宮坂宥勝『空海 生涯と思想』(ちくま学芸文庫、2003年) 密教の悟りの境位というものがわかってから、1年以上経って、ようやっと空海の思想に触れることができた。 本書を読んだだけでは空海の思想の内奥に入りきれなかったため、その後にも複数読んでいるのだが、ひとま
「まれびとと祝祭 ―祈りの神秘、芸術の力―」(高島屋史料館TOKYO、会期 2022/03/02 - 08/21)・東京の高島屋でこんなのやってるんだ、って感じだったが、展示室は婦人服コーナーの隅っこにあった。 こんな場所気づくか!・こういったまれびとなんかの風俗はおもしろいね
「令和4年度第2期所蔵品展 特集:井上文太 Inspirations」(横須賀美術館、会期 2022/07/02 - 09/25)・横須賀までやってきた目的は運慶展だったのだが、トーハクの運慶展どころか(2017年)、2011年に金沢文庫で開催していた内容よりもしょぼかったという……。 金沢文庫
司馬遼太郎『胡蝶の夢(全4巻)』(新潮文庫、1996年)・小説の体裁はとっているが、司馬による鋭敏な日本文化論として読まれるべき作品。 こんな論じ方ができるのは、歴史小説家である司馬だけだと思う。 彼の代表作のひとつにあげてもよい傑作。・「胡蝶の夢」はいうまで
杉山登志郎『発達障害の子どもたち』(講談社現代新書、2007年)・インクルーシブ教育を是とする論調が正義とされている気がするが、子供のためには何が正解なのか、という問いが抜けている印象がある(インクルーシブ教育という考えを否定するつもりはない)。 本書冒頭の
・戒壇院の四天王が展示されているってことで、数年ぶりに訪問。 前回来たのは東大寺ミュージアムができて間もないころで、法華堂の修繕中だからって、不空羂索観音もこちらで展示されていたときだ。 いつだっけ、と思って調べれば2011年なので、実に11年ぶり……、いや、
「展覧会 岡本太郎」(大阪中之島美術館、会期 2022/07/23 - 10/02)・キャリアの最初から最後まで展示されていて、太郎の作品の全貌がわかる。 パリ時代の試行錯誤から、戦後に岡本太郎らしい作風に転じていくところとか、そういうのが一気に見られるのはよかった。 一点
「特別展 陶技始末 ―河井寬次郎の陶芸」(中之島 香雪美術館、会期 2022/06/18 - 08/21)・民藝運動に加わっていた陶芸家。・板谷波山なんかと比べたら、さすがに落ちる。 レベルが高いことは感じるのだけども。・最初は中国陶器を模して、のちに民藝運動に参加してから
「ライアン・ガンダー われらの時代のサイン」(東京オペラシティ アートギャラリー、会期 2022/07/16 - 09/19)・なんか久しぶりに、ああ、現代アートだなあ……って感想。 100円の価値もなかったね。・作品のタイトルとかキャプションが何もなかったので、目録を見ないと
「企画展 昭和のはじめの渋谷」(白根記念渋谷区郷土博物館・文学館、会期 2022/08/30 - 10/23)・常設展もまとめて。 渋谷の歴史についての雑感って感じ。・渋谷区ができたのがちょうど90年前の、1932年。 90年前の渋谷の写真を掲載していたのがこの企画展。 90年前って
「鈴木大拙展 Life=Zen=Art」(ワタリウム美術館、会期 2022/07/12 - 10/30)・現代芸術を中心とするっぽい美術館で、なんでこの企画、って感じだったが。・しかし、この内容で1500円は高いっすね。 自分みたいに鈴木大拙の思想とか、大乗仏教にある程度以上の理解が持てて
特別展「大勾玉展 -宝萊山古墳、東京都史跡指定70周年-」(大田区立郷土博物館、会期 2022/08/02 - 10/16)・地区の博物館だろうと侮っていたら、おそろしい物量と最新の研究成果に基づく解説! 時間の調整に失敗して1時間しかなかったから、消化しきれるはずがなかった
「版画×写真 ― 1839-1900」(町田市立国際版画美術館、会期 2022/10/08 - 12/11)・版画と写真の関係性とか、歴史的な展開ってところに焦点を当てた展覧会。 これはおもしろかった。・写真って1839年にゲダレオタイプが登場して、それからほどない41、2年には焼き増しが可
「新宿の弥生時代 ~教科書の弥生時代と比べてみると~」(新宿歴史博物館、会期 2022/09/17 - 12/04)・展示されている戦前の教科書を読むとおもしろかったのだけど。 神代の出来事が事実って前提になっているから(内容が日本書紀の要約だし、読んでて笑った)、縄文時代
