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VIXX!暗闇を照らせ! https://blog.goo.ne.jp/enenen0630

VIXXが主人公のFF *ご注意*性的表現を含むものは本文タイトル横にR18と表記しています

VIXX!暗闇を照らせ!
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2016/01/14

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  • 嘘(R18)

    【嘘】そこに行くのは、もう何度目だろう。古びた低層建築ばかりの町の一角に数年前突如できた外資系の6つ星ホテルが、例の客の常宿だった。ガラス張りの壁を段差をつけながら横に連ね、そうすることによって弧を描かせたブロンズ色の建物で、地下鉄の出口から、カラオケ屋の毒々しいネオン看板の向こう側に聳えるそのモダンなビルを眺めるたび、ホンビンは昔本で読んだバベルの塔を連想した。名前もロクに知らないそのホテルに、彼は屡々呼び出された。洗い晒しのグレイのフーディーに薄青のジーンズを穿いたホンビンは、流線形の黒い外車に群がるドアマンを遠目に見ながらメインエントランスの前の道を通り過ぎ、角を曲がってホテル内に店を構える花屋のウィンドウ隣の小さな扉から中に入った。都会的な丸いフォントで店名の書かれた花屋のガラス壁の向こうには、彼の住む...嘘(R18)

  • 注)この話は、時系列的には「サイダー」の次のエピソードになります。……………………………………………………………【お話しの時系列】【痣】→【痣2】→【jealous】→【カシミア】→【サイダー】→今回の話→【花】時系列めちゃくちゃで、わかりにくくて申し訳ありません><……………………………………………………………【声】スヌンが終わった翌日から教室の空気は一変した。それまでなんとなく漂っていた息苦しさのようなものが嘘のように無くなって、室内の気圧さえ高くなったようだった。試験の出来不出来によって多少の誤差はあるものの、人生最大のイベントを終えたという解放感は途轍もないもので、生徒たちはちょっとした躁状態だった。もちろんスヌン後も学期は続いていて、だから取り敢えず毎日何らかの授業めいたものはあったし翌週からは高校最...声

  • 【act.15】痣2 (R18)

    【痣2】(R18)店内には薄明りしかなかったが、目を凝らすとカウンターにいる彼をすぐ見つけることができた。丸い頭、なで肩に太い首、胸板は分厚いくせに腰回りは女みたいにか細いことがTシャツの上からでも見てとれる。アンバランスな身体。ほんとにそっくり。「あいつ」にそっくり。近寄ってすぐそばに立っても俺に気付かない。擦り切れた袖からするりと伸びた白い腕。華奢な手首。爪を短く切った清潔な指。その指の先には酒の入ったロックグラスがあった。派手な音楽と男たちの喧噪に包まれた猥雑な店の中で、彼はカウンターの上のグラスを傾けて回すという独り遊びをしていた。グラスを回すと蜂蜜色の柔らかな液体が光りながらゆらりと揺れる。彼は所在無げにそれを眺めていた。「ひとり?」声をかけると肩がピクリと動き、彼はグラスをカウンターに置いた。こちら...【act.15】痣2(R18)

  • 【お盆特別企画②】「カシミア」と「花」について

    「カシミア」という話の元になったのは、2016年の韓国版コスモポリタン10月号で見た、この写真です。バーガンディのカシミアセーターがホンビンくんのアンニュイな美しさにとてもよく似合って、なんてすてきなんだろうと思いました。このセーターはボッテガヴェネタの商品です。私がVIXXを初めて雑誌で見た時、彼らは全員フレッドペリーだったかトミーヒルフィガーだったかを着ていました。この写真を見た時、ああVIXXもボッテガヴェネタなんて着るようになったんだなあと、よくわからない感慨を持ちました。でも一方でホンビンくんはこんな高価なセーターに興味はないんじゃないかな、プライベートではこんな服手に取ることなんて多分ないよなとも思いました。このセーターの値段を聞いたらびっくりして目を丸くしたんじゃないかな、と勝手に想像しました。派...【お盆特別企画②】「カシミア」と「花」について

  • 【act.14】花

    【花】イホンビンの家は山の上にある。彼の家の前の道はそう広くなくて対向車同士がすれ違うこともできない。だから僕は、彼の家に行く時はいつも近くの公園の前に駐車することにしている。…………………………………………………<!--[if!supportLineBreakNewLine]--><!--[endif]-->高台にぽつんとあるブランコと滑り台だけのその公園には、一本の桜の木が植わっている。タルドンネの寂れた公園には勿体ないほどの見事な枝ぶりの桜は、昨日はまだ五分咲きぐらいと思ったのに、ほんの一日で見たところ満開だった。僕は車から降りると誰もいない公園の中に入った。桜は小さな公園の一番奥まった場所にあって、そこまで行くと町の風景を見渡すことができる。崖っぷちに張られた緑色のネットフェンスから少しだけ身を乗り出し...【act.14】花

