論語漫歩 最終回 1018 『星の王子さま』 「野ばら」174 「最も幸福な日々」
前回我々は、フリーデリーケとの接吻・舞踏・抱擁の歓喜・幸福の絶頂から、急転直下、翌朝の夜明け前、ルチンデの呪いの幻影の出現によって絶望の淵に突き落とされたが…
論語漫歩1017 『星の王子さま』 「野ばら」173 ゲーテの自己分析
前回我々は、フリーデリーケと初めて口づけし、夜更けまで舞踏したあと、ひと眠りした夜明け方、凄まじい形相(ぎょうそう)で、あの呪いの言葉を口走るルチンデと、こ…
論語漫歩1016 『星の王子さま』 「野ばら」172 「呪いのルチンデの幻影」
前回我々は、ゲーテとフリーデリーケが心ゆくまで見事な踊りを楽しみ、その後で、例の静かな広場で心から抱擁し合い深く愛し合うのを見た。 今回は、その続きである。…
論語漫歩1015 『星の王子さま』 「野ばら」171 「天上の踊り」
前回我々は、「ルチンデの呪い」から解き放たれ、歓びに溢れて、最愛の人フリーデリーケに接吻するゲーテの姿を見た。 今回も、饗宴の続きである。ゲーテとフリーデリ…
論語漫歩1014 『星の王子さま』 「野ばら」170 「解けた 呪い?」
前回我々は、ゲーテとフリーデリーケが深く愛し合い、町に帰ったゲーテと彼女の間に頻繁に手紙がやり取りされ、彼女の素直な人柄がそのままあらわれた文体・内容と美し…
論語漫歩1013 『星の王子さま』 「野ばら」169 「美しい筆跡」
前回我々は、輝く日曜の早朝の散歩とその後の大勢が参加した広場での宴会で、彼女の素晴らしい人柄に触れた。彼女の動作の優美さは花咲く大地と競い、その顔のいつも曇…
論語漫歩1012 『星の王子さま』 「野ばら」168 「小鹿のように 妖精のように」
前回我々は、フリーデリーケの人柄を垣間見た。今回も、彼女の素晴らしい人柄を見ることにしよう。『詩と真実』第三部岩波文庫昭17 p15 婦人によっては…
論語漫歩1011 『星の王子さま』 「野ばら」167 「フリーデリーケの人となり」
前回我々は、久しぶりにフリーデリーケのもとに帰ってくることが出来た。ゲーテは彼女と二人で、日曜日の早朝の散歩を楽しみ、戻って来ると、いろんな方面からやって来…
論語漫歩1010 『星の王子さま』 「野ばら」166 「再び第十一章冒頭に」
前回我々は、論語漫歩1004「秘密」で突如出て来た「あの熱情的な少女が私の唇に与えた詛(のろ)い」がゲーテ自伝『詩と真実』第九章最終部の「ルチンデの呪いの接…
論語漫歩1009 『星の王子さま』 「野ばら」165 「呪いの接吻」
前回我々は、美しい姉娘のルチンデが、「呪われたカルタ占い」の結果に激しく動揺し、とめどなく泣きながら、居間を駆けだし、部屋に閉じこもったのを、妹娘のエミーリ…
論語漫歩1008 『星の王子さま』 「野ばら」164 「呪われたカルタ」
前回我々は、カルタ占いで、良い結果を得た妹が、上機嫌でいるところまで見た。今回は、姉の占いの番である。それは、「呪われたカルタ」であった。 ところで…
論語漫歩1007 『星の王子さま』 「野ばら」163 「カルタ占い」
前回我々は、美人姉妹の姉の方がゲーテに急接近するのを見た。今回は、その続きである。 妹の方は、それにひきかえ、私に対して親切にしないわけでもなかった…
論語漫歩1006 『星の王子さま』 「野ばら」162 「美しき姉妹」
前回我々は、ゲーテが一流のフランス人教師についてダンスを習い始めるのを見た。今回は、その続きである。 ところが、ある事情がこの教師の稽古を非常にらく…
論語漫歩1005 『星の王子さま』 「野ばら」161 「ルチンデの詛(のろ)い」
ゲーテの自伝『詩と真実』は、全二十章から成っている。うち第十章と第十一章の二章が、「フリーデリーケ」に当てられている。これまで、第十章の引用を終えて、第十一…
