「失敗に学ぶ」という言葉を、私たちはあまりに自然に使っています。反省し、教訓を得て、次に活かす――それはとても理にかなった行動のように見えます。 しかし、本当に私たちは、失敗から学びたいのでしょうか? 失敗することそのものに、どこか安心したいのではないかと実は思うんです。 ノモンハン事件を振り返ると、そんな思いが強まります。日本ではこの戦いは「失敗だった」とされています。現地では激しい戦闘が繰り広げられ、多くの犠牲が出ました。そして結果として、日本が主張する国境線の確保には至らず、関東軍は撤退を余儀なくされました。ところが、ソビエト/モンゴル連合側では異なる物語が語られます。ジューコフ将軍の指…