  • 【act.13】サイダー

    サイダー扉が閉じられると、ホンビンはゆっくりとエレベーターホールに向かった。歩きながら彼の姿勢は少しずつ前屈みになった。そのうち廊下の壁に手をつくとしばらくの間そこにぐったりと凭れたが、廊下の先にあるリネン室から清掃係の女性が出てくるのが見えると、またよろよろと歩きだした。エレベーターの扉が開いてそこに誰もいないことを知るとホッとした。震える指で1階のボタンを押すと後ろの角に寄り掛かって俯いた。その場にうずくまりたい気持ちを必死で抑えながら下唇の裏を噛み、時々唾を飲み込んだ。途中で乗り込んできた若いカップルは、ホンビンのいることを気に留める様子もなく無遠慮に話し合っていた。彼らの口から発せられるけたたましい音をホンビンはぼんやりと聞いた。濃い赤で丁寧に彩られた女の爪先だけを、一心に見続けた。やっとのことで地上に...【act.13】サイダー

  • 【act.12】カシミア

    【カシミア】(R18)制服を入れた紙袋と通学用のリュックサックを放り込むと、ホンビンはコインロッカーの扉を叩きつけるように閉めた。すっかり身軽になった彼は受験生でごった返す駅の構内を足早に横切り、階段を一段飛ばしに上った。地下鉄の出口にはイチョウの木が1本立っていた。葡萄(えび)色のカシミアセーターに安物のジーンズというチグハグな恰好のホンビンは、目まぐるしく行き来する人の波を避けて歩道の端に立つと、朝の鋭い光に射されてきらきらと光る黄金色の葉を見上げて目を細めた。十代の少年にはおよそ似つかわしくない上等なセーターは、ウォンシクの母親からもらったものだ。日に日に寒くなるというのに一向に衣替えをしようとしないホンビンに気を揉んで買ってくれた。ホンビンはもちろん丁重に断ったが、ウォンシクの母親は「試験前に風邪でもひ...【act.12】カシミア

  • 〈一部修正しました〉【trash番外編】プレゼント

      ※12月にアップしたお話しなのですが、どうしても納得がいかなくて一部修正いたしました。(申し訳ありません><)ラストシーンが変わっています。        【プレゼント】「だってもう飲めるから」 ノートにボールペンを走らせながら、ホンビンは事も無げに言った。 勉強中にウォンシクがふと漏らした「お前、あの時酔っていたんだろ」という言葉が始まりである。未成年のくせに酒を飲むのはよくない。法律に反しているし、そもそも酒は脳を壊すんだからな、と父親の受け売りの説教した後に返ってきたのがこの言葉だった。「僕もう成人したから」「え」思いがけないホンビンの言葉にウォンシクの顔は引き攣った。「え、え、お前19になったの?誕生日来たの?」「うん」「いつ」 噛みつくように言ったウォンシクの顔を眠そうに見ながら、ホンビンは「先月...〈一部修正しました〉【trash番外編】プレゼント

  • 祝3周年!ありがとうございます

        2014年12月28日にこのブログを立ち上げて、あっと言う間に3年が経ちました。 大好きなVIXXを見ているうちに溜まっていった(もうひとつのブログには書くことが憚られる)妄想を吐き出す場として始めたブログです。 何しろ色々な妄想を持っていましたので、最初のうちはお話がどんどん浮かんできて、それこそ毎日のようにアップしていたのですが、2017年は数えてみれば、たった7つのお話ししか書くことができませんでした…・・・・ 毎年ワンパターンですが、この3年間の総括として、またもや自分が知りたいというだけで人気ランキングを調べてみました。 皆さまはタイトルを聞いただけでは、どんな話かピンとこないと思います。だけど私は、タイトルを聞いただけでほとんどの話の内容がピンとくるのです。 本当にバカみたいですが、それくら...祝3周年!ありがとうございます

  • 【フェセンモリ番外編】熱く固い石の壁 3

    日に一度しかない食事時になると、かつての軍友数人がレオの周りに自然と集まった。水で溶いた麦粥を啜りながら彼らが話すことはいつも同じで、つまりそれは我が身を憐れむ繰言である。――何故こんなことになってしまったのか。よりによって自分達が何故こんな理不尽な目に遭わなければならないのか。そもそもあの時あんなことをしたからだとか、もしあの時ああしていればだとか、今さら言っても仕様のないそんなことを飽きもせずグダグダと口にして時には咽び泣き始める者さえいる。そんな様子を横目に、レオはただひたすら腐敗臭のする麦粥を喉に流し込んだ。「こんなもの食えるか」かつて上兵と呼ばれていた男が顔を歪めて匙を放り投げると、その場の全員が「またか」という顔をした。ここでの生活も大方ひと月になろうかというのに、その男は今だ現実をを受け入れられず...【フェセンモリ番外編】熱く固い石の壁3

  • 【act.11】痣

    【痣】(R18)ホンビンは海にいた。浜辺に沿うようにして伸びた木製の歩道から砂浜に降りると、明け方まで降り続いた雨をたっぷり吸い込んだ砂は絨毯のような踏み心地で、その不思議な感触に彼は思わず足下を見た。鈍色の空と海の境界は滲み、西から吹く風に流されてくる霧が風景を一層曖昧なものにしていた。紗がかかったような世界の中で、空にはカモメが揺れ海には波が揺れていた。波打ち際に家族連れがいることにホンビンは気付いた。4,5歳くらいの男の子が、少し前を歩く両親らしき男女を追いかけるように、パタパタと走っていた。女の方が、ふと振り向いてその場にしゃがんだ。自分の首に巻いてあったレモン色のマフラーを外して駆け寄ってきた男の子の首にグルグルと巻き付けた。小さな子供には長すぎるマフラーは最初男の子の顔をすっぽりと隠してしまったが、...【act.11】痣

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