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米国イェール大学の生物学ポスドク。日本の博士課程を修了後、3年間の経営コンサルティング会社勤務を経て渡米。新卒内定者時代、コンサルタント時代、アカデミアへの回帰を模索する時代、そして今の海外ポスドク生活を綴るブログ。
細胞生物学、生化学分野の研究で博士号を取得後、「視野を広げたい」という理由だけで、外資系の経営コンサルティング会社に入社。紆余曲折ありつつも3年ほど勤めた後、アメリカに渡って、イェール大学のポスドクとして再びアカデミアの道へ。 このブログでは、学生時代の終盤に会社に内定した頃から始まり、コンサルタント時代、その後の紆余曲折時代、そして現在のポスドク生活を綴っています。
前の記事の続き。7月論文が正式にPublishされ、知り合いの反応や、Twitter上での「いいね」の数に喜ぶ。しかしそのような外向きの喜びなどはすぐに消え去るもの。ある種の「燃え尽き症候群」に陥り、2020年頃のしんどかった時期に帰りたいと思うようにすらなる。別のプロジェ
恒例の1年の振り返りである。今年はいろいろなことがあり過ぎたので、2つの記事に分けることにする。1月前年末に提出した論文の改訂稿に対する、雑誌からの返事をひたすら待つ日々。1月前半には返事が来るかと期待していたが、時間が経ち、雑誌から何の情報更新もない日が続
今回の学会でのこと。ポスター発表の時間中、あるポスターが目に留まった。見ると、日本の大学から来た人たちだった。内容も、僕の研究内容にかなり近かったので、足を止めて見始めた。すると、ポスターの裏から、発表者らしき女性が顔を出し、"Do you want me to explain?"
子供が生まれてから、研究に充てられる時間は目に見えて減ってきている。彼が自由にハイハイできるようになってからは特に。朝昼晩の食事、オムツ替え、散歩、寝かしつけ、そして怪我や何かの誤飲を防ぐための見張り...こうしたことを、妻が一人でやるのは不可能である。
今回の学会の意外な収穫は、研究者のグリーンカード(アメリカ永住権)申請を専門とする弁護士と会って話せたことだった。学会が公式にその弁護士事務所を呼んで、時間を設けて講演をしてもらい、さらにその日の午後ずっと学会上でフリーの相談を受け付けるという充実したサ
ボストンで行われた、アメリカ細胞生物学会とヨーロッパ分子生物学連合の合同学会に参加し、口頭発表をしてきた。自分が発表したセッション(プログラム)は、その学会で唯一、「脂質」をテーマにしたセッションだった。そして時間は、5日間ある学会の3日目の午後。おそらく
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トランプがアメリカ人の定義を根本から変えようとしている。そして、その試みに真正面から対抗している人たちが大勢いる。19世紀以来、アメリカの憲法は「何者であれ、アメリカで生まれた人間は無条件にアメリカ国民である」と定めてきた。この原則に従い、たとえ親が不法移
家族と離れ、涙が出たが、泣いている場合でもない。子供たちのために、仕事を見つけ、論文を通さなくてはいけない。休暇の間、人間の幸せとは何かを、よく考えた。自分の子供が自分を慕い、満面の笑みで駆け寄ってくること以上の幸せが、人間にとってあるだろうか。それが唯
中国の上海交通大学で、自分の研究についてセミナーをする機会があった。僕が今のプロジェクトで使用したアルゴリズムの開発者が上海交通大学におり、ずっと連絡をしたいと思っていた。今回、日本に行ったついでに寄りたいと思いメールをすると、「ぜひセミナーを」とのこと
先週から、長男を連れて、日本の実家に滞在している。諸事情により、妻と次男は後から来る。小さな子供を連れての一時帰国は、独り身の時よりは忙しい。それでも、アメリカでの野戦病院のような日常を離れて、日本という非日常での時間を過ごすのは、気分転換になる。自分が
アメリカに来てから、筆頭著者としては2本目の論文が、ほぼ完成した。そして、査読前の論文の投稿サイトであるbioRxiv(バイオアーカイブ)に投稿した。ほぼ、という状態になっているのには、事情がある。本来であれば、完全に完成させて、雑誌に投稿し、それと同時にバイオ
