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  • 読むことが楽しみな面白い本が一冊あれば、けっこう幸せに暮らせる。

    いま読んでいる「暴君~新左翼・松崎明に支配されたJR秘史~」がめっちゃ面白い。 暴君~新左翼・松崎明に支配されたJR秘史~ 作者:牧久 小学館 Amazon この時代の労働闘争は、組織内の勢力争い、暗躍に権謀術策、社会に対する考え方や革命に対する路線の違いによる対立などがあって、下手なフィクションよりも読んでいてワクワクする。 暴力事件も絡んでいる実際の歴史を辿った評伝なので、「面白い」ということにためらいもあるけれどそれが正直な感想だ。 松崎明は黒田寛一の唱えた理論に心酔しつつ、それを自分が生きている国鉄(JR)の労働闘争の現場で実践的なものとして応用している。 「私の場合は、やはり労働運動…

  • 「語ることができないこと」に意味がある。「隠蔽するための物語」について。

    *「隠蔽するための物語」と思われる話についてのネタバレが含まれます。 www.saiusaruzzz.com 「一方通行の家」が自分にとって面白かった理由である「隠蔽するための物語」(造語)について話したい。 「隠蔽するための物語」とは何かは、以前↓のnoteに書いたことと重なる。 創作において「『作品が語ることができないこと』に注目する」という考え方。|うさる 「ある作品において重要なのは、それが言っていないことがらである。これはしばしば不用意にそう表示されているような『それが言うことを拒絶していることがら』とは同じものではない。(略) これよりもむしろ、作品が言うことをできなかったことがら…

  • 【漫画感想】「一方通行の家」は、「隠蔽するための物語」として抜群の出来だった。

    一方通行の家 - 屋嘉壱 少年ジャンプ+ 今朝、読んだ「一方通行の家」がめっちゃ面白かった。 *以下ネタバレ注意(未読の人は、上のリンクから先に本編を読むことをおすすめします。) 明確に「おかしい」とは言えないが、奇妙な違和感がある。 この漫画は一読すると違和感が満載だ。 「一方通行をしない人は、消えてしまう家」という表向きの怪奇、そこに特に抵抗なく住んでいる晶以外にも不可解な点がある。 自分が一番引っかかったのは、空き巣が空き巣に見えないところだ。 この物語はこういう違和感がある箇所が多い。 頭で考えれば「違和感があるけれど、決定的におかしい」とは言えない。だが直観的に「何かおかしい」「…

  • 「宗教は物語で、哲学は言語ゲーム」 竹田青嗣が語る「宗教と哲学の違い」がわかりやすくて面白かった。

    竹田教授の哲学講義21講―21世紀を読み解く 作者:竹田 青嗣 みやび出版 Amazon 個々の人物の思想の説明もわかりやすく面白かったけれど、それ以上に「哲学を読む時にどういう角度で読むべきか」「哲学とはそもそも何なのか」という話が面白かった。 その中で特に「宗教と哲学の違い」の説明が印象的だった。 ふつう哲学というと、なぜ世界は存在するのか、自分の存在の意味は何か、死んだらどうなるか、それから、なぜ人は生きて苦しむのか、というような、世界や自己の存在についての根本の問い(謎)を問うものだ、という俗説がある。 だけど、あんまり信用してはいけない。 そういう「存在の問い」は、むしろ哲学の先行者…

  • 「人間は流行り病だ。そばにいるものから毒していく」 名作と名高い「天使の詩Ⅰ・Ⅱ」をもう一度プレイしたい。

    突然、「天使の詩」のことを思い出して猛烈にプレイしたくなっている。 子供のころ、ⅠもⅡ(堕天使の選択)もプレイしたはずなんだけれど(ストーリーやムービーを見たことは覚えているし)ゲーム自体は頭から吹き飛んでいる。 Ⅰのエンディングは子供心に多大なショックを受けたので、そのせいで記憶がぶっ飛んだのかもしれない。 「天使の詩」の何がよかったか。 一番はケルト神話をモデルにした世界観だ。 ストーリーも音楽もすべてが美しかった。 余りにプレイしたい欲が高まって、他の人の感想を読み漁っている。 やはりみんな感じることは同じなのか「ゲーム自体は普通のRPGだけれど、音楽とストーリーが良かった。名作」という…

  • 「帝銀事件と松本清張 74年目の真実」の感想 「事実」は多勢の認識によって作られているものに過ぎないのかもしれない。

    年末に見逃した「帝銀事件と松本清張」が、たまたまテレビをつけたら放映していたので視聴。見たのは第二部のドキュメンタリー部分。 www.nhk.or.jp 結局「帝銀事件」の真相は未だに分かっていない。 731部隊の人間が、秘密兵器の実験を行っていた登戸研究所から青酸ニトリールを持ち出し、帝銀事件を引き起こした。 米ソの対立が激化していた当時の状況下では、GHQは731部隊の実験データが何としても欲しかった。生き残りの部隊員全ての戦争犯罪を不問に付す代わりに、データを渡すように取引を行っていた。 そのさなかに、部隊の生き残りが日本中を騒がせた凶悪事件を起こしたとなると取引が表沙汰になる可能性があ…

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