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1件〜100件

  • 「労働組合運動」というと、「沈まぬ太陽」を思い出す。

    労働者版のフェミニズムみたいなのってないかな? 完全にマジカルバナナ*1だが、「労働者の組合運動」を描いた「沈まぬ太陽」一巻二巻のことを思い出したので、話したい。 読んだのが大昔なので、かなりうろ覚えな記憶の感想だ。 「沈まぬ太陽」の第一巻第二巻は、日本航……じゃなくて国民航空の労働組合運動の話だ。 主人公の恩地は、人望がある、他になり手がいないという理由で、労働組合の委員長を引き受ける。 委員長になった後、会社側の懐柔策を拒否したために、誰も行きたがらないナイロビやテヘランなどの地に赴任させられるなど直球をパワハラを受ける。 確かナイロビだったと思うが、誰も他にスタッフがいない場所で一からオ…

  • 【漫画感想】「逃げ上手の若君」既刊6巻まで。北条時行が主人公の貴種流離譚。いいなと思ったところ、気になったところ。

    鎌倉幕府最後の執権・北条高時の息子で、幕府が滅んだあと、わずか八歳で流浪の身になった北条時行の一代記。 逃げ上手の若君 1 (ジャンプコミックスDIGITAL) 作者:松井優征 集英社 Amazon 「鎌倉殿の13人」が面白いこともあり、馴染みがない人物なのでこの時代のこともわかるかなと思って読んでみた。 特徴的なデザインのキャラで構成される、世界観が魅力的。 主人公とその仲間(逃若党)以外は、ほぼおっさんしか出てこないが、すべてキャラが立っており、ひと目で覚えられる上に魅力的。 デザイン+ひと言説明で、どんなキャラかがすぐにわかる。 余りキャラの外見に興味を持たないほうだが、「逃げ上手の若君…

  • 【「進撃の巨人」キャラ語り】「自分の物語を生き続けたグリシャ」は、自分がなったかもしれない「父親像」そのものだった。

    人生で「父親」になることがないだろう自分が、もし父親になっていたらこうなっていたかもしれない、と思う「父親像」が「進撃の巨人」のグリシャだ。 自分の中で「父親」は「父でもあり息子でもある存在」だ。*1 「父親」は、突然「父親」として生まれ出るわけではない。 誰かの息子として生まれ、一人の男として生きて、父親になるはずだ。 だが大抵の場合、物語の中で「父」が出てくると前段階が抜けている。「父として」出てくるとき、「男としての部分」「息子としての部分」はかなり希薄になっている。 グリシャは「父としての自分」「男としての自分」「息子としての自分」を等価で保っている珍しいキャラだ。 (引用元:「進撃の…

  • 【書評】立花隆「中核VS革マル」上下巻  思想集団の対立は、どのようにしてエスカレーションし続けるのか。

    立花隆の「中核VS革マル」上下巻を読み終わった。 中核VS革マル(上) (講談社文庫) 作者:立花隆 講談社 Amazon 有名な連合赤軍事件を始め、学生運動の話を見ていると多数の党派と思想が飛び交う。 「ブントって何?」「革共同って何?」ということが整理されて書かれている。 現代では理解しがたい、なぜあれほど苛烈な暴力が運動に持ち込まれたのか、その思想的背景や経緯、歴史も辿れる。 先日、読んだ「文化大革命 人民の歴史 1926‐1976」の中で、残酷なリンチ描写が出てきた。「恐ろしい時代だ」と思ったが、本書に出てくる殺し合い(としか言いようがない)の描写もすさまじい。 特に下巻は凄惨な暴力の…

  • 【映画感想】「ちょっと思い出しただけ」 そもそも別れた人の誕生日って、覚えているものなのか?

    池松壮亮と伊藤沙莉が演じる元恋人同士の二人が、付き合っていた頃の六年間を思い出すラブストーリー。 監督脚本が「君が君で君だ」の松居大悟だったので、期待値高めで見始めた。 *ネタバレ注意。 ちょっと思い出しただけ 池松壮亮 Amazon 驚くくらい何も共感出来なかった。(と言うと、「つまらない」の意訳にとらえられるけど、文字以上の意味はない) 創作で恋愛を描く場合は、ある程度多くの人に共感してもらえるよう「恋愛描写のテンプレート」を用いる。 テンプレートがある程度確立しているから、「タイタニック」のように多くの人が経験したことがない状況の恋愛でも、共感や萌えを生み出せるのだ。 この映画は、恋愛描…

  • 「『自分を受け入れ愛してくれるが、他人に対しては受け入れがたい振る舞いをする相手』をどう考えるか。という恋愛モノの鬼門のテーマばかりを描いていた作家が確かいたような」→あの作家でした。

    www.saiusaruzzz.com 「私だけに優しい、私だけを愛してくれる人」という、恋愛モノの相手役の究極の形である「自分を受け入れ愛してくれるが、他人に対しては受け入れがたい振る舞いをする相手」をどう考えるか。 恋愛モノにおいて、これは鬼門のテーマだ。 有名なところでは「花より男子」がこの点でつまづいており、批判をよく見かける。 「大蛇に嫁いだ娘」の感想記事で、「『自分を受け入れ愛してくれるが、他人に対しては受け入れがたい振る舞いをする相手』をどう考えるか」は、恋愛モノで鬼門のテーマだと書いた。 「探せば、納得のいく結論を出しているパターンもあると思う」と書いた直後、すぐに思いついた。…

  • 【漫画感想】フシアシクモ「大蛇に嫁いだ娘」2巻まで 畏怖と恋愛のバランスがとてもいい。「恋愛漫画の鬼門と言えるテーマ」への答えも期待してしまう。

    フシアシクモ「大蛇に嫁いだ娘」を既刊二巻まで読んだ。(*ネタバレ注意) 大蛇に嫁いだ娘 (1) (ビームコミックス) 作者:フシアシクモ KADOKAWA Amazon 読む前は、「大蛇である必然性がなく、普通の人間の男で代替しても不自然でなくなるのだろうな」という斜めな目で見ていた。 大変申し訳なかったです。 自分がこの話で一番良いと思ったのは、主人公ミヨから大蛇に対する「畏怖と嫌悪」が常に描かれているところだ。 「大蛇さまは不遇な主人公を愛してくれているのに、理解されないのは可哀想」とか「愛し合う二人と周囲の無理解の二項対立」という描かれ方ではない。 大蛇は主人公ミヨに優しい。深く愛してく…

  • 父の話。

    ここ一年、ずっと体調が悪かった父親が今日、緩和ケア病棟に入ることが決まり、手続きをしてきた。 昨日、父と話して感じたことを、急に書きたくなった。 いま「彼は早稲田で死んだ 大学構内リンチ殺人事件の永遠」という本を読んでいる。 1972年に革マル派が支配していた早稲田大学の中で起きたリンチ殺人と、その事件をきっかけに立ち上がった学生たちの戦いの記録だ。 これまでこの時代の学生運動は、ごく一部が過激化して一般学生の生活とは離れた場所で内ゲバを繰り返していた、と思っていた。 まさか大学自体が過激派と癒着していてその支配を認めており、大学内で真昼間から重傷者が出る暴力沙汰やリンチが横行していたとは思い…

  • 【アニメ感想】「整形水」 韓国発のサイコスリラー。「何だ、このテンプレ話は」と思っていたらオチで仰天した。

    韓国のアニメ映画「整形水」をアマプラで視聴した感想。 整形水(字幕版) Moon Nam-sook Amazon 不美人な容貌のせいで周りから蔑まれる不遇な立場にある、メイク係のイェジの下に、塗るだけで姿形を変えられる「整形水」の紹介メールが届く。 長い間、容貌のせいで虐げられてきたと感じていたイェジは、半信半疑ながら「整形水」を試してみる。 昔のポリゴンのような不自然な動きなので、古いアニメなのかなと思ったら2020年の作品で驚いた。 アニメーションの動きが直線的すぎる。髪の毛に一本一本の動きがなく、ムースで固まったような動きしかしない。 ただそれが低い評価につながるか、というとそんなことも…

  • 日経ビジネスの「ウクライナ危機に関するエマニュエル・トッドのインタビュー」が一読では理解しづらかったので、詳しく考えてみた。

    business.nikkei.com business.nikkei.com 日経ビジネスに掲載されたエマニュエル・トッドの、ウクライナ危機に関するインタビュー記事前後編を読んだ。 ザっと読んだだけだと言いたいことがわかりづらかったので、前後編を通してもう一度詳しく読んでみた。 結果、賛成はしないけれど、筋はそれなりに通っているし興味深く感じた部分もあった。 トッドは個人の状況や情緒と、それを外した物の見方をはっきりと分けて語る。 「新しい世界 世界の賢人16人が語る未来」でも自分も七十を過ぎた年配者にも関わらず(と自分で言いつつ) それに今回のウイルスで被害が大きかった国々は、長期的に見れ…

  • 【エルデンリングキャラ語り】「狂い火の病の起原」で「歴史上、最も憎悪された男」シャブリリのことがとっても気になる。

    相変わらず「エルデンリング」をプレイしているが、「狂い火」と「狂い火の起原」と言われるシャブリリのことが気になって仕方がない。 シャブリリ関連のフレーバーテキストは、「シャブリリのブドウ」「シャブリリの禍」「シャブリリの叫び」くらいだ。 攻略wikiで検索しても、これしか出てこない。 三つのテキストをつなげて考えると、シャブリリがどういうキャラかが見えてくる。 「シャブリリという名のその男は、讒言の罰として、人々に瞳をつぶされ、やがてそこに狂い火を宿したという」(シャブリリの禍) 「シャブリリは狂い火の病の起原とされ、歴史上、最も憎悪された男である」(シャブリリの叫び) 「黄色く爛れきった、病…

  • 「ドストエフスキーって難しいの?」→「難しいけれど、難しさに着目しなくてOK」

    ブログ記事をいくつも書いているも通り、ドストエフスキーが好きだ。 他の古典小説は(探せばあるのだろうけれど)余り感想を見かけないのに対して、ドストエフスキーは特に探さなくても言及している人をちらほら見かけるので人気があるのだろうなと思う。 自分がドストエフスキーが好きな理由は単純で、とにかく面白いからだ。 読むたびに発見があって面白い。だから何度も読む。 その他の作家は、例えばドストエフスキーが傾倒しているゴーゴリは「鼻」と「外套」を読んだけれど忘れているし、トルストイやツルゲーネフも内容を忘れている部分が多い。チェーホフやショーロホフなど、有名でも読んだことがない作家が多々いる。 ネットでは…

