この世は「わからないこと」に満ちています。それを「わかりたい」と努力するから、自分はまだ成長できるのでしょう。もしも「すべてがわかった」となったら、あとは死ぬしかない。さすがに「死」は実際に死なないと「わからない」でしょ?【ただいま読書中】『アダム・スミスの夕食を作ったのは誰か?──これからの経済と女性の話』カトリーン・マルサル著、高橋瑠子訳、河出書房新社、2021年、2100円(税別)ニュートンが万有引力で表現した中では「星」は「質点(重心にすべての質量が集中した点)」として表現できます。そこでは「星の個性」ははぎ取られてしまいます。また、古典的な物理学では「原子」の運動によってすべての法則が説明できるとされていました。原子レベルでも惑星レベルでも、初期条件さえわかれば「未来」は完全に予測可能でした。アダム・...わからないことだらけ
昔のSF作品を読んだり見たりすると、今に通用する先進性を感じることもありますが、ときにものすごく古めかしいと感じることもあります。たとえば喫煙。昭和の時代に、今のように喫煙が激減するとは誰も思っていなかったから、21世紀の世界でも多くの人が煙草を吸っていたりするんですよね。【ただいま読書中】『日本アニメ誕生』豊田有恒著、勉誠出版、2020年、1800円(税別)1961年早川書房の第一回SFコンテスト(当時の名称は空想科学小説コンテスト)で入賞した著者は、SF作家としてデビューします。同じコンテストで入賞した平井和正が少年マガジンで漫画「エイトマン」の原作をしていましたが、それがテレビアニメになることと也、著者に「シナリオライター」の口がかかります(当時のプロは「けっ、テレビ漫画だと?馬鹿にするな」だったので、素...過去の未来
「出藍の誉れ」という言葉があるように、「師匠」が注目されるのは「師匠を越えるすごい弟子」がいた場合です。だけどそれって、「人を育てる苦労」にプラスして「自分の強力なライバル」を作ってしまうわけで、なんだか割が合わないような気がします。【ただいま読書中】『絆──棋士たち師弟の物語』野澤啓亘著、日本将棋連盟、2021年、1810円(税別)雑誌「将棋世界」2019年2月号〜20年6月号に連載された「師弟」に大幅に加筆されたものです。個人としての棋士は、なかなか本心を明かしません。記者がインタビューで苦労しているのは、私もテレビ画面でよく見かけます。ところが「師弟」を切り口にすると、棋士たちは驚くほど饒舌に自分について語り始めるのだそうです。本書に登場する「師弟」は「中田功/佐藤天彦」「畠山鎮/斎藤慎太郎」「木村一基/...師匠と弟子
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