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佐藤です、小説書いてます。 https://ameblo.jp/kiyoharu-satou/

高校の文芸部を舞台に、夏目漱石の『三四郎』を読み解きつつ進んでいく恋愛小説、全力連載中!!

佐藤清春
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2016/05/23

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  • 見える人 『新たな誘い/左肩を見つめる女』- 4

       部屋はまだ荒れたままだった。僕には片づけをする気力も残ってなかったのだ。持ち出された物たち――炊飯器や電子レンジ、それにコーヒーメーカーもだ――を買いに…

  • 見える人 『新たな誘い/左肩を見つめる女』- 3

       ところで、僕にはもうひとつ気になることがある。それは犬についてだ。   いや、とりたててどうという話でもないのだけど、なんとなく犬に見つめられることが多…

  • 見える人 『新たな誘い/左肩を見つめる女』- 2

      「どうした?」  「ん、不思議に思えてな。ほんと、まったく不思議だ」  「なにが?」  「お前のことだよ。モテないはずないんだけどな。タッパもあるし、金だ…

  • 見える人 『新たな誘い/左肩を見つめる女』- 1

      新たな誘い/左肩を見つめる女   街灯が消えてから五日後に僕はまた合コンに誘われた。話を持ってきたのは同期の小林という、いかにも押し出しの強そうな、そして…

  • 見える人 『街灯が突然消えることについて/鷺沢萌子という名の女』- 2

      「じゃ、シャワー浴びてきちゃって。私は先に使わしてもらったから」   この台詞も毎日聴いたものだ。僕たちは初めて顔を合わせた日(合コンで知り合った)に寝て…

  • 見える人 『街灯が突然消えることについて/鷺沢萌子という名の女』- 1

      街灯が突然消えることについて/鷺沢萌子という名の女   そのときも街灯は突然消えた。 傘を傾け、僕は顔を仰向けてみた。 周囲を見渡しても 当然のことに他は…

  • 明日から掲載するもの ~『見える人』

     明日からまた小説を載せますね。 これはだいぶ前にこのブログに載せたものを書き直した、まあ、新バージョンって感じのものです。 筋自体は変えてませんが、言葉足ら…

  • 現実から目をそらすこと ~ウクライナとロシアの件②

     昨日も書いたのですが、腹立ちがおさまらないのでもう一度似たようなお話を――  真実がどこにあるのかはきっと誰にもわからないのかもしれませんが自らがしたことの…

  • 義人と晩節を汚す人 ~ウクライナとロシアの件①

     ソクラテスの死はプラトンのみならず他の弟子たちにも多くの影響をあたえたのでしょう。 たとえば、その一人であるテオドロスという人はとある王様から殺すと脅された…

  • 『失踪する猫』について

     終わりましたね。いや、長かったです。しかし、とにかく終わりました。 まあ、これについてはあまり書くべきことも浮かびません。内容はともかくとして、楽しく書けた…

  • 失踪する猫 第23章 - 3

       女性が帰るとカンナはベビーカステラを持っていった。彼は顔をしかめてる。  「ん? こりゃどうしたんだ?」  「もらったの。もっともっとあるわよ。他の屋台…

  • 失踪する猫 第23章 - 2

       なんだかんだしてると二時近くになった。カンナは消化を促そうとフェンネルたっぷりのお茶を淹れ、匂いを誤魔化すためにお香を焚いた。スピーカーからはショパンの…

  • 失踪する猫 第23章 - 1

     第23章   彼らは次の日にも店をあけた。   考えられないくらい疲れきっていたし、胃は深刻にもたれていたけど、そんなのは休む理由にならないというのが二人の…

  • 失踪する猫 第22章 - 13

       焼きそば屋の兄ちゃんはうちわ太鼓と法被を拾い上げていた。千春はカンナの肩を抱きつつ、険のある目を向けている。  え? こういうときもやっぱりそうなるの?…