「アーツ・アンド・クラフツとデザイン ウィリアム・モリスからフランク・ロイド・ライトまで」(府中市美術館、会期 2022/09/23 - 12/04)・名称は知りつつもちゃんと調べたことがなかった、アーツ・アンド・クラフツ運動。 アールヌーヴォーみたいなもんでしょ? と思っ
「特別展 生誕150年記念 板谷波山の陶芸 ―近代陶芸の巨匠、その麗しき作品と生涯」(泉屋博古館東京、会期 2022/11/03 - 12/18)・同じく生誕150年ということで、出光美術館でも板谷波山の展示を見たのが、同年22年7月のこと。 コロナ期間だったため、出光は以前よりも
「加耶 ―古代東アジアを生きた、ある王国の歴史―」(国立歴史民俗博物館、会期 2022/10/04 - 12/18)・長らく行きたいと思っていた国立歴史民族博物館である。 大阪の国立民族学博物館と並んで膨大な物量に圧倒される(そっちよりも物量があるかも)。 しかし、成田エク
「日中国交正常化50周年記念 兵馬俑と古代中国 ~秦漢文明の遺産~」(上野の森美術館、会期 2022/11/22 - 2023/02/05)・全然コメントするものがないわけだが。 この規模の展覧会って、ぶっちゃけつまらないのが多いんだよなー。 とりあえず日本に持ってきました、って
「佐伯祐三 自画像としての風景」(東京ステーションギャラリー、会期 2023/01/21 - 04/02)・佐伯さんの名前は以前から知っていて、ブリヂストン美術館ではじめて見たときには、 「ユトリロっぽいなあ……」 という感想を抱いたものだったが、実際にユトリロの影響が甚大
「諏訪敦 眼窩裏の火事」(府中市美術館、会期 2022/12/17 - 2023/02/26)・はじめて見たのだが、超絶うまくてビビった。 超写実主義ってジャンルなんだろうかね。 驚きの700円で見られたんだけど、これは安かったんじゃないですか!・3部構成になっていて、1部は家族のこ
「合田佐和子展 帰る途もつもりもない」(三鷹市美術ギャラリー、会期 2023/01/28 - 03/26)・まったく知らなかったが、とにかくすごい人だった。 本物の芸術家。 この前に見た佐伯祐三の個展でも感じたが、もうちょっと日本の芸術家を知らないといけないね。・というより
令和4年度所蔵資料展「戦前の新宿 ―1834(天保5年)~1940(昭和15年)―」(新宿歴史博物館、会期 2023/01/14 - 04/09)・もはや大規模な展覧会に飽きて、地区の小さいところを回るようになってしまっている。 地域の歴史博物館って案外おもしろいもので。 常設展は見た
「レオポルド美術館 エゴン・シーレ展 ウィーンが生んだ若き天才」(東京都美術館、会期 2023/01/26 - 04/09)・以前やっていた(2019年)、ウィーン分離派の続きみたいな展覧会。 クリムトの作品は以前の展覧会のほうがよかった。 シーレの個展であれば、作品はもうちょ
同時期に、フランス・ブルターニュに関する展覧会が2箇所で開催されていたので、まとめて書く。「画家たちを魅了したフランス〈辺境の地〉 ブルターニュの光と風」(SOMPO美術館、会期 2023/03/25 - 06/11)・5階がサロンのアカデミックな作品、4階が印象派とその周辺、3階
特別展「東福寺」(東京国立博物館、会期 2023/03/07 - 05/07)・ほぼ文書と絵で、あとは最後に仏像があるだけ。 以前の展覧会と比べれば、この程度の展覧会か……、というのが正直な感想。・東福寺という寺名は、東大寺と興福寺から一文字ずつをもらっているとか。 だから
「土門拳の古寺巡礼」(東京都写真美術館、会期 2023/03/18 - 05/14)・大判で土門拳の写真が見られる、というだけなんだけども。 展示されている仏像はほぼすべて見たことがあった。・しかし実物を知っていると、極度に接近して撮影する彼のスタイルって、良し悪しだよなあ
「吹きガラス 妙なるかたち、技の妙」(サントリー美術館、会期2023/04/22 - 06/25)・古代ローマのガラスは透明感のないガラスで。 これは清のガラスと同じだが、金属器や石器をガラスで再現するという意図があったらしい。 ガラスというものの現代のイメージが透明のそれ
「甲斐荘楠音の全貌 絵画、演劇、映画を越境する個性」(東京ステーションギャラリー、2023/7/1 - 8/27)・作品を見た記憶はあるが、個展ははじめて。 後年は映画業界にも転身したが(そういう経歴があるのでちゃんと評価されていない感じがある)、画家である。 系譜とし
特別展「春の江戸絵画まつり ほとけの国の美術」常設展「色彩のイマージュ」常設展「現代美術コレクション 2000-2020」常設展「牛島憲之の街歩き」(以上、すべて府中市美術館、会期 2024/03/09 - 05/06)・1時間しかなかったので深くは見られなかったが。・金沢の照円寺が
高木俊朗『インパール』(文春文庫、2018年)・インパール作戦だけに限った話でもないが、兵士を大量に死なせた連中が裁かれないままだったのは、禍根を残したよなあ、と思う。 日本人は戦後、自分自身を正しく裁くべきだった。 極東軍事裁判があったから、日本人同士の訌
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宮坂宥勝『空海 生涯と思想』(ちくま学芸文庫、2003年) 密教の悟りの境位というものがわかってから、1年以上経って、ようやっと空海の思想に触れることができた。 本書を読んだだけでは空海の思想の内奥に入りきれなかったため、その後にも複数読んでいるのだが、ひとま
「ぼくたちは見た ─ガザ・サムニ家の子どもたち」(日本、2011年)【あらすじ】1400人という多くの犠牲を出した、2008年から2009年にかけてのイスラエル軍によるパレスチナ・ガザ地区への攻撃。ガザ南部の農業地帯ゼイトゥーンに住むサムニ家の子どもたちは、一族が一度に29
都築政昭『土門拳と室生寺 四十年詣でのはてに見えたもの』(ベスト新書、2001年)──────・序章「数えきれない室生寺行」(7) 古寺巡礼は、みずからの出自を再確認するためのものだった。 しかし「抹香臭い」という表現を用いているところに、当時の文人の仏教認識
(古すぎて画像なし)田村圓澄『古代史選書2 飛鳥・白鳳仏教論』(雄山閣出版、1975年) これも片づけをしながら発掘した本。 ガチの学術書である。 5月に読んだ『古代朝鮮と日本仏教』の底本みたいなものだろうか。 12年前に読んだらしい(もちろん覚えていない)。
濱田武士「日本漁業の真実」(ちくま新書、2014年)──────・「はじめに」(3)・第1章「日本漁業の視座」(15) ちょうど10年前の本なので、直近のデータも調べてみたが、漁獲量がどんどん下落している。 2010年が531万トン、ピークだった80年代は1200万トンもあった
挂甲の武人 国宝指定50周年記念 特別展「はにわ」(東京国立博物館、会期 2024/10/16 - 12/08) 会期末が近い平日に見にいった。 平日でこれほどか、ってくらい人がいるわけだが。 さかのぼれば2017年、ミュシャ「スラヴ叙事詩」の展覧会でも同じことを書いたものだが、
「孤立からつながりへ ~ローズマリーの流儀~」(原題:Rosemary’s Way、オーストラリア、2020年)【あらすじ】オーストラリアに定住した難民や移民の中には、社会とのつながりをもてずに孤立した人生を過ごしている女性たちがいる。警察とコミュニティの橋渡し役を務める
「ピース・バイ・チョコレート」(原題:Peace by Chocolate、カナダ、2021年)【あらすじ】シリア内戦により難民となったテレクは家族と共にカナダへ移住。一家の受け入れ先は、故郷のダマスカスに比べてはるかに小さな街だったが、内戦で宙ぶらりんになった医学部卒業を目
「永遠の故郷ウクライナを逃れて」(原題:In the Rearview、ポーランド・フランス・ウクライナ、2023年)【あらすじ】ウクライナの市民が恐怖の紛争から逃れる避難の旅路を追った観察記録である。監督は自ら車を運転し、地雷原や軍事検問所を通過しながら、人々の移動を手助
「ザ・ウォーク ~少女アマル、8000キロの旅~」(原題:The Walk、イギリス、2023年)【あらすじ】アマルと呼ばれる高さ3.5メートルの人形が、同伴者のいない難民の子どもの苦境を知ってもらおうと、ヨーロッパを横断する旅にでる。道中でアマルは、同じような境遇にある難
「学校をつくる、難民の挑戦」(原題:The Staging Post、オーストラリア・インドネシア、2017年)【あらすじ】オーストラリア政府がボートで到着したすべての庇護希望者を強制収容する事態となり、インドネシアのチサルア村で数年を過ごすことになったハザラ系アフガニスタ
加藤典洋『日本の無思想』(平凡社新書、1999年) 部屋の掃除をしていたら発掘したが、以前に読んだのが社会人1年目の終わりごろで。 内容はまったく記憶していなかったが(だから読み返そうと思ったのだけど)、当時の自分が「愚論の連続」なんて書き込みを残していて、最
「ミュージアム コレクションⅡ かわりゆくもの、かわらないもの ―TRANSITION」(世田谷美術館、2024/10/26 - 2025/01/13) 「北川民次」と同時開催されていた、抽象画に移った三人の画家を取り上げた所蔵品展。 全体的な感想になる。 抽象画ってつまり、なんだろうか