  • 【小説感想】「騎士団長殺し」 どうした? 村上春樹。

    *ネタバレがあります。未読の人はご注意下さい。 「騎士団長殺し」(上)(下)を読み終わった。 騎士団長殺し(第1部~第2部)合本版(新潮文庫) 作者:村上春樹 新潮社 Amazon 下巻の途中から「えっ?」と声が出っぱなしだった。 元々「騎士団長殺し」は、村上春樹の小説にしては説明的すぎると思い、首を捻るような気持ちで読んでいた。 村上春樹の小説の特徴は、暗喩や比喩を駆使して読み手個人のイメージに接続して物語を立ち上げる。 だからそのイメージに接続する要素が内部にない人(描かれた物事をそのまま受け取る人)には、非現実的で意味がわからないことが多い。 「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド…

  • 【ドストエフスキー「悪霊」人物語り】自分が自由であることを証明するために死んだ男・キリーロフが好きだった。

    ドストエフスキーの「悪霊」の中で、自分が自由であることを証明するために拳銃自殺をする男がいたと記憶しているんだけど (引用元:「騎士団長殺し」村上春樹 新潮社 P249) したな、自分の前でキリーロフの話を! と鼻息荒くキリーロフのことを思い出した。 昔からキリーロフが好きだった。 死ぬ寸前にペトルーシャ相手にまくしたてる超理論も大好きだし、それをさっぱり理解せず(理解する気もなく)内心で突っ込みをいれまくるペトルーシャとのズレた会話も好きだった。 自分から見るとドストエフスキーの長編のほとんどは、キリーロフが話したことについて延々と書かれている。 「神は必要だから、存在するはずだ。(略)とこ…

  • 村上春樹「騎士団長殺し」の雨宮継彦のエピソードを読んで、アニメ「平家物語」の平維盛がなぜ死を選んだかがようやくわかった。

    www.saiusaruzzz.com 「アニメ平家物語」の時に書いたが、「向いていない、出来ないとわかっていることを人が無理やりやらされる描写」がかなり苦手だ。 その「やらされる人」が、その場にどうあっても適合できない、しかし文句も言えないような人柄の場合、見たり読んだりするのがキツい。 「騎士団長殺し」下巻の雨宮継彦の戦時中のエピソードがそうだ。 うちの父親が話してくれたところでは、そこには継彦叔父が捕虜の首を切らされた話が記されていた。とても生々しく克明に。(略) もちろん(略)これまで日本刀なんて手にしたこともない。なにしろピアニストだからね。複雑な楽譜は読めても、人斬り包丁の使い方な…

  • 【漫画感想】「これは恋のはなし」。恋愛モノの出来レースとユートピア構造は、相性が悪い。

    *タイトル通り、否定的な感想です。 *ネタバレ注意。 これは恋のはなし(1) (ARIAコミックス) 作者:チカ 講談社 Amazon 「これは恋のはなし」全11巻を読み終わった。 この話は、同じ孤独を抱える31歳の作家と10歳の少女の十年にわたる交流の話だ。少女は出会った瞬間から作家のことが好きである。(※という筋で駄目だと思った人は読まないほうが無難) 年の差恋愛には興味がないが、この設定は良かった。 31歳の作家と10歳の少女。ありえない、気持ち悪い、ということは(真一本人も含め)作内でさんざん指摘される。 社会的に見ればありえない、あってはならないことにも関わらず、この二人の一対一の関…

  • 「アフリカの白い呪術師」 自分が生きている現代社会とはまったく違う認識・思考パターンがあることを教えてくれる。

    読んでいる間は凄く面白い、というわけでもないのに、時間があるとふと読んでしまう。そんな本のひとつだ。 通して読むのは四回めくらい。読めば読むほど面白い。 アフリカの白い呪術師 (河出文庫) 作者:ライアル ワトソン 河出書房新社 Amazon てんかんという持病があるために、現代社会の生活になじめないエイドリアン・ボーシャがアフリカに渡って文化や社会に溶け込み、フィールドワークをこなすという話。 てんかんは現代の社会では「病気」だが、アフリカの地では「神に選ばれた素質」である。 フーコーが「狂気の歴史」の中で語っているように、現代社会において病理とされている精神疾患や脳神経疾患は別の文明におい…

  • 【NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第17回「助命と宿命」感想】 義高を死に追いやったものの恐ろしさ。 

    www.saiusaruzzz.com 「神回」という言葉は余り好きではないけれど、そうとしか言いようがない時もある。ただ第12回「亀の前事件」も凄くよかったので、この後「ずっと神回」状態になってしまい、「神回=いつも通り面白い」になりそうな予感がする。 と書いたそばから「神回を超える神回」が出てくるのだから、凄すぎる。 まだ序盤で、主人公・義時が歴史上の表舞台に立つのはこれからのはずなのにこの面白さ。 どうなっているんだ、ほんと。 第17回は義高が死ぬからまあ悲劇的で暗い回になるだろう、とは思っていたが、予想とまったく違う暗さだった。 第17回の話の中で、頼朝以外に義高に強い殺意を持っている…

  • 【ゴールデンカムイキャラ語り】狂気の父性愛・鶴見篤四郎の悪役としての魅力について。

    *ネタバレ注意。 www.saiusaruzzz.com 上記の記事に書いた通り、自分は「ゴールデンカムイ」の世界は鶴見が体現している「狂った父性愛」によって駆動している世界だと思っている。 ①「人が人を殺す」(争う)のは、恐怖や憎悪ではない。政治思想でもない。「殺人」というハードルを飛び越えうる唯一の動機は「愛」。 ②①に加え「『攻撃性が強く忠実で後悔や自責を感じねで人が殺せる』生まれながらにして兵士の者」=「犬」は「殺人への抵抗をより飛び越えやすい。 ③「犬」の条件とは何か。→父性愛の欠落ないし喪失。 ④だから鶴見は、「犬」たちに父性愛を与えることで支配する。 鶴見は「どうしたら兵士が殺人…

  • 【漫画感想】野田サトル「ゴールデンカムイ」を最終話までいっき読みした。愛情という神を求めて狂う男たちの物語。

    完結したら単行本を買って読もうと思っていた「ゴールデンカムイ」だが、バズっていた金カム増田を読んだことをきっかけに、いっき読みした。 いやあ面白かった。 単行本で大幅に加筆するらしいのでそれを読んだらまた何か書くかもしれないが、とりあえず本誌掲載された分を読んだ感想を書きたい。 *ネタバレ注意。 ゴールデンカムイ 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL) 作者:野田サトル 集英社 Amazon 「ゴールデンカムイ」は愛を求めて狂う男たちの物語。 「ゴールデンカムイ」は色々な要素が詰まった物語だが、自分が一番面白いと感じたのは、「愛情脳」なキャラが多いところだ。 「どれだけ愛に飢えているん…

  • 「ハイコンテクストだからこそ意味を考えたくなるコンテンツ」について。

    「ハイコンテクストすぎて意味がわからん」と途中で投げ出すものもあれば、「ハイコンテクストだからこそ意味を考えたくなる」ので、何度も通読して寝食も忘れて文章ひとつ、語ひとつの意味まで考えたくなる作品もある。 今回は後者の「ハイコンテクストだからこそ意味を考えたくなるコンテンツ」の話をしたい。 自分の中では、ジャンルを問わずにこういうコンテンツはある。 アニメだと「少女革命ウテナ」。通しで三回観た。 最終的には「ある登場人物の心象や主観的な認識を、他の人間が認識(観測)すると(作内の)現実で事象として具現化するルールが存在する」と考えた。 【最終的な考察】もう一度「少女革命ウテナ」を全力で謎解きす…

  • 木村汎「プーチンとロシア人」を読んでわかったことは、「自分がいかに日本人か」ということだった。

    *二章までの感想。 www.saiusaruzzz.com 木村汎の「プーチンとロシア人」を読み終えた。 「国民性」という曖昧なものについて述べるに際して、著者は「おわりに」でこのような注意書きを寄せている。 また「国民的性格」という概念はきわめてとらえどころない、あいまい模糊とした概念であるために、学問的な精密な議論になじまないという欠陥も、指摘されるだろう。(略) 同じロシア人といってもモスクワ、サンクト・ペテルブルグなどの大都会に住む知識人や中流階層と、地方に住む年金生活者たちとのあいだでのさまざまな格差は実に大きいだろう。それにもまして、ソ連期にはエリート(選良)と大衆の差は実に大きい…

  • 【NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」人物語り】第15回「足場固め」でTwitterのトレンドに「頼朝嫌い」が入っていたが、自分は今回は頼朝に好感を持った。

    *ネタバレ注意。 『鎌倉殿の13人』佐藤浩市、最も頼りになる者の切ない最期 「頼朝嫌い」がトレンド入り(リアルサウンド) - Yahoo!ニュース 昨日の第15回「足固めの儀式」は衝撃的な面白さだった。 「神回」という言葉は余り好きではないけれど、そうとしか言いようがない時もある。ただ第12回「亀の前事件」も凄くよかったので、この後「ずっと神回」状態になってしまい、「神回=いつも通り面白い」になりそうな予感がする。 第15回もその1回の中だけで話が二転三転する、展開の読めなさからが良かった。「状況の変化からくる面白さ」は三谷幸喜の得意分野だけど、「鎌倉殿の13人」はそれが際立っている。 朝起き…

  • 【漫画感想】高野苺「orange」7巻 主人公・翔の父親が毒親すぎてドン引きしたが、何はともあれ真エンドに到達出来て良かった。

    orange : 7 ―大切なあなたへ― 【電子コミック限定特典付き】 (アクションコミックス) 作者:高野苺 双葉社 Amazon おおっ、7巻が出ていたのか。 これが真エンドということなので、さっそく購入。 萩田視点、貴子視点、アズ視点、須和視点全部入っていてよかった。 特に萩田視点は泣けた。 あんなすっとぼけた言動の裏で、こんなことを考えていたのか。しかも、翔のことがこんなに好きだったのか。 翔や菜穂もそうだが、何も言わない、もしくはズレたことばかりを言っているのに心の中では深く色々なことを考えている、「orange」はそういうキャラが多かった。 アズと萩田の関係は、「orange」のカ…

  • 「村上春樹の作品はここで好みが分かれる」という超個人的な作品の分類

    ※この記事には、村上春樹の作品のネタバレを含まれています。未読の人はご注意下さい。 前回書いた「騎士団長殺し」の記事で、 www.saiusaruzzz.com 自分の感じた限りだと、村上春樹の小説はこの「自己の領域を広げる『仮説』の可能性」について書いていることが多い。 「騎士団長殺し」で言えば、フォレスターの男につけ回されている女性を実際に殺したのか殺していないのかよりも、「殺したという仮説」のほうが重要だし、その仮説から生じる「自分がフォレスターの男である仮説」、さらにそこから生じる「自分が妻・柚をつけ回し殺す仮説」が重要なのだ。 免色にとって「秋川まりえが私の子供なのかどうか、それは重…

