はいはいはいはーい、おまたせ、飛騨の小路小湧水でーす、まもなく梅雨明け、いよいよ暑くなりました、まだ飛騨は朝夕や夜は涼しいので有難いです。ウチの先生も近くの御前山の竜神様に涼しい夏をお願いしているみたいで、今のところ叶っているようです。はい、遅れながら原稿が届きましたので、早速、小説に参ります、はい、では開幕開幕でーす!443空飛ぶ車?三輪車が観音峠に近づくと、急な坂だった林道がなだらかな道になった。途端に三輪車が元気を取り戻したように勢いの良いエンジン音に変わった。旅館の親父さんは、まるで大きな一団を率いる組の親分のように両手でハンドルを掴み、大きく開いたガリ股でアクセルやクラッチやブレーキを踏んでいた。ハナやハナナ達には、三輪車と親父さんがまるで一体になっているように思えてきた。「さあ、駐車場まであと...連載小説「幸福の木」443話空飛ぶ車?