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2016/05/07

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  • 過保護の花男くん 112

    咲「のぞ、なにしてんの?」無事に再試を合格して、いつも通りに俺の部屋での勉強会。2人でいる時に、のぞが珍しくスマホをじっと見つめている。なんか調べものかと思いながらちらりと画面が見えると、誰かとLINEしているようだった。「あ、なんか分からなかった?」「いや、これ終わったから。」「オッケー。丸つけるからこっちやってて。」そう言われてプリントを手渡され、スマホは机に伏せられた。スマホを視線で追うと、机が...

  • 過保護の花男くん 111

    「てか今野ってどっちなの?」俺たちの会話を呆れたを通り越してドン引きした様子の城戸が、聞くに堪れなくなったのか咲に質問をなげる。「なにが?」「女と男どっちがすきなの?」「なんでお前に聞かれなくちゃいけない?」咲は明らかに気分が乗らない様子で、城戸を睨んでいる。女に決まってるのに、なんでそんな嫌そうな顔をするのかが分からない。「あ、でも舞ちゃんタイプだから元は女好きなのか?」「なんでお前がそれを知っ...

  • 過保護の花男くん 110

    「のぞは頭いいくせに、なんでぼんやりしてんの?」抱きしめられながら馬鹿にしたようにそう尋ねられて、ぼんやりしているつもりもなかったから返答に困る。咲といると、咲しか見ていない。咲のことしか考えてない。ひとりで居る時はいろいろなことを考えているつもりだけれど、咲といるとおんぶにだっこでなにも考える必要がない。その分、咲が俺のことを考えてくれているのを知っているから、きっと助けてもらえるだろうと安心し...

  • 過保護の花男くん 109

    望海「で、ムズムズは解消された?」いつもの空き教室でのダンス練習を終えた後、揶揄う気満々の顔の城戸に声をかけられた。「セクハラやめろ。」「解消されたんだ?よかったじゃん。その顔で性欲強いのはウケる。」「男なら大体強いだろ?」「今野も強そうだけど、それに付き合えるってことはよっぽどだろ?」「ゲイカップルがキショいって言ってた癖に、めちゃくちゃ絡んでくるのなんなの?ウザいんすけど。」出会った初日が懐か...

  • R18 過保護の花男くん 108

    咲のぞがシャワーをしながら準備している間、のぞの言葉を思い出しながらかみしめる。―――のぞのメンブレ超かわいい!!萌える!悶える!!泣きながら縋られて、危うく二日連続で学校で勃ちそうになった。のぞとのセックスが嫌なわけがない。むしろ学校で盛られてものぞが困るから、我慢しただけ。メンブレかわいかったけど、やっぱり怖い。のぞは誰とでもヤれるから、あのタイミングで俺が傍にいなかったらマジで誰かに抱かれそう...

  • 過保護の花男くん 107

    「セックスしたい。」耳元でそう囁くと、咲が驚いたように身体を離す。少し嫌そうに眉を潜めるから、余計に寂しくなる。―――俺の身体も心もこんなに咲を求めているのに、咲は俺のこと欲しくないの……?「寂しいから抱いて。」「な、なに言ってんの?」慌てた様子で俺の指まで引き剥がすと、さっと距離をとられるからまた泣きそうになった。「抱くのやだ?」「いや、ここじゃ無理じゃん。」「家帰ろ?」「え?」「俺としたくない?」...

  • 過保護の花男くん 106

    望海次の日の昼休みから、咲も同じ教室で過ごすことになった。咲がいるから女子の練習に参加するわけにもいかず、しばらくは自主練習ということに決まった。俺以外の女子はダンスに慣れていて、男子に比べると上手い人間が揃っている。その中で俺だけが足を引っ張っているのに、その俺が参加できないのであれば集まる理由もないのかもしれない。昨日の件で周りも引いていて、俺に話しかけるどころか視線すら合わせない。ダンスの練...

  • 過保護の花男くん 105

    進藤「疲れた。しんどい。腹減った。」「ジュースあるよ?」「扇風機つかう?」「お菓子たべる?」「いいの?ありがと。」受験のため貴重な放課後は使えないから、毎日行われることが決まった昼休みのダンスレッスン。胡蝶は女子の練習にも参加しているから、ほぼぶっ通しで踊っていることになる。ゆっくりメシを食う暇もないせいか、いつもよりも大きなおにぎりを齧りながら、机に長い脚を投げ出していた。制服では動きにくいから...