  • 失踪する猫 第22章 - 12

      「ニャー!」  「フンニャー!」  「ナア! ウンニャー!」   その瞬間に猫たちは一斉に襲いかかった。オチョは正面から飛びつき、鼻を噛みまくってる。  …

  • 失踪する猫 第22章 - 11

      「ほら、言えよ。なんで殺した」  「仕方なかったんだ。母親が死んでからうるさく鳴くようになって、その度に父親は腹を立てていた。それで私にどうにかしろと言っ…

  • 失踪する猫 第22章 - 10

      「さすがはなんでもお見通しの先生ですね。あの男が自殺したこともわかってたんですか」  「もちろんさ。さっきも言ったろ? 俺はあの男のことなら本人以上にわか…

  • 失踪する猫 第22章 - 9

       祭りの音は遠く聞こえた。脇を通る者は瞼を瞬かせながら去っていく。その目はナイフを持った男より大量の猫に向けられていた。  「俺は思うんだ。柏木伊久男こそ…

  • 失踪する猫 第22章 - 8

      「ここから話は飛ぶ。北条と名前の変わったお前は冗談のようだが警官になった。それでこの辺に戻って来たわけだ。そこで柏木伊久男を見かけた。逆恨みであってもお前…

  • 失踪する猫 第22章 - 7

      「とんだ茶番ですね。この人は震えてますよ。怖くないはずがないんだ」  「それこそ違うね。お前は馬鹿だから人間理解が足りてないんだ。カンナは怖がってなんかい…

  • 失踪する猫 第22章 - 6

      「北条! てめえ、なにしてんだ!」   叫び声が響く中で彼は若造に手招きしていた。  「ちょっとこれ持っててくれ」  「は? なんでだよ」  「いいから持…

  • 失踪する猫 第22章 - 5

      「カンナ! どこだ? どこにいる? ――ああ、そこなのか。オルフェ、ありがとな。みんなもほんとありがとう」   カンナは唇を歪めた。――また猫としゃべって…

  • 失踪する猫 第22章 - 4

       ふたたび腕をつかみ、北条は音大の方へ引っ張っていった。その辺は人もまばらで、祭りの音も遠く聞こえた。  「ここでいい。さあ、どこまで知ってるか教えて下さ…

  • 失踪する猫 第22章 - 3

      「わかりません。まったくなにがなんだか。――あの、カンナちゃんがいなくなって、それで、あの人は探してくるって。そしたら、猫が大勢やって来て、」  「ふむ、…

  • 失踪する猫 第22章 - 2

       目白署から飛び出した猫の集団は千登勢橋を渡り、細い道に入りこんでいった。二人の刑事もスーツの裾を靡かせながら走ってる。  「山本さん、これはどういうこと…

  • 失踪する猫 第22章 - 1

      第22章   カンナは顔をあげている。手は自然と胸を押さえていた。  「あの、北条さん、訊きたいことっての後でもいいですか? 私、はぐれちゃったから心配か…

  • 失踪する猫 第21章 - 17

       その頃、目白署のトイレでは暗い顔つきの山本刑事が用を足していた。若造は薄くなった毛を眺めてる。――ああ、またハゲてきちゃってるんじゃないかな。昨日はワカ…

  • 失踪する猫 第21章 - 16

       同じ道を走る蓮實淳の前にはクロが飛び出してきた。尻尾は立ち、瞳孔もひらいてる。  「先生! カンナちゃんを見たぜ! あいつと一緒だった!」   惰性で進…

  • 失踪する猫 第21章 - 15

       カンナが鯛焼き屋の前を通ったのは十分ばかり前だった。その道も鬼子母神に沿っていて、逆側のゆるい坂と妙見堂の前でぶつかっている。目当ての男は人を避けつつ歩…

  • 失踪する猫 第21章 - 14

       境内から離れても人は多い。参道はぎっしり詰まっていて、しかも鬼子母神へ行くものだから逆行してるカンナは前へ進めなかった。  「あの、すみません。――あっ…

  • 失踪する猫 第21章 - 13

       刑事たちが去っても彼はぼうっと立ち尽くしていた。太鼓を持つ手は力なく垂れている。  「ね、なに言ってたの? 私のこと見ながらなんか言ってたでしょ?」  …

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