ある心理学者が、「オリンピックの開催で、コロナを軽くみる『楽観バイアス』が強まり、緊急事態宣言が意味をなさなくなってきている」と指摘した。耳慣れない言葉だが、日常生活でも見かける人間の反対心理を指している。五輪の開催と緊急事態宣言という矛盾する条件下では、自分が好きな方に流れるのが自然で、『コロナは大したことがない』と軽視することになる。だから、緊急事態宣言を出して、コロナの怖さを訴えても、感染者数が5,000人になろうが、10,000人になろうが、不安を感じなくなる。一年前、小池都知事が、「これからは、脱コロナではなく、ウイズ・コロナ」とのメッセージは、一種の『楽観バイアス』で、意図とは違う形で現実化した。心理作用を変える有効な手立ては、行動を物理的に制限するか、長期戦を覚悟するしかない。★楽観バイアス(前編):コロナ慣れ
2020東京オリンピックは、異例づくめの開催になり、素直に喜べないが、各国代表の選手たちが、しのぎを削る真剣さに救われる。しかし、表彰式会場には、勝利の栄誉を祝福する観客の姿が無く、選手が自分でメダルを受け取る光景は、祭典の華やかさを欠き、感動も失せ気味だ。さて、「2019年ラグビーW杯」は、日本がアジアで初の開催国となり、日本チームの活躍で、「にわかファン」が増え、ラグビー界に革命を起こした。国際統括団体ワールドラグビーが、「これまでで最も素晴らしい大会」と高く評価したのも、ラグビー後進国と評価されていた日本選手が躍動したからだ。オリンピックは、「選手間の競争であり、国家間の競争ではない」という五輪本来の理念に立ち返れば、開催国が、国威発揚のために莫大な費用を負担するオリンピック至上主義を見直す契機にすべきだ...★感動の本質(番外編):五輪至上主義の見直し
浜松市のある小学校が、日本財団「海と日本プロジェクト」と連携して、昨年9月よりヒラメの養殖に取り組み、生育期間を終えた6月に開かれた「いのちの授業」の報道番組も示唆に富んでいた。子供たちは、稚魚に愛称をつけて観察日誌を書き、育てたが、最終局面で、難しい選択を迫られた。養殖本来の目的は、「食べる」ことだが、成長を見守るうちにヒラメが愛おしくなり、食べることが出来ないと涙を流す子や、食べるために育てたと割り切る子等々、それぞれの心の葛藤がいじらしかった。全員で話し合って、結論を出そうとしても、なかなか決まらず、最終結論は、多数決で「食べる」ことになり、泣いた子も味を嚙み締め、笑顔に戻った。食育基本法は、知育・徳育・体育の基礎となるものと定めているが、「命」を「いただく⇒奪う⇒殺す」と表現を変えれば、重みも違ってくる...★感動の本質(2/2):食育
7月21日、新型コロナの関係で、米子松蔭が出場を辞退したあと、主将が、SNSで「試合がしたい」と訴え実現したニュースは、示唆に富む。出場辞退の発端は、米子松陰高校の関係者1人が、新型コロナに感染したもので、野球部員や野球部関係者らとの接触はなかったし、抗原検査も陰性だった。同校は、春の県大会の優勝校で、本大会の第1シード校だったので、無念さがヒシヒシと伝わった。鳥取県高野連は、一旦、不戦敗の判断を下したが、相手校の了解をとり、これをを取り消した。メンツを捨てた高野連の温情に応えたかのように、試合も劇的な展開で、1対2で劣勢だった米子松陰が、9回裏に2点を奪って3―2で逆転サヨナラ勝ちした。毎年、頂点を射止めるのは、1校だけだが、全高校球児が、熱い思いを胸に、苦しい練習に耐え、県代表を目指すひたむきさと純粋さが、...★感動の本質(1/2):高校野球