  • 【小説感想】村上春樹「騎士団長殺し」の上巻に出てきた、凄く印象的な会話を読んで考えたこと。

    村上春樹の「騎士団長殺し」の第一部「顕れるイデア編」を読み終わった。 騎士団長殺し―第1部 顕れるイデア編(上)―(新潮文庫) 作者:村上春樹 新潮社 Amazon 最初のほうは「つまらなくはないけれど」と思っていたが、第一部の途中からじわじわ面白くなってきた。 今まで村上春樹が書いてきたことの集大成と感じる。 「1Q84」を読んで、「長編はもういいかな」と思ったけれど、読んでみて良かった。 第一部の後半に凄く印象的な会話があったので、それについて感じたこと、考えたことを書きたい。 「そして私のあなたへの質問というのはこういうことです。あなたはその一時間のあいだに、私をあの穴の中に置き去りにし…

  • 木村汎「プーチンとロシア人」の読み始めの感想。「政治学は究極において人間学である」

    プーチンとロシア人 作者:木村汎 産経新聞出版 Amazon 4月2日の読売新聞で、同じ著者の「プーチン人間的考察」が紹介されていたのをきっかけに読んでみようと思った。 著者である木村汎は2019年に亡くなっている。この本が書かれたのは2017年だ。 「はじめに」と第一章を読み終わったところだが、面白い。 「はじめに」は「プーチンを知る必要性」という副タイトルがつけられ、この本の主旨と書きたいと思った理由が述べられている。 「はじめに」で、この本の主旨が語られる。 ロシアは経済的には世界の中でそれほど発展しているわけでもないのに関わらず、現在の世界の動きの主導権を握り続けている。 それは「プー…

  • 【ゲーム感想】「ELDEN RINGーエルデンリングー」が時間泥棒すぎる&オープンワールドの好みについて

    「ブラッドボーン」をクリアしてから始めようと思っていた「ELDEN RINGーエルデンリングー」だけれど、まああったらプレイするよな、普通に。 【PS4】ELDEN RING フロムソフトウェア Amazon 何度も負けて負けて負けて負けて、死んで死んで死んで死んで、30時間近くかけてようやく接ぎ木のゴドリックを倒せた。 十ン年ぶりくらいに画面にコントローラーを投げつけそうになりながら、頑張った甲斐があった。 その後は比較的楽にボスを倒せるようになって喜んでいたら、ゲール坑道でボコボコにされた。坑夫、強すぎだろ。 プレイ初期は「ダクソがオープンワールドになったような感じだけど、オープンワールド…

  • 【ドラマ感想】アガサ・クリスティ「青ざめた馬」 怪奇色強めのホラーミステリーの秀作。

    NHKで放送されたアガサ・クリスティ原作のドラマ「蒼ざめた馬」の感想。 「蒼ざめた馬」か。随分、渋い選択だな。 ノン・シリーズものだし、クリスティの作品の中では知名度は余りないけれど、怪奇色の雰囲気が楽しめつつ、謎解きもしっかりしている。 何故か自分の中では「シタフォードの秘密」とごっちゃになりやすく、見始めるまで「シタフォードの秘密」の内容を想像していた。 どちらもスピリチュアル要素があるからだと思うけど。 ※以下ネタバレあり。 途中まで内容をボンヤリとしか覚えていなかったからか、かなり面白かった。 「蒼ざめた馬」の女性三人組が、神秘と不気味さの雰囲気がよく出ていていい仕事をしている。 犯人…

  • 【アニメ感想】「平家物語」 観ている途中は無茶苦茶辛かったが最後まで見てよかったと思えた。敗者の祈りの物語。

    アニメ「平家物語」全11話を観終わった。 【Amazon.co.jp限定】平家物語 Blu-ray box(「監督・山田尚子、音楽・牛尾憲輔スペシャルインタビュー」視聴コード付) ポニーキャニオン Amazon 六話辺りから苦行に思えるくらい、見ているのがキツかった。 重盛も維盛も資盛も清経も敦盛も知盛も宗盛も重衡も、徳子も安徳天皇も時子も、みんな色々あれど置かれた場所で懸命に生きていた人たちで、個人的に知っているような気持ちに既になっている。 それなのに、これから平家がどうなっていくか、誰がどういう運命を辿るのかを知っているのだ。 作中で「びわは見ることしか出来ぬ」とびわが繰り返す嘆きを、視…

  • 「哲学の名著の50冊が1冊でざっと学べる本」は、哲学・思想の流れを知るのにとても便利だった。

    哲学の名著50冊が1冊でざっと学べる 作者:岡本 裕一朗 KADOKAWA Amazon 思想や哲学は、それ以前の世代の考えや議論を前提として、それに対する主張や批判を行っていることが多いので、全体の流れを理解しないと個々の思想も理解することは難しいと感じる。 この本は「全体の流れを理解する」という目的にはピッタリの本だった。 これ一冊でそれぞれの思想家の考えひとつひとつを理解する、どころか概略をつかむのもほぼ不可能だろうと思ったので、「その時代にこういう考えを持つ〇〇という人物がいた」というガイドブック的な役割以上のことを求めるのは厳しい。 「哲学・思想の今日までの大まかな流れを知りたい」と…

  • 「陰謀論」と「世界観なきエリート」の相性の良さ&どう見分けていくか。

    www.saiusaruzzz.com www.saiusaruzzz.com 「陰謀論」について考えたことの続き。 「陰謀論」について考えているうちに、「世界観なきエリート」と陰謀論は相性がいい(?)なとふと思いついた。 「世界観なきエリート・辻政信」のような人間と、その人が招く分断をどうすればいいのか。|うさる|note 頭は抜群にいい。 ただその見える距離や範囲が圧倒的に狭い。 目の前の物事をどう利用したら、どうなるかは分かる。現時点での自分にとって何が有利かもわかる。 でもその先のことは何も見通さないし、「何十年後かの未来がどういう世界になるのか」ということは、(見えないから)興味もな…

  • 「陰謀論」について考えたこと続き。「知りたい情報をすぐに調べられる」という言葉の矛盾。

    www.saiusaruzzz.com 前回の記事に関連しての補足。 「ネットは、知りたい情報をすぐに調べられて便利」だ。 日常でも何気なく使う表現だが、「陰謀論」について考えるときは、少し警戒したほうがいいかものかもしれない。 「『知りたい』情報」という言葉を使っている時点で、既に「その情報がある」ということを知っている、もしくは予測しているということだからだ。 この場合の予測は、「その情報があると予測」→「だから存在すると思われる情報を知りたい」ではなく、「知りたい(あって欲しい)という願望」→「自分が知りたいから存在すると予測する」に転倒しているのではないか、ということに警戒することが大…

  • 「陰謀論」とは、その人の内部でのみ働く固有のストーリーにハマってしまっている状態だと思うので、ハマらないために気をつけたいこと。

    ・2022年3月16日(水)読売新聞の朝刊の「虚実のはざま」(東京工業大学准教授・西田亮介氏)の記事と下記の記事を読んで、「陰謀論」について考えた。 smart-flash.jp 「陰謀論とは何なのか」「なぜ、それに囚われる人がいるのか」ということに、以前から興味があった。 上記の二つの記事を読んで考えたことを整理したい。 情報取得においては、「自分というバイアス」をいかに外すかが重要。 増大する情報量に対し、人間の注意力や認知能力は限られている。SNSに流れる投稿の真偽確認に手間や時間をかけられる人は多くはない。 そもそも一般の人には、調べるインセンティブ(動機付け)が働きにくい。人は自分の…

  • ザ・ノンフィクション「マタギ修行の若者たち」感想 「生きる実感」は今の時代は贅沢品なのかもしれない。

    2022年3月13日(日)に放送された「ザ・ノンフィクション 都会を離れ山で生きる。マタギ修行の若者たち」を見た感想。 秋田の阿仁でマタギとして生きてきた74歳の鈴木英雄さんのところへ弟子入りした、二十代の若者たちの話だ。 阿仁という不便な土地でマタギとして生きてきた鈴木さんは、便利な場所から「わざわざ」自分の生き方を学びに来る若者たちをありがたく思いつつも、「その心情が理解できない」と何度も口にする。 それが印象に残った。 自分は修行に来た山田さんたち若者が、「生きているという実感が欲しい」という言葉がよくわかるような気がした。 「生きる実感」というと、「命のやり取り」のような大げさなニュア…

  • 【アニメ感想】「平家物語」平維盛の「自分が出来ないとわかっていることをやらなければならない状況の絶望感」がキツい。

    NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の第9回は、水鳥が羽ばたいた音に驚いて平家軍が戦わずして逃げ出した「富士川の戦い」のエピソードだった。 どう描くのかなと思いきや、まさかあんな感じとは。 「んなわけあるかっ」と笑いながら突っ込んでしまった。 今回も面白かったなあと思ってアニメ「平家物語」を見たら、第六話がちょうど「富士川の戦い」だった。 今まで歴史を題材にした創作を見ていても余り感じたことがなかったのだが、「平家物語」の維盛は見ているのが辛い。 維盛を見ていて感じる辛さは、「置かれている立場や求められていることに自分が絶望的に向いていないことが分かっているのに、状況がどんどん悪くなっていってい…

  • 「関連コンテンツ広告」改め「multiplex 広告」の見栄えがひどかったので、速攻で消去した。

    先日、ふと自分のブログ記事の「関連コンテンツ広告」を見て、目が点になった。 「関連コンテンツ広告」というのは記事下に、記事との関連がある記事を紹介してくれて、その中に少しだけ広告を混ぜるユニットのことだ。 ブログの他記事に誘導してくれるし、11個ある項目のうち、広告に振られるのは2つだけなので広告が悪目立ちしない、便利なユニットだ。 広告のため、というよりは、関連コンテンツを紹介したいから使用していた。 その関連コンテンツユニットの11項目が全て広告になっていて仰天した。 恐ろしく見栄えが悪い。 Google側のバグかなあと思い、調べてみたら、何と2022年3月より「関連コンテンツ広告」は廃止…

  • 【映画感想】映画「ドライブ・マイ・カー」は原作の謎解きだったが、解釈違いが辛かった。

    *タイトル通り、基本的に否定的な内容です。 *ネタバレあり感想です。未視聴のかたはご注意下さい。 ドライブ・マイ・カー インターナショナル版 西島秀俊 Amazon *記事内の青字は、映画・原作からの引用。 映画「ドライブ・マイ・カー」は原作の謎解きを試みている。 ①原作の主人公・家福はどんな人物で映画版とはどう違うのか。 ②高槻を描くにあたって、外してはいけないと思う要素。「高槻は家福にとって同一性のない『他者』である」 ③みさきを描くにあたって、外してはいけないと思う要素。「みさきは親との関係に拘泥してはいけない」 ④原作「ドライブ・マイ・カー」は何の話をしているのか? ⑤映画版「ドライブ…

