chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
arrow_drop_down
  • ドラマ「御上先生」について(その2)

    (承前)先週の日曜日(3月23日)に最終回をむかえたテレビドラマ「御上先生」。私がこのドラマに対して不満をいだくのは、もっぱら以下に述べる二つの点に関してである。第一に、私はこのドラマの終わり方が気に入らなかった。第1回の登場場面では(上から目線が強すぎたため)生徒たちに疎んじられていた御上先生が、最後には生徒たち全員から感謝されて終わる、というメデタシ、メデタシの大団円は、「いかにも」にして「ありがちな」学園ドラマの典型であり、(御上先生が常々批判していた)「熱血教師の学園モノ」とさして変わらない。こんな陳腐かつ安易な終わり方しかなかったのだろうか。エンディングにも、このドラマにふさわしい意外性に充ちた終わり方が欲しかった、ーーその「もうひとひねり」があればよかった、と私は思うのである。第二の不満点は、...ドラマ「御上先生」について(その2)

  • ドラマ「御上先生」について(その1)

    テレビドラマ「御上先生」が終わった。日曜日の夜9時からTBS系列で放送されたこのドラマはとても面白く、私は毎週欠かさずこれを見ていた。私が通うデイサでもおおむね好評で、何人かのスタッフがこれを見ていた。このテレビドラマは私にとっては、デイサ・スタッフとのコミュニケーション・ツールとしても大いに役立ったのである。このドラマが最終回をむかえた今、この回を中心に、総括の意味で若干の感想を述べたいと思う。「感想を」と思ったのは、このエンディングに私はちょっぴり不満があり、これを吐露したいと思ったからである。このドラマのコンセプトは、全体として大きく二つある。一つは、主人公の御上先生(松坂桃李)の教えによって、大学受験をひかえた高校3年の生徒たちが「自分の頭で考える」ことを学び、成長していく姿を描くことである。最終...ドラマ「御上先生」について(その1)

  • 石破首相の対トラ・スクラム

    そのニュースを聞いたとき、私は耳を疑った。「石破総理大臣は、日中韓3か国の外相会議などに出席するため日本を訪れている中国の王毅外相、韓国のチョ・テヨル外相と21日夜、総理大臣官邸でおよそ25分間面会しました。この中で石破総理大臣は『中韓両国はわが国にとって極めて重要な隣国だ。隣国ならではの難しい問題も時に発生するが国益に基づく現実的な外交により、諸懸案を含めて対話し、未来志向の協力関係を築いていきたい』と述べました。」(NHKNEWSWEB3月21日配信)え?うそだろ⁉だって、そうではないか。石破首相といえば、膨張主義の覇権国家・中国に対して少なからず警戒心や敵対心をいだいている人物である。先の自民党総裁選では、次の首相候補として(中国を仮想敵国とした)「アジア版NATO」の創設構想をぶち上げたほどである...石破首相の対トラ・スクラム

  • 放送100年に思う(おまけ)

    前回のブログで、私は「あさま山荘事件」にふれた。ブログを書き終えたあとで、その事件の記憶が私の中にまざまざとよみがえってきた。あの事件は放送史上エポックメーキングだっただけでなく、私自身の精神形成の上でもエポックメーキングな事件だったのかもしれない。印象深い記憶としてよみがえってきたのは、「巨大クレーン車と巨大鉄球」のテレビ映像である。直径が1メートルもあろうかという巨大な鉄球を、クレーンで吊るし、振り子のように揺らして(犯人たちが立てこもる)「浅間山荘」の外壁にぶつける。それによって開いた大きな穴から警官隊が突入するという、緊迫したシーンである。このときの模様を、Wikipediaは次のように描いている。「2月28日午前10時に警視庁第二機動隊(以下「二機」)、同第九機動隊(以下「九機」)、同特科車両隊...放送100年に思う(おまけ)