「生誕130年記念 北川民次展―メキシコから日本へ」(世田谷美術館、2024/09/21 - 11/17) 結構大規模な回顧展だったのだが、正直なところ、よくわからないままだった。 個展を見れば、その人が何を目指したのか、どうしてこのような表現になったのか、といった、作家にと
中村光世『哲学に御用心 認識の謎を探る』(ナカニシヤ出版、1997年)──────・第1章「知覚と存在の関係」(3)・第2章「知覚の本性」(73)・第3章「意識、思考、自由」(155) 部屋を片づけていたら出てきたので、なんとなく眺めていたら、どうもこれ、大学の講義テ
西澤哲『子ども虐待』(講談社現代新書、2010年)──────・「プロローグ」(9) 「トラウマ」という言葉は、日本では1995年の阪神大震災を契機に認知されるようになったらしい。 トラウマ概念のルーツは、西洋では19世紀半ばまで遡ることができるそうだが、当時の西洋
創建1200年記念 特別展「神護寺 ―空海と真言密教のはじまり」(東京国立博物館、会期 2024/07/17 - 09/08) 十数年来、展覧会を経巡っていると、この程度の内容はもはや見飽きた、というのが正直なところ。 値上げもやむをえない情勢であることは理解しているが、以前で
・当初の社会主義思想が空想的であることに終始したのは、つまりは、それを具体的に論ずるための社会的要素が成熟していなかったため。 その前提は、資本主義的な大工業生産の成立。 大工業と呼ばれるものは、ようやく1800年ごろにイギリスで姿を現した。 フランスはそれ
・経済学とは、生産と交換に関する諸法則を研究する科学、と定義されている。 今はそこまでシンプルなものでもなさそうだし、「経済学なんて意味がない」と話す経済学者もいるくらいなので、学問としての定義が曖昧なままなのだろうか。 マルクスの場合は、経済学といいな
・剰余価値の発見はマルクスの成果だったと述べられる。 (剰余価値って今となっては常識的だと思うのだが、調べたところ、体系的に論じたところにマルクスの成果があったそうで、それ以前から古典経済学では言及されていたらしい)・剰余価値が資本に還元されて、さらに再
宮本輝『草花たちの静かな誓い』(集英社文庫、2020年)・1990年代以降の著者の作品に顕著な傾向だが、ミステリーというか、謎をちりばめないとストーリーを組めないんですかねえ……、ってことを思ってしまう(読んでてつまらないということではない)。 とはいえ、ミステ
倉田百三『法然と親鸞の信仰(上・下)』(講談社学術文庫、1977年)・法然の「一枚起請文」と、親鸞の「歎異抄」について、彼らの伝記をまじえながら著者がその思想を論じていく、という内容。 総括的なことはあとで書くとして、「一枚起請文」は短いのでそのまま転記する
宮本輝『星宿海への道』(幻冬舎文庫、2005年)・戦後の貧しかった日本の情景が頭に思い浮かばないと、物乞いの母と一緒に暮らしていた雅人の姿も感じ取りにくいかもしれない。 その貧しさが、どれくらい貧しかったのかということも。 悲惨であっても、不思議と明るい親子
田村圓澄『古代朝鮮と日本仏教』(講談社学術文庫、1985年)・古代朝鮮の仏教が日本に及ぼした影響、という観点での研究が少ないのはその通りだと感じる。 とはいっても40年前の本なので、その後の研究は進んでいると思うが。 別の本で読んだ話になるが、古代日本で半跏思
佐々淳行『連合赤軍「あさま山荘」事件』(文春文庫、1999年)・極左の人間を殉教者にしないように(安保闘争の樺美智子さんみたいに祀り上げられることになるので)、警察には火器の使用を禁じていたのがおかしい。 犯人は銃砲店から略奪した火器を撃ちまくっているのに、
髙橋義夫『沖縄の殿様 最後の米沢藩主・上杉茂憲の県令奮闘記』(中公新書、2015年)・上杉の殿様の話はどうでもよく(集めた資料を整理した、というくらいの内容なので)、明治初期の沖縄の民情に興味があった。・当時の沖縄はとんでもなく貧しい。 それぞれの間切が個別
広瀬和雄『前方後円墳の世界』(岩波新書、2010年)・殯とはつまるところ、死というものを確定させるための儀式であったのではないか。 (儀式と呼べるほどに仰々しいものでもなかったかも) 南西諸島の遺習である風葬・洗骨の印象を重ねてしまっていたが、殯は風葬から洗
横山紘一『十牛図・自己発見への旅』(春秋社、1991年)・まず前提として、「十牛図」の各段階。 01.尋牛 02.見跡 03.見牛 04.得牛 05.牧牛 06.騎牛帰家 07.忘牛存人 08.人牛倶忘 09.返本還源 10.入鄽垂手 参考:Wikipedia「十牛図」 (なお、「解釈」