論語漫歩1004 『星の王子さま』 「野ばら」160 「秘密」
前回我々は、相反する性質が見事に調和して、フリーデリーケに、非常に優美な趣を与えているのを見た。 今回も、その続きである。 あの熱情的な少女が私の唇…
論語漫歩1003 『星の王子さま』 「野ばら」159 「非常に優美な趣」
前回我々は、久しぶりに、ゲーテの天才を目覚めさせた、ゲーテの若き師ヘルダーに触れた。 今回から、再び、ゲーテの天才を目覚めさせた第二の存在フリーデリーケに戻…
論語漫歩1002 『星の王子さま』 「野ばら」158 「ヘルダーの導き」
前回の最終部を再掲してみよう。 朝早く、フリーデリーケは私を散歩に誘った。私は愛する少女と並んで、 「田園の、輝かしい日曜の早朝」を味わい楽しん…
論語漫歩1001 『星の王子さま』 「野ばら」157 「予感的中」
前回我々は、ゲーテの突然の訪問をフリーデリーケが直観で予知していたこと、そして、姉のオリヴィーが彼を「じっと」見て突然大声で笑い出すところまでを見た。 今回…
論語漫歩1000 『星の王子さま』 「野ばら」156 「予感」
前回我々は、ゼーゼンハイム村に向かって、夜道に、馬を飛ばす、「焔」のゲーテを見た。この時の血潮の滾(たぎ)り、胸の焔を歌ったのが、 「野ばら」 …
論語漫歩999 『星の王子さま』 「野ばら」155 「夜道を駆ける」
前回我々は、ゲーテが、専門の法律学のほかに、医学部の授業を熱心に受講し、医学部のエールマン教授に傾倒するのを見た。 敬愛する、その教授が、ある日、勧告する。…
論語漫歩998 『星の王子さま』 「野ばら」154 「医学部教授に傾倒」
前回我々は、オリヴィーが牧師を担いで「彼を心から笑わせる」のを見た。その後、彼女は弟のモーゼスを担ぎ、デザートの頃には、本物のゲオルゲまでがやって来て、…
論語漫歩997 『星の王子さま』 「野ばら」153 「牧師 心から笑う」
前回我々は、ゲーテの見事な「変装」に一杯食わされて、文字通り、草の上で死ぬほど笑い転げ、はしゃぎ切るほど上機嫌のオリヴィー(『ウェイクフィールドの牧師』の長…
論語漫歩996 『星の王子さま』 「野ばら」152 「姉 片棒を担ぐ」
前回我々は、フリーデリーケの姉が、ゲオルゲの正体を知って、顔を真っ赤にし、草の上をゴロゴロ転がりながら、とんでもない大声で笑い続け、笑いがどうしても止まらな…
論語漫歩995 『星の王子さま』 「野ばら」151 「感動の大笑い」
前回我々は、ゲーテとフリーデリーケが丘の上の小さな森の中のベンチで話しているところへ、突然、彼女の姉とゲーテの親友ヴァイラントの二人が現れ、妹とゲオルゲ(実…
論語漫歩994 『星の王子さま』 「野ばら」150 「化石化する二人」
前回我々は、丘の上の、小さな森の中の、「フリーデリーケの休息所」と名付けられた、不思議な空間にあるベンチで、ゲーテが甘美な夢に我を忘れていた時、当のフリーデ…
論語漫歩993 『星の王子さま』 「野ばら」149 「バラ色に染まる頬」
前回我々は、フリーデリーケの母親が、ゲーテの変装に気付き、十二時まで、草原に隠れているように指示するところまで見た。 今回は、その続きである。 草原…
論語漫歩992 『星の王子さま』 「野ばら」148 「牧師館で」
前回我々は、ゲーテが牧師館の戸口の前のベンチに腰を下ろし、自分の正体の暴露を今か今かと、胸を躍らせて待っているのを見た。 今回はその続きである。 と…
論語漫歩991 『星の王子さま』 「野ばら」147 「かわいい声」
前回我々は、ゲーテが宿屋の息子ゲオルゲになりすまして牧師館に取って返すところまで見た。 今回は、その続きである。 私は、最初が上首尾だったので何も彼…
論語漫歩990 『星の王子さま』 「野ばら」146 「第二の変装」