「世界中の青空を全部東京に持ってきてしまったような、素晴らしい秋日和でございます」。1964年東京オリンピックの開会式のテレビ中継が始まった時、NHK北出アナの第一声が流れた。その名調子に、「いよいよ始まるぞ!」と、胸が高鳴った。今回のオリンピックは、中継を一切、見ないことにしたので、開会式の様子を知らない。不謹慎だが、「世界中のコロナウイルスを東京に持ってきたようで、スタンドに人の姿がなく、重苦しい熱帯夜でございます。」と、発したいところだ。私の脳裏には、オリンピックは、さわやかな秋空が広がる10月10日開会の記憶がこびりついている。昨年、一年延期を決めた時、日程を変更するチャンスがあった。マラソン会場を札幌に変更してまでも、酷暑の中で開催する理由が、いまだに分からない。東京都議選や衆院選、自民党総裁選等々の...★感動の落差(番外編):真夏の悪夢
1964年東京オリンピックは、敗戦から復活を遂げた日本が、国際社会に復帰するシンボリックな大イベントで、熱狂的な国民の支持と期待に溢れていた。オリンピックに無関心な私でさえ、TV画面を通じて、活躍する日本選手を応援した。のめり込むことはなかったが、市川崑監督制作の記録映画を見て、東京大会の意義を自分なりに納得できた。一番、印象深かったのは、マラソン競技だった。ローマの石畳を裸足で走ったアベベが、シューズを履いて、東京の道路をひたすら走り続ける姿をカメラが追い続けた。見ているうちに、涙がこみあげてきた。また、代々木競技場のトラックに、2番手で姿を現した円谷が、ヒートリーとのデッドヒートの末、ゴール直前で抜かれ、銅メダルに終わったが、レース後の笑顔がさわやかだった。アスリート共通のひたむきさと雑念の無い清廉さが、見...★感動の落差(後編):1964東京五輪
開催か中止かで、最後まで混乱した東京オリンピック大会が始まった。開会式が近づくにつれて、東京都の感染者数が急増したのも皮肉だし、演出家やミュージシャンなどの辞任が相次いだのも、興ざめだった。やると決めたからには、断固として「すべて有観客」にすれば救われた。しかし、政府が下した判断は「無観客と有観客の混在」と、実に中途半端だったので、反対派につけ込まれた。政府自ら、「安全・安心でない」と表明したのと同じで、「新型コロナを克服して、世界に安全・安心の大会であることを発信、、、」のメッセージが、うつろに響く。本当の感動は、生の競技を見ないと伝わらない。感動とは、競技会場と選手、観客が一体となって醸し出す情緒であって、箱からは生まれない。今は、ひたすら、無事に閉会まで漕ぎついて欲しいと願うのみだ。★感動の落差(前編):東京五輪開幕
第一日目は、南木曽からバスで約30分の美肌の湯として知られる秘湯で、歩き疲れた体を休めた。翌日、浦島伝説が残る寝覚ノ床を見物し、長野に戻り善光寺で無事を謝し、新装なった長野県立美術館と東山魁夷館を見学した。東山魁夷は、横浜市生まれだが、18歳のときに木曽川沿いを旅行した時の印象が心に残り、以後、信州の風景を描く機会が増え、晩年、所蔵作品の多くを長野県に寄贈したのが魁夷館建設の経緯。一方、美術館は、「長野県信濃美術館」として開館以来、50数年を経て、今年4月に「長野県立美術館」と改称した。新装なった本館には、城山公園や国宝善光寺本堂を一望出来る場が設けられている。なお、前身の長野信濃美術館は、金沢市出身の谷口吉郎の実子吉生が設計したもので、長野と金沢の歴史的なつながりの深さを垣間見たような感慨を覚えた。★長野県立美術館と東山魁夷館
