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桐生
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2016/05/07

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  • 禍福は糾える縄のおかげ 3

    2人で転がるようにシングルサイズのベッドにダイブすると、ギイと悲痛な声をあげた。スポーツマンの大澤と、ここで勝負するにはあまりにもフィールドが小さすぎる。少し痛いのは我慢して床に転がると、大澤が馬乗りになった。俺の上でキスをしかける大澤のシャツの隙間から、背中に指を這わす。風呂上がりの湿った柔らかな肌が、手にフィットして心地がいい。「ずっと撫でまわしていたい」と思いながら、汗ばんだTシャツを脱がしに...

  • 禍福は糾える縄のおかげ 2

    「ど、どうすれば……。」今のところ、空は俺の味方をしてくれている。力強い大粒の雨が窓を揺らし、時折雷鳴が響いている。大澤をそのまま風呂場に直行させたはいいが、この後のことまで頭が回らなかった。部屋の中で右往左往しながら散らかった漫画や雑誌、DVDを無理やりクローゼットに押し込む。――もっと綺麗に片づけておけばよかった……。そう思いながら、流し台の上にある珈琲缶に手を伸ばす。「清水。」「え、お……。」声を掛け...

  • 禍福は糾える縄のおかげ 1

    「今日の1位はおうし座のあなた。ラッキーアイテムはミサンガ。最高の一日になるでしょう!」テレビから流れてくる星座ランキングを聞きながら、足首に視線を落とす。あの頃は虹色に輝いていたはずのミサンガも、今では大分薄汚れてしまっている。それでも、これを外せずにいるのは、大澤 崇の存在があったから。これが切れたら願いが叶う。そんなジンクスを本気で信じているわけではないけれど、外してしまうと彼への想いも断ち...

  • こんばんはー

    暑いですが、お元気ですか?唐突に、明日の10時から短編を載せる予定です。フジョッシーというサイトでコンテスト用に書いたものなので応援頂けると嬉しいです。こちらからサイトに飛べます→☆桐生...

  • ご連絡☆

    こんばんはー桐生です。コメントやメッセージなどで「好きなものを書いたらいいよー」というお優しいお言葉ばかり頂いて非常に恐縮です。また、休んでいる時にもポチや拍手ありがとうございます!仕事柄定期的に更新するというのが難しい状態なので突発的に書けたものを不定期で上げていく、というスタイルをとらせて頂きます。なので急に続編になったり、短編になったりがあるかと思いますがご了承頂ければ。ある方からの助言で、...

  • 片思いの終着地 7 END

    片岡 砂羽「頭、いてえ……。」頭を抱えるように薄目を開けると、そこは見慣れた薄茶色の天井。いつも暗い時間に目が覚めるのに、カーテンの隙間から降り注ぐ光は目に滲みるほど眩しかった。――今、何時だ?スマホを探そうと枕元で手を動かしていると、それを掴むより先にドアが開いた。「おはよう!でも、今はもうお昼だけどね。」そう言って微笑む陽菜季ちゃんに、唖然としながら身体を起こす。「なんでいるの?」そう捻りだした声...

  • 片思いの終着地 6

    6月というのが信じられない程、うだるような暑さ。真夏を彷彿とさせる、眩しすぎる太陽。ハーレーに乗っているというのに風を切る気持ちよさよりも、真上から降り注ぐ太陽が勝っている。――まさか、こんな店に二度来ることになるとは……。そう思いながらハーレーに跨ったまま中を確認すると、先ほどと同じ席に片岡の姿を発見した。――飽きもせず、よくこんな珈琲がまずい店に長居出来るもんだな……。そんなことを思っていると、ひょろ...

  • 片思いの終着地 5

    相葉 司「砂羽が、少しおかしいんだ。」シャワーを浴びてリビングに戻ると日向がぼんやりとした表情でテレビを見つめていた。見ていたというよりも、心ここにあらずといった様子で俺が出てくるのをただ待っていただけらしい。日向から片岡の名前を聞くのは久しぶりだった。俺にあいつの話をすることを、何度も躊躇していたんだろう。いつも気の抜けた顔が、やけに緊張している。話を聞いてみると……あれから授業にもろくに顔を見せ...

  • 片思いの終着地 4

    ある日の放課後。今日は部活もないし、遊ぶ予定もない。そろそろ帰ろうかと荷物をまとめていると、廊下を軽やかに走る足音。何度も聞くその軽快なリズムに、ヒナの姿が目に浮かぶ。外階段の掃除を終え、俺のために走ってきてくれてる。その音を聞きながら、ふと悪戯心が芽生えた。――寝たふりでもしてみたら、どんな反応するかな?そんな軽い気持ちで頬杖をつくと、勢いよく扉が開く。息を弾ませながら、ゆっくりと近づく足跡。声を...

  • 片思いの終着地 3

    中学生になってから、急にモテるようになった。ぐんと身長が伸びたせいか、バスケの試合で活躍していたせいか今まで見向きもされなかった練習試合でも女子の応援が増え、他校の女子から告白をされる機会も増えていた。小学校の時とは明らかに勝手が違い、どういう態度で接すればいいのか分からない。そんな時、告白された話をヒナに相談すると、途端に不機嫌になる。最初はモテ自慢だと誤解されているのかと思っていたが、その不機...

  • 片思いの終着地 2

    小学校2年生の冬、俺はこの街にやってきた。慣れ親しんだ土地を離れるというのは、俺にとって憂鬱でしかない。今まで仲良かった友達とは疎遠になるし、授業のスピードが速くてついていけない。もともと好きではなかった勉強がどんどん嫌いになり、テストはほとんど白紙で提出していた。学校に行くのが嫌で、友達と呼べる同級生もなかなか出来ない。1人放課後にバスケの練習をすることだけが、その頃の俺の生きがいだった。そんな...

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