前回我々は、宿屋の息子と着物を取り換えたゲーテが、なかなか綺麗な身なりになるところまで見た。 今回は、その続きである。 彼がリボンのついた帽子を私に…
論語漫歩989 『星の王子さま』 「野ばら」145 「名案」
前回我々は、ゲーテが、自分の変装の姿の余りの無様さに、すっかり絶望し、ゼーゼンハイム村を訪問した翌日早朝、牧師邸から脱走するところまで見た。 今回は、その続…
論語漫歩988 『星の王子さま』 「野ばら」144 「脱走」
前回まで。ゲーテが友人と二人でゼーゼンハイム村を訪れた初日。晩餐の後、美しい月光に照らされた、広々とした野原を、フリーデリーケと腕を組んで散歩しながら、彼女…
論語漫歩987 『星の王子さま』 「野ばら」143 「ぞっとする変装姿」
前回我々は、客室で夜更けまで、ゲーテが友人とお喋りをし、フリーデリーケの恋愛経験についてしつこく訊ねるのを見た。 今回も、その続きである。 そういう…
論語漫歩986 『星の王子さま』 「野ばら」142 「すっかり似ている」
前回我々は、ゲーテが、フリーデリーケの 「この上なく無垢な心」に感動するのを見た。 今回もその続きである。 友人は、私と一緒に私たちのためにし…
論語漫歩985 『星の王子さま』 「野ばら」141 「無垢な魂」
前回我々は、腕を組み、月光に照らされて、広々とした野原を散歩しながら、フリーデリーケが、ゲーテに、自分の境遇や、知人のこと、更には土地のことについて、明るく…
論語漫歩984 『星の王子さま』 「野ばら」140 フリーデリーケは語る
前回我々は、ゲーテが奇妙な体験をしたのを見た。実に、ゲーテはゼーゼンハイムの牧師の晩餐で、彼が心酔していた物語、若き師ヘルダーが推奨し、ディケンズを初め、多…
論語漫歩983 『星の王子さま』 「野ばら」139 「物語の中にいる私!」
前回我々は、フリーデリーケが上手にピアノを弾き、拙(まず)く歌うのを聞いた。今回は、その続きである。 晩餐の時、私は前からもう心に浮かんでいたある想…
論語漫歩982 『星の王子さま』 「野ばら」138 ピアノを弾くフリーデリーケ
前回我々は、「かわいい、赤いバラ」である、碧い眼で、金髪のお下げがみの、あいらしくて優美なフリーデリーケの姿に接することができた。 今回も、その続きである。…
論語漫歩981 『星の王子さま』 「野ばら」137 「金髪のお下げ」
前回我々は、「この田舎の空に、世にも可愛い星が一つ現れる」のを見た。 いよいよ今回から、しばらく、ゲーテの目に写ったままの、「可愛い赤いバラ」(フリーデリー…
論語漫歩980 『星の王子さま』 「野ばら」136 「フリーデリーケ登場」
前回我々は、ゲーテが、友人と二人で、ゼーゼンハイム村に行き、牧師に会うのを見た。 今回は、いよいよ、フリーデリーケの登場である。我々は、論語漫歩922「フリ…
論語漫歩979 『星の王子さま』 「野ばら」135 「ゼーゼンハイム村訪問」
前回我々は、ゲーテの「変装癖」が、後年、彼の自然科学分野で、『植物のメタモルフォーゼ』、『動物哲学の原理』に結晶するのを見た。万物は、どんなに「変形」しよう…
論語漫歩978 『星の王子さま』 「野ばら」134 「進化論」
前回我々は、ゲーテの自然科学が、古代ギリシア以来の「神の自然内存在」の伝統と一致しているのを見た。 我々はこれまでゲーテの思想が、スピノザの「汎神論」、すな…
論語漫歩977 『星の王子さま』 「野ばら」133 「神の自然内存在」
前回我々は、ガリレオ・ニュートンの開いた近代科学が、「死んだ、灰色の自然」を対象としているのに対し、ゲーテの「緑の自然科学」は、生き生きとした本当の自然と一…
論語漫歩976 『星の王子さま』 「野ばら」132 「本当の自然」
前回我々は、ガリレオ・ニュートンの自然科学に孤独な闘いを挑み、100年以上もの間、蔑視されてきたゲーテの自然科学を、ノーベル賞受賞の科学者たちが支持し始める…