北陸新幹線が開通して、金沢から長野まで「かがやき」を利用すれば、1時間5分と劇的に短縮された。新幹線開通前は、3時間以上かかったので、隔世の感がする。しかも、長野駅を起点にして、行動範囲が広がるので、年に数回、季節ごとの信州の風景と食を満喫している。さて、金沢7:49発の「かがやき504号」に乗り、長野で篠ノ井線に乗り継いで、中津川着が11:05。駅前からバスに乗り、昼前に馬籠宿に着いた。以前なら、中津川周辺で一泊するところを、馬籠宿で昼食をとり、馬籠峠を越えて妻籠まで約7.3㎞の中山道を、その日のうちに歩くことが出来た。馬籠宿は、中山道屈指の名所なので、混雑していたが、マイカー組が殆どで、暑い季節に、険しい峠越えをするもの好きは多くない。すれ違う人がいないので、マスクを外したが、随所にある「熊除け鈴」の紐を忘...★中山道(馬籠~妻籠)を歩く
7月18日から、一泊二日の行程で、50年ぶりに中山道の馬籠宿から妻籠宿までを歩いた。私も妻も、2回目のワクチン接種を終え、周囲の人に感染させる心配が無くなったし、4連休前の今だからこそ、「安全・安心」な旅が出来るのだと、後ろめたさを断ち切った。躊躇したのも家を出るまでで、JR金沢駅に着いた頃には、はやる気持ちが勝った。私たち夫婦にとって、旅行とは、マジックのようなもので、ふさぎ込んでいた気持ちから瞬時に解放される。口論が絶えない二人だが、離婚もせずに、今年、金婚式を迎えることが出来るのも、共通の趣味「旅行」が一種の緩衝材の役割を果たしているからだと思う。(^_-)-☆★GOTOキャンペーンの功罪(後編)私は、旅行好きなので、旅行代金が半額補助されれば利用するが、補助を当てにした旅行はしたくない。そもそも旅行とは...★オレスタイルの旅行(後編):結果の善
新型コロナの都道府県別感染者数(人口10万人当たり)のランキングは、東京が断トツの1位だが、2位沖縄、3~5位神奈川・千葉・埼玉、6位大阪に次いで、当石川県が不名誉な7位に位置する。石川県でも、県や市が、独自の施策として「地方版GoToトラベルやイート」を実施したり、中断したりと実に愚かなことを繰り返している。「地域産業支援」と言えば、住民のコンセンサスを得やすいと考えているなら、一部の者だけが得をする政策は、「税金の無駄遣い」と言わざるを得ない。さて、政府が、世論に逆行してまでも、五輪開催に踏み切ったのだから、若者が、社会秩序を乱しても、文句を言えまい。私も見倣って、「オレスタイルの旅」に出かけた。★天邪鬼の幸福論(番外編):旅行政府が、新型コロナ対策として、緊急事態宣言を出し、「不要不急」の外出を避けるよう...★オレスタイルの旅行(前編):動機の悪
地方自治体の首長が、「東京から来ないで欲しい」と、過激な発言をするのは、東京圏の感染者数の増減が、全国に影響するからに他ならない。メディアが、首都圏中心のニュースを流すので、ごく一部の不心得者の行動であっても、「東京が悪さをしている」と受け取ることになる。東京と地方の格差は、歴然としており、報道を始めとした世論形成層が、是正の必要性をどこまで意識しているのか疑問だ。ついては、OECDが、国際的な法人税の最低税率を15%以上とすることで、大枠合意したが、この機会に、国内でも、大企業を優遇する複雑な税体系を見直す視点を求めたい。企業が、新型コロナのリスク回避策として、地方分散する動きが出て来た。今秋の衆院選で、野党が対立軸として、提案して貰いたいものだ。★天邪鬼の幸福論(前編):僻み私は、政治に関して、辛い採点をし...★コロナが東京集中を変える?