長男は2歳となり、次男も半年を迎えた。子育てに注ぐエネルギーと時間は増す一方であり、それに逆相関して、研究に費やせる精神的な力と時間は減る一方である。深夜、二人の子供が同時に夜泣きを始め、妻と二人で暗闇の中で子供たちをあやす。それが自分の子供であっても、眠
昨日、サウスカロライナ医科大学のラボ主宰者(PI)ポジションの面接と、ジョブ・トーク(オンライン)をしてきた。全体的な印象としては、「とてものんびりとして、若手に優しそうな環境」ということだった。朝10時から開始して、スケジュールとしては、デパートメントのチ
アメリカのとある大学の助教授(ラボ主宰者)ポジションの公募に、何の気なしに応募したところ、書類選考を通り、面接とジョブ・トークに呼ばれてしまった。事の始まりは、先月の末。雑誌Scienceに載っている公募情報をサラサラと見ていると、サウスカロライナ医科大学の助教
育休に入って、はや4週間が経とうとしている。さすがに、この生活をずっと続けるのは無理である。始まる前は、長男を連れてこの緑あふれる街を歩くことに憧れもしたが、それももう満足だ。ラボから離れると、置いてけぼりの気分になる。ラボのスラックでは、相変わらず新しい
現在、National Waiver Interestという枠でグリーンカードを申請準備している。この申請には、"Independent letter"、すなわち「外部推薦人」による推薦書が複数枚(僕の場合は5通)必要になる。外部推薦人とは、下記の条件を満たす大学の教授(PI)である。- 僕が行っている
1年以上前から、ずっと追っている、調べ続けている遺伝子がある。名前をM214という。まるで星雲の番号のような無機質な名前だが、それはこの遺伝子の機能を、人類はまだ何も知らないからである。通常、機能が一部でも解明されると、遺伝子はその機能を反映した名前を与えられ
去年C誌に掲載された論文について、解説記事を日本生化学会の会報に書いてほしいと依頼があり、その原稿を先週に投稿した。春ごろには掲載されるだろう。日本語なので、自分一人で書いた。単著で何かを出版するのは初めてである。学生の時もこうした依頼はあったが、当然、指
グリーンカードの申請(正式にはI-140の申請)の準備が本格的にスタートした。図らずも、その書類の準備過程が、自分の研究の説明能力を問われ、磨く機会となっている。I-140で最も重要なステップは、推薦書の準備である。自分のボスやコラボレーターはもちろん、自分の研究
基本的に、いま自分の何かが上手くいっているとするならば、それは過去の自分の自己投資の結果であるという実感がある。いま書いている論文は、3年以上前に、自腹を切ってEdXのオンラインコースでPythonを学んだ結果である。当時は「将来何かに役に立つかも」という程度のモ
日本では考えられないことだが、今、アメリカでは、大学院生やポスドクが労働組合(Union)を作る動きが全国的に広がっている。その流れの理由の一つが、コロナ以降の、生活費と家賃の異常な高騰である。ニューヨークやロサンゼルスのような都市部だと、従来の学生やポスドク
前の記事の続き。7月論文が正式にPublishされ、知り合いの反応や、Twitter上での「いいね」の数に喜ぶ。しかしそのような外向きの喜びなどはすぐに消え去るもの。ある種の「燃え尽き症候群」に陥り、2020年頃のしんどかった時期に帰りたいと思うようにすらなる。別のプロジェ
恒例の1年の振り返りである。今年はいろいろなことがあり過ぎたので、2つの記事に分けることにする。1月前年末に提出した論文の改訂稿に対する、雑誌からの返事をひたすら待つ日々。1月前半には返事が来るかと期待していたが、時間が経ち、雑誌から何の情報更新もない日が続
今回の学会でのこと。ポスター発表の時間中、あるポスターが目に留まった。見ると、日本の大学から来た人たちだった。内容も、僕の研究内容にかなり近かったので、足を止めて見始めた。すると、ポスターの裏から、発表者らしき女性が顔を出し、"Do you want me to explain?"
