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  • ソネット 11

    祈りのための紺碧の空瞳を凝らすと見えてくる心の成層圏と太陽に映る大いなる塵三十億光年にもなる遥かな幻辿り着くのも難しい距離見えない筈の存在が心という器に投げ込まれる星たちが祈りを捧げている銀河全体が罪を償っている惑星集団が頭を垂れているそして魂だけが漲ったまま命という永遠の尊さを希望のための天の頂きに宿らせる...

  • ソネット 10

    薄明かりのなかに春が見える微かな胴体が季節の変化を醸し出すぼくは一体何を求めているのか欲は日差しとともに季節欲と合体するぼくは自分の体が好きだ大切な心音が奥深くしじまのようにいったん無の世界に沈む新たな脳に刻み込むため...

  • ソネット 9

    あたたかな優しさつめたい優しさつよい優しささりげない優しさそうしてぼくらの優しさは厳しさという世界観のなかで埋もれては消えるそんな揺れる心のなかでミクロコスモスの漂う世界で隠されている優しさとはそんなものだゆれやまない樹木へのささやかなメッセージのように...

  • ソネット 8

    彗星の尻尾が確かに僕たちには想像の中で見えたはずあのハレー彗星の再来からあれから何年たったのだろうか僕たちは天体観測のため山に登ったあなたはその上空に君臨している星群に隠されてあなたを見ることが出来なかった溢れるこの地球への感謝の念をこの心に刻み幻のような星を見上げるあなたと出遭って人生も変わったあの彗星はそんな僕たちを笑って見守っているだろう...

  • やさしさ玉

    やさしいこころの持ち主はやさしさ玉という不思議な宝石を持っているでもそんなこころの持ち主はいつもそれで損ばかりしているだからやさしくなりたくないと日頃から思っているがどうしても止められないやさしさ玉のことをその人は気がついていないみずからのこころのおくの魂からやさしさが溢れ出すのに耐え切れず損を承知で生きているそれは誰にも止めることのできないものたとえば無意識のうちにしてしまう他人への思い遣り他人...

  • ソネット 7

    ミクロの細胞に 覆われたかなしみよ それは何処まで広がるのか 闇とともに どんなに精密な メスが使えるようになっても 消えない煉獄が在る そしてそれを解剖することは 魂の秘密に触れること それは風のような電気メスで メランコリーの魂の源泉を 抹殺しようとすること わたくしがどんな悲しみを抱えて いようとも神以外触れられないもの...

  • ソネット 6

    無には意味がないだが苦悩には意味があるのかもしれない世界の超絶を知っているなら人生に無駄なものには何一つ希望の他には何一つないのかもしれない心と魂はほんの一瞬触れ合うのみだがぼくは魂のほうを選択するこの果てしない銀河を超えて...

  • ソネット 5

    人生は意味を超えるどんな境遇に出会っても絶望の嵐に打ち砕かれても無意味に感じられる運命に身を任せてもそれだけでは意味を超えられない心の中の混沌それに身を任せずたとえ人間の尊厳を失いかけても人生には意味がある美という神に身をささげるのだ...

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