  • 【小説感想】「作家は、社会から不当な扱いを受けることを覚悟しなければならない」迫害されたノーベル文学賞作家が描く収容所生活「イワン・デニーソヴィチの一日」

    ソ連時代にノーベル文学賞を受賞したソルジェニーツィンの「イワン・デニーソヴィチの一日」を読み終わった。 イワン・デニーソヴィチの一日 (新潮文庫) 作者:ソルジェニーツィン 新潮社 Amazon 「文化革命時代の中国でこっそり読まれていた」と知って読み出したのだが、思いもよらずタイムリーな読書になってしまった。 後書きや作者本人の言葉を読むと、本作は「ロシアという国の特徴とロシア人の典型、ロシアの国民性」を描こうとするロシア文学の系譜につらなるものだ。 ドストエフスキーが「ゴーゴリの『外套』は、ロシア人の一類型を描いている」と評したように、ロシアの作家は他の国の作家よりも「ロシア人とは何なのか…

  • NHKクローズアップ現代+「あさま山荘事件の深層・実行犯が獄中から独白」を見て、連合赤軍事件について再び考える。

    2022年2月24日(木)に放送されたNHKクローズアップ現代+「あさま山荘事件の深層・実行犯が獄中から独白」を見た。 「あさま山荘」に立てこもったのは、坂口弘、坂東國男、吉野雅邦、当時未成年だった加藤兄弟の五人。 このうち坂口弘は死刑囚、坂東國男は超法規的処置で出国した、未成年だった加藤兄弟はすでに獄中にはいない、ということで恐らく吉野雅邦の話だろうと思ったが、見てみたらやはりそうだった。 吉野雅邦は革命左派から連合赤軍に参加し、七名いた指導部(中央委員会)の序列七位だった人だ。 山岳ベースのリンチ、いわゆる「総括」で内縁の妻だった金子みちよさんとそのお腹の中にいた子供を亡くしている。 連合…

  • 「Bloodborne(ブラッドボーン)」ボスキャラについて・初見プレイ時の感想

    「ブラッドボーン」の初見プレイ時のボス戦についての感想メモ。 ストーリー考察はコチラ↓ www.saiusaruzzz.com www.saiusaruzzz.com ★聖職者の獣 最初は気付かず、ガスコイン戦の後に戦った。 ステージの造りといい、「ダークソウル」の牛頭のデーモンに似ている。 ブラッドボーンでは珍しく、ソウルシリーズライクなボスなので、比較的楽に倒せた。 二、三回めで倒せたので「あれ? ひょっとして自分、上手い?」という大いなる勘違いをしそうになる。 ★ガスコイン神父 考察でも書いたが「何で神父なんだろう?」「神父なのになぜ妻子がいるのだろう?」という背景の設定が一番気になった…

  • ググり力を駆使して、どうしても思い出せないキャラを突きとめた。

    長年、何の作品の何というキャラかどうしても思い出せないキャラがいた。 作品名はおろか、その作品そのものが本当に読んだのかというレベルで、何ひとつ思い出せない。 タイトルも主人公の名前も特徴も、どんなジャンルかも、何の雑誌に載っていたかも、他のキャラのことも他のストーリーも何も思い出せない。 覚えているのは、そのキャラの過去の話のみなのだ。 つまり本編内のそのキャラのことも、まったく思い出せない。 どうしても思い出せなくて、一回増田で聞いてみた。 どう考えても違うという回答しか返ってこなかった。 まあ少ない情報しか提供できない自分が悪いんだけど。 自分が覚えていたそのキャラの過去は、 (たぶん)…

  • 「信じ込んだ神の手(旧石器捏造事件)」の記事を読んで考えたこと。

    あったなあ、こんなこと。 2022年2月13日の読売新聞朝刊「あれからVol20 信じ込んだ神の手」を読んでそう思った。 2000年11月に起こった「旧石器捏造事件」。 当時さほど興味があったわけでもなく、「功名心にかられた民間の研究者が旧石器時代の遺物を捏造してしまった」くらいしか知らなかった。 調べると「日本の旧石器時代研究に疑義が生じ、中学校・高等学校の歴史教科書はもとより大学入試にも影響が及んだ日本考古学界最大の不祥事」様々な分野に影響が及ぶ大事件だったらしい。 そこまで大きな問題とは思っていなかった。 旧石器捏造事件 - Wikipedia なぜ、旧石器時代の前期・中期がそんなに重大…

  • 【書評】「中国共産党、その百年」 中国の考え方、成り立ち、仕組みが「党」の視点からよくわかる本。

    www.saiusaruzzz.com 「文化大革命 人民の歴史 1926‐1976」は膨大な資料から事実を浮かび上がらせている。 その浮かび上がった「文化大革命」という歴史的な事象を見て解釈する視点は、中国とは違う国のものであり、外側の目で見た中国の歴史だ。 外側の目から見ると、「文化大革命」を始め、天安門事件、大躍進政策、現在の中国の香港への対応などは暴挙にしか見えない。是非以前に「なぜ、そんな対応や考え方をするのか」という疑問が浮かぶ。 本書では「中国共産党」の成り立ち、考え方、仕組みなどのメカニズムが、歴史的変遷に沿ってわかりやすく解説されている。 外側から見ると不可解な、「中国共産党…

  • 【「AKB49~恋愛禁止条例~」キャラ語り】吉永寛子、岡部愛、有栖莉空。三人のまったく違う魅力を持つヒロインについて語りたい。

    全29巻読み終わった感想。 www.saiusaruzzz.com 上の感想で語った通り「AKB49~恋愛禁止条例~」は、ヒロイン陣がとても魅力的だ。 特に主人公・浦山実に深く関わる吉永寛子、岡部愛、有栖莉空の三人は、それぞれまったく別の魅力があって甲乙つけがたい。 一人一人の振り返りとどこが好きかを語りたい。 *ネタバレ注意。 サリエリ系譜の努力型。主人公以上に成長するメインヒロイン吉永寛子。 AKB49~恋愛禁止条例~(28) (週刊少年マガジンコミックス) 作者:元麻布ファクトリー,宮島礼吏,高橋ヒサシ 講談社 Amazon 主人公・浦山実が、物語の最初から最後まで一途に惚れこんでいるメ…

  • 【漫画感想】「AKB49~恋愛禁止条例~」関係性によって性差を超える反ハーレムもの。ぜひ先入観なしで読んで欲しい。

    マガジン連載当初から好きだった「AKB49~恋愛禁止条例~」全29巻を読んだ。 AKB49~恋愛禁止条例~(1) (週刊少年マガジンコミックス) 作者:元麻布ファクトリー,宮島礼吏,高橋ヒサシ 講談社 Amazon 「好きな女の子を見守るために、女装してAKBのオーディションを一緒に受けた主人公が、アイドルとしての才能に目覚める話」 という粗筋だけを読むと「女の子の集団の中に男が一人紛れ込むよくあるハーレムもの」に思える。実際、物語初期はそういう方向性で始まる。 この話の面白さは、「女子アイドルグループの中に男が一人紛れ込む」というハーレムものの構造を取りながら、そのハーレム構造を壊すところ、…

  • 「文化大革命 人民の歴史 1926‐1976」は、これ一冊で、この時代の権力闘争から庶民の生活や心情までひと通り把握できる。

    「文化大革命 人民の歴史 1926-1976」を読み終わった。 文化大革命 上巻 作者:フランク・ディケーター 人文書院 Amazon 文化大革命 下巻: 人民の歴史 1962-1976 作者:フランク・ディケーター 人文書院 Amazon この本の特徴は、参考文献の膨大さだ。 引用箇所の注記が40ページ超に及び、参考文献のタイトルの紹介も18ページに及ぶ。 公式の文章から当時の学生や民間の人が残した文章、インタビューなどによって、この時代がどういう時代だったのか、何が起こっていて、その中で人々がどう生きたかをリアルに描いている。 状況がコロコロ変化する当時の状況や、複雑な権力闘争は何故起きた…

  • 【日記】コロナかもしれないと思い、PCR検査を受けに行った。

    そう言えば、最近、鼻水がよく出るな? と思っていたら、昨夜、唐突に喉が凄く痛くなった。 イメージで言うと、腫れが強くて喉の中に突然コブが出来たような感じだ。 その夜、熱くて喉が渇いて眠れない。飲むと喉が痛い。 絶対に熱がある、と感じる。 若干、腹も痛い。 でも、咳も出ていないし……と自分に言い聞かせる。 明け方、眼が覚めるとやっぱり熱っぽい。 体温計で測ると、37度4分。 「ああ、やっちまった」という感想が頭の中をよぎる。 時間が経つにつれ、37度に下がったけれど、検査に行ったほうがいいだろうと判断。 病院の受付が9時からなので、それまでの間、仕事の調整をするための準備、濃厚接触者の定義、コロ…

  • 世界に対する呪詛と怨嗟に満ちたルサンチマン文学&キャラについての雑談。

    「世界に復讐してやる」というルサンチマン文学が好きである。 具体的な被害を伴わない、漠然とした呪詛や憎悪、怨嗟は、現実で言動に表すのは咎められるべきだと思うが、創作では長く書き続けてこられたテーマだ。歴史に残る傑作もいくつもある。 そんなルサンチマンをテーマにした創作や創作内のキャラについての雑談をしたい。 「赤と黒」は粗筋だけ読んで、ダークヒーローによる血も凍るような復讐譚を想像していて凄い期待をもって読み出したらがっくりきた。 読んだのが大昔でそういう先入観で読んだので、もう一度読み返したらもしかしたら全然違う感想を抱くかもしれない。 [まとめ買い] 赤と黒 作者:スタンダール Amazo…

  • 【アニメ感想】「平家物語」第一話・第二話。美しい作画とアレンジされたストーリーが面白く期待大。他の関連作品も合わせて観たくなる。

    「平家物語」第一話第二話を視た。 すごく面白い。久々に先が楽しみなアニメに出会えた。 平家にあらざれば人にあらず Amazon 原作は有名な歴史ものなので、あとはどうアレンジするかだが、このアレンジの仕方が良かった。 「未来が視えるびわという少女の視点」は、既に歴史を知っている視聴者の視点と相性がいい。これは上手い。 徳子の運命は、でも実は……とか視ていて楽しい。 清盛が悪役、重盛が善玉の配置はまあ定説通りだけど、徳子を始め祇王や仏御前などこの時代を生きた女性の運命や視点に重点が置かれている。 「男の権力者の論理が絶対の世界の女性の生き方」は、「源氏物語」でも描かれているが、出家して俗世を捨て…

