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  • 【ドラマ感想】「だが、情熱はある」 嫉妬や劣等やドス黒い感情を生む「たりてなさ」こそが自分だから、それでやっていくしかない。

    www.saiusaruzzz.com www.saiusaruzzz.com 「だが、情熱はある」が終わってしまった。 今回、若林が夜道で「自分の境遇が自分を取り巻く世界全体のせいのように思えて、何でもいいから怒りをぶつけたくて、もう少し長く目を合わせていたら、確実に殴りかかってきそうな男」と行き会うシーンがある。 男と出会った時、若林は男が発する凶悪なオーラにビビり、なるべく早くその場から離れようとする。 だがそのあと「自分はその男の気持ちが凄く分かる。君と僕は話が合うはずだ。だが、君はそう思ってくれないだろう」と述懐する。 このモノローグが心に沁みた。 若林は、その男と自分を分けているも…

  • 「暴君 新左翼・松崎明に支配されたJR秘史」 労働運動の裏面をのぞいて何とも言えない気持ちになる。

    暴君~新左翼・松崎明に支配されたJR秘史~ 作者:牧久 小学館 Amazon 「無力な労働者たちが結束して、自分たちを抑圧する権力(会社・経営者)と戦う」 内輪もめや内部分裂や裏切りや労使協調はあっても、労働運動は基本的にはこういうものだと思っていたが、見る目が変わった。 松崎明は労働組合を通して、JR東日本に強い影響力を持っていた。 なぜ、労働組合が会社に強い影響力を持つ「労使逆転現象」が起きたのか。 国鉄時代に松崎がいた「国鉄動力車労働組合(動労)」は、過激なストも辞さないために「鬼の動労」と呼ばれる組織だった。 JR東日本は国鉄時代に労働組合のストに悩まされていたので、「経営との徹底闘争…

  • 佐藤究のマッカーシーの作品の解説にいいねを百連打したい&「ブラッド・メリディアン」の感想続き。

    www.hayakawabooks.com 「それな!」という感想しかなく(失礼)いいねを百個くらい押したい。 特に文章に言及した箇所には共感しかない。 どのページを開いてもおわかりのように、コーマック・マッカーシーは会話にカギ括弧を使わず、地の文に読点をほとんど打たない。 だからといって、書き手の感情にまかせた饒舌に陥ることはなく、行為と事物が淡々と描かれる。 神なき時代の叙事詩的文体とも呼べる。 言うまでもないが、たんに文章からカギ括弧や読点を排除するだけでは、マッカーシーのような文体にはならない。 それは事実への冷徹な観察眼から生まれたもの(後略) (引用元「コーマック・マッカーシーが教…

  • コーマック・マッカーシーが亡くなったので、「ブラッド・メリディアン」をもう一回読む。やっぱすげえ。(小波感)

    www.hayakawabooks.com 朝イチでコーマック・マッカーシーの訃報を目にした。 もう89歳だったんだな。 一時期Twitterで流行っていた「名刺代わりの小説10選」を作るとしたら、必ず入るのがマッカーシーの「ブラッド・メリディアン」だ。 こんな小説を自分も書けたらなあ……なんて思っている話なのだ。(声が小さい) 凄惨な暴力だけが何の感慨もなく延々と続く無味乾燥な世界、「悪」という概念を超越した異常さと不気味さを持つ異形の判事。 歴史は、個という概念を抜き取られた人間を部品にして生成され、その建造物として世界は続いていくのだ、という冷徹な世界観。 私の記録簿に載ろうと載るまいと…

  • 【ドラマ感想】「だが、情熱はある」第九話 あの黒歴史が今の自分を支えている&このドラマが好きすぎて辛い。

    ドラマ「だが、情熱はある」オリジナル・サウンドトラック アーティスト:音楽:T字路s バップ Amazon 毎週毎週待ち遠しくて仕方がない「だが、情熱はある」の第九話を見た。 これは二人の物語。 何者かになりたくて、でも何者になればいいのかわからない。 でもここからもがき続ける。二人の本当の物語。 しかし、断っておくが友情物語ではなし、サクセスストーリーでもない。 そしてほとんどの人において、まったく参考にならない。 だが。 情熱はある。 このオープニングナレーションで、毎度毎度テンションが爆上がりする。 どう考えても、そこは泣くところじゃないだろというところで涙が止まらなくなる。 今回は、若…

  • 「ルポ 特殊詐欺」 なぜ、使い捨てられるとわかっているのに闇バイトに応募してしまうのか。

    www3.nhk.or.jp 大学に入学してわずか二か月で、闇バイトに応募して自動車事故でなくなった人の話を読んだ。 この息子さんは高校も成績優秀で、家族仲も父親と二人で外食するくらい良好、この事件を起こすまで問題行動もなかった。 闇バイトによって使い捨ての末端人員を集める犯罪の構造は、東京で起こった強盗殺人でだいぶ一般的に広まっている。 それなのに、特に金銭的に困っているわけでもない人が闇バイトに応募するのは何故なのか。 そのことに興味を持って、加害者側の実態を追った「ルポ 特殊詐欺」を読んでみた。 ルポ 特殊詐欺 (ちくま新書) 作者:田崎基 筑摩書房 Amazon 細かい事情は各々違うの…

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