飲食店に対する規制を厳しくしても、感染者数が減らないのは、対策が間違っているからではないのか。そもそも、政府が規制の根拠とするのは、スタンフォード大学などのチームが、去年11月、イギリスの科学雑誌「ネイチャー」に発表した論文の引用で、日本独自の研究成果ではない。同論文では、飲食店に次いでリスクが高い施設は、スポーツジム、カフェ、ホテルとしているが、カラオケやパチンコ、公衆浴場が無い国を見習ったのでは、矛盾が起きない方がおかしい。日本が、世界に誇るスパコン「富岳」で示された「シーン別の飛沫拡散実験データ」をフル活用し、「飛沫量測定器」や「大声を挙げれば、アラームが鳴る」装置等々、飲食店の環境改善で解決すべきだ。そして、環境整備に必要な費用の補助をするのが行政の役割であって、店の生命線とも言うべき酒の提供を権力で抑...★コロナと飲食店(後編):対策の正当性
新型コロナ対策は、飲食店の営業時間や在店時間、人数ではないとの仮説を置き、「国勢調査2020」のデータ等を見ると興味深いことが分かった。まず、飲食店数では、東京都が1位で、約80,000、2位は大阪府で約51,000、3位は愛知県で約38,000。以下、神奈川・兵庫・北海道・埼玉・福岡・千葉と続き、感染者数とリンクしている印象を受ける。しかし、人口1万人当たりの飲食店数に置き換えると、沖縄が1位で、高知が2位、東京は3位、神奈川43位、千葉44位、埼玉46位と、様相が一変する。一方、「1人あたりの酒類の消費量」(出典:国税庁)では、1位東京、2位高知、3位宮崎、4位秋田、5位青森だが、これを感染者数で見ると、高知は41位、宮崎は32位、秋田45位、青森36位で、東京以外では、飲酒量と感染者数に関連性はみられない...★コロナと飲食店(前編):数字は何を語る
最近、おぼろげに、自分なりの「処世訓」が分かった気がしていたが、「オレスタイルな落語会」に行って、それが確信に変わった。人間の心は、右に揺れたり、左に揺れたりして、常に不動でいられない。その振幅を楽しめばよい。金持ちは、もっと金持ちになりたいと欲張るが、貧乏人は、儲ける元手が無いと嘆く。しかし、ものは考えようで、お金が無ければ欲を掻いて、騙されたり、財産を失うこともない。かつて、玉川カルテットの「♪金もいらなきゃ女もいらぬ、あたしゃも少し背が欲しい」のジャグが、一世を風靡したが、「ない物ねだり」も煩悩。無理せず、逆らわず、「オレスタイル」の自然体を処世訓としたいと思いつつ、「お盆」を迎えた。「空」の境地を求めて、墓前で般若心経を唱えた。★オレスタイルな落語会(番外編):処世訓
ある日、楽屋に訪ねて来た老人が「いつ聴いてもいいですねぇ」と、言ってくれた。「有難うございます」と応じると、「『芝政』は、何度聴いてもいい。途中で涙がとまらなくなるんですヨ」。「あのー、私、『芝政』はやってないんですよ。」「いーや、私は覚えてますよ」。「私は『芝政』はやらないんですよ」、「いーえ。確かに聴きました。先月、横浜で」。(間をおいて)「先月、私は横浜には行ってないんです」で終わる。ある人は、「勘違い」と受け取り、また、ある人は、認知症と考える。ひょっとしたら、「昇太さん、物覚えが悪くなったねぇ」と思う人だって、、、。それ以上の説明をしなくても、客の方で、おおよその察しがつけば、それでいいのだ。そして、会場は、爆笑で応える。それが「オレスタイル」の落語の真骨頂だ。笑いに理屈は要らない。(^^♪(^_-)...★オレスタイルな落語会(後編):芸風