  • 【Bloodborne(ブラッドボーン)考察】テキストから「血一元論」の世界観とストーリーを構築してみる。

    前回。 www.saiusaruzzz.com (考察の条件) ①現在、「悪夢の主ミクローシュ」を撃破したところまでプレイした。 ②他の人の考察や制作者のインタビューなどはまったく読んでいない(ので、あくまで自分の個人的な考えや推測です) ③参考にしたのは、プレイしたところまでのアイテムフレーバーテキストとストーリー内テキスト、「ブラッドボーンオフィシャルアートワークス」。 「知識を求める人間の葛藤を暗喩している」と考えると比較的わかりやすい 「メンシス学派」と「聖歌隊」は、今日の思想の二つの流れを表しているのではないか。 「獣」とは「高次の思考に耐えきれず狂ってしまう人知」。 「穢れ」とは何…

  • 【小説感想】村上春樹「ドライブ・マイ・カー」を読み直して気付いた文章の凄さ。

    ゴールデン・グローブ賞を受賞した記念に、「女のいない男たち」に収録されている「ドライブ・マイ・カー」をもう一度読み直した。 女のいない男たち (文春文庫) 作者:村上春樹 文藝春秋 Amazon 監督の濱口竜介は、原作に強く惹きつけられて映像化したくなったらしい。 確かに凄く印象的な作品だ。 村上春樹の文体と言えば独特のシニカルさがあって、「やれやれ」を始めとしてよく特徴を上げる人が多い。(それだけ特徴があるというだけで凄い) 個人的には、ある時期から文体を変えたのかな?と感じている。 元々「影響を受けた小説三選」に「ロンググッドバイ」を上げているように、ある程度ハードボイルドの影響を受けてい…

  • 2022年1月9日(日)読売新聞朝刊に掲載された、エマニュエル・トッドの「米中対立の今後の展望」が面白かった。

    2022年1月9日(日)読売新聞朝刊に掲載された、仏の歴史人口学者エマニュエル・トッドが今後の米中対立について語った話が面白かったので、その感想。(引用箇所は、全て記事から引用) 十四億という過大人口を抱える中国の来るべき人口危機は日本よりも遥かに深刻です。(略) 中国は国外移転の間もなく、急激な労働人口減に直面する。 中国は長期的な地政学的な脅威ではなくなると考えます。 現時点の世界の展望は、今後の世界は米中対立を軸に進んで行く、という見方が主流だと思うけど、トッドの考えはどうも違うらしい。 「中国はさほど脅威でなくなる。その理由が人口減」という考えが興味深かった。 人口減は先進国の共通の課…

  • 【Bloodborne(ブラッドボーン)考察】世界観の基本的な考え方&大まかなストーリー

    今さら『Bloodborne』(ブラッドボーン)に無茶苦茶ハマっている。 「難しそうだな」「世界観が合わなそう」と喰わず嫌いしないで、もっと早くプレイすれば良かった。 【PS4】Bloodborne PlayStation Hits ソニー・インタラクティブエンタテインメント Amazon 考察もやりつくされていると思うが、考えることが好きなので自分なりに一から考えたい。 ゲームをクリアしてからじっくりやろうと思ったのだが、考え出したら楽しくて止まらなくなってしまったので、途中経過ということで現時点での考えをまとめた。 ①現在、「メンシスの悪夢」に入ったところまでプレイした。 ②他の人の考察や…

  • 【2022年箱根駅伝・観戦記(復路のみ)】「青山学院大学が総合新記録、復路新記録、区間賞を連発する圧巻の強さで優勝!」

    あけましておめでとうございます。 今年もよろしくお願いします。 今年も二日、三日は箱根駅伝を観れるかと思いきや、二日は墓参りと親戚訪問になってしまった。 しかも何故か朝の八時半に家から出発することになったので、一区の途中までしか見られなかった。 一区は中央大の吉居がハイペースで入ったので、最後まで持つのか?と思いつつ、墓参りに出発。 結果を見たら、そのまま区間新を取ったのか。素晴らしい。 往路は青山学院大学が一位か。二位が中央大だったのは意外。 前回王者の駒澤は三位で復路勝負かな。 一位の青学から七位の東京国際まで五分以内の差なので、復路は面白くなりそう。 というわけで、三日は六区山下りから十…

  • 【漫画感想】創作の力そのものを描いた「夢から覚めたあの子とはきっと上手く喋れない」に、今年の最後に出会えたことが嬉しい。

    「正しくない」人たちの話であり、家庭内暴力、ネグレクトなどが、キツイ描写ではないが、モチーフとして出てくる。 気になる人は読まないほうが無難。 そうではない人には、ぜひ読んで欲しい。 九つの話が入った短編集だけど、全部良かった。 夢から覚めたあの子とはきっと上手く喋れない (モーニングコミックス) 作者:宮崎夏次系 講談社 Amazon 自分にとっての一位は間違いなく本書タイトルでもある「夢から覚めたあの子とはきっと上手く喋れない」だ。 「私はあの子を尊敬する」 「隣人よ、志は共にある」 「耐えろ、隣人よ。私たちは、生まれる場所を選べない」 「そのことを誰かに覚えていて欲しくて」 26ページで…

  • NHK大河ドラマ「青天を衝け」は、歴史ではなく歴史の中を生き抜いた渋沢栄作の一生を描いた素晴らしいドラマだった。

    終わってしまった~。 毎週、見るたびに元気をもらっていたので、終わってしまってとても寂しい。 幕末は創作の素材として人気が高いので、見ているほうも「歴史上は、次はこういうことが起こって、結果はこうなる」とわかっている。 その事象をどう描くかが見どころのひとつだ。 「青天を衝け」は歴史上のどんな大きな出来事も、「栄一にとってどういう意味を持つか」で統一して描いていた。 大政奉還はフランスにいたので詳しい状況はおろか何が起こったかすらわからない。 戊辰戦争は彰義隊の戦い、平九郎の死が最も大きな意味として描かれ、函館戦争は「自分のもうひとつの可能性」であった喜作の視点のみで描かれていた。 栄作と個人…

  • 読売新聞の書評欄「よみうり堂・読書委員が選ぶ2021年の三冊」を読んで読みたくなった本10冊&自分が2021年に読んだ本の中で、おススメの三冊

    先日、「書評」が話題になっていたので、「書評を読んで読みたくなった本」を上げてみようかと思いたった。 読売新聞の「書評欄の読書委員が選ぶ『2021年の三冊』」を読んで読みたくなったもの、その中で「特に読みたくなったベスト3」を選んでみた。(青字は書評からの引用箇所) 書評について考えたことと、自分自身は動画よりも文章が好きだがそれは何故か、文章のどこが好きかについて考えたことはコチラ。↓ 「書評と感想と批評、評論の違い」と「動画と文章の違い」について考えたこと。|うさる|note 最後に「2021年に自分が読んだ本の中でおススメしたいもの三冊」も紹介したい。 「書評・読書委員が選ぶ『2021年…

  • 構造主義の祖ソシュールの人生が、異世界転生も真っ青なくらいチートすぎて驚いた。

    近代言語学の父、構造主義の祖と言われるソシュールの思想の細かい部分は、専門家ではない自分には、難しすぎてほとんど理解できない。 自分が理解した限り構造主義に大きな影響を与えたと思われるこの発想、 人間は言葉によって概念を区切って、その認識を現実として生きている。(言葉そのものではなく、言葉同士の差違に本質はある) を知ったときの衝撃は、今でも覚えている。 www.saiusaruzzz.com ソシュールの思想を改めて知りたいと思い、「ソシュールを読む」を読み出したのだが、 ソシュールを読む (講談社学術文庫) 作者:丸山圭三郎 講談社 Amazon まったく進まない。 ソシュールはまとまった…

  • 「青天を衝け」の栄一と喜作のような五分五分の関係だったら、「鬼滅の刃」の巌勝は黒死牟にならなかったかもしれない、と高良健吾のインタビューを読んで思った。

    昨夜「青天を衝け」の第40回を見て感動した勢いにのって、出演者のインタビューを読んだ。 主人公・栄一の幼馴染みで生涯の友だった喜作を演じた、高良健吾のインタビューが面白かった。 www.nhk.or.jp Q:栄一と喜作の関係をどのように思いますか? 基本的に喜作は栄一に甘えているんです。そう思って演じています。 血洗島を出て一橋の家臣となるまで、栄一は一人でもできたかもしれないけれど、喜作は絶対に一人ではそこにはたどりつかない人だと思います。 年齢的に喜作が兄貴分、栄一が弟分という印象があるかもしれませんが、僕は五分五分だと思っています。栄一の存在がなかったら、喜作は短命だったかもしれないと…

  • 「弱いくらいなら悪であるほうがマシ」という価値観は悪役の華だが、これも「男らしさ」の一種なのかもしれない。

    相変わらず「グイン・サーガ」を読んでいる。 43巻でダリウス大公が最期にブチかます「開き直った悪党の下衆な恨み節」を読んで、「そうそう、こいつ、最期の最期で滅茶苦茶面白いキャラになったんだよなあ」と思い出した。 読んだことがない人のために説明すると、ダリウス大公は「獅子心帝」と呼ばれる偉大な兄アキレウス(主人公グインの主君)に対して、ずっとコンプレックスを持ち続けてきた。 帝位を奪おうとして陰謀を企むのだが、それをグインに阻止されたために逆恨みし、さらに陰謀が暴かれ国を追われた後も野心を捨てられず、皇女シルヴィアを誘拐して帝位を要求している。 絵に描いたような下衆な悪役である。 余りにやること…

  • NHK大河ドラマ「青天を衝け」第39回感想 「人には役割がある」という言葉に感動する。

    ラスト近くなって、若干駆け足かなと思っていたが、それでも十分面白い。 若いときから水戸学に傾倒して国を救うことに心を燃やしていた惇忠が、人生の最後で慶喜と対面したシーンには感動してしまった。 「自分の人生の意味」をはっきり認識できた、という感動が伝わってくる。 人として生まれて「自分固有の人生の意味を実感できること」ほど、幸福なことはないと思う。この時代の人は特にそうだったろうな。 兄い、良かった。 惇忠の人生は(本人の中で)ここで実質的に完結したので、死などはしつこく描かずナレ死させるところも好きだ。 「青天を衝け」は、「一人称視点の感覚」が凄くいいなと思う。 その流れから、慶喜が今まで頑な…

  • 「鬼滅の刃」の何が凄いと思うかを、今から全力で語りたい。

    同業漫画家から見た『鬼滅の刃』以降のトレンド ”省略の美”から”少女漫画的な共感性”を重視 | ORICON NEWS 他の人が自分の好きな作品について語っているのをみると、自分も「自分はここが好きだ」とむしょうに語りたくなる。 というわけで、今から「自分は『鬼滅の刃』のどこがそんなに凄いと思っているのか」を、心を燃やして熱く語りたい。 どれだけ書くんだ、というくらい今まで書いてきたが、とりあえず今まで書いたことの中で「一番凄いと思っていること」をもう一度整理して書く。 鬼滅の刃 カテゴリーの記事一覧 - うさるの厨二病な読書日記 自分が「鬼滅の刃」ので一番凄いと思っているのは、話の根底に感じ…