  • 過保護の花男くん 104

    「大丈夫だった?」「何が?」「ダンス踊るんだろ?」「初心者だけど、なんとかなるっしょ?所詮中学のお遊戯会。」本気で踊るような面子じゃなさそうだし、ガチ勢ではなかったことに安堵を覚える。どちらかといえば、女子にモテたくてそれしか考えてなさそうなチャラい連中。俺が間違えたところで怒られなさそうだし、それなりにカタチにすれば問題ない。別にテストでもないし、女子モテなんて俺になんのメリットもないのだから。...

  • 過保護の花男くん 103

    「にっしー、胡蝶くん借りていい?」舞ちゃんが男たちの輪に入ると、男の視線が舞ちゃんに注がれる。その視線に気がつくと、ふわりと花が咲いたように微笑むから、かわいい以外の言葉が見つからない。小柄で愛嬌があり、自分がかわいい生き物だということを熟知している。「ああ。女子でも決めてもらって。」にっしーがそう言うと、舞ちゃんが微笑みながら俺の腕にしがみついてくる。柔らかな胸がふにゃっと触れて、それでも構わず...

  • 過保護の花男くん 102

    望海教室に男子10名と女子が9名集められ、1年と2年で構成される体育委員にぐるりと周りを囲まれている。女子が1人足りないようだから欠員かバックレかと思い進藤に問いかけると、神妙な顔つきで俺を見つめてきた。「なに?」「いや、まじで美人になってきたなって思って。神々しい。」「1ヶ月でなんも変わらないだろ?」「毎日見てたから気がつかなかったけど、爆速で美人になってる。余裕で化粧のCM出れるわ。」「どうせ褒め...

  • 過保護の花男くん 101

    目を覚ますと、のぞがいる幸せ。のぞの顔を見つめながら、寝られる幸せ。毎日の幸せをかみしめながら、夏休みが秒で過ぎていく。始まる前は辛いと思っていた家で缶詰での勉強も、慣れてしまえば苦ではない。むしろのぞが隣にいるという最大級の安心とのぞが先生という幸福のお陰で、俺の学力は飛躍的に伸びた。夏休み最後の週に受けた模擬試験。昨日その結果が返ってきて、合格判定がずっとDだった俺が初めてCに上がった。偏差値で...

  • 過保護の花男くん 100

    女子に追いかけられてから1週間は、大人しく家に籠っていた。でも、さすがにしんどいと言い出したから、気分転換がてら田中や進藤を交えて勉強会をすることになった。日曜日のよく晴れた朝。雲一つない真っ青な空に向かって伸びをすると、手を大きく振りながら田中が現れた。「のぞみ~~~ん!ひさしぶり!すっげえ会いたかったわ!!」いつも通りのぞに向かって満面の笑みを向けるのに対し、隣の俺には挨拶はおろか視線すらない...

  • 過保護の花男くん 99

    母さんが夕飯の準備をしてくれている間に、のぞと俺の部屋に籠る。のぞが無言で俺に向かって、スマホの写真を見せてきた。「これ何?」見るとインスタの画面のようで、のぞと陽海さんがスーツ姿で並んでいる。服装からこの前の誕生日の時に撮られたものであることは分かったが、あまりにも様になっているせいか素人には絶対に見えない。2人のビジュがあまりにも強烈すぎて、背景にあるおしゃれな建物が霞んで見える。「ストリート...

  • 過保護の花男くん 98

    結局のぞは夕方までぐっすり寝て、母さんが帰宅したチャイムの音で飛び起きた。夕飯の追加の買い出しを頼まれ、のぞと一緒に散歩がてらのんびりと歩く。昼間に比べたらましになったとは言え、夕方でも湿気で空気が重く、肌に張り付くシャツをパタパタと扇ぎながら駅前のスーパーを目指す。18時を過ぎてようやく陽が傾いてきた空を見上げていると、のぞが申し訳なさそうに話し始めた。「咲、ごめんね。」「何が?」「俺だけ寝ちゃ...

  • R18 過保護の花男くん 97

    咲点数制を設けていたはずだったのに、のぞが自慰ができないというかわいすぎる件で自然消滅していた。その代わりヤる時は俺の両親がいない時間が絶対条件で、勉強に身が入らないと困るから勉強時間は基本的に離れて過ごす。机の上で俺専用のテストやプリントを作成してくれて、俺は分からないところを聞きに行くスタイル。手の届く範囲にのぞがいると、俺がすぐに手を出すから。毎日3回行われるテストは継続していて、俺の苦手な...

