【南朝の秘史と大王様の物語】南北朝時代末期、北朝と足利幕府連合軍との大宰府での決戦に敗れた南朝の一族とそれを支えてともに戦った肥後・菊池の一族は米良の山中深く逃れた。米良の山人は貴人と武人の一行を神として迎え、神楽に伝えた。「大王様」とは、後醍醐天皇の第九皇子・懐良親王を表す。政争に敗れて吉野に逃れた後醍醐天皇により南朝再興の夢を託され、転戦した皇子・懐良は一時は九州を制したが、悲願を果たせず流亡の身となった。悲運の皇子とその一族の物語は終夜吹き荒れた北風と哀調を帯びた神楽笛の音に乗って演じ続けられた。南朝の秘史と大王様の物語/2024村所神楽にて【神楽と仮面の民俗誌2024-2025<27>】