論語漫歩975 『星の王子さま』 「野ばら」131 「孤独な闘い」
前回我々は、若きゲーテが、バーチェル氏の「変装」に感動し、自分も「変装」して、ゼ―ゼンハイム村を訪れようとしているところまで見た。ゲーテの「変装趣味」は、幼い…
論語漫歩974 『星の王子さま』 「野ばら」130 「メタモルフォーゼ」
前回我々は、若き師ヘルダーの朗読を聞いて、21歳の若きゲーテが感動し、夢中になり、貧しい旅人に「変装」していたバーチェル氏が、ついにその富貴の正体を現わした…
論語漫歩973 『星の王子さま』 「野ばら」129 「子供のように喜ぶ」
前回我々は、『ウェイクフィールドの牧師』の神への絶対的信仰と、全篇に溢れ、牧師の高い知性のあらわれである反語(イロニー)をゲーテが称賛するのを見た。 前に見…
論語漫歩972 『星の王子さま』 「野ばら」128 「絶対的信仰」
前回我々は、ゲーテによる『ウェイクフィールドの牧師』の「主人公のアウトライン」を見た。 今回も、その続きである。『詩と真実』(岩波文庫第二部昭16年)p27…
論語漫歩971 『星の王子さま』 「野ばら」127 牧師のアウトライン
前回我々は、名作『ウェイクフィールドの牧師』岩波文庫2012年の通読を終えた。これこそ、青年ゲーテをゼーゼンハイム村に駆り立て、フリーデリーケ(ソフィア)に…
論語漫歩970 『星の王子さま』 「野ばら」126 「死の歓び」
前回我々は、「牢獄の改善」が順調に進むのを見た。 今回は、火事で負った火傷の悪化と牢獄の劣悪な条件で牧師の死が間近に近づくのを見ることにしよう。『ウェイクフ…
論語漫歩969 『星の王子さま』 「野ばら」125 「牢獄の改善」
前回我々は、牧師の本格的な「牢内説教」の開始を見た。 今回は、一歩進んで、「牢獄の改善」を牧師が始めるのを見ることにしよう。『ウェイクフィールドの牧師』岩波…
論語漫歩968 『星の王子さま』 「野ばら」124 「牢内の説教」
前回我々は、人間は、牢内に埋もれている人も、その心の尊さはすべて、玉座に坐っている人と違いはないこと、そして、この思想は、ルソーや孟子と同じであることを見た…
論語漫歩967 『星の王子さま』 「野ばら」123 「尊い宝石」
前回我々は、「善良でさえあれば、他のことはどうでもいい」と牧師が言うのを見た。そして、それは、孟子とカントの究極の思想に通じることも確かめた。 さて、今回は…
論語漫歩966 『星の王子さま』 「野ばら」122 「善良でさえあれば」
前回我々は、牧師が牢内で真剣に説教を始めるのを見た。 今回はその続きである。『ウェイクフィールドの牧師』岩波文庫2012年p255牢内での第一回目の説教のあ…
論語漫歩965 『星の王子さま』 「野ばら」121 牢内での説教
前回我々は、牧師が牢獄の石の床にわらを敷いてベッドにし、この上なく安らかに熟睡するのを見た。 今回は、子供たちが牢獄で一緒に暮らすことになるのを見ることにし…
論語漫歩964 『星の王子さま』 「野ばら」120 「全世界よりも友人」
前回我々は、地代が払えないため、投獄されることになった牧師を見た。 今回は、獄中での生活である。 夕方、監獄のある町につき、宿で家族と共に夕食をとった牧師…
前回我々は、父なる神は、99人の正しき人より、たった一人の悔悟した罪人を喜ぶのを見た。長女のオリヴィアは、前々から慕っていた若き地主ソーンヒル氏にだまされ、…
論語漫歩962 『星の王子さま』 「野ばら」118 九十九匹より一匹
前回我々は、牧師の美しい家、バーチェル氏がその団欒を称えた家が焼け落ちるのを見た。 今回は、火事の前夜、家の近くの宿に泊めておいた、傷心の長女オリヴィアを、…
論語漫歩961 『星の王子さま』 「野ばら」117 「私たちの宝」2