  • 【映画感想】「君が君で君だ」 七割くらいの人にとってnot for meの作品だと思うが、自分にとっては素晴らしい作品だったので全力で語りたい。

    *本記事には「君が君で君だ」とネタバレが含まれます。未視聴のかたはご注意ください。 この映画の粗筋は、 同じ女の子を好きな三人の男が、女の子が好きな「尾崎豊」「ブラッド・ピット」「坂本竜馬」にそれぞれなりきって、生活を見守るために、その子の住まいの向かいのアパートに十年間住み続ける。 というものだ。 筋を読んだだけで、無理な人は無理な映画だと思う。 表層的な事実として見るとストーカーの話なので(自分は後述する通り、ストーリーが語っているものはストーカーではないと思うが)、そこに何か引っかかりがある人は見ないほういい。 映画は満島真之介が演じる「後のブラピになりきる男(以下ブラピ」が恋人に振られ…

  • 栗本薫「グイン・サーガ」41巻まで。天才ヨナの登場、アリの大活躍、シルヴィアがさらわれた、など。

    「グイン・サーガ」41巻「獅子の星座」までの感想。 前回36巻まで。 www.saiusaruzzz.com 天才ヨナ登場 記憶だとナリスとリンダの二人は、婚約~新婚期間も落ち着いているというイメージだったが、まったくそんなことはなかった。 今回読んだら、マリウスとタヴィア以上にバカップルだった。記憶は当てにならない。 37巻の見せ場は、ナリスとヨナの出会い→世界の秘密が見えてくるところなので、他の事がうろ覚えなのは仕方がない。 ナリスとヨナの初対面は、いつ読んでも興奮する……というより、ヨナに出会ったナリスの興奮が乗り移る。 この人は私の求めていた人だ。 このやせた若者、苦行僧のようなおもざ…

  • 「コンビニの店員を10年以上やっている」はタイトルが肝だ、という視点で自分は読んだ。

    コンビニの店員を10年以上やっている 増田は実際に会社員で、10年以上通っていたコンビニの店員を見てこう思った、というだけの話かもしれない。 増田で書くことは事実か否かという根本の判断から読み手に任せる、そういう前提がある。(事実かもしれない、創作かもしれない、どちらの可能性もある。そういう前提込みで面白い。) 自分は、この増田を創作として読んだ。 「事実ではない」≒「創作」の場合は、自分がその内容から読み取ったことのみを考えるので、自分のこの増田の読み方について書きたい。 すごく面白かった。 一番引っかかりを感じたのは、タイトルは「コンビニの店員」が語り手*1なのに、内容は「コンビニの店員」…

  • 知っているようで詳しく知らないので「ロシアの歴史」を通して学んでみた。

    そう言えば、ロシアの歴史はロマノフ朝→革命→ソ連成立→スターリンの独裁→ソヴィエト崩壊→ロシア成立くらいのざっくりした知識しかないな、と思い「ロシアの歴史」を通して学んでみようと思い二冊読んでみた。 名称通り、ざっくりした流れだけを知りたいならこれでも十分。 一冊でわかるロシア史 (世界と日本がわかる国ぐにの歴史) 作者:眞興, 関 河出書房新社 Amazon 図による資料が豊富。割と多角的な解説なので、読んでいて楽しかった。 図説 ロシアの歴史 (ふくろうの本) 作者:栗生沢 猛夫 河出書房新社 Amazon リューリク朝(9世紀半ば~1612年) ロマノフ朝(1613年~1917年) 臨時…

  • 【アニメ感想】「迷家 ーマヨイガー」全12話には文句しか出てこないが、そこで語られなかったことに意味があるのではないか。

    *この記事にはアニメ「迷家ーマヨイガー」のネタバレが含まれます。 三話まで見た感想。 www.saiusaruzzz.com アニメ「迷家ーマヨイガー」全12話を見た。 考えれば考えるほど、文句しか出てこない。 ・間が悪いために、聞いていて居心地が悪くなる会話。 ・展開が強引。 ・キャラが唐突に自分のトラウマや事の真相を話し出す。 ・モブと大して変わらないキャラが多すぎるのは仕方がないが、サブキャラでさえ扱いが中途半端でまったく活かしきれていない。 ・肝心のトラウマが掘り下げが少なく紋切り型になっている。 ・話の焦点がブレまくる。 ・というすべての要素が重なった上での、強引なラスト。 最大限好…

  • 遠いものほどよく見えて、近いものほど粗が目立つ「遠近歪曲のバイアス」について、自分の歪みや偏りを知るのはとても大切なこと、など。

    2021年11月25日(木)読売新聞の朝刊「思潮」に掲載された、「遠近歪曲のバイアス」の話が面白かったのでその感想。 「遠近歪曲のバイアス」は、「遠いものほどよく見え、近いものほど粗が目立つというもの」。 「思潮」の中では例として「日本の人口減少の捉え方」や「原発について」「メルケルの功罪」などが上げられていた。 自分たちが置かれている現在の状況の問題点をクローズアップして見るが故に、その状況と反対の事象を長短上げて比較するのではなく、「現況の問題点と反対の事象の問題のない部分」の単純な二項対立に持ち込んでしまう。 いま読んでいる「ロシアの歴史」でも、ある事象において事実を十分に検証することな…

  • 【漫画感想】「ヒメゴト~十九歳の制服~」 男装女子×女装男子の恋愛と少女が囚われている闇。二つのストーリーが等価で楽しめる凄い漫画。

    「女装男子×援交少女×ボーイッシュだけど実は乙女な女の子の三角関係」 ということでおススメしてもらって読んでみたら、自分にとって好みドンピシャだった「ヒメゴト~十九歳~の制服~」全八巻の感想。 *ネタバレあります。 *性描写が多めで性被害も含むストーリーなので、苦手な人は注意してください。 ヒメゴト~十九歳の制服~(1) (モバMAN) 作者:峰浪りょう 小学館 Amazon この話は、女装男子(カイト)が自分の中の「女」の部分を抑圧している男装女子(由樹)に一目ぼれするところから始まる。(ということが最後まで読むとわかる) 最後に二人が結ばれる時に、カイトが「本当はずっとあんたのことが好きだ…

  • 好みを鑑みておススメしてもらうのは、とてもありがたいです。

    noteで「こういう三角関係が好きだ」という記事を書いたところ、「自分も好みが似ているのですが、この関係性がドンピシャだったよ」ということで「ヒメゴト~十九歳の制服~」をおススメしてもらった。(*作者の名前を見たことがあるなと思ったら、「少年アビス」と同じ作者だった。期待値が上がった) 「女装男子×援交少女×ボーイッシュだけど実は乙女な女の子の三角関係(もっと言えば+個人の欲望)で、それぞれが他の2人に対して複雑な感情を抱いており、理想の関係性」 というおススメ文句に心惹かれて読んでみた。 主要キャラも関係性もドストライクで話も面白く、今日一日で一気読みしてしまった。 本当にありがとうございま…

  • 「秒速5センチメートル」は補陀落渡海の話ではないか、と今さら気づいた。

    www.saiusaruzzz.com (前提)「秒速5センチメートル」がこういう話に見える、自分の思いつきの話。 補陀落渡海は、入口を塗りこめた箱を舵のない船に積んで、そこに人が入り極楽浄土を目指して沖に流すという風習だ。 補陀落渡海 - Wikipedia 補陀落渡海をテーマについて書いた、井上靖「補陀落渡海記」がとても面白かった。 一読すると何について書きたいのかが分かりづらい話なのだが、 自分が「補陀落渡海記」から読み取ったものは、絶望というのは万人にとって共通する普遍的なものに見えて、それぞれコントラストがあり、人にはそれぞれの絶望がある。だが結局は、それは普遍的なものに回収されるか…

  • したな、自分の前で。「ガウェインの結婚」の話を!

    タイトルは一度言ってみたかっただけの出落ちです。すみません。 最初の授業 はてブのホッテントリで「ガウェインの結婚」の話が上がっていた。 「すべての女性は自分の意志を持つことを望んでいる」ここが、基本ですよ。 まあ、少なくとも、ガールフレンドのことを「俺の女」なんていう男はダメだね。 男女だけでなくて、大きく言ったら「人権感覚」だと思います。 こうやって物語から他分野に接続する、しかもあくまで「アーサー王物語」が大好きで、それを読み込んだ上で「こういう見方も出来るよね」「現代とここが通ずるよね」という読み方が大好きだ。 自分も「アーサー王物語」の中では、ダントツで「ガウェインの結婚」が好きだ。…

  • 【漫画感想】高野ひと深「ジーンブライド」1巻を読んでみたが、自分はこう読んでここが面白かった。

    *この記事は「ジーンブライド」1巻のネタバレを含みます。 話題になっていた高野ひと深「ジーンブライド」1巻を購入して読んだ。 ジーンブライド(1)【電子限定特典付】 (FEEL COMICS swing) 作者:高野ひと深 祥伝社 Amazon この話で一番面白いと思ったのは、文脈の読み取りづらさだ。 物語が何を肯定していて何を否定しているのか、そもそも何が語りたいのかがよくわからない。 社会における女性の生きづらさへの言及が多いので、最初はそのことを語りたい話なのかと思ったが、そうも思えない。 そのことを一番感じたのは、主人公の依知が正木をカフェに呼び出したシーンだ。 (引用元:「ジーンブラ…

  • 栗本薫「グイン・サーガ」36巻まで。モンゴールの復活するも大丈夫か? アリ、カメロン、イシュトの三角関係など。

    前回、30巻まで。 www.saiusaruzzz.com モンゴールが復活するも……大丈夫か? 27巻でアムネリスを奪還したあとから、モンゴールの復活までが思ったより早かった。 ヤヌスの戦い一戦だけで復活したが、意外と国の存亡は一戦だけで決まってしまうものなのかもしれない。 楚漢の争いを終結させた垓下の戦いや、桶狭間の戦い、ミッドウェー海戦などを見ると、一戦だけで国の存亡や歴史の流れそのものが変わってしまう戦いは多い……というより、そういう意義のある戦いだから歴史に残っているのか。 アリが言った通り、モンゴールの場合は、戦でどうにかするというよりは、周辺国がいかにモンゴールを認め、クムに与さ…

