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2016/05/07

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  • あとがき&今後の予定☆

    『片思いの曲がり角』に最後までお付き合い頂き本当にありがとうございました!!!全106話というだらだらとした長編にも関わらず……呆れることなく毎日のように遊びに来て頂いた方ポチや拍手で応援してくださった方毎日のように声をかけて下さった方本当にありがとうございましたーーーーーーー!!!拍手もまさかの10000拍手に達していて、もう驚きすぎて笑うしかないです(笑)いつもありがとうございます!そして……拍手職人のR...

  • R 片思いの曲がり角 106 END

    頭上に響く微かな物音に意識が浮上し、目を閉じたまま手を伸ばす。すると、鳴っていたのは俺のスマホではなく相葉のもので……いつもよりも長めに鳴る振動音に電話だと気がつき、目を閉じたまま相葉を揺する。「相葉?電話っぽいよ。」昨晩の酒とセックスで擦れてしまった声で呼びかけると……珍しく深く寝入っているのか、起きる様子はない。どうしようかと迷っていると、電話が切れてしまう。――あー、切れちゃった……。自分のスマホの...

  • R18 片思いの曲がり角 105

    すっかり長湯して風呂を上がると、すぐに飯の時間になった。目にも楽しい鮮やかな料理に舌鼓を打ちながら、デザートまでぺろりと食べ終えると……もう、一歩も動きたくないほど満腹で2人並んで畳に寝転びながら、しばし休憩することにした。「あー……食った!食った!すげー幸せ!!」大の字に寝そべりながら大堀はそう言うと、本当に幸せそうな表情でごろんとこちらに寝返りを打つ。食前酒が少し甘めで軽い口当たりだったせいか……大...

  • 片思いの曲がり角 104

    サボテンさんとは顔を合わせることもなく、車に荷物を詰め込んで目的地である草津温泉へと向かう。町田から高速に乗り、圏央道を経由し、渋川伊香保インターで降りる頃には大堀はすっかり熟睡モードに突入していた。時間にすると、4時間ほどの長い長いドライブ。途中渋滞に何度か足止めをくらったが、ほとんど休憩を入れずに走り続けた結果……チェックインの時間にはまだまだ余裕があった。インターを降りてすぐのコンビニで車を止...

  • 片思いの曲がり角 103

    「温泉、もうすぐだけど……どうする?」水曜日の夜にベッドに寝転びながらそう尋ねると……大堀は既に半分の目を擦りながら、俺の腕に頭を乗せてきた。「冴木さん、まだ目を覚まさないんだよね?」「病院に、顔出すか?」「そうしよっか?」「あれ、早く冴木さんに渡したいし。」2人に渡された紙袋に視線を向けると、大堀はにこっと嬉しそうに微笑む。「凄いよなぁ……。2人で1000折ったんだろ?」「らしいな。」2人の様子を思い出すと...

  • 片思いの曲がり角 102

    月曜日になっても、透からもサボテンさんからも何の連絡も来なかった。病状に変化はないということが、いいことなのか悪いことなのか……それすらもよく分からないが、やけに長く感じる時間の流れ。長かった月曜日が終わり、火曜日になっても連絡は来ない。連絡を待っているのがじれったくなり、火曜日の夜にサボテンさんに電話をいれることにした。たまたま外にいたのか、サボテンさんはすぐに電話に出る。少し枯れたサボテンさんの...

  • 片思いの曲がり角 101

    免許もないくせに、無理難題を吹っかけてくる大堀に急かされながら少し飛ばし気味にサボカフェまで車を回す。店に踏み込むと、まだまだ営業中にも関わらずがらんとしていた。日曜日は客が引けるのが早いとはいえ、流石にこの状況は素人目に見てもまずい気がする。テーブル席に男2人組がいるだけで、静かすぎる店内には洋楽がいつもよりも大きく響いていた。サボテンさんはカウンター席で暇そうに新聞を読みながら、優雅に珈琲を啜...

  • R15 片思いの曲がり角 100

    「……今日、どこ行ってたの?」親父に呼び出されてから、色々と1人で考えているうちにいつの間にか陽が暮れていた。大堀の勤務時間はとっくに過ぎていて、俺が店を覗いた時にはその姿は既になかった。早足で帰っては来たが、家に帰ると玄関でずっと待っていたらしい大堀にすぐさまそう問い詰められた。不安そうな顔で見上げる大堀の頭をくしゃりと撫でて、リビングに行くように促す。「ああ、ちょっと。」「ちょっとって?」ソファ...