前回我々は、牧師が誘拐された娘オリヴィアをついに見つけ出すところまで見た。 今回は、破産、愛娘(まなむすめ)の誘拐に次ぐ第三の災厄「火事」について。『ウェイ…
論語漫歩960 『星の王子さま』 「野ばら」116 「私の宝よ!」1
前回我々は、破滅寸前の牧師一家を、この物語の終わりで救うバーチェル氏こと、サー・ウィリアムが、身分を隠して一家の生活の中に溶け込み、牧師の中の牧師と、その娘…
論語漫歩959 『星の王子さま』 「野ばら」115 楽園 2
前回我々は、牧師一家が、ソフィアの命の恩人バーチェル氏を心から「もてなす」のを見た。 今回は、その続きである。『ウェイクフィールドの牧師』岩波文庫2012年…
論語漫歩958 『星の王子さま』 「野ばら」114 クリスチャンの第一の義務
前回我々は、牧師一家が地主から猟の獲物の鹿肉の塊を贈られたところまで見た。今回は、その続きである。 『ウェイクフィールドの牧師』岩波文庫2012年p47 …
論語漫歩957 『星の王子さま』 「野ばら」113 「楽園」
前回我々は、危機一髪、ソフィアがバーチェル氏に救われるのを見た。 今回は、いよいよ牧師一家が新任の村に到着する。この村の住民は、金持ちでも貧乏でもなく、自分…
論語漫歩956 『星の王子さま』 「野ばら」112 「運命的出会い」
前回我々は、バーチェル氏こと、ウィリアム・ソーンヒル卿の生涯を、卿自身の口から、三人称の形で聞いた。 今回は、卿が数年もの間、ヨーロッパ中を捜し歩いていた「…
論語漫歩955 『星の王子さま』 「野ばら」111 「サー・ウィリアムの生涯」
前回我々は、人助けのために自分の有り金をはたいて、宿賃が払えなくなっている人と、その宿賃を喜んで肩代わりした、破産したばかりの牧師、この二つの「美しき魂」を…
論語漫歩954 『星の王子さま』 「野ばら」110 美しき魂と魂
前回、バーチェル氏こと、サー・ウィリアムの口から、その「変装」の理由を聞いた。今回は、そのウィリアム卿との出会いの場面に戻ることにしよう。『ウェイクフィール…
論語漫歩953 『星の王子さま』 「野ばら」109 理想の妻 ソフィア
前回我々は、バーチェル氏こと、サー・ウィリアムが、みすぼらしい姿に「変装」して、「理想の妻」を見出す旅を続けているのを見た。 今回は、卿御自身の口から、その…
論語漫歩952 『星の王子さま』 「野ばら」108 「変装」
前回我々は、全財産を失った牧師が、長男のジョージをロンドンに送り出すのを見た。今回は、牧師一家の、70マイル離れた新しい任地への出発である。牧師は家財道具を…
論語漫歩951 『星の王子さま』 「野ばら」107 第一の試練 「破産」
前回我々は、『ウェイクフィールドの牧師』の「人々の幸せな顔を見るのが大好きだ」という言葉を見た。 今回は、牧師の「破産」について。 牧師が一万ドルを預けて…
論語漫歩950 『星の王子さま』 「野ばら」106 「大好き」
前回我々は、文字通り世界中の人々に扉を開いた牧師夫妻が、グズベリー・ワインを御馳走し、家族と同じテーブルで食事を提供して、心からの「おもてなし」をするのを…
論語漫歩949 『星の王子さま』 「野ばら」105 「おもてなし」
我々はこれまで、孔子が最も尊んだ『詩経』と、ゲーテたちが絶賛した『ウェイクフィールドの牧師』が、共に「理想のカップル誕生」から始まり、更に、両書が、「誠」…
論語漫歩948 『星の王子さま』 「野ばら」104 「最も高貴なもの 誠実」
前回我々は、物語が牧師夫妻の「結婚」で始まり、孔子が最も尊んだ『詩経』も、「真の民主主義」と「人類皆兄弟」の思想を地上に齎した真の「君子」文王と「淑女」その…
論語漫歩947 『星の王子さま』 「野ばら」103 関雎(かんしょ)
