長期政権を維持することは、並大抵ではないと思うが、疑惑や不祥事が起きるたびに、「最終的な責任は、総理大臣の私にあります」と、繰り返しても、具体的な責任行動をとることは無かった。人間は、成功よりも失敗から多くを学ぶが、それは、自分をどこに置いて見るかで決まる。「悪」が常に、外にあると思っている人は、内にある「悪」を見落としてしまい、自分が当事者だとの認識すら希薄になるので、同じ過ちを犯すことになる。正統派の政治家一家に生まれ、純粋培養されたお坊ちゃまには、周囲の人たちが忖度しても、裏の狙いを疑うことすら出来ないものだ。しかも、おもねることで重用されるなら、不始末を拭っても良いと、考える輩がいても不思議ではない。★安倍総理の辞任(番外編)
安倍総理の辞任劇は、新型コロナウイルスが猛威を振るう状況下で、先進国のリーダーが辞任する最初のケースになったので、海外では、額面通りに受け止めずに、真意を測りかねている。しかし、「覆水盆に返らず」で、3本の矢が尽きてしまった以上、山積する難問を背負いこむ次期総裁が誰になるかは、極めて重要だ。会見直後から、メディアが主要な候補者の名前を挙げているが、選挙の実施方法が勝敗の分岐点になる。現在の政治情勢で判断すれば、通常の総裁任期満了時ではなく、緊急時の例外措置によると思われるので、両院議員総会方式が採用される公算が大きい。そうなれば、党内の派閥力学が大きく作用するので、私の意中の議員に勝ち目はなさそうだ。★安倍総理の辞任(後編)
安倍総理が、昨日の辞任会見で、「月曜日に、自分で判断した」との説明した時、私が、小ブログに「アベノミクスの終焉」と書いた同じ日だったので、背筋が寒くなるのを感じた。過去、辞任に値する多くの不祥事が発生しても、解散・総選挙でリセットして来た安倍総理の最後に似つかわしくなく、私には、想定外の事件だった。第1次政権を健康上の理由で投げ出し、今回も、長期政権に就きながら、同じ結果になり、唐突で、無責任だと言うのが正直な印象だ。「アベノミクス」に伴う超低利金融政策の「出口戦略」や、新型コロナウイルス対策と経済再生政策をどうするかは、国民生活に重大な影響を与えるので、せめて、方向性や道筋を示してほしかった。安倍総理は、後継者育成をして来なかった人なので、政治の混迷が深まったと感じる。★安倍総理の辞任(前編)
「特別定額給付金10万円」の申請期限が迫っても、まだ、申請手続きをしていない人が、若年層に集中しているとの報道に驚いた。大半が、単身世帯で「引っ越してきた大学生などで、自分が世帯主であると認識していない」可能性があると言うから、なおさらだ。「不要」との意思表示であればそれまでだが、バイト収入に事欠く学生が、「不知」だとしたら、気の毒だと思う反面、しっかりしろと言いたくなる。自治体が、大学への周知活動やSNSを利用して、注意喚起に努めているそうだが、これでは、「行政コストが減らない」筈だ。政治や社会動向に疎い若者が増えてくると、日本の将来を託して良いのかと、不安になる。"(-""-)"★10万円不要or不知
行政が、民間の有するアイディアを真似ようとすると、「大げさで、お金がかかる割には、喜ばれない」ものになりがちで、民業を圧迫しかねない。民宿やペンションなどは、大きなホテル・旅館の施設の充実度や収容能力には、到底、及ばず、貧弱かもしれない。しかし、家族的な雰囲気や個性的な料理・もてなしを好む人には歓迎される。キャンペーンやイベント開催は、地元の協力がなければ、盛り上がりを欠くことは、周知の事実だ。ついては、GoToトラベルの実施主体を、その土地の観光協会や旅館組合等の組織に委託すれば、コロナ対策も含めて、当事者が知恵を出し合い、バランスの取れた施策を展開できる。政府は、「GoTo」に東京を追加するかを検討しているが、マーケット・サイズよりも、地域の一体感を醸成する方が、経済活力の原動力になる。権益に群がる魔物がう...★「GoToトラベル」の総括(番外編)
ある旅行会社が、全国3万余りの宿泊施設を対象に調査したところ、「高価格帯の宿泊施設の予約が多くなり、低価格帯のほうは苦戦」との結果が出たが、利用者心理を考えれば当然だ。施策の目的には賛成だが、新型コロナの医療従事者や、適用除外になった東京都民、更には、各種事情で旅行出来ない人もいて、実施面で、公平性を欠いた。さて、9月から北陸3県合同で、旅行客を対象に、抽選で地域の特産品を景品とするキャンペーンを展開する。いわば、観光版「ふるさと納税」の変形で、地域の特産物をPRし、生産者支援に貢献するのが狙いだ。ありふれたアイディアだが、GoToに便乗すれば重畳効果が期待出来、貧乏県の知恵として評価したい。観光庁は、キャンペーンに一定の効果があったと強気だが、その財源を、自治体や地域の観光協会に分配するほうが、はるかに効果的...★「GoToトラベル」の総括(後編)