  • 片思いの曲がり角 99

    日曜日。いつものように大堀のバイト先で課題をこなしているとカバンに入れっぱなしだったスマホが、ぶるぶると震える。ちょうど集中し始めたところで、放っておこうとしばらく放置していたが……いつまで経っても鳴り止むことはない。――クソ、しつこいな……。それと同時に冴木に何かあったのではと思い、イラつきながらも恐る恐るディスプレイを覗く。すると、相手が透ではないことに安堵しながらも、掛けてきた相手に眉を潜める。「...

  • 片思いの曲がり角 98

    12月の最初の土曜日に病院に顔を出すと、冴木はちょうど眠りについたところらしく透が傍で書類を読んでいた。いつものように花を活けて、飲み物を冷蔵庫に突っ込み……ペットボトルのひとつを透に渡して、その隣に腰をかける。「就職、決まったんだって?」「ああ。父さんから?」俺の質問にようやく書類から顔を上げると、顔にはくっきりと疲れの色が表れている。毎日面会時間ぎりぎりまでここに入り浸り、帰ってから仕事を片づけて...

  • 片思いの曲がり角 97

    家に着いても、繋いだ指先を離すことはない。大堀が何を考えているのかさっぱり分からないが、機嫌は先ほどよりも幾分か回復したように思う。しかし、何を話しかけてもイエスかノー以上の言葉を発することはなくソファに並びながら、無言でテレビを見続けるということをかれこれ1時間も続けている。機嫌がいい時なら、ごろんと膝に寝転んでくることもあるのに今日はそんな素振りは全くない。手を離すのが惜しくて、そのまま2人でぼ...

  • 片思いの曲がり角 96

    冴木の病状も大分落ち着いてきた11月の半ば。大堀は新宿でのバイトは辞めて、今月の初めから駅前にあるカフェでバイトを始めることになった。しかし、相変わらずバイトに忙しく、週末に一緒にスーパーに買い出しに行くくらいしか外出は出来ていない。毎週土曜日に冴木の病室に顔を出すと、決まって透が傍にいる。ほとんど腰を落ち着けることもなく、顔を出すだけは出してはいるが……以前のように会話を交わすことはない。冴木も透と...

  • 片思いの曲がり角 95

    すみません。更新遅くなりました……。日曜の朝になっても、冴木の意識がまだ戻らないという連絡を透から受けた。丸1日透が冴木の傍についているからと言われ、2人の時間を邪魔するわけにも行かず……顔を出すのは俺の時間割の関係で、水曜日に持ち越されることになった。大堀も結局代わりのバイトが見つからなかったせいで、いつもと変わらぬ日曜日を過ごす。いつものように大堀を見送り、いつものように煙草と珈琲を片手に課題を片...

  • 片思いの曲がり角 94

    夕方になって、ようやく冴木の病室の扉が開かれた。呼吸と心拍が回復したという説明を聞き、ほっと胸を撫でおろしながら透に続いて病室に恐る恐る入る。冴木は胸を大きく上下させながら、眉間に深い皺を寄せていた。ベッドサイドに設置されたモニターに脈拍、血圧、SpO2、呼吸数が表示されている。呼吸派が時折乱れるのが気にはなるが、他は綺麗な波を描いていることに一先ず安心した。いつも穏やかな冴木の初めて見る苦しそうな表...

  • 片思いの曲がり角 93

    透との電話を終えて、気持ちが少し軽くなった。なんだか、こちらが気にしていたのが馬鹿らしく思えるほど、俺のことは全く頼りにしていないようで……力が抜けたというか、気張っていたことが馬鹿らしく思った。透から見たら、俺はいくつになってもあいつの後ろをくっついていた子供と同しで……この関係性が変わることはないんだろうか。10年経っても、まだまだ追いつけそうにない。むしろ、逆に離されている気さえする。家から逃げて...

