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歌舞伎見物のお供 https://blog.goo.ne.jp/yokikotokiku

歌舞伎の諸作品の解説です。これ読んで見に行けば、どなたでも混乱なく見られる、はず、です。

歌舞伎見物のお供
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2015/05/22

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  • 「元禄忠臣蔵」げんろく ちゅうしんぐら 4-1

    一段目「江戸城の刃傷」、二段目「第二の使者」、三段目「最後の大評定」は、ここです。1項目で全段書こうかと思ったのですが、もともと初演時も1段ずつ別個に上演されており、時間的にもおそらく完全な通し上演は不可能だと思われます。4つほどに分けて上げてみます。昭和9年初演の、比較的新しい作品です。明治以降、歴史に忠実に設定、演出する、「活暦(かつれき)」という流れが一時歌舞伎の主流になったことがあります。いわゆる「新作」と呼ばれる歌舞伎作品には、この系統のものが多いです。「元禄忠臣蔵」は、その最高峰の作品と言って間違いはありません。膨大な資料を駆使して史実に忠実に作られた内容でありながら、お芝居としての面白さやキャラクターの魅力は損なわれていない傑作です。「活暦」の第一人者である真山青果(まやませいか)先生の作です。松...「元禄忠臣蔵」げんろくちゅうしんぐら4-1

  • 「葛の葉」くずのは

    「葦屋道満大内鑑(あしやどうまんおおうちかがみ)」四段目です。「葛の葉子別れ」というタイトルでも有名です。安倍晴明(あべのせいめい)という人は、映画にもなったみたいなのでわりと有名かと思いますが、そのお父さん、安倍保名(あべのやすな)が主人公のものがたりです。というわけで、時代設定は平安前期ということになりますが、もちろん舞台の風俗は江戸時代のものですよ。衣装とか。とはいえ、どことなく「古い時代」めいたほの暗い雰囲気がただようのがこのお芝居です。ここまでの経過をざっと書きます。皇位転覆の陰謀どうこうという部分もあるのですが、そのあたりはこの段に関係ないので無視です。保名(やすな)は天文博士、加茂保徳(かものやすのり)の弟子です。ライバルに芦屋道満(あしやみちたる)がいますがこの段には出てきません。保名は庄司太郎...「葛の葉」くずのは

  • 「金閣寺」 きんかくじ

    「祇園祭礼信仰記(ぎおんさいれいしんこうき)」というお芝居の四段目になります。もともとは文楽の作品です。この四段目以外の部分は上演されることはありません。この四段目と「祇園祭礼信仰記」という正式タイトルとの関連性が薄いため、「金閣寺」という副題で親しまれています。というわけで京都の金閣寺のリアルなセットが印象ぶかい、豪華なお芝居です。舞台は一幕です。ずっと金閣寺のセットです。庭に大きな滝と桜の木があります。悪役の「松永大膳(まつながだいぜん)」が、将軍「足利義輝(あしかがよしてる)」を暗殺したのが事件の発端です。クーデターです。全部出すと、このクーデターを含めたいろいろな事件が起こる長いお芝居です。・金閣寺の場クーデターの首謀者の「松永大膳(まつながだいぜん)」は、暗殺した「足利義輝」の母親の「慶寿院(けいじゅ...「金閣寺」きんかくじ

  • 「暫」 しばらく

    「歌舞伎十八番(かぶきじゅうはちばん)」のひとつになります。もともと、「暫(しばらく)」というタイトルの独立した演目があったわけではありません。「悪人が横暴を極め、善人側の人々を殺そうとしているとき、「しばらく」と声をかけて圧倒的に強い正義の味方が現れ、善人たちを助けて悪人の陰謀を暴く(そのあと悪人の手下たちをなで斬りにして去っていく)」簡単に言うとこんな感じの一連の展開が、お芝居の中の約束ごととしてあったのです。細かい設定や役名は毎回違います。この展開をお芝居の中に使うとき、「『暫』の趣向を使う」という風に言いました。もともとはそんなフレキシブルなものです。どれくらい毎回違うかというと、元禄十年以降の「暫」が入っている作品の一覧を見たことがあるのですが、毎回毎回全部設定と役名が違うものが、24ページ分ありまし...「暫」しばらく