  • 過保護の花男くん 96

    ご馳走になったお礼に洗い物を申し出て腕まくりをしていると、咲に背中から抱きしめられる。「のぞ、家に帰っちゃう?」「うん。シャワー浴びたいし、今日の分のプリント家に置いてきた。」「シャワーはうちで浴びたら?」「は?」「俺も浴びたいし、一緒に入ろ?」「はあ?無理だろ。」「なんで?陽海さんとは入るんだろ?」「あの人は咲と違う。」「何が違う?」「全然意味が違うだろ?咲とは絶対に風呂入れない。」「洗ってあげ...

  • R18 過保護の花男くん 95

    望海ゆっくりと瞼を開けると、咲のドアップに思わず変な声が出そうになる。驚きすぎて声をあげそうになったところで、ベッドのヘッドボードに頭をぶつけて声は無事に抑えられた。じわりと滲む視界のまま咲を見つめると、珍しく熟睡しているようで身動ぎ程度では全く起きない。俺の背中は咲の腕でしっかりホールドされ、枕にしていたのは咲の腕だった。―――恥っず!!!背中の腕を離すのは惜しくて、枕にしていた腕だけ少し動かして...

  • 過保護の花男くん 94

    部屋に戻ると待ちきれなかったのか、のぞが俺のシャツにしがみついてくる。「陽兄となに話してたの?」「なんでもない。」「陽兄相手にやくのマジでやめて。」「なんで?」「キショいから。」「はあ?」「だって陽兄だよ?俺のおむつかえて、風呂入れてた親代わり。ありえないから!」「分かんないじゃん。相手のぞだし。」「いやいや、ないでしょ?ガチでやめて!」「のぞでも陽海さんキショいと思うの?なんかされた?」「陽兄が...

  • 過保護の花男くん 93

    陽海さんとのぞがキスをしてから2日後の夜、陽海さんが俺の家にやってきた。時刻は夜の10時を回っていて、着崩れたスーツ姿で現れた陽海さんは俺を見るなりクスクス笑っている。―――マジで、腹立つな……こいつ。「この前の慰謝料、全額お返しします。」そう言って封筒を手渡すと、陽海さんは虚を突かれたようで驚いた表情を浮かべた。「いらねえの?」「いりません。俺が勝手にしたことなので、陽海さんに払ってもらうのは筋が違い...

  • 過保護の花男くん 92

    咲深夜0時を回り、静まり返った住宅街に、ハザードランプが点滅する光とともに、駐車する音が聞こえた。誰だろうと思いながらカーテンを開けると、のぞの家の前にタクシーが一台止まっている。陽海さんに何度か電話をかけたが、繋がらずにメッセージだけ送っておいた。この時間に帰宅するとすれば、陽海さんくらいしか考えられない。直接お礼を言おうと窓を開けると、生ぬるい風が頬を撫でる。タクシーから降りてきたのはいつもよ...

  • 過保護の花男くん 91

    初めてのフレンチだったけれど、店員さんも気取らないタイプで、緊張しすぎることもなく楽しめた。周りは大人の恋人ばかりで、あそこにいるのが場違いなことは確かだったけれど、年齢層が落ち着いているせいか逆に微笑ましく見守られていた気がする。ふわふわとした特別な気持ちのままタクシーに揺られ、陽兄の肩に頭を預ける。「美味しかったし、楽しかった!すっげえ疲れた!秒で寝れそう。」「そう?それはよかったわ。望海がは...

  • 過保護の花男くん 90

    「あ、咲から。」陽兄がスマホを見つめて、そう呟く。でも、少しも出る気はないようで、そのままプツリと切れてしまう。「なんででないの?多分お礼の電話だと思うよ?」「デート中に急ぎの仕事と望海の電話以外、出る必要ないから。」「は?」「咲にもデートのマナー教えとかないとな。あいつは失礼過ぎる。」「いや、今は俺だから出ていいだろ?なんでデート中に俺の電話に出てんの?だからフラれるんだろ?」「だって、望海が一...

  • 過保護の花男くん 89

    身体が動かしにくくて、緊張する。初めてのお高いスーツの印象は、動きにくいだった。いつもゆるゆるの服ばかり着ていたから、身体のラインがはっきり出ているだけで恥ずかしい。スーツなんて小学校の卒業式に着て以来で、あの時は陽兄のおさがりを着ていたから不格好すぎて、皆に笑われた苦い思い出しかない。「スーツなんて緊張する。」「俺は美人の隣を歩けてすげえ幸せだわ。気分いい。」陽兄はさっきからずっと上機嫌で、俺を...

  • 過保護の花男くん 88

    「咲、舞ちゃん好きなんだって。」陽兄の顔を見るや否や、その話題を口にした。泣いている俺には触れずに優しく抱きしめてくれるから、甘えてしまう。陽兄には遠慮なく甘えられるのに、なんでも言いたいことを言えるのに、咲だとどうしてもうまくいかない。素直になれない。優しく出来ない。大好きなのに、触られたくない。「咲、家にいんの?ちょっと殺してくるわ。」そう真顔で言うと、俺を置いて出て行こうとするから腕を掴む。...