  • 片思いの曲がり角 92

    日曜日の昼前に、大堀はいつものようにバイトに出掛ける。それを不機嫌な顔で送り出してから、溜まっていた洗濯物と掃除を一気に片づけた。久しぶりにすっきりしたリビングで珈琲を飲んでいると、サボテンさんの顔が頭に浮かぶ。ずっと冴木が好きだと思っていたのに、いつの間に透へと気持ちが傾いたんだろう?祖父の頼みで透を預かっているとばかり思っていたのに……透は、サボテンさんの気持ちに気がついているのだろうか?考えて...

  • 片思いの曲がり角 91

    冴木の病院の帰りに、せっかくだからと鎌倉まで足を延ばした。七里ヶ浜まで出てみると、流石に夕方にはぐっと冷える。大堀の希望で海が見えるパンケーキが有名なカフェで腹ごしらえしてから、少し暗くなってきた砂浜を2人で歩いた。土曜日ということもあり、カップルが点々と歩いているが……暗くなってきたせいか、俺たちに視線を向ける人はいない。歩くたびに互いの手の甲がぶつかって、なんとなくその手を握ると……大堀も同じくら...

  • 片思いの曲がり角 90

    課題に追われる平日を終えて、ようやく迎えた週末。大堀は土曜日だけ休みを取り、2人揃って冴木の病院に向かうことになった。出掛けようとハーレーに跨った時、冴木がサボテンさんの珈琲がもう一度飲みたいと言っていたことを思い出した。新宿に寄り道してサボカフェに訪れると、サボテンさんはいつものようにカウンターで忙しなくオーダーをこなしている。席数はそう多くないものの、1人で切り盛りするには賑やかな店内。サボテン...

  • 片思いの曲がり角 89

    大学を終えて家に戻ると、大堀が珍しくソファに寝転んでいた。いつもならこの時間はバイトに精を出しているはずが、のんびりと部屋着で寛ぎながら……何やら熱心に雑誌を読んでいる。また鎌倉の特集記事でも載っているのかと思ったが……俺が近づくと、何やら難しい顔でそれを睨んでいることに気がついた。「何、見てんだ?」読んでいる雑誌をすっと奪うと、大堀は俺が帰ったことにも気がつかなかったのか……驚いた表情で身体を起こす。...

  • 片思いの曲がり角 88

    透に追い出されてタクシーを捕まえて家に帰ると、マンションの前に座り込んでいる人影が目に入る。まさかと思いながらも近寄ると、体育座りをしたまま顔を膝に埋めている大堀の姿を発見した。近くに寄っても動く様子はなく、まるで置物のように固まっている。「おい。」そう声をかけても、大堀はじっと動かない。こんなところで何をしているのかと聞こうと思ったが、顔をぐいっとあげると……目をしっかりと閉じて眠っていた。「……ま...

  • 片思いの曲がり角 87

    終電に飛び乗って急いで家に戻ると、リビングで寛ぐ父親と透の姿が見えた。2人はとても穏やかな雰囲気で話していて、まるで今まで透がいなかったことが嘘のように思える。透も、新宿で見かけたようなだらしない服装ではなく、きっちりとスーツを着てネクタイまで締めている。まるで、昔に戻ったかのようなその姿に、どう切り出せばいいのか分からなくなった。「司、こんな夜中にどうしたんだ?」父親は相変わらずな様子で、透と一...

  • 片思いの曲がり角 86

    女性との顔合わせを無事に済ませ、ぐったりとした気分で家に戻る。どこからどうみても育ちがよさそうな女性と当たり障りのない会話をして、始終慣れない作り笑いを浮かべていたせいか……タクシーで女性を見送る時には、既に地面に足がめりこむほどの疲労感を覚えていた。あの人と一生暮らす生活を考えただけで、気が重い。とてもきれいな女性だったとは思うが、道ですれ違ったとしてもきっと気づかない。興味が湧かなかったというか...

  • 片思いの曲がり角 85

    次の日の朝になっても、大堀が家に帰ってくることはなかった。そんなことは分かり切ったことだったが、残された大堀の荷物が目に入ると……それだけで昨日の燻っていた気持ちが再燃する。あんな追い出し方をしたことに、後悔してないわけがない。しかし、どう伝えたらいいのか分からなかった。父親からは朝メールがあり、夜9時に都内のホテルのラウンジを指定された。家からも学校からも近い場所で、アクセス的にも悪くない。それと...