  • 「鳴神」 なるかみ

    「歌舞伎十八番(かぶきじゅうはちばん)」のひとつになります。「鳴神不動北山桜(なるかみふどうきたやまざくら)」というお芝居の四段目です。全段通して出すことは今はありません。と思ったら近年復活上演しました。三段目の「毛抜(けぬき)」、五段目の「不動(ふどう)」も歌舞伎十八番に入っています。古劇らしい、おおらかで力強いストーリーです。主人公の「鳴神上人(なるかみしょうにん)」はえらいお坊さんです。山の中で厳しい修行をして精神力を高めて、不思議な力を使えるようになっています。この力を「法力(ほうりき)」と言います。「仏法の力」です。さて鳴神上人が、その法力で「竜神(りゅうじん)」を北山の結界の中に封じ込めてしまいました。「龍神」は雨を降らせる神様です。おかげで日本はもう何十日も雨が降りません。飢饉です。というところか...「鳴神」なるかみ

  • 「毛抜」 けぬき

    「鳴神不動北山桜(なるかみふどうきたやまざくら)」という古いお芝居の三段目でもあります。近年復活通し上演されましたが、初演時の上演台本は残っていません。歌舞伎には、「歌舞伎十八番(かぶきじゅうはちばん)」というものがあります。単語を聞いたことがあるかたも多いかと思います。江戸初期の代表的な「荒事歌舞伎」を中心とした18の作品群です。「毛抜」はそのなかのひとつです。同じ「鳴神不動北山桜」から四段目の=「鳴神」=と五段目の「不動」も歌舞伎十八番の演目として残っていますが、ストーリー上の関連性はすでに殆どありません。当時(江戸前半期)の江戸歌舞伎は、派手な演出を重視し、華やかで豪快な主人公たちの言動を楽しむような内容でした。ストーリーはあまりしっかりしていないものが多いです。見た目重視です。その中でこのお芝居はかなり...「毛抜」けぬき

  • 「鳴神不動北山桜」 なるかみ ふどう きたやまざくら

    「歌舞伎十八番(かぶきじゅうはちばん)」の「毛抜(けぬき)」「鳴神(なるかみ)」「不動」の3作品の原型になっているお芝居として有名です。とても古いものなので、上演台本は残っていません。古典的な作品のだいたいの流れを書きます。最近の復活上演の内容も併記してみます。いま上演される「毛抜」「鳴神」の部分についても、ここでは流れしか書きませんので、詳しい内容は当該作品のリンクをご覧ください。全体を通しての悪役は、「早雲皇子(はやくものおうじ)」という人になります。この人は古典的上演では冒頭と最後くらいしか出ないのですが、復活上演ではお話の核になっています。「早雲皇子」は今の帝の皇太子だったのですが、「早雲皇子が即位すると世が乱れる」という予言がなされ、この予言のせいで「早雲皇子」は継承権を失います。新たに生まれた皇子が...「鳴神不動北山桜」なるかみふどうきたやまざくら

  • 「大森彦七」 おおもり ひこしち

    明治30年初演の、いわゆる「新作もの」です。最近上演機会が減っているのですが、いわゆる「歌舞伎十八番(かぶきじゅうはちばん)」に対抗して明治以降に作られた「新歌舞伎十八番」のひとつになっており、以前はけっこうな人気演目でした。時代設定は「太平記」、南北朝の時代です。主人公は「大森彦七盛長(おおもりひこしちもりなが)」といいます。「太平記」中、もっとも有名な武将である「楠正成(くすのきまさしげ)」を討ち取ったのが「大森彦七」です。今は、この「大森彦七(おおもりひこしち)」自体を知らない人が多いのも人気のない理由のひとつかもしれません。お話は、この「楠正成」を討ち取った戦いの少しあとからはじまります。戦はおさまっており、勝った北朝側はわりと平和です。場所は四国、伊予(いよ、いまの愛媛)」の山の中です。古い小さい地蔵...「大森彦七」おおもりひこしち