新型コロナの影響で、寄席などイベントは軒並み中止になり、『笑点』も無観客での収録が続き、心にぽっかり空いた時間を埋めるのが、辛かったようだ。古典と新作に加え、笑点の楽屋裏や結婚生活の裏話等々、話題てんこ盛りだったが、結婚して独身時代との落差を語ったさわりがふるっていた。「独身時代は、好きな時に起きて、好きな物を食べて、好きなことを好きなだけやることが出来た。」が、「結婚して、決められた時間に起こされて、出された物を食べて、好きでなくても残せない」"(-""-)"。世田谷の豪邸で、19歳年下の元タカラジェンヌと送る新婚生活は、羨ましい限りだが、ない物ねだりをするのが人間の性と言うべきか、、、。(^_-)-☆久しぶりに腹の底から笑ったが、笑いすぎたせいか、帰宅して夕食後、どっと疲れが出た。★オレスタイルな落語会(中編):笑い疲れ
「東京じゃ、コロナだとかオリンピックだとか、騒いでますが、こちらじゃ「クマカキ」ですよ!いいですねぇ!」(^_-)-☆間髪を置かず、満員の客席から、拍手と笑い声が上がった。会場が笑いの渦に包まれた瞬間だった。7月11日、金沢で開催された「春風亭昇太独演会」での開演の挨拶は、主催新聞社の一面トップ記事の「クマカキ」(熊が木を引掻くの意)で、始まった。Gパン姿で、ノーマスク、マイク片手に、早口の昇太節は、観客をくぎ付けにした。会場は、石川県立音楽堂邦楽ホール。受付で、連絡先を記入し、ソーシャルディスタンスと書いたプラカードを持った係員の誘導に従い、30分前に着席したら、あちこちに空席が目立った。「コロナ対策が徹底しているな」と感心していたら、開演時間が近づくと、どんどん席が埋まり、700人強収容の全指定席がほぼ、埋...★オレスタイルな落語会(前編):春風亭昇太
組織委員会が、「有観客」で、チケット再抽選の対象にすると発表していた札幌ドームのサッカーについて、9日夜、一転して「無観客」に変更になった。北海道知事が、緊急事態宣言が出された東京都からの応援往来を防ぐのが難しいと、反対したからだ。マラソンと競歩については、沿道での声援自粛を呼びかけるそうだが、沿道整理のボランティア数だけでも、2,000人にのぼり、実効性を欠く気がする。人間社会は、不条理に満ちており、万人が納得し、満足する結論を導き出すことは、到底、叶わない。それなら、せめて、「行き着く先が地獄であろうとも、道中は、楽しい時間を過ごすのも、これまた良し」とする考え方だって、容認できる。選手は無論のこと、大会を支える人、観戦を楽しみにしていた人等々、それぞれの立場で複雑な気持ちと葛藤しながら、23日を迎える。★五輪の悪夢or正夢?
金融庁が、「人生100年時代を展望すると、老後資金として、2000万円の資産が必要になる」と発表した時、世間の反応はどうだっただろうか。男65歳以上、女60歳以上の夫婦が、年金だけで生きるには「毎月5万円が不足する」というのが、計算の前提だった。(5万円×12カ月×30年=1,800万円)資産を増やすハウ・ツーものが出回り、家計を切り詰めて預貯金に回す等々、努力した人もいるだろうが、新型コロナに見舞われ、様相が一変した。老後の三つの不安は、「健康・生きがい・お金」とされるが、「備えありても憂いあり」と心得、国に依存する考え方を捨て、「自律」する以外に道はない。78歳を過ぎた私には、「老後の資産」を蓄える努力は無用なので、あたわった環境の中で、精一杯、楽しい時間を過ごしたい。★国勢調査2020の結果(後編):備えても憂いあり
昨夜、東京都に「緊急事態宣言」が発出され、同時に、オリンピックの「都内会場での無観客開催」が決定したのを受け、小池都知事は、「断腸の思いだ」と無念さを滲ませた。自らのコロナ対策における不首尾を反省しろと、恨みつらみは尽きないが、紆余曲折を経て最終決定した以上、大会が、無事、開催されることを祈りたい。さて、世界規模でみれば、日本は、まだまだ感染を抑え込んでおり、日本人の危機感を理解しえないと思われる。とりわけ、「ロックダウン」をしないで、感染拡大を抑えている現実は、外国人から見れば、驚異的な成果と映っても、なんら、不思議ではない。グローバルなイベントの場合、多くの利害が絡み、国内事情だけ決められないのも事実だ。この際、IOCのあり方も含め、オリンピックそのものを、問い直す機会になれば良いのだが。★東京オリンピック最終章
