「歌舞伎十八番(かぶきじゅうはちばん)」のひとつになります。もともと、「暫(しばらく)」というタイトルの独立した演目があったわけではありません。「悪人が横暴を極め、善人側の人々を殺そうとしているとき、「しばらく」と声をかけて圧倒的に強い正義の味方が現れ、善人たちを助けて悪人の陰謀を暴く(そのあと悪人の手下たちをなで斬りにして去っていく)」簡単に言うとこんな感じの一連の展開が、お芝居の中の約束ごととしてあったのです。細かい設定や役名は毎回違います。この展開をお芝居の中に使うとき、「『暫』の趣向を使う」という風に言いました。もともとはそんなフレキシブルなものです。どれくらい毎回違うかというと、元禄十年以降の「暫」が入っている作品の一覧を見たことがあるのですが、毎回毎回全部設定と役名が違うものが、24ページ分ありまし...「暫」しばらく
「歌舞伎十八番(かぶきじゅうはちばん)」のひとつになります。「鳴神不動北山桜(なるかみふどうきたやまざくら)」というお芝居の四段目です。全段通して出すことは今はありません。と思ったら近年復活上演しました。三段目の「毛抜(けぬき)」、五段目の「不動(ふどう)」も歌舞伎十八番に入っています。古劇らしい、おおらかで力強いストーリーです。主人公の「鳴神上人(なるかみしょうにん)」はえらいお坊さんです。山の中で厳しい修行をして精神力を高めて、不思議な力を使えるようになっています。この力を「法力(ほうりき)」と言います。「仏法の力」です。さて鳴神上人が、その法力で「竜神(りゅうじん)」を北山の結界の中に封じ込めてしまいました。「龍神」は雨を降らせる神様です。おかげで日本はもう何十日も雨が降りません。飢饉です。というところか...「鳴神」なるかみ
「鳴神不動北山桜(なるかみふどうきたやまざくら)」という古いお芝居の三段目でもあります。近年復活通し上演されましたが、初演時の上演台本は残っていません。歌舞伎には、「歌舞伎十八番(かぶきじゅうはちばん)」というものがあります。単語を聞いたことがあるかたも多いかと思います。江戸初期の代表的な「荒事歌舞伎」を中心とした18の作品群です。「毛抜」はそのなかのひとつです。同じ「鳴神不動北山桜」から四段目の=「鳴神」=と五段目の「不動」も歌舞伎十八番の演目として残っていますが、ストーリー上の関連性はすでに殆どありません。当時(江戸前半期)の江戸歌舞伎は、派手な演出を重視し、華やかで豪快な主人公たちの言動を楽しむような内容でした。ストーリーはあまりしっかりしていないものが多いです。見た目重視です。その中でこのお芝居はかなり...「毛抜」けぬき
「歌舞伎十八番(かぶきじゅうはちばん)」の「毛抜(けぬき)」「鳴神(なるかみ)」「不動」の3作品の原型になっているお芝居として有名です。とても古いものなので、上演台本は残っていません。古典的な作品のだいたいの流れを書きます。最近の復活上演の内容も併記してみます。いま上演される「毛抜」「鳴神」の部分についても、ここでは流れしか書きませんので、詳しい内容は当該作品のリンクをご覧ください。全体を通しての悪役は、「早雲皇子(はやくものおうじ)」という人になります。この人は古典的上演では冒頭と最後くらいしか出ないのですが、復活上演ではお話の核になっています。「早雲皇子」は今の帝の皇太子だったのですが、「早雲皇子が即位すると世が乱れる」という予言がなされ、この予言のせいで「早雲皇子」は継承権を失います。新たに生まれた皇子が...「鳴神不動北山桜」なるかみふどうきたやまざくら
明治30年初演の、いわゆる「新作もの」です。最近上演機会が減っているのですが、いわゆる「歌舞伎十八番(かぶきじゅうはちばん)」に対抗して明治以降に作られた「新歌舞伎十八番」のひとつになっており、以前はけっこうな人気演目でした。時代設定は「太平記」、南北朝の時代です。主人公は「大森彦七盛長(おおもりひこしちもりなが)」といいます。「太平記」中、もっとも有名な武将である「楠正成(くすのきまさしげ)」を討ち取ったのが「大森彦七」です。今は、この「大森彦七(おおもりひこしち)」自体を知らない人が多いのも人気のない理由のひとつかもしれません。お話は、この「楠正成」を討ち取った戦いの少しあとからはじまります。戦はおさまっており、勝った北朝側はわりと平和です。場所は四国、伊予(いよ、いまの愛媛)」の山の中です。古い小さい地蔵...「大森彦七」おおもりひこしち
ってタイトルで語り終わった。ワンピースを歌舞伎化して話題になった歌舞伎ですが、ワンピースもいいですが、刀剣乱舞のほうが客層的に歌舞伎を見に来そうです。そもそもお金持ってるしイベント慣れしている。和物への興味も強い。ネタが和物だから歌舞伎と相性がいいし、歌舞伎ならではの衣装デザインという強みも生かせる。「サニワ」は上手屋屋体の御簾の中に入れておいて姿を出さないという演出も歌舞伎なら可能。ミュージカル化しているそうなので、せっかくなので歌舞伎も参入してみたらどうでしょうか。おじいさん誰がやるのか楽しみです。歌舞伎って刀剣乱舞を舞台化すればいいのでは
「ブログリーダー」を活用して、歌舞伎見物のお供さんをフォローしませんか?