  • 歌舞伎って刀剣乱舞を舞台化すればいいのでは

    ってタイトルで語り終わった。ワンピースを歌舞伎化して話題になった歌舞伎ですが、ワンピースもいいですが、刀剣乱舞のほうが客層的に歌舞伎を見に来そうです。そもそもお金持ってるしイベント慣れしている。和物への興味も強い。ネタが和物だから歌舞伎と相性がいいし、歌舞伎ならではの衣装デザインという強みも生かせる。「サニワ」は上手屋屋体の御簾の中に入れておいて姿を出さないという演出も歌舞伎なら可能。ミュージカル化しているそうなので、せっかくなので歌舞伎も参入してみたらどうでしょうか。おじいさん誰がやるのか楽しみです。歌舞伎って刀剣乱舞を舞台化すればいいのでは

  • 「高時」 たかとき

    明治17年初演の、いわゆる「新作もの」です。正確には「北条九代名家功(ほうじょうくだいめいかのいさおし)」というタイトルです。鎌倉幕府の、事実上最後の執権であった「北条高時(ほうじょうたかとき)」が題材の作品です。明治時代に「活歴」というのが流行りました。歴史上の人物を細かく考証してリアルに描こう、というような運動です。その一環として作られたののです。とはいえ高時についてはあまり歴史資料がないらしく、この作品は「太平記(たいへいき)」に出てくる暴虐な高時像をベースに描かれます。・北条家門外の場高時の家来たちがきれいなかざりを付けた強そうな犬を連れて休んでいます。散歩の途中です。高時は闘犬を好んだという伝承を元にした設定です。家来たちの会話で基本設定が語られます。お殿様の高時さまは「田楽」が好きで「法師」たちをた...「高時」たかとき

  • 「鎌髭」 かまひげ

    「歌舞伎十八番(かぶきじゅうはちばん)」のひとつになります。短い作品です。基本的にはこれ単独で上演されるものではなく、長いお芝居の中にこの場面が定番の趣向として取り入れられる、という形態で上演されていたものです。江戸時代の台本はすでになく、今存在するのは少し前に復活上演されたときの台本です。これは短いものを単体で上演しました。この作品の説明をここでは書きます。歌舞伎を知っているひとたちが「歌舞伎十八番」を復活上演するために、江戸荒事の約束ごとをていねいに構成していくとこうなる、というある意味教科書のような内容です。「歌舞伎十八番」や「江戸荒事」の雰囲気を知っていただく上でご一読いただいてムダはないかと思います。とあるお屋敷の豪華な「持仏堂(じぶつどう)」が舞台になります。「持仏堂」というのは、個人が自分の庭に自...「鎌髭」かまひげ

  • 「景清」 かげきよ

    「歌舞伎十八番(かぶきじゅうはちばん)」のひとつになります。主人公は「悪七兵衛景清(あくしちびょうえかげきよ)」という人です。平家の武将です。源平の戦の後も生き残って、あの手この手で「源頼朝(みなもとのよりとも)」の命を狙ったことで有名です。そのドラマチックな人生と荒々しく力強いキャラクターから人気があり、「景清もの」と呼ばれる多数の作品が作られました。この作品もそのひとつということになります。この作品は、景清が捕らえられ、牢に入っているところから始まります。・土牢(つちろう)の場舞台全体が巨大ながんじょうな牢屋です。太い木の格子がはまっています。牢番の役人たちの会話から始まります。いろいろ状況説明をします。景清は捕まってこの牢に入れられてから50日、なにひとつ飲み食いしていません。ここは源氏の牢、出される食事...「景清」かげきよ

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