イプセン作の『人形の家』を読みました。演劇脚本としては必読書のひとつだと思いますが、今回初めて読むことができました。今読む作品としてはとりたててどうということのない作品なのかもしれませんが、演劇史的にはとても重要な作品であると思います。世間知らずのお嬢さんであったノラは、家族のために犯罪をおこしてしまいます。しかし世間知らずであったがために自分のやったことが犯罪だと気が付かないでいました。夫も出世して経済的にもこれから安定しそうです。順風満帆にみえました。ところが自分の犯罪行為に気付かされます。なんとかそこから逃れようと小手先の策を考えるのですが、まったくうまくいきません。しかもそれが夫にバレてしまいます。読者はみんな「かわいそうなノラ」と思うことでしょう。しかし、ノラは結局助かってしまいます。もちろん夫...イプセン作『人形の家』を読みました。