  • 過保護の花男くん 87

    望海―――やっぱり、咲もノンケだったか……。舞ちゃんの顔を思い出し、スコーンの味がしない。口の中にもさもさとした触感だけが残り、それを無理やり飲み物で押し込んでいく。小動物系の、大きな瞳が特徴的なかわいい女子。他の男子がかわいいと持て囃しているし、小顔で表情豊かで華奢な身体を持っている。柔らかそうな太腿や頬を思い出し、喉にやたらとスコーンがひっかかる。半分ほど無理やり腹に入れたところで、気持ちが悪くて...

  • 過保護の花男くん 86

    咲こういうとこ、もしかしなくても女子と来てんのかな?なんか女子好きだもんな。こういうオシャレな感じ。あー、でも陽海さんとは来そうかも……?1人でそんなことを考えていると、ハンモックではしゃいでいたのぞが心配そうに声を掛けてきた。「咲、なに食べるか決まった?スコーンとか美味そうじゃね?さっきショーケースに並んでた。飲み物だけでもいいし。」甘い物が苦手な俺に向かって、そう配慮をしてくれる。のぞに曖昧に笑...

  • 過保護の花男くん 85

    望海「あの!あれこのまま着てっていいすか?」「ぜひぜひ!新品ご用意させて頂くので、少しお待ちください。タグだけ切らせて頂きますね。」そう言いながら、丁寧な手つきでタグを切り取る。「あ、そのシャツもうちのブランドですね!メンズものなのに嬉しい!とてもお似合いです!」俺が着ているシャツに目を止めると、自然な笑みで微笑まれた。徹底された教育が行き届いていて、生意気な中坊に対してもそれは変わらない。陽兄を...

  • 過保護の花男くん 84

    夏休みが始まった最初の日。のぞの誕生日に合わせて、俺たちは初めてのデートに出掛けることになった。7割は取れても、なかなかそれ以上点数が上がらない。したいとは言ってくれるのに、点数を甘くつけることや問題の難易度を変えることはしない。合格のためといったらそれまでなんだけれど、なかなか厳しい現実に少しへこむ。「その服どうしたの?」のぞの家の前で待ち合わせしていると、ドアを開けたのぞが開口一番にそう呟く。...

  • R18 過保護の花男くん 83

    学校が休みの日曜日。部活も辞めたから、朝から俺の部屋での勉強会が行われるようになった。昼飯はのぞの家でご馳走になり、のぞが綿密に作ってくれたカリキュラムに沿って、夕方までほぼぶっ通しで行われる。好きな人と一緒にいながら、それが恋人でありながら、触ることさえ許されない地獄。夏休みが始まったら、これが朝から晩まで毎日と思うとさすがにしんどい。それはきっと俺だけではないはずで、のぞも覚えの悪すぎる生徒に...

  • 過保護の花男くん 82

    咲―――えー……進藤って、格好いいのか?まあ、女にモテるから、イケメンはイケメンなんだろうな。のぞから見てイケメンに映る進藤をじっと見ていると、確かに顔は整っている気がする。でも、こいつの性格やのぞを狙っていることを加味すれば、敵以外のなにものでもない。次第に嫉妬で目つきが尖っていくと、視線に気がついた進藤に睨まれた。「何?」「何が?」「めっちゃ睨んでるから。」「別に。」そう言いながら進藤を見上げると...

  • 過保護の花男くん 81

    「のぞ、なんか欲しいものある?」「あー、誕生日?別にいいよ。それよりも合格することが大事。」「お揃いとかやだ?」いつもの咲との勉強会。俺が丸付けをしていると、咲が唐突に話し始めた。咲のことをちらりと見つめると、真剣な表情で見つめているから笑ってしまう。今までの不愛想が嘘のように、咲の感情が透けて見えるのが嬉しい。「指輪とかはやめてね。アクセサリー苦手だから。」そう言って予防線を張ると、落胆した表情...

  • 過保護の花男くん 80

    「進路、本当にここでいいのか?」夏休み目前の放課後、にっしーとの個別での進路相談。みんなと同じように用紙は期限内に提出したのに、俺だけなぜかダメだったらしい。静かな教室で俺の机に用紙を広げながら、少し困ったような顔で見つめてくる。「なんで?」「いや、胡蝶の実力なら余裕でもっと上いけるだろ?特待生狙いだとしても、こことかどう?自由な風習で制服もないし、胡蝶に合うと思うんだけど。」そう言ってパンフレッ...