  • 放送100年に思う

    放送100年だそうである。ラジオ放送が始まったのは1925年3月22日、最初に放送を行ったのは、NHKの前身の東京放送局とのこと。こうしたこともあって、NHKは「放送100年時代を超えて3世代が選ぶあの番組」などと、「放送100年」を番組のタイトルに謳い、老舗放送局の自負を表明している。オールドメディアのもう一つの雄・新聞もこれにあやかり、(放送とは何の関係もないのに)「放送100年」にまつわる記事に多くの紙面を費やしている。(1)「きょう放送100年何が起こるか、わからないのがテレビ萩本欽一さんに聞く」(2)「(時時刻刻)100年、岐路に立つ放送国民全体で時間・情報を共有今は見たい時に見たい場所で」といった具合である。(1)の記事では、欽ちゃんが「テレビに対する考えが大きく変わったのは、あさま山荘事件だ...放送100年に思う

  • トラとゼレの口論会談 その真実をめぐって(その2)

    (承前)損得勘定にこだわるビジネスマン・トランプと、〈力(パワー)〉の如何にこだわる政治家・国家指導者のトランプーー。トランプ大統領のこの2つの姿は、どういう関係にあるのか。この問いを考えるために、次のことばの含意ついて考えてみよう。「あなたの国はとても困っている。勝ちそうにない。われわれのおかげでなんとかなる見込みが出てきたのだ」ウクライナのゼレンスキー大統領に向けられたこのトランプ大統領のことばは、決して大国主義を振りかざしたものではないことに注意しよう。大国・アメリカの〈力(パワー)〉を笠に着て、「だから、(弱小国の指導者たる)あなたは、私の提案を受け入れるべきだ」と迫っているわけではない、ということである。なぜならトランプ大統領は、アメリカという国を、強大な〈力(パワー)〉を持った国とは思っていな...トラとゼレの口論会談その真実をめぐって(その2)

  • トラとゼレの口論会談 その真実をめぐって

    アメリカのトランプ大統領と、ウクライナのゼレンスキー大統領。この両者がさる2月28日、ホワイトハウスで行った「口論会談」のことが気になっている。当初私は、この二人の口論は「損得勘定にこだわるトランプ大統領と、〈正義〉にこだわるゼレンスキー大統領との立場の違い」に起因するものと理解していた。事実、この会談の中でトランプ大統領は次のように述べている。「われわれはディールをまとめた。私はビジネスマンだ。ディールをまとめた、それが変わったことだ。」(NHKNEWSWEB3月2日配信)奇しくもトランプ大統領は、自分を「ディール(取り引き)をまとめるビジネスマン」と規定している。対してゼレンスキー大統領はどうか。「彼(プーチン)はウクライナの東部とクリミアという大きな部分を2014年に占領した。それから何年も。(中略...トラとゼレの口論会談その真実をめぐって

  • 日米戦争の記憶を

    夕餉の異食卓で次のニュースを聞いた。「太平洋戦争末期、8000人以上が亡くなったとされる『神戸大空襲』。市街地を無差別爆撃が繰り返し襲い、特に大きな被害が出た3月17日未明の空襲では、神戸市の西半分が消失しました。80年がたつことし、空襲の日に合わせて1冊の詩集が刊行されます。悲惨な歴史を語れる当事者が少なくなる中、戦後に生まれた神戸市の女性が、両親が体験した戦争を詩につづり記憶をつなごうとしています。」(NHKNEWSWEB3月14日配信)わざわざこんなことを書くのは、ほかでもない。このニュースを聞いたとき、私は少なからず違和感をおぼえたのである。違和感の正体ははっきりしている。「戦争の記憶・記録」を取りあげたこのニュースは、この戦争がどこの国との戦争だったのか、「神戸大空襲」の惨事をもたらしたのはどこ...日米戦争の記憶を

  • 寝たきり老人の延命措置と親鸞

    ドクターNは月に一度、我が家に来てくれる。「訪問診療」というやつで、この制度といい、ドクターNの存在といい、私はこれをとても有難いことだと思っている。ところがこのドクターN、一つだけ不満がある。ふつうの訪問医なら、まず「お体の具合はいかがですか?」などと訊くのだろうが、この老齢のドクターNは患者(=私)のことなど一切おかまいなしで、終始一貫、自分の思いをひたすら機関銃のようにしゃべり続けるのである。私が「あのう、先生、実は・・・」などと口をさしはさむ余地は全くない。その日、ドクターNは「外国には寝たきりの患者が全くいないのですよ」と話していた。外国では、高齢者が寝たきり状態になると、胃ろうなどの延命措置は行わず、自然の成り行きにまかせるのだという。「まあ、宗教の違いですかね。西洋はだいたいキリスト教ですか...寝たきり老人の延命措置と親鸞