  • 片思いの曲がり角 84

    そのまま帰ろうかと駐車場まで歩いていると、大堀のバイト先に見慣れた姿を見つける。いつものソファでくつろぐ姿ではなく、黒のスーツに身を包み、ネクタイまで締めていた。社会人にしては緩い服装ではあるが、いつもTシャツにハーパン姿に見慣れているせいか……どうも別人に見える。――外ではこんな顔してんのか……。いつもの姿に見慣れているせいか、どうも見慣れない。ちらちらと窓の外から仕事の様子を眺めていると……カウンター...

  • 片思いの曲がり角 83

    仕事中のせいか、何度もかけ直したが透には繋がらなかった。明日まで待ってもよかったが、大堀の帰りも遅いし……そのまま透のいる店へと向かう。***店に着くと、開店直後のはずだが既に席は粗方埋まっていた。ソファ席で客に笑いかけている透と視線が合うと、向こうは驚きながらもすぐにこちらに駆け寄ってくる。「司、どうしたの?」透が俺に話しかけただけで、周りの視線を痛い程感じた。ここで人目に晒されながら、落ち着いて話...

  • 片思いの曲がり角 82

    1週間で唯一3限までの水曜日、久しぶりに冴木の元を訪れた。既に行きつけになった花屋で花束を買い、近くのコンビニで飲み物を調達する。冴木の部屋を訪れたのは、面会時間終了まであと1時間に迫っていて……あまり長居は出来ない。それでも、次の土日まで時間を空けるのは、心がざわついて落ち着かなかった。***「ああ、君か。」先日と同じように、冴木はベッドで本を読んでいるところだった。1週間と少ししか時間は経っていないの...

  • 片思いの曲がり角 81

    *緩いR表現があるので、苦手な方はご注意ください。サボカフェを出て、大堀と家に帰ったのは……まだまだ明るい時間だった。せっかくのデートだしどこかで美味い物でも食ってこようかと思ったが、大堀も俺も人疲れしてしまっていて……結局、近くのスーパーで買い出しをした。2人並んでキッチンに立ち、会話も弾まないまま淡々と仕上げていく。それでも駅で手を繋いだり、人ごみに揉まれながらぶらぶらと歩くのに比べたら、気持ち的に...

  • 片思いの曲がり角 80

    結局、俺たちが辿り着いたのは、サボカフェだった。***車内でも嫌がる大堀を無視し、手は繋いだまま。最初は抵抗を見せていたが、俺が折れないのが分かると……大堀も徐々に大人しくなる。2人でドアの前に立ちながら無言で外の景色を眺めていると、最近では見慣れた建物が目に留まる。特に目的の駅なども決めてなかったが、新宿に到着すると……2人の間に言葉はないまま同時にホームに足裏をつけた。土曜日ということもあり、駅構内は...

  • 片思いの曲がり角 79

    これ以上デートに対して注文をつけられても対応できそうになかったから、大堀が風呂を上がるのを待たずに家を出た。待ち合わせの時間までは大分余裕があり、普段は立ち入らない小さな本屋にふらりと寄り道。すると、冴木が読んでいた短編集が目につき、手を伸ばす。普段は手に取ることもないが、特に何も考えずにそのままレジへと向かった。***駅前のカフェに入ると、ほとんどカウンター席で埋め尽くされていた。俺のようにひとり...

  • 片思いの曲がり角 78

    昨日は結局、大堀の希望に見合う宿を選ぶのに手間取ってしまい、どこにも出掛けられず仕舞いだった。夕飯の買い出しの時間もとっくに過ぎてしまっているのに、冷蔵庫は空っぽ。仕方なく深夜に2人でコンビニに出向き、簡単な夜食とデザートを買い込んだ。そんな長期に渡る作戦会議を終えたのは、午前0時を回っていた。せっかくの土曜日を1日丸ごと棒に振ってしまったわけだが……あーでもないこーでもないと計画を立てるのは、それな...

  • 片思いの曲がり角 77

    今日は大学が始まる前の最後の土曜。大堀は昼前からバイトで家を空けてしまうが、今はソファで寝転びながら熱心に雑誌を見つめている。冴木の病院には最低週に1度は顔をだし、その帰りにサボカフェで珈琲を飲みながら冴木の近況報告をするというのが、俺の主な土曜日の過ごし方となっていた。そろそろ大堀が出る時間だから、それに合わせて俺も出掛けようと準備していても、大堀は一向に動く気配はない。「今日のバイトは?」「……...

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