針形で、長さ3~6㎜、湿った状態を横から見ると葉...

  • Douinia sp.

    写真は、観光用に公開されている廃坑内で、ライトに照らされて育っていたヒシャクゴケ科の苔類です(2024.11.16.撮影)。 M氏に見てもらったところ、 Douinia 属と思われるが、国内ではこれまで記録されていないコケかもしれないということでした。 ネットで外国のものも検索...

  • マツムラゴケ

    写真はマツムラゴケ Duthiella speciosissima でしょう。 湿った岩上にありました。 大形のコケで、不規則な羽状に分枝しています。 乾いても葉はほとんど変化しませんが、枝は曲がります(上の写真)。 葉はやや密にやや扁平につき、長さは3~4㎜です。 葉...

  • コメリンスゴケ

    写真はコメリンスゴケ Neckera flexiramea でしょう。 基物は確認を怠りましたが、岩またはコケ群落に隠れた木(または枯木)だったと思います。 上は湿った状態ですが・・・ 乾くと上のように枝先が上方に巻きます。 葉は横じわがあり、扁平に密に重なっています。...

  • アツブサゴケ

    写真はアツブサゴケ Homalothecium laevisetum でしょう。 若い蒴をつけ、コンクリートの擁壁上で育っていました。 基物に接して這う茎から多くの枝を出し、枝は密に枝分かれし、密に葉をつけています。 枝は長さ約2cm、幅は葉を含めて約2㎜、蒴柄の長さは7~...

  • リュウキュウシノブゴケ

      写真はリュウキュウシノブゴケ Thuidium glaucinoides だと思います。 石灰岩についていました。 トヤマシノブゴケよりやや小形で、上部の枝は鋭角に出ているように思います。 上は茎葉です。 時期的なものか、葉縁が枯れている葉が多く、上は茎の先端に近い所...

  • ジングウホウオウゴケ

    写真はジングウホウオウゴケ Fissidens obscurirete でしょう。 葉は茎の基部まで密についています。 公開されている廃坑内で、ライトに照らされて育っていました(2024.11.16.撮影)。 照度は測定していませんが、かなり暗い環境でした。 本種はうす暗い環...

  • ジャカランダ

    以下の記事で、花の写真については Part1の140701からの引っ越しです。  近頃は日本でも関東地方以南のあちこちでジャカランダ Jacaranda mimosifolia (和名キリモドキ)が植えられて、美しい花を咲かせています。 上は大阪市の長居植物園で2014.6...

  • ミヤケハタケゴケ

    写真はミヤケハタケゴケ Riccia miyakeana でしょう。 敷石の隙間で育っていました。 上の写真の葉状体の幅は1~2㎜です。 平凡社などでは4㎜に達するようですので、十分に広がることのできない生育場所の関係で、小さくなっているようです。 葉状体の基部が少し海綿...

  • ミヤコゼニゴケ

    写真はミヤコゼニゴケ Mannia fragrans で、これも今年の苔・こけ・コケ展に出されていたコケです。 和名に「ゼニゴケ」とついていますが、ゼニゴケ科ではなく、ジンガサゴケ科で、印象はジンガサゴケによく似ています。 和名の「ミヤコ」は東京都で発見されたところからで、...

  • クサビゼニゴケ

    写真はクサビゼニゴケ Marchantia emarginata subsp. cuneiloba です。 これも今年の苔・こけ・コケ展で見せていただいたコケです。 葉状体は密集します。 本種は長くトサノゼニゴケに統合されていましたが、鄭・嶋村(2022)により、トサノゼ...

  • ケハタケゴケ

    今年の苔・こけ・コケ展で見せていただいたケハタケゴケ Riccia pubescens です。 日本産のハタケゴケの中では最も小さい葉状体です。 葉状体の背面と縁に単細胞性の毛が散生することが和名と学名の由来ですが、仮根も多いので、私としては、葉状体全体に毛が多いハタケゴケと...

  • 「苔・こけ・コケ展」のおしらせ

    恒例になった「苔・こけ・コケ展」、今年も実施されます。 ◎ 開催日時:2024年11月8日(金)~10日(日) 9:00~17:00(12日は16:30で終了) ◎ 場所:京都府立植物園 メイン会場は植物園会館ですので、京都市営地下鉄「北大路」駅からが便利です。 ◎ 内容: ...

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