これまで我々は、ゲーテを始め、ディッケンズや多くの文豪たちの絶賛を浴びた、1776年刊行の『ウェイクフィールドの牧師』の前書きに当る「作者のことば」と「出…
論語漫歩946 『星の王子さま』 「野ばら」102 物語の出だし
前回我々は、『ウェイクフィールドの牧師』の「作者の言葉」について見た。今回から、いよいよ本文の始まりである。出だしの部分を引用してみよう。岩波文庫p⒒ …
論語漫歩945 『星の王子さま』 「野ばら」101 「最も偉大な人間」
前回我々は、1776年に出版された、英国の作家ゴールドスミスの『ウェイクフィールドの牧師』を、ヘルダー、ゲーテを始め、スコット、ディケンズ、サッカレー、ヘ…
論語漫歩944 『星の王子さま』 「野ばら」100 『ウェイクフィールドの牧師』
前回我々は、みすぼらしい身形(みなり)に変装したゲーテが、ゼーゼンハイム村に出かけるところまでを見た。 今回は、彼がなぜ「変装」して出かけることを思いつい…
論語漫歩943 『星の王子さま』 「野ばら」99 『詩と真実』
前回我々は、ついに、フリーデリーケを歌った「ゼーゼンハイム絶唱」の引用を終わった。 今回から、いよいよ、ゲーテ自伝『詩と真実』によって、生身のフリーデリー…
論語漫歩942 『星の王子さま』 「野ばら」98 「歓迎と別離」
前回我々は、ゼーゼンハイム絶唱の一つ、「絵を描いたリボンに添えて」を引用した。そこでゲーテは、フリーデリーケを「バラのように咲いた愛する人」と呼ぶ。 今回…
論語漫歩941 『星の王子さま』 「野ばら」97 「バラのように」
前回我々は、世界の名著『ヘルダー・ゲーテ』の解説を覗き見た。そこに、フリーデリーケに寄せた三篇の詩の名が挙げられていた。次の三篇である。 「五月の歌」「絵を…
論語漫歩940 『星の王子さま』 「野ばら」96 フリードリーケ
前回我々は、「フリードリーケに」第五・六連の鑑賞を試みた。「フリードリーケ」こそが、ゲーテを真の詩人に目覚めさせた「ミューズ」だったというのである。ゲーテ…
論語漫歩939 『星の王子さま』 「野ばら」95 「フリーデリーケに」鑑賞7
前回我々は、フリーデリーケの安らかな寝顔を前に、とめどなくゲーテの目から溢れ出る涙の原因について推測してみた。 今回は、「フリーデリーケに」の第五・六連に入…
論語漫歩938 『星の王子さま』 「野ばら」94 「フリーデリーケに」鑑賞6
前回我々は、「フリーデリーケに」第四連で、フリーデリーケの天使のように安らかな寝顔を見て、ゲーテの目から、とめどなく、めしいるまでに、涙が流れるのを見た。…
論語漫歩937 『星の王子さま』 「野ばら」93 「フリーデリーケに」鑑賞5
前回我々は、「フリーデリーケに」第二連に登場する「フィレモン」について、ゲーテ自伝『詩と真実』第十章に触れた。 今回は、「フリーデリーケに」第四連に入るこ…
論語漫歩936 『星の王子さま』 「野ばら」92 「フリーデリーケに」鑑賞4
前回我々は、『変身物語』や『オイディプス王』で、神の如き預言者テイレシアスを見た。今回から、「フリーデリーケに」の鑑賞に戻ることにしよう。 「フリーデリー…
論語漫歩935 『星の王子さま』 「野ばら」91 『オイディプス王』3
前回我々は、ギリシア悲劇が「時空を超えて」人々にどれほど大きな感動を与えるかを、1881年のハーバード大学の公演で見た。 今回から、ソポクレスの『オイディ…
論語漫歩934 『星の王子さま』 「野ばら」90 『オイディプス王』2
前回我々は、悲劇『オイディプス王』が始まるまでのあらすじを見た。 今回は、いよいよ「悲劇」の開演である。その前に、有名なスフィンクス、有翼で、乙女の顔と獅…
論語漫歩933 『星の王子さま』 「野ばら」89 『オイディプス王』1
前回我々は、古代、名を轟かせた、テイレシアスの「予知能力」が、ゼウスによって与えられたことを知った。 今回は、そのテイレシアスが活躍する、ギリシア悲劇の最高…
