この本のテーマは副題が自ずから示している。何人もの筆者が各テーマで分担しているので、純に紹介していこう。執筆者は必ずしも紹介しない。以下の番号は本書にふられたものであるが引用していない項があるので、番号は抜けている。①日本とヨーロッパの同時勃興日本が有力文明の域に達した時、同時にヨーロッパがイスラム文明を破って海洋に進出したのがほぼ同じ17-18世紀である。(P27)日本の歴史は、明治維新や敗戦などで断絶しているのではない。江戸時代の文明の熟成が維新のヨーロッパ文明の導入を可能にし、戦前の軍需産業が戦後の高度成長を可能にした。農地改革ですら戦前から始まっていたというのである。(P29)②モンゴルから始まった世界史タイトルには4つの意味がある。(P40)モンゴル帝国は、東の中国世界と西の地中海を結ぶ草原の道...地球日本史1・日本とヨーロッパの同時勃興・西尾幹二編