「GoToトラベル」キャンペーン1ヶ月の成果に関する菅官房長官の談話に首をかしげた。「延べ200万人が利用し、新型コロナにかかった方は、10人という報告を受けている」とし、「GoToトラベルが感染拡大につながってはおらず、地域の活性化に役立った」と、事業の意義を強調した。しかし、200万人に対し、「35%の割引きがなかったら、旅行を止めたかどうか」の意思確認をしない限り、キャンペーンが生み出した効果にならない。また、観光庁は、8月20日時点で、キャンペーンに参加登録したのは、「旅行会社の約6割、宿泊施設の約5割」に留まっており、今後、登録期間を延長して、充実したいとしている。一方、観光業界に、コロナの感染リスクや、事業者間の不均衡を生じた問題をどう解決するのだろうか。★「GoToトラベル」の総括(前編)
「コロナ不況の突破口」は、ごく自然なことを実行することで実現するが、利害相反する当事者の我欲が最大のネックになっている。それを改革するのが政府の役割だが、長期に渡る安倍政権では、身動き取れない状況に陥ってしまった。振り返ってみると、2013年に開催されたG8の後、安倍総理は、「アベノミクスが評価された」と胸を張ったが、コミュニケ文書には、「日本は,信頼できる中期的な財政計画を定めるという課題に応える必要がある」と記述している。公共投資と大胆な金融政策は、短期的な刺激として有効だったが、一番重要な財政健全化を放棄したのでは、とても、アベノミクスが成功したとは言い難い。安倍首相の通算在任日数は、すでに過去最長だが、8月25日には、連続在任日数でも、大叔父の故・佐藤栄作元首相の2798日を超えて歴代単独1位となる。総...★コロナ不況の突破口(完):アベノミクスの終焉
食料品目別の自給率をみると、牛肉は36%、豚肉は49%、鶏肉は64%となっているが、外国産飼料で育てられたものを除くと、いずれも10%前後でしかない。また、主食の米100%を除けば、小麦14%、大麦9%、大豆7%、果実38%、食用の魚介類55%、砂糖類34%、油脂類13%等々、低い数字が並んでいる。ついては、例えば、外国から輸入しているクッキーを内製化したらどうなるか、考えてみたい。原材料となる小麦やバター、牛乳、砂糖等の需要増により、生産農家が増える。当然、肥料や農薬、物流等の周辺事業も増えるので、雇用を創出する。また、地球規模の災難が発生しても、自給自足体制を構築しておけば、外国の食糧事情による影響を受けず、経済の活力も保持できる。政府には、人口8,000万人時代に向け、社会構造全体をダウンサイジングし、不...★コロナ不況の突破口④食品の内製化
野菜の高値が続いているが、原因は、天候不順だけでなく、輸入に頼るために、新型コロナウイルスの影響を受けたことを無視できない。農水省データでは、2018年度の先進国の食料自給率(カロリーベース)は、カナダ264%、オーストラリア224%、アメリカ130%、フランス127%、ドイツ95%に対し、日本は極端に低く、37%に過ぎない。2010年、当時の民主党政権が、2020年までに食料自給率を50%にする目標を立てた。しかし、安倍政権になって、目標値自体を45%に引き下げてしまったが、それでも達成には、程遠い状態だ。現政権の農業戦略は、高付加価値の農産物の生産量を増やして、外貨を稼ぐアベノミクス・スキームなので、自給率は上がらない。輸入に依存し過ぎると、相手国の国内事情に左右され、極めて不安定になることを、コロナ災禍を...★コロナ不況の突破口③食料自給
政府が、約13兆円を投じて、「10万円の特別給付金」を支給したが、どれ位が消費に回ったのか?複数の民間調査機関のアンケートでは、約45~50%の人が、「食費の補助」に使い、約25%の人が、「貯金、預金」と回答した。緊急事態宣言以降、国民は、外出・旅行自粛や外食手控え等々、個人消費を出来ない環境に追い込まれ、先行きへの不安も手伝い、備えを優先した。結局、特別給付金10万円の使い道は、生活を維持するためで、経済活動の活性化に資さなかった。アベノマスクの配布や、「GOTOトラベル」キャンペーンも同様で、政策の優先順位誤りが、コロナ不況をより深刻にしたと思っている。★コロナ不況の突破口②10万円の効果
政府が発表した新型コロナウイルスによるGDPへの影響は、リーマン・ショック(17.8%)を上回る27.8%の下落で、回復にかなりの期間を要する。リーマン・ショックと質的に違い、コロナの呪縛から解放されない限り、正常な日常生活が出来ず、経済活動も回復基調に向かわないので、現在の政策を継続する限り、楽観できないと思う。2013年以降、アベノミクス「三本の矢」と称して、輸出企業への優遇税制で国際競争力を高め、GDPを押し上げようとして来たが、世界規模のコロナ不況下では、通用しないスキームになった。しかも、GDPをけん引しているのは、「輸出産業」と誤解されがちだが、「個人消費」が全体の約60%を占めている。「コロナ不況の突破口」は、この「個人消費」をどうやって回復基調に乗せるかにかかっている。★コロナ不況の突破口①GDPの原動力