昨年の国勢調査の結果は、速報値だが、日本の人口は「1億2,622万6,568人」と、前回調査(2015年)から約87万人減少したと発表された。増加した9都府県には、日本の全人口の約3割を占める東京圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)が、すべて含まれており、ますます集中の度を高めている。ちなみに、東京都では、人口が1,400万人を突破した一方で、1世帯当たりの構成人数が、全国最低の1.95人で、47都道府県で、唯一、2人を下回った。人口増加率が1位(4.1%)で、おひとり様が増える現象が続く限り、少子化に歯止めがかかる筈がない。新型コロナ問題に気を取られて、40年後に到来する「人口8,000万人時代」問題を看過すると、「こんなはずじゃなかった!」と、悔やむことになる。"(-""-)"★国勢調査2020の結果(前編):人口減顕著に
政府が、観光支援事業として、「GoToトラベルキャンペーン」をスタートさせたのは、昨年の7月だが、「コロナが終息したあと」の前提条件を無視し、繰り上げ実施したために、大混乱に陥った。キャンペーンが始まり感染者数が増えても、政府は、経済効果の有効性を説き、「感染拡大とのエビデンスはない」と主張し続けた。これに悪乗りした東京都知事が、独自施策「もっとTokyo」で、10月23日予約分から、都民限定で5,000円上乗せしたので、「泊まっておつりがくる」馬鹿げた事象まで発生した。東京都が全国に与える影響度は、あらゆる面で、けた外れに大きく、時を同じくして、感染者数が増加に転じ、歯止めが利かなくなってしまった。昨日7日の東京の感染者数は、920人。神奈川250,埼玉157,千葉139で、4都県合計(1,466人)で、全国...★GoToTokyoアラート!
今回の東京都議選では、小池都知事の魔力を見せつけたが、1年前のご自分の再選時も同じ現象を見た。「新型コロナ対策」と「東京五輪」を二大公約に掲げ、圧勝した結果が、いま現出している。昨年7月上旬の東京都の新規感染者数は、1日当たり100人台だった。1年経ったら、数倍に膨れあがり、オリンピックの開催にも、都民は、疑問符をつけた。都議選では、政府の不首尾でかわしたが、私は、6:4から7:3で都知事の責任の方が重いと思う。せめて、「倒れても本望」のメッセージは、選挙応援ではなくて、新型コロナ対策の局面で使って欲しかった。(一一)★東京都知事選選挙権がなく、高みの見物の身だが、誰が首都のトップに就くかは、地方にも影響を及ぼす。投票日が近付くにつれて、東京都の新規感染者数が、7月2日107人、3日124人、4日13........★都知事の一年前
東京都議選の結果は、自民党が第一党になったが、自公両党で過半数を確保できず、各種メディアの予想が大幅に狂った。私は、小池都知事は、”転んでも、ただでは起きない”「打算と異能」の持ち主だと思っているので、違う予想をしていた。私は、6月26日のブログ「行間と伏線」(3/3)に、「東京都の新規感染者数が、増加傾向に転じているタイミングで、都知事が、体調不良で入院した。都議選直前なので、裏読みすると、、、。」と書いた。過労で倒れ、10日間入院した知事が、6月30日に退院し、7月2日に記者会見の場で、「倒れても本望」と悲壮感を滲ませて訴え、都民の心情に訴えた。さらに、翌3日、激戦区を中心に16選挙区を回る姿をTVカメラが追い、完全にメディアをジャックしてしまった。公務が務まらない筈では、、、、。都議選の結果は、国政選挙に...★東京都議選の結果