  • フクシマ原発事故 その後処理問題のゆくえ

    最近のテレビ報道は、2011年の「あの日」を「原発事故記念日」から「大津波記念日」へ改ざんしようとしている。そういう歴史修正主義の捏造報道が、私には政府の原発推進策と密接にリンクしているように思えてならない。ーー前回のブログで、私はそう書いた。ただ、「あの日」を「原発事故記念日」として取り上げようとする動きも一部では見られる。ーーそうも書いた。具体的には、NHKのドキュメンタリー番組「”傷み”とともに〜西田敏行の知られざる故郷の物語〜」がそうである。しかしながら、今年はこれまでとちょっとおもむきが違うのではないか。「あの日」、すなわち2011年3月11日に起きたフクシマの原発事故を、きちんと記憶・記録にとどめよう、ーーそういう方向に潮目が変わりはじめた気がする。そんなふうに感じたのは、おととい3月11日の...フクシマ原発事故その後処理問題のゆくえ

  • フクシマ原発事故 その後処理の問題

    最近のテレビ報道は、2011年の「あの日」を「原発事故記念日」から「大津波記念日」へ改ざんしようとしている。そういう歴史修正主義的な捏造が、私には政府の原発推進策と密接にリンクしているように思えてならない。ーー前回のブログで、私はそう書いた。ただ、「あの日」を「原発事故記念日」として取り上げようとする動きも一部では見られる。そうも書いた。具体的には、NHKのドキュメンタリー番組「”傷み”とともに〜西田敏行の知られざる故郷の物語〜」がそうである。しかしながら、今年はちょっと違うのではないか。「あの日」に、すなわち2011年3月11日に起きたフクシマの原発事故を、きちんと記憶・記録にとどめよう、ーーそういう方向に潮目が変わりはじめたのではないか。そんなふうに感じたのは、きのう3月11日のNHKのニュース番組「...フクシマ原発事故その後処理の問題

  • きょうは何の日?

    降る雪や明治は遠くなりにけり。きょうが「あの日」なのだな。あれからもう14年がたつのか・・・。「十年ひと昔」というくくりでいえば、14年は「ひと昔半」ということになる。私が「あの日」を「遠くなりにけり」と思ってしまうのも、無理からぬことだ。14年前の「あの日」、2011年の3月11日は忘れもしない、私が脳出血に倒れ、救急車で隣町の救急病院に運ばれた日である。それはまた「東日本大震災」があった日でもある。「その日」のことは、記憶がだいぶ薄らいでいるが、(毎年、「その日」が近づくと必ずといっていいほどテレビで流される)大津波の映像が、「その日」の記憶をまざまざと呼び覚ましてくれる。記憶の中によみがえるのは、病院の大型テレビに映された映像である。爆発して煙を上げる原発ーーフクシマ第1原発ーーを背景に、枝野官房長...きょうは何の日?

  • トランプ退潮の予感

    その日、私は衝撃的な映像に釘づけになった。2月28にホワイトハウスで行われた、トランプ米大統領とゼレンスキー・ウクライナ大統領との首脳会談である。そこで交わされた激しい口論は、二人の心づもりの違いを浮き彫りにした。損得勘定にこだわるトランプ大統領と、〈正義〉にこだわるゼレンスキー大統領との違いである。(〈正義〉にこだわる)ゼレンスキーの態度が(損得勘定にこだわる)トランプ大統領を苛立たせた格好だが、センセーショナルなこの「事件」に対する米国民の反応も、トランプと同じく「ゼレンスキーはけしからん」だったようだ。「やつは無礼だ!」、「大金をつぎ込んで、ウクライナを支援してやっているのに、感謝の念がない!」等々。ヨーロッパ各国の首脳たちの受け止め方は、だがこれとは明らかに違っている。この「大事件」の後でも、ヨー...トランプ退潮の予感