すでに新学期が始まった学校もあれば、金沢市内のように、今も夏休み中の学校もある。教育現場では、ICTを活用し、オンライン始業式やオンライン授業等、知恵を絞っているが、子供達にも色々と考える機会を与えている。子供達が、「家に居るのは退屈」、「友達と会えるので嬉しい」と答えるのを聞くと、健全な心だとほっとする。ついては、東京都で、保育所建設反対運動が起きるのが不思議でならない。閑静な住宅地に、相応しくないと言うが、公園で遊んだり、ラジオ体操するのを煩いと言うなら、自分が子供の頃を思い出すべきだ。少子化対策が決め手を欠く最大の原因は、自分勝手な大人の利己主義にあると気付けば、行政の無策を責めたくもなる。★86万ショック(後編)
2020年版少子化社会対策白書によると、2019年の出生数が、ついに90万台を割り込み、86万5千人となった。毎年、一つの県が無くなる勘定で、政府は「86万ショック」と表現した。少子化問題は、1989年の出生率「1.57ショック」に始まり、「少子化社会対策大綱」に基づき、各種施策が展開されてきたが、実効が上がらない。少子化の要因は、経済的な理由や、女性の社会進出、雇用制度等々、多岐にわたり複雑だ。しかし、人口が最も多い東京都の出生率が最下位で、未婚化や晩婚化が顕著なことを、データが証明している。コロナ対策同様、東京都が抱える諸問題は、社会構造に起因している。「東京から日本を変える」と、豪語した小池都知事は、一体、何をしたのだろうか?政府もまた、「骨太の方針」をコロナに特化し、少子化を「新たな日常の実現」の一部に...★86万ショック(前編)
今朝、涼しいうちにと思い、いつもより早めに家を出て、近くの公園まで行ってみた。夏休み中のラジオ体操も中止になり、子供の姿も見かけない。静けさを破って、蝉の声だけが夏の終わりを告げるように、弱々しくしく耳に響いた。「秋来ぬと目にはさやかに見えねども」と詠めば、「風の音にぞ驚かれぬる」と結ぶが、今年は、立秋を過ぎても、一向に涼を感じない。新型コロナに怯えて、行き交う人のマスクや顔色を窺うようになり、自然界の変化に鈍感になっていないかと、反省した。木陰を選んで歩いたが、20分もすると汗びっしょりになった。「言うまいと思えど今日の暑さかな」で、結ぶしかないようだ。"(-""-)"★季節感
安倍総理のお盆の過ごし方は、例年なら、帰省して墓参りや花火大会、或いは、山梨の別荘で静養兼ゴルフで過ごす。しかし、今年は、国民に外出自粛を要請した手前、目立った行動が出来ない。せめて、国民並みのストレスを感じているとすれば、少しは救われる。さて、永田町では、新型コロナ対策よりも、解散総選挙のうわさが飛び交い、それを視野に入れて、野党合流が本格化するなど、政局中心の動きが活発だ。そして、臨時国会の開催要求に応じず、暇を持て余している総理の脳裏には、解散の時期と3か月後の米大統領選後の対応策だと勘ぐっている。暦の上では、とっくに「立秋」を過ぎたが、連日の猛暑とコロナで、蝉しぐれを聞き逃した。感染の恐怖に怯えてばかりいないで、自分なりの突破口を見つけないと、それこそ、寿命を縮めてしまいそうだ。★安倍総理のお盆休み
今日、終戦から75年を迎え、全国戦没者追悼式が日本武道館で行われる。新型コロナの影響で規模が縮小されても、戦没者を悼み、不戦の誓いを新たにする意義は変わらない。戦争を体験した世代は、いずれ、去って行く日が来る。国の命令に従い、散って逝った人たちが、経験したと同じ苦しみを忘れてしまうかも知れない。しかし、当事者の悲惨さだけを伝えるのではなく、歴史のひとこまとして、「戦争がもたらすもの」を、冷静に論議する機会ととらえる必要があると思う。現在、世界各地で、様々な形で戦争が続いており、過去に戦争を仕掛け、敗戦した日本が果たすべき役割は、重い。★終戦の日に思う
新型コロナの感染拡大が続くメルボルンでは、先日、6週間にわたる夜間外出禁止令が出され、結婚式は禁止になった。状況に変化が無ければ、一段と厳しい措置がとられる予定だ一方、となりの西オーストラリア州では、早期にボーダーを閉鎖し、罰金等の対策を徹底したので、すでに感染が終息し、普段の社会活動に戻った。娘は、子供が、手洗いを嫌がらなくなったと喜んでいる。さて、オーストラリア人は、日本人よりも個人の自由を尊重する国民だが、厳しい措置を渋々でも受け入れる。背景には、「信賞必罰」が社会規範として、根付いていると、私は理解している。日豪の決定的な違いは