子供が生まれてから、研究に充てられる時間は目に見えて減ってきている。彼が自由にハイハイできるようになってからは特に。朝昼晩の食事、オムツ替え、散歩、寝かしつけ、そして怪我や何かの誤飲を防ぐための見張り...こうしたことを、妻が一人でやるのは不可能である。
育休に入って、はや4週間が経とうとしている。さすがに、この生活をずっと続けるのは無理である。始まる前は、長男を連れてこの緑あふれる街を歩くことに憧れもしたが、それももう満足だ。ラボから離れると、置いてけぼりの気分になる。ラボのスラックでは、相変わらず新しい
現在、National Waiver Interestという枠でグリーンカードを申請準備している。この申請には、"Independent letter"、すなわち「外部推薦人」による推薦書が複数枚(僕の場合は5通)必要になる。外部推薦人とは、下記の条件を満たす大学の教授(PI)である。- 僕が行っている
1年以上前から、ずっと追っている、調べ続けている遺伝子がある。名前をM214という。まるで星雲の番号のような無機質な名前だが、それはこの遺伝子の機能を、人類はまだ何も知らないからである。通常、機能が一部でも解明されると、遺伝子はその機能を反映した名前を与えられ
去年C誌に掲載された論文について、解説記事を日本生化学会の会報に書いてほしいと依頼があり、その原稿を先週に投稿した。春ごろには掲載されるだろう。日本語なので、自分一人で書いた。単著で何かを出版するのは初めてである。学生の時もこうした依頼はあったが、当然、指
グリーンカードの申請(正式にはI-140の申請)の準備が本格的にスタートした。図らずも、その書類の準備過程が、自分の研究の説明能力を問われ、磨く機会となっている。I-140で最も重要なステップは、推薦書の準備である。自分のボスやコラボレーターはもちろん、自分の研究
基本的に、いま自分の何かが上手くいっているとするならば、それは過去の自分の自己投資の結果であるという実感がある。いま書いている論文は、3年以上前に、自腹を切ってEdXのオンラインコースでPythonを学んだ結果である。当時は「将来何かに役に立つかも」という程度のモ
日本では考えられないことだが、今、アメリカでは、大学院生やポスドクが労働組合(Union)を作る動きが全国的に広がっている。その流れの理由の一つが、コロナ以降の、生活費と家賃の異常な高騰である。ニューヨークやロサンゼルスのような都市部だと、従来の学生やポスドク
前の記事の続き。7月論文が正式にPublishされ、知り合いの反応や、Twitter上での「いいね」の数に喜ぶ。しかしそのような外向きの喜びなどはすぐに消え去るもの。ある種の「燃え尽き症候群」に陥り、2020年頃のしんどかった時期に帰りたいと思うようにすらなる。別のプロジェ
恒例の1年の振り返りである。今年はいろいろなことがあり過ぎたので、2つの記事に分けることにする。1月前年末に提出した論文の改訂稿に対する、雑誌からの返事をひたすら待つ日々。1月前半には返事が来るかと期待していたが、時間が経ち、雑誌から何の情報更新もない日が続
今回の学会でのこと。ポスター発表の時間中、あるポスターが目に留まった。見ると、日本の大学から来た人たちだった。内容も、僕の研究内容にかなり近かったので、足を止めて見始めた。すると、ポスターの裏から、発表者らしき女性が顔を出し、"Do you want me to explain?"