  • トランプ政権の不確実性(その2)

    (承前)トランプ米大統領の思考の特異性。私がそれを思い知らされたのは、次のニュースによってである。「トランプ米大統領は25日、イスラエル軍とイスラム組織ハマスの戦闘で破壊されたパレスチナ自治区ガザの『将来像』の動画を自身のSNSに投稿した。ガザの住民を移住させ、米国が『所有』して再開発するというトランプ氏の提案には地元市民やアラブ諸国が反対しており、物議を醸しそうだ。」(朝日新聞2月27日)このニュースを聞いたとき、私は、カネのことしか頭にない強引な地上げ屋の所業を連想したのである。「ここは風光明媚だ。それなりに開発すれば、立派なリゾート地になる。だから、なあ、この土地を売ってくれないか。カネのほうなら、せいぜい奮発するぜ。移住先だって、便利な土地のマンションを用意させる。今のまま、貧乏な暮らしをするか、...トランプ政権の不確実性(その2)

  • トランプ政権の不確実性

    先日のことである。朝日新聞の紙上で東野篤子氏(筑波大教授・国際関係論)が次のように語っていた。「28日の会談で明らかになったのは、やはりトランプ政権下の米国に過度な期待をかけるのは難しいということだ。この政権の不確実性は想像以上だったと、欧州は震え上がっている。欧州や日本も、いざというときに米国なしでもやっていけるように、相当に覚悟しなくてはいけない。」(朝日新聞3月3日)トランプ政権の不確実性、それは、この政権がやらかすことはだれも予測できないということであり、その意味で、この政権には常にリスクがつきまとうということである。トランプがやらかすことは、なぜ予測不可能なのか。それは、トランプの思考回路が常人のものと全く異なっているからである。べつに難しいことを言おうとしているわけではない。トランプの思考の独...トランプ政権の不確実性

  • 右翼とは何か(その3)

    (承前)トランプの自国第一主義は自国の利益を最優先しようとするから、他国のことなどお構いなし、当然、国際協調を軽視する姿勢へと結びつく。トランプが地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」から離脱する大統領令に署名したこと、また、世界保健機関(WHO)からの脱退を表明したことは、トランプの流儀を特徴づけるものとして、まだ記憶に新しい。欧米でこのトランプ主義=自国第一主義が台頭すると、この先、国際情勢は一体どうなってしまうのか、と危ぶんでいたら、次の記事が目についた。「中国、米政権との違い強調25カ国と会談、協調示す外相外遊終了中国の外交部門トップを務める王毅(ワンイー)・共産党政治局員兼外相は欧州、米国、アフリカへの約10日間の外遊を終えた。国際会議の傍ら、電話を含めて25カ国の首脳や外相らと会談。ウクラ...右翼とは何か(その3)

  • 右翼とは何か(その2)

    (承前)朝日新聞がいう「右翼」は、「排外主義を主張する政治団体」を意味する。ウィキペディアもいうように、「右翼」は様々な意味を持つ言葉だが、朝日新聞はなぜ「右翼」を、この意味で使うのだろうか。排外主義という言葉で思い浮かぶのは、トランプ米大統領の保護(貿易)主義、自国第一主義である。このこととの関連を考えれば、排外主義を「右翼」と呼ぶことも納得できる。トランプは「共和党」の所属だが、アメリカの「共和党」は「民主党」との対比から、「右翼」のレッテルを貼られることが多いからである。トランプの支持者には下層の工場労働者が多く、彼らは「自分たちの職が奪われる」との恐れから、排外主義に流れることが多い。その意味でも、ドイツの「右翼」は、アメリカのトランプ支持者と共通する特徴を持っている。朝日の記事は「欧州の右翼政党...右翼とは何か(その2)

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、ささやんの天邪鬼 座右の迷言さんをフォローしませんか?

ハンドル名
ささやんの天邪鬼 座右の迷言さん
ブログタイトル
ささやんの天邪鬼 座右の迷言
フォロー
ささやんの天邪鬼 座右の迷言

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用