  • 過保護の花男くん 79

    咲「なーに話してんの?」そう言いながら、のぞが俺の隣に顔を出した。いやいやいやいや、のぞには絶対に聞かせたくない。のぞの耳を塞ぎながら輪の中から逃がそうとすると、俺ではなくのぞに向かって次々に質問が飛ぶ。「ケツ突っ込まれるのって、気持ちいいの?」「お尻に挿れられてイくの?超エッチじゃん!」「女の子みたいにエロい声出る感じ?」最初は大人しくしていたのに、俺が口を割らないせいか、のぞにまであからさまな...

  • 過保護の花男くん 78

    「今野、ちょっといい?」「え、これからメシ。」「ごめん。のぞ。秒で済ますから先に食べてて。」―――我慢、我慢、我慢、我慢!!!もうこれ以上、面倒くさいって思われたくない。咲の負担になって、疲れさせたくない。机に頬をくっつけながら、咲の様子をじっと見つめる。でも、いつまで経っても話は終わらないし、咲とも視線が合わない。―――やっぱり、悲しい。「のぞみん、大丈夫?」優しい声色に視線を上げると、眉尻を下げた石...

  • 過保護の花男くん 77

    咲、俺のことちゃんと好きなんだよな?セックスしたいから、付き合ってるんじゃねえよな?お手軽な俺を今は選んでるだけで、女子っぽい見た目に絆されているだけで、本当は女子がいいのかな?もっと大人になっても、俺のことだけ見ててくれる?そんな疑問がずっと解消されずに、シコリのように頭に残っている。教室での掃除時間。ホウキを持ったまま、何もせずにずっと突っ立ているポンコツな俺。他の奴らがチラチラとこちらを見な...

  • 過保護の花男くん 76

    「今野先輩、ちょっといいですか?」下級生の男に声をかけられ、咲がげんなりしながら腰をあげる。そんなに行きたくなさそうなのに、なんで行くのか意味が分からない。咲のシャツの裾を掴んで見上げると、咲が困ったように俺を見つめる。「行かないで。」「のぞ、ごめん。」「なんの呼び出し?」「大した話じゃないから、気にしないで。」そう言って言葉を濁され、俺の手を解いて行ってしまう。俺といるよりも、あのクソガキと喋っ...

  • R18 過保護の花男くん 75

    望海いつもは部屋着のような気軽さで勉強会をしていたが、今日からは違う。だって咲はもう友達じゃなくて、俺の大事な彼氏だから。そう思うと、気持ちの悪いにまにまとした笑顔が止まらない。お気に入りのシャツを鏡の前で合わせてから、悩みに悩んでズボンを選び風呂場に直行する。シャワーで汗を流し、もしかしたらの期待を込めてシャワ浣も済ませる。咲に早く会いたくて、濡れた髪のまま咲の家に直行する。「咲、おまた……え?何...

  • 過保護の花男くん 74

    咲「今野、ちょっといい?」体育を終えて教室でのぞと話していると、元A組のクラスメイトの河合に声をかけられた。前のクラスでも接点はなく、挨拶すらしたこともない。そんな河合が、わざわざ短い休み時間にD組まで俺を訪ねてくることに、疑問を感じた。のぞも俺と同じ疑問をもったようで、視線を絡ませて首を傾げる。言われるまま廊下に出ると、すぐに河合を含めた男たちに無理やり円陣を組まされた。「何?」「胡蝶ちゃんと付き...

  • 過保護の花男くん 73

    「のぞ、あんまりくっつかないで。歩けないから。」「無理!恥ずい!顔が熱い!」「ごめん。のぞがかわいすぎて、教室でヤりたくなったわ。」「怖いことばっか言うな!!」咲の背中に額を押し付けて、教室に戻る。歩けないと文句を言う咲の言葉は完全に無視して、ぴったりと張り付いていないとフラフラと眩暈が起こりそう。昨日から熱が冷めきっていないのに、再びエロいことをされて、下がるどころかずっと温泉に浸かっているよう...

  • R18 過保護の花男くん 72

    望海「マジで変な気遣いやめろ!田中に秒でバレるから。」下駄箱で上履きに履きかえるために片足になると、ペタンとその場で座り込んでしまった。それを慌てた咲が抱きしめるように支えるから、混雑する朝の下駄箱で、パンダのように目立ってしまう。じろじろと不躾な視線を全身に浴びながら、咲を睨む。それでも咲は心底嬉しそうな顔をしているから、怒りたくても怒れない。何もしなくても痛むケツが、その衝撃で涙が出そうになる...

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