論語漫歩932 『星の王子さま』 「野ばら」88 テイレシアス
前回我々は、自分自身に恋をして、ついに水仙に化したナルシスの物語を見た。彼がまだ幼かった時、後年の彼の悲惨な運命を予言したテイレシアスに、その時、我々は出…
論語漫歩931 『星の王子さま』 「野ばら」87 『変身物語』
前回我々は、『変身物語』の著者とゲーテの余りの酷似に驚いた。 今回から、ほんの少しだけ、『変身物語』について触れることにしよう。 『変身物語』は、15巻…
論語漫歩930 『星の王子さま』 「野ばら」86 オウィディウス
我々は前二回、オウィディウスの『変身物語』第八巻「ピレモン」について見た。 ピレモンを熱く語るのはレレクス。それを熱心に聞くのは、英雄テセウス。彼は、ヘラ…
論語漫歩929 『星の王子さま』 「野ばら」85 フィレモン2
前回我々は、貧しいピレモンとその妻バウキスが、神々とも知らず、二人の旅人を家中の食糧を総ざらいして、誠心誠意もてなす様を見た。今回は、その続きである。 …
論語漫歩928 『星の王子さま』 「野ばら」84 フィレモン1
前回我々は、「フリーデリーケに」第二・三連の鑑賞をした。 今回は、第二連の「フィレモンの苦しみ」について考えてみよう。 フィレモンPhilemonは、ピレモ…
論語漫歩927 『星の王子さま』 「野ばら」83 「天使の眠り」2
前回我々は、「天使の眠り」の例として、『ソクラテスの弁明』を見た。今回は、ホーソンの名作『デイヴィッド・スワン』である。彼は、相当な両親の子として生まれ、ギ…
論語漫歩926 『星の王子さま』 「野ばら」82 「天使の眠り」1
前回我々は、やっと、「フリーデリーケに」第一連の鑑賞を終えた。今回は、第二・三連の鑑賞である。 2 朝の散歩の約束を けろりと忘れて 平気なの…
論語漫歩925 『星の王子さま』 「野ばら」81 「フリーデリーケに」鑑賞3
前回我々は、「フリーデリーケに」第一連後半「小鳥のやさしいさえずりが 声あいらしく呼んでいる」を鑑賞した。今回は、その続きである。 ぼくの可愛い い…
論語漫歩924 『星の王子さま』 「野ばら」80 「フリーデリーケに」鑑賞2
前回我々は、「フリーデリーケに」第一連前半「目をさませ フリーデリーケよ 目をぱっちりと君があければ 夜も 明るい朝となる」を、少しばかり鑑賞した。フリーデ…
論語漫歩923 『星の王子さま』 「野ばら」79 「フリーデリーケに」鑑賞1
前回我々は、シュトラスブルク北東約24キロにあるゼーゼンハイム村の牧師館のフリーデリーケ(18歳)の部屋で、彼女の「この上なく安らかな寝顔」に見入るゲーテ(…
論語漫歩922 『星の王子さま』 「野ばら」78 フリーデリーケ登場
前回、21歳ゲーテの天才が、5歳上の若き師ヘルダーによって開かれるのを見た。今回は、いよいよ、我々が今、考究中の「野ばら」の主人公「小さき赤きバラ」・「フリ…
我々は、論語漫歩862「大自然の美」で、20歳のゲーテがシュトラスブルグで出会した「三大事」として、次の三つを挙げた。1 大自然の美2 …
論語漫歩920 『星の王子さま』 「野ばら」76 マリー・アントアネット
これまで我々は、21歳のゲーテが、若き師ヘルダーの『言語起源論』の刺激を受けたこと、そして、壮大な「緑の自然科学」の世界を切り開いたこと、更に、晩年、25歳…
論語漫歩919 『星の王子さま』 「野ばら」75 若き教授ニーチェの誕生
二回にわたって我々は、ショーペンハウアーの主著『意志と表象としての世界』に読み耽る、老ゲーテと若きニーチェの姿を見て来た。七十歳に垂(なんなん)とするゲーテ…
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