  • 【「鬼滅の刃」キャラ語り】自分にとってのおばみつの最大のハマりポイントは、伊黒の信仰と殉教の自己完結性にある。

    以前、「自分にとってその対象(創作)がナシだ」と思う点がどこかは、よくよく考えないとピンポイントではわかりづらいのではないか、という記事を書いたことがある。 「有り無し」の感覚は非常に微妙なものなので、人にわかってもらうためには、まず自分の中でクリアにしたほうがいい。 逆に「同じコンテンツ、同じカプに萌えていても、その対象のどこに萌えているのか」は、人によってかなり違うのではないか。 というわけで、なぜ自分が何記事も書くほどおばみつに狂気的にハマっているのかを、突然話したくなったので話したい。 *解釈違いが気にならない人だけお読み下さい。 伊黒は一方的に蜜璃に働きかける 自分のおばみつの最大の…

  • 「無頼伝 涯」全5巻感想。無茶苦茶面白くてびっくりしたので、打ち切りになった理由を勝手に考えてみた。

    連載していた時にずっと読んでいたけれど、澤井の言動以外はさして印象に残っていない。 「天」と「アカギ」を読み返した勢いで、購入して一気読みしてみた。 [まとめ買い] 無頼伝 涯 作者:福本 伸行 Amazon 無茶苦茶面白くて驚いた。 作者である福本伸行は 「読者の心情を読めず、不人気の末に打ち切られた失敗作である」と認めその原因については展開が遅すぎたためと分析している らしいが、自分も一読者の立場から「なぜ、この作品が本誌掲載の時点で人気が出なかったのか」を自分なりに考えてみた。(僭越) なぜ考えたかと言うと、「自分も本誌で読んでいた時はさほど面白いと思わなかった」「それなのに、今回読んだ…

  • 栗本薫「グイン・サーガ」30巻まで。ユラニア遠征はサウル皇帝と三公女に尽きる。グラチウスとの対決は意外と核心を話していた、など。

    前回、27巻まで。 www.saiusaruzzz.com サウル皇帝が大好きだった 思い出した、サウル皇帝が大好きだった。 世間知らずで子供っぽい部分と、人生を悟ったような哲学者のような部分の融合具合が絶妙だった。 グインが恭しく接したら滅茶苦茶嬉しそうにするところや、オル・カン大公相手の芝居に妙に気合が入っているところ、グインにさりげなく気を遣うところ、自分の人生を俯瞰して見ているところなど全部好きだったなあ。 わしは、このような呪わしい七十年の果てに、まだ生きたいと思っておる。わしの取り分など、何ひとつのこされておらぬようなこの世に、まだ未練がなくもないのだ、と知ってな。 一生にいちど、…

  • 「ゲーム・オブ・スローンズ(GOT)」をシーズン8まで完走した感想。主にデナーリスについて。

    *この記事には、「ゲーム・オブ・スローンズ」の最終章までのネタバレが含まれます。未視聴のかたはご注意ください。 「ゲーム・オブ・スローンズ」の最終章をやっと見れた。 ウィンターフェル Amazon オープニングのギミックに感動 オープニングのギミックが大好きで何度も見てしまう。 その話の舞台になる場所が出てくることはもちろん、その話の時の状態も表していてこだわりを感じる。 今回はどうかな、と思っていたら、ウィンターフェルの城内に入って、キングスランディングの鉄の玉座で終わる作りに感動してしまった。 否が応でも気持ちが盛り上がる。 闇堕ちデナーリス ちらほら耳に入ってきたネタバレで闇堕ちすること…

  • 栗本薫「グイン・サーガ」27巻まで。パロくねくね編、イシュトの国盗り始まり&グインのユラニア遠征の始まり。

    前回、23巻まで。ケイロニア編。 www.saiusaruzzz.com 「天華」に夢中になっていて、すっかりご無沙汰していたグイン・サーガ。 いよいよ、イシュトの国盗り&ユラニア遠征か、と思っていたが、その前にパロのナリス対スカールのくねくね編があった、と思い出した。 それにしてもイシュトは悪い奴だな 19巻からずっと「太子さまを庇って死ぬフラグ」を立て続けていたリー・ファ。 わかっていても泣ける。 ター・ウォンとタズドのお小姓コンビの死も辛い。 イシュトは善悪の区別がない、ダークヒーローぶりが魅力ではあるけれど、それにしても女子供まで皆殺しにするのはちょっと引く。 イシュトがどんどん残酷に…

  • 【「天ー天和通りの快男児」キャラ語り】「神さまを認めず戦う男」僧我三威が好きだった。

    *この記事には「天ー天和通りの快男児」のネタバレが含まれています。 天-天和通りの快男児 17 作者:福本 伸行 フクモトプロ/highstone, Inc. Amazon 久し振りに「天ー天和通りの快男児」を読み返している。 何度、読んでも面白い。 「天才は初太刀で殺す」とか読んだ瞬間に言いたくなる。 「天」で一番好きなキャラは僧我だ。 これから僧我のどこがそんなに好きかを、ひたすら語りたい。 自分の中で僧我は、「神さまを認めない男」だ。 「神さま」とは何かというと、「他人」「世の中」「運命」「天才」というもの全てを包括する「自分には手が届かず理解も出来ない、それでも従わざる得ない、この世の…

  • 【アニメ感想】「迷家 ーマヨイガー」第三話まで感想 微妙に気になる不自然さ

    アニメ「迷家ーマヨイガー」を見始めた。 *第三話までのネタバレがあります。未視聴のかたはご注意下さい。 第1話 鉄橋を叩いて渡る Amazon 岡田麿里がシリーズ構成と序盤と終盤の脚本を担当しているので、ずっと観たかった。 「人生をやり直したい」と考える人間たちが集まって、都市伝説である隠れ里を目指す、というストーリー。 きさらぎ駅のような都市伝説が大好きなので、期待して見出した。 三話までは岡田麿里が脚本を担当しているのだけれど、良くも悪くも会話や人の関係性が独特。 岡田麿里のこういう独特さが好きなのだが、「迷い家ーマヨイガー」の三話までは悪い部分が目立っていて(いい部分もあるけれど)話に乗…

  • 【備忘録】新型コロナワクチン接種(二回目)に行ってきた。(接種翌日以降の追記あり)

    9月20日(月)1回目接種の様子。 www.saiusaruzzz.com 10月17日(日)10時に二回目の新型コロナウイルスのワクチン接種をしてきた。 二回目接種後の副反応については、もう色々な話を聞きすぎて若干ナーバスになっている。副反応がキツすぎて二度と打ちたくないと言う人もいれば、まったく何ともなかったという人もいた。 一応、明日と明後日は仕事を休みにして、解熱剤も二種類用意して万全の体制で挑む。 当日はあいにくの雨模様。 入り口の検温で34度代が出て、係の人がビビる。自分もビビる。死んでますがな。 そのあと三回測ったが、35.2とかしか出ない。まあ雨に濡れたからかな、と思いとりあえ…

  • 「私説三国志 天の華・地の風」全10巻の感想。「物語のアイデンティティが失われる」とはどういうことか。

    江森備「私説三国志 天の華・地の風」を読み終わった。 「三国志」の流れをしっかり辿っているのはもちろん、政治や戦だけではなく、この時代の習俗や文化が詳しく描かれている。 諸葛喬が死んだときの葬式の様子など、どの立場の人間がどのような服装をして実際の式はどのように行われるかなど読んでいて面白かった。 BL要素がどうしても気になるなら、そこはすっ飛ばしても構わないので読んで欲しい、と読む前の自分に言いたい。 最終的な感想としては「面白かった。読んでよかった」なのだが、そうは思いつつどうしても引っかかる部分がある。 この話は細部は素晴らしいのだが、その細部同士が上手くつながっていない、つながりかたが…

  • 【映画感想】「ミッドサマー」 「旧劇場版エヴァンゲリオン」とテーマが被っているが、結論が違うところが面白かった。

    *本記事には「ミッドサマー」のネタバレが含まれます。未視聴のかたはご注意下さい。 ずっと観たいと思っていた「ミッドサマー」を観た。 ミッドサマー(字幕版) フローレンス・ピュー Amazon 観る前は「2時間30分か。長いな」と思っていたが、観始めたら面白くて目が離せなくなった。 残り30分のところで「もう残りが30分しかないのか」と思ったが、こういう感覚は久し振りだ。 この映画で一番良かった点は、世界観や語りたいことが終始一貫しているところだ。 観ていて「この場所(ホルガ村)でこの事象が起こったら、こうはならないのでは」と思う箇所がほぼなかった。 ホルガ村という場所の思想(設定)が細部まで行…

  • アニメ「巌窟王」 原作へのリスペクトを感じつつ、アルベール視点の青春物としての素晴らしい改変。これなら大デュマも大満足では。

    *本記事にはアニメ「巌窟王」のネタバレが含まれています。 アニメ「巌窟王」を観終わった。 www.saiusaruzzz.com 「父母の人間関係に巻き込まれただけのアルベールから見たら、伯爵の復讐譚はどう見えるのだろう?」という疑問に答えつつ、ただの改変ではなく原作とは違う、少年の憧れと成長を描いた話として作られていた。 背景設定をSFにして大胆なキャラデや挑戦的な演出を取り入れつつ、原作愛が感じられる。 大デュマもこれなら大満足しそう。 決闘が巨大ロボの戦闘なのには驚いた。面白かった。 原作の筋をほぼ変えず、アルベールの話になっているところが凄い ストーリーはほぼ原作を踏襲しているのに、ち…

  • 中学時代の自分の度肝を抜いた江森備「私説三国志 天の華・地の風」を読み始めたが、これを理解するには当時の自分が子供すぎたと思った。

    今読んでいる「グイン・サーガ」×増田で「鶏肋」の話が出てきた相乗効果で、突然「天の華・地の風」のことを思い出したので、どうなったか見にいった。 全十巻で完結していた。 Amazonで九巻のレビューを見ると凄いことになっているとのことなので興味がわいた、さらにkindle版の一巻が440円と安価だったため購入して読んでみることにした。 新装版 私説三国志 天の華・地の風 一 作者:江森 備 復刊ドットコム Amazon 作画は小林智美。孔明が美しい。 中学時代に、今で言う「腐女子」の子が滅茶苦茶ハマっていた、というところから内容を察して欲しい。(そういうジャンルが苦手、というかたはそっ閉じ推奨)…

  • アニメ「巌窟王」第一話の感想&原作「岩窟王」の思い出。

    巌窟王 第1巻 [DVD] 中田譲治 Amazon アニメ「巌窟王」が観たくてdアニメストアfor Prime Videoに入った。30日間無料体験があるので、観終わったら継続するかしないか考えるつもりだ。 「巌窟王」は、子供のころお気に入りだった。 「巌窟王」は子供の時に親が買ってきてくれた児童書シリーズの中でも、特に気に入っていた。 ストーリーがどうこうというより、 ・スプーンで洞窟の壁を削る ・死体のフリをして袋の中に隠れる。 ・ファリア神父の教育でダンテスが教養を身につける。 ・宝物の描写 ・ビルフォールが狂気に陥る描写 ・ダングラールへの復讐のえげつなさ こういうディティールにわくわ…