静岡県熱海市で土石流が発生し、甚大な被害が出ているほか、各地で大雨による被害が出ている。国土の三分の二が森林で、森林蓄積は、OECD加盟国中、フィンランドに次ぐ第2位で、自然に恵まれている反面、災害と背中合わせのニッポン。台風や風水害、或いは、地震が起きる宿命を背負う国だが、一方で、豊かな自然の恩恵に浴しているので、複雑な気分になる。行政が、計画的に国土保全事業を進めても、財源には限りがある。「次善の策」として、ハザードマップを活用した避難計画の必要性が叫ばれても、災害は「いつ・どこで」起きるか分からない。熱海市のケースにしても、盛り土との因果関係を調査すると言うが、被災者にすれば、「なぜ、もっと早く、避難指示を出さなかったのか」と、行政の対応遅れをなじるだろう。静岡県には、リニア工事で地下水への影響を危惧する...★熱海市の土石流に思う
今日(7月4日)、投開票の東京都議会議員選挙の結果は、今秋に予想される衆院選の前哨戦として、注目している。大勢としては、小池都知事が最高顧問を務める都民ファーストの会が、現有議席を大きく減らし、自民党が第一党となる可能性が高い。焦点は、自公両党で都議会過半数を獲得できるかどうかと、立憲民主党と共産党の共闘が成功するかで、今後の都政運営と衆院選を占う意味でも重要になる。悪天候が与える投票率への影響と無党派層の動向が、ポイントになるが、新型コロナ対策とオリンピック開催に対し、都民がどのような判断を下すのかを、外野席から観戦したい。★東京都議選の行方
7月1日の新規感染者数は、全国合計1,754人に対し、4都県(東京・神奈川・千葉・埼玉)の合計は1,165人だった。4都県の人口が、全国に占める割合は、29%なので、人口比からすると、突出した感染率(66%)で、他の地域では、減少傾向なので、なおさら際立つ。菅総理が官房長官時代に、感染者数が減らない原因を「ひとえに東京問題だ」と発言し、物議をかもしたが、現実のデータを見る限り、的を射ている。一方、静養から復帰した小池都知事が、「倒れる覚悟で頑張る」と語ったが、それなら、なぜ、政府に「緊急事態宣言⇒まん防」に反対しなかったのか?都庁の職員は、知事の直筆署名入りの手紙を受け取り、「初めての経験」と、感激したと報じられたが、そのような感慨に浸る職員の心情を測りかねる。★新型コロナ:人口比で見た感染数
石川県に「金名線」と呼ぶローカル線があったことを知る人は少なくなったが、私は、よく利用した。現在、北陸鉄道の石川線の運行区間は、金沢市野町~白山市鶴来(約14㎞)だが、以前は、金沢市白菊町から鶴来のひと駅先の加賀一の宮までだった。そこから先の白山下まで約17㎞を結ぶのが「金名線」だったが、諸事情で1987年に廃線になった。「金名線」とは、名前の通り、「金沢と名古屋」を結ぶ壮大な構想で、現在の白山白川郷ホワイトロードもそのコースに含まれていた。沿線には、自然・温泉・スキー場等々の観光資源が豊富で、毎年、全国「住みよさランキング」のトップ10に名を連ねる金沢市・野々市市・白山市があり、極めてポテンシャルが高いエリアだ。次世代に相応しいDMVで、先人が果たせなかった壮大なスケールの「夢構想」を実現出来れば、素晴らしい...★線路は続く(番外編):金名線の夢をDMVで
DMV(DualModeVehicle)とは、バスを改造して、鉄道軌道と道路の両方を走ることが出来る新しいコンセプトの乗り物だ。レールバスは、気動車を改造したが、DMVは、バスをベースにしているので、設備投資が安いことと、道路とレールの切り替えが、乗客を乗せたまま10〜15秒で出来る。JR北海道が開発し、徳島県の阿佐海岸鉄道で、実用化されることになり、すでに試運転が始まっている。実現すると、世界初の快挙となり、乗客は、列車とバスを乗り換えずに利用できるため、公共交通がより便利になる。また、燃料費などのランニングコストが大幅に削減でき、経営効率も大幅に向上する。旅行と日常生活両方に利用出来るので、豊かな観光資源を抱えながら、アクセスが不便な地域に導入すれば、地域振興策としても有望で、まさに「線路は続くよどこまでも...★線路は続く(後編):DMVが救世主に
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