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  • 『ちむどんどん』を「いじめ」すぎ

    朝ドラ『ちむどんどん』に関しては、私もかつて批判的な文章をここに書いた。確かに脚本が雑すぎる。だからみんなが一言言いたくなる気持ちはよくわかる。しかし最近のネットの反応を見ているとそこまで言わなくてもいいんじゃないかと思われる単なる悪口のような意見が多くなってきた。これでは「いじめ」と同じだ。共通の攻撃対象を見つけると、みんなで何を言ってもいいという雰囲気ができてしまうのだ。さすがにそれはひどい。繰り返しになるが『ちむどんどん』は脚本が雑すぎる。しかし役者の演技はとてもいい。みんながよく頑張っている。仲間由紀恵さん、大森南朋さんはとてもいい両親を演じていた。原田美枝子さん、片岡鶴太郎さん、高嶋政伸さん、鈴木保奈美さん、山中崇さん、長野里美さんなどのベテランもしっかりとわきを支えている。特に原田美枝子さんと...『ちむどんどん』を「いじめ」すぎ

  • 「夏の柊」ライブに行きました。

    「夏の柊」は吉田美奈子、森俊之、石井彰、石井智大、金澤英明によるバンド(?)です。そのメンバーによるライブが新宿Pitinnで開催されました。8月26日の初日に聞きにいきました。すばらしいライブでした。吉田美奈子さんは、ここしばらく石井彰さんと、金澤英明さんのデュオ「譚歌」に参加して、スタンダードなジャズナンバーを歌っています。以前、吉田美奈子さんは森俊之さんと全国を回っていました。そのツアーは主に吉田さんの曲を歌うものです。それに石井彰さんの息子さんの、弦楽器奏者石井智大さんが加わり、主に吉田美奈子さんの曲を歌うのが、この「柊」というプロジェクトで、夏に関する曲を歌うのがこの「夏の柊」ということのようです。メンバーはみんな一流のミュージシャンです。とにかくうまいし、作りあがられた音楽はかっこいいし心地い...「夏の柊」ライブに行きました。

  • 近代の個人主義があらゆるものを個人作業にした。

    近代について考えている。近代は個人の時代である。ひとりひとりが独立している。それによって個人は自由を得た。それに対して前近代は個人にあまり自由はなかった。そのためにあらゆる作業は指導者の命令による集団作業になった。これは一方では個人の能力を生かせないのでデメリットもある。しかし一方では集団による作業は発想の幅が広がるし、効率的である。メリットもあったはずだ。例えば歌舞伎の脚本は共同作業で作られていた。一応作者の名前がつくが、それは作家グループのリーダーであった。脚本会社みたいなものだ。我々は、小説は個人の力で書くものと思い込んでいるが、それは近代の常識である。近代特有の現象なのだ。しかしこの近代の個人作業はやはり効率が悪い。効率が悪いどころか、一人よがりになってしまい、しかもすぐに壁にぶつかり、作者は精神...近代の個人主義があらゆるものを個人作業にした。

  • 立川志の輔独演会に行きました。

    山形市中央公民館ホールで開催された『立川志の輔独演会』に行きました。志の輔師匠はもはや人間国宝級と言ってもいいのではないかと思えます。すばらしい話芸でした。山形県の山辺町の「やまのべどんぶり亭」が主催の落語会です。山辺町の峯田さんという方が努力なさって山形にたくさんの落語家を呼んできます。峯田さんは明治大学の落研出身で、志の輔師匠の後輩にあたる方だそうです。その縁で志の輔師匠が毎年山形で独演会を開催しています。今回は「異議なし」と「唐茄子屋政談」の2席。「異議なし」は志の輔師匠による創作落語。マンションのエレベーターに監視カメラをつけるかつけないかでマンション住民がもめるという話。人間描写が見事です。そんなことありえないだろうと思いながら、でも実際の会議でありえるような会話です。「唐茄子屋政談」は、親から...立川志の輔独演会に行きました。

  • 映画『サバカン』を見ました。

    映画『サバカン』を見ました。子ども時代の夏休みの様々な体験を描いたノスタルジックな佳作でした。それぞれの役者が魅力的な映画です。監督金沢知樹出演者番家一路原田琥之佑尾野真千子竹原ピストル貫地谷しほり草彅剛岩松了村川絵梨福地桃子長崎の海に近い町に住む、少し気弱な作文が上手な少年と、貧乏で、クラスの中で仲間外れになる絵のうまい少年が、夏休みに冒険し、仲良くなる物語です。小学校のころの夏休みは永遠の時間が流れていました。毎日毎日があらたな発見です。時には冒険の旅にでます。今から考えれば大した距離ではないのですが、当時はものすごい遠くへ行った気になっていました。体力と時間だけはあった時代ですので、たくさんの経験ができました。あの時代はとても貴重な時代でした。そんな子供時代のころを思い出されました。この物語を語る立...映画『サバカン』を見ました。

  • 高橋治之氏は国会で証言すべきだ。

    東京地検特捜部に逮捕された東京五輪・パラリンピック組織委員会の元理事高橋治之容疑者は無罪を主張しているという。AOKIホールディングス側から資金を受領したが、五輪に絡む便宜は図っていないと言っているのだ。受け取ったお金はコンサルタント料であり、賄賂ではないというのが高橋氏の理屈だ。こんなひどい論理が通るはずがない。もし彼の論理が通るとすれば、オリンピックの理事はやりたい放題だ。利権構造の中で常識が見えなくなったのだ。そもそもこういう男をつくったのは電通という組織だ。電通は経済界との太いパイプがある。持ちつ持たれつの関係だ。そして電通が政界とも結びつくから、巨大利権が生まれる。さらに電通とマスコミは持ちつ持たれつの関係だから、マスコミは電通に忖度する。こうして巨大利権コンツェルンが形成される。安倍政権のこれ...高橋治之氏は国会で証言すべきだ。

  • 安倍晋三氏と日本の権威主義

    安倍晋三氏が亡くなってわかったことがある。日本の権威主義である。安倍氏は森友学園や加計学園問題、「さくらを見る会」などたくさんの問題を抱えていた。もちろんひとつひとつ国家的なテーマとしては取るに足らないような問題であり、それを大きく取り上げるのはどうかというものであった。しかし、森友問題においては赤木さんの自殺もあり、やはり見過ごすことはできないようなものであった。それ以上に大きな問題だったのは、安倍晋三氏をとりまく権力集団の不遜な態度である。とりまきのような評論家が偉そうに安倍氏を擁護する論評を加え、さらに敵対する勢力を「バカ」と言い切る。さらにインターネットでいわゆる「ネット右翼」が乱暴な言葉遣いで追随する。それが当たり前の世の中になっていた。ところが安倍晋三氏が亡くなって、あきらかに「空気」が変わっ...安倍晋三氏と日本の権威主義

  • 『自己責任』という言葉の裏に

    旧統一教会の田中会長が記者会見を行った。その際、信者それぞれでは、自民党を中心とした政治家を応援をしたということがあるのだろうが、「法人(旧統一教会)」としては何もしていないという趣旨の説明をしていた。つまり旧統一教会としての組織ぐるみでの政治家との関係はないという意図である。信者と議員との関係は「自己責任」だという表明である。一方、自民党の対応も同じだ。党としては旧統一教会とは関係ない。各議員がそれぞれ関係をもっていたので、各議員が「自己責任」で説明しなさいと言っている。一見筋が通っているように見える。しかしこれはなんでもかんでも個人の問題にすり替えてしまい、セーフティネットをはっただけにすぎない。近年、このような「自己責任」がはびこっている。新型コロナ対策も自己責任になりつつある。老後の資金も年金にた...『自己責任』という言葉の裏に

  • 旧統一教会の問題を隠すような内閣改造によって、実は他にもたくさんのことが隠されている。

    岸田総理が突然内閣改造を行い、それと絡めて旧統一教会の問題がさらに大きく取り上げられている。旧統一教会については徹底的に究明してほしいものであるが、必要以上に大騒ぎをしている。このままではしばらくしたらみんなに飽きられて、「大騒ぎしておしまい」のような予感もする。そのどさくさの中でいくつかの大きな問題が隠されてしまっていることを忘れてはならない。一つは野田聖子議員の夫が暴力団員だったという問題である。野田聖子・前地方創生相の夫が、過去に暴力団員だったなどと報じた週刊文春と週刊新潮を相手取り、両社に1100万円の損害賠償を求めた2件の訴訟について、最高裁は、夫側の上告を退ける決定を出した。野田聖子議員の夫は反社会的勢力であり、野田議員はそれを嘘をついてまで隠していたということになる。暴力団は反社会的勢力であ...旧統一教会の問題を隠すような内閣改造によって、実は他にもたくさんのことが隠されている。

  • NTLIVE『プライマ・フェイシィ』を見ました。

    ジョディ・カマー主演のひとり舞台NTLIVE『プライマ・フェイシィ』を見ました。性被害を受けた女性の心を描く映画です。性被害者を担当することの多い弁護士自らが性被害を受け、その困難さの中で「真実」を見つけます。脚本も見事でジョディ・カマーも熱演です。内容も演技も見事としか言いようがありません。主人公テッサはトップクラスの弁護士です。同僚の弁護士と仲良くなり、性的な関係を結ぶようになります。ある日酒を飲み、自分の部屋にその同僚を向かい入れ、セックスをします。しかしその後、気分が悪くなり、トイレで吐きます。そのような状況でありながら、男はセックスを求めます。テッサは拒否するのですが、男はテッサを無理矢理犯します。テッサはこれをレイプだと訴えます。しかしこれが難しい裁判になることは明らかです。それでもテッサは自...NTLIVE『プライマ・フェイシィ』を見ました。

  • NTLIVE『ロミオとジュリエット』を見ました。

    NTLIVE『ロミオとジュリエット』を見ました。きちんと「ロミオとジュリエット」を見たことがなかったのですが、近代の演劇の原点がここにあるという作品でした。NTLIVEというのはイギリスの国立劇場ロイヤル・ナショナル・シアターの傑作舞台を厳選して映像化し、映画館のスクリーンで上映する「ナショナル・シアター・ライブ」のことです。この作品はコロナ禍であったために、舞台で上演したものではなく、初めから映像として作ったものです。ですからシーンごとに撮影されていますので、本来ならば生の緊迫感はないのだと思います。しかし逆に役者の表情やしぐさをはっきりとカメラがとらえるので、逆に緊迫感を覚える作品となっていました。「ロミオとジュリエット」のストーリーには無理があり、リアリティを感じなかったのですが、役者の演技こそがリ...NTLIVE『ロミオとジュリエット』を見ました。

  • 映画『エルヴィス』を見ました。

    地元の映画館の公開最終日にやっと映画『エルヴィス』を見ました。スターになる光と影が描かれる映画です。映画『エルビス』を見ました。は私の一世代前のスターで、あまり印象にありません。少し太めの派手な衣装を着たおじさんというイメージしかなかったというのが正直なところです。しかしこの映画を見ると彼が時代の寵児であったこことがわかります。当時の保守的なアメリカに革新的なスターが突如現れ、彼は賛否の的になりました。純粋に歌が好きで、目立ちたがり屋で、一方では神経質なエルビスが、時代に翻弄されていく様がよくわかります。エルビスがロックを受けいれる土壌を無理矢理アメリカに作り上げたおかげで、今のアメリカの音楽文化があります。またラスベガスの巨大ホテルのショーというひとつのショービジネスも作り上げました。確かに彼はアメリカ...映画『エルヴィス』を見ました。

  • 映画『エルヴィス』を見ました。

    地元の映画館の公開最終日にやっと映画『エルヴィス』を見ました。スターになる光と影が描かれる映画です。映画『エルビス』を見ました。は私の一世代前のスターで、あまり印象にありません。少し太めの派手な衣装を着たおじさんというイメージしかなかったというのが正直なところです。しかしこの映画を見ると彼が時代の寵児であったこことがわかります。当時の保守的なアメリカに革新的なスターが突如現れ、彼は賛否の的になりました。純粋に歌が好きで、目立ちたがり屋で、一方では神経質なエルビスが、時代に翻弄されていく様がよくわかります。エルビスがロックを受けいれる土壌を無理矢理アメリカに作り上げたおかげで、今のアメリカの音楽文化があります。またラスベガスの巨大ホテルのショーというひとつのショービジネスも作り上げました。確かに彼はアメリカ...映画『エルヴィス』を見ました。

  • 金子夏樹著『リベラルを潰せ』を読みました。

    金子夏樹著『リベラルを潰せ』を読みました。最近保守主義の力が強くなっています。そしてその保守勢力の力を利用して、反リベラル的な出来事が次々に起こっています。ロシアのウクライナ侵攻、アメリカの最高裁の妊娠中絶を認めないとの判断、日本における統一教会と政治家の癒着などです。この本では今、世界で起きている様々な問題に同じ背景があるということが分かります。世界中が保守化しているという感覚は多くの人にあると思います。ロシアや中国は独裁化しており、民主的だと思われてきたアメリカでさえトランプが大統領になり、保守的な政策を進めていました。日本においても安倍晋三政権は保守色の強い政権でした。東南アジアやアフリカの国々も民主化の方向へは進まず、逆にロシアや中国の支援を受け、保守的な独裁的になってきているように見えます。ヨー...金子夏樹著『リベラルを潰せ』を読みました。

  • 映画『オフィサー・アンド・スパイ』を見ました。

    ロマン・ポランスキー監督作品『オフィサー・アンド・スパイ』を見ました。正義を貫くことの難しさと大切さを伝える佳作です。この映画は「ドレフュス事件」を描いています。「ドレフュス事件」は世界史で勉強したことがあり、名前だけは覚えていたのですが、実際はどういうものか全然わかっていませんでした。「ドレフュス事件」とは、1894年にフランスで起きた、当時フランス陸軍参謀本部の大尉であったユダヤ人のアルフレド・ドレフュスがスパイ容疑で逮捕された冤罪事件です。ドレフュスが無罪であることに気づき、しかもそれが軍によって作り上げられた冤罪であったことに気づいたジョルジュ・ピカール大佐が、正義のために冤罪を晴らそうとしたことを描いています。権力がうそを隠し、それを暴こうとしても嘘に嘘を重ねて権力を守ろうとする姿は現代において...映画『オフィサー・アンド・スパイ』を見ました。

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