  • 栗本薫「グイン・サーガ」23巻まで。序盤の傑作ケイロニア編。ツンデレ我が儘皇女シルヴィア、世界の全てが憎いアリなど推しが次々登場。

    17巻からは23巻は、序盤の超傑作、ケイロニア編だ。 グイン・サーガ22 運命の一日 作者:栗本 薫 早川書房 Amazon 20巻から作画が天野喜考になった。 女性キャラの最推し、我が儘ツンデレ甘えん坊皇女シルヴィアさん。 イシュトの気持ちもわからないでもないこともない お調子者の自惚れや、女好きでよく喋る、愛嬌がある人気者という共通点があれど、王になることに全てを賭けているイシュトと王族の地位から逃げ出したマリウス。 気が合う訳がない。 似ているところが似すぎていて、違うところが違いすぎる。 昔はさほどとも思わなかった、イシュトとマリウスの口喧嘩が読んでいて楽しかった。 ケイロニアに着いた…

  • 【備忘録】ワクチン接種(一回目)に行ってきた。

    今日、ようやく一回目のワクチン接種が出来たのでその備忘録。 うちの自治体は予約枠が回ってくるのが遅かったので、ジリジリしていた。 9月は家の近くの接種会場で空いていた枠が今日しかなかった。取れてよかった~。 ということで午前中に早速行ってきた。 ワクチンはファイザー製。 会場での検温が36.5度だった。いつもより若干高め。 今日は暑いし、15分くらい歩いて来たからかな。 会場の動線はしっかり構築されていて、誘導に従って何の不自由もなく受けられる。 会場の滞在時間は30分くらいで、うち15分は接種後の待機時間だった。 痛かったら嫌だなあと思ったが、びっくりするくらい痛くなかった。普段打つ注射の十…

  • 栗本薫「グイン・サーガ」16巻まで。パロ奪還戦が一方的すぎる。アムネリスはここが絶頂期だった。ヴラドが好きだったなど

    16巻「パロへの帰還」まで読了。一巻から始まったパローモンゴール戦争がひと段落。 グイン・サーガ16 パロへの帰還 作者:栗本 薫 早川書房 Amazon モンゴールが弱すぎて相手になっていない。 11巻からの流れなら「ナリス・スカール連合に勝てるわけないよな」と思う。 逆にいくら奇襲とは言え、黒竜戦役でパロがなぜ負けたのかが不思議だ。魔導士なんてミアイルやタイランを暗殺出来るくらいチート能力をもっているのに。 まあでも、スカールのウィレン越えが無ければ、パロが負けていた可能性のほうが大きいのか。 正にマルス伯が言っていたように「戦は生き物」で、歴史的に見れば必然的な勝ちに見えても、当人たちに…

  • 2021年9月8日(水)読売新聞朝刊に掲載された「アフガン政権崩壊の教訓」の紹介と感想。

    2021年9月8日(水)読売新聞朝刊に掲載された慶応大学教授・田所昌幸さんの「アフガン政権崩壊の教訓」が興味深かったので、紹介がてら感想。 *以下は自分の視点が入っているので注意。詳しく知りたいかたは原文を読んで下さい。 主に二点に興味を持った。 ①国家は人間が作った制度に過ぎず、住民が支持して初めて成立する。国家権力は強大だとおもわれがちだが意外に脆い。 ②長い時間をかけて醸成された、その地に根付く価値観や制度を外から改変することは難しい。 ①国家は人間が作った制度に過ぎず、住民が支持して初めて成立する。国家権力は強大だとおもわれがちだが意外に脆い。 自分が生きてきた時間の中でも、色々な国で…

  • 栗本薫「グイン・サーガ」11巻まで。主要登場人物が出そろい、いよいよパロ奪還戦が始まる。

    前回。 www.saiusaruzzz.com 「グイン・サーガ11 草原の風雲児」まで読み終わった。 6巻から11巻までの感想の箇条書き。 多種多様な登場人物、国ごとの風習や傾向の違いが面白い。 舞台が中原、パロに移って、ナリスやスカール、マリウスが登場。 これで主要登場人物八人が出そろった。 大好きなヴァレリウスも出てきたので、テンションが上がる。 文明圏の話が中心になって、様々な国が出てくるが、登場人物の多種多様性はもちろん、国によってまったく文化や風習や風景が違う。服装も風習も住む人も食べる物も違う。 土地柄の説明を読むだけでも、「地球の歩き方」を読んでいるような楽しさがある。 「皆は…

  • 【映画感想】「ジョーカー」 「狂っているのは世界なのか、私なのか」という永遠の命題に答えた傑作。

    *この記事は映画「ジョーカー」の結末までのネタバレが含まれています。 今さらだけど「ジョーカー」を見た。 凄くよかったので、未視聴の人は、感想を読む前に見て欲しい。 読みやすさを優先して断言調で書いているが、ただの個人的な感想だ。 ジョーカー(字幕版) ホアキン・フェニックス Amazon 「狂っているのは世界なのか、私なのか」という命題。 映画の始まりで、アーサーが福祉カウンセラーの前で自問する。 「狂っているのは僕なのか? それとも世間?」 これがこれから始まる「ジョーカー」という話の命題だ。 「狂っているのは世界なのか、私なのか」 というお題は、厨二である自分にとっては非常に重要なので、…

  • 2021年8月22日NHKスペシャル「ミャンマー衝撃の映像」の感想

    2021年8月22日に放送されたNHKスペシャル「ミャンマー衝撃の映像」を見た。 市民たちがそれぞれ取った、動画や写真をつなぎ合わせて状況を把握する試みをしている。 ネットも軍の監視を受けて情報統制が行われているらしいので、それをかいくぐった貴重な映像だ。 ここで検証されたことが本当だとしたら、考えていたことよりも十倍は厄介でひどい状況だ。 なぜ軍がこれほど過酷に自国民を弾圧できるのか。 軍の内部でも何か疑問は出て来ないのか。 軍部のほうが選挙で選ばれた政治家よりも圧倒的に力が強いように見えるが、どうしてこんなパワーバランスになっているのか。 こんな風に弾圧をしたあと国をどうするか、何か展望が…

  • 栗本薫「グイン・サーガ」5巻まで。謎の提示の仕方にわくわくする、アムネリスの出落ち感など。

    「グイン・サーガ」5巻まで読み終わった。 グイン・サーガ5 辺境の王者 作者:栗本 薫 早川書房 Amazon イドの谷間を潜り抜け、セムの危機を救い、マルス伯を罠にかけ殺し、幻の民・ラゴンを探し求める旅に出る。 息もつかせぬ展開で面白かった。 「アクラは、アクラとは、神ではありません」(略) 「しかしまた、アクラは人でもありませぬ。アクラは、われらがアクラと呼びならしているものは『場所』なのです」 「『場所』?」 おどろきのあまり、グインは声を立てずにいられなかった。 「『場所』にすぎぬものが、人をみちびいたり、啓示を与えたりするというのか?」 「そうです」(略) 「すなわち、ラゴンの民を作…

  • 【ゲーム感想】廃墟となった旅館を歩くだけ……なのに滅茶苦茶怖い。「真砂楼」

    ずっとやりたいと思っていた「真砂楼」がswitchに移植されたので、さっそく購入。 store-jp.nintendo.com 廃業して廃墟となった旅館の中を探索するアドベンチャー。 周囲が暗くて見渡せない一人称視点は、懐中電灯の光源しか視界が効かない感じがよく出ている。 床のきしみや戸を開けた時の音も、異様にリアルだ。 畳の部屋でサンテラスのような場所に冷蔵庫と椅子と机が置いてあって、という昔よく泊まった旅館の雰囲気が再現されている。 本当に廃墟を探索しているような気持ちになれる。 序盤は敵は出て来ず宿の中を探索するだけだが、ただ歩いているだけで怖い。 敵が出てきてくれたほうが怖くなかったく…

  • 【小説感想】今村昌弘「兇人邸の殺人」 面白かったが……特殊設定は扱いが難しい。

    *若干ネタバレがあります。未読のかたは注意してください。 剣崎比留子&葉村譲シリーズ第三弾。 www.saiusaruzzz.com www.saiusaruzzz.com 「魔眼の匣の殺人」が凄くよかったので、期待値高めで読み出した。 超常的な要素でクローズドサークルが出来て、その中で殺人が起こるというシリーズのお約束を今回も踏襲している。 「屍人荘の殺人」では「リアルライン」(造語)という観点から、「ちょっとどうなんだろう?」と思ったが、二作目三作目となるうちに不自然さがなくなってきた。 ただこのシリーズは「偶然」「特殊な設定」「特定の登場人物の心理状況」に行動や事象の根拠を頼りすぎている…

  • 【漫画感想】和久井健「東京卍リベンジャーズ」の一巻を読んだら、人気にたがわず面白かったので既刊23巻を大人買いした。

    *一巻のみ若干のネタバレがあります。 「東京卍リベンジャーズ」は支部で凄い人気なので気になっていたが、最近は「漫画は完結したら読もう」と思っているので、読んでいなかった。 先日ちょうど相方と「最近、ヤンキー漫画*1って見かけなくなったな」と話したけれど、「東京卍リベンジャーズ」の粗筋を読んだら正に「ヤンキー×タイムリープもの」だった。 特に理由なく、デスゲームものだと思っていた。 「ヤンキー漫画だったのか」と思い、興味がわいて購入。 [まとめ買い] 東京卍リベンジャーズ 作者:和久井健 Amazon 1巻を読んだ。 「ヘタレ男子が、いざと言うときに覚醒して侠気を見せてトップに気に入られる」とい…

  • 【小説感想】「グイン・サーガ1 豹頭の仮面」連載漫画の開始部分のお手本のような、巧みなストーリー展開。

    夏休みなので、読書中。 www.saiusaruzzz.com 一巻を読み終わった。 やっぱり面白い。 グイン・サーガ1 豹頭の仮面 作者:栗本 薫 早川書房 Amazon 以前、他の人の記事で「書籍の本は映画みたいなもので、Web小説は連載漫画みたいなものだから、書くときはその違いに気をつけたほうがいい」というものを読んだ。 「グイン・サーガ」の一巻は、連載漫画の初期のお手本みたいな作りだなと思う。 それでいながら「全百巻*1の壮大な物語の幕開け」としても十分機能している。 ★とにかく動きが多く、展開がスピーディー 小説は戦闘シーンを文章で描写するのがけっこう大変だが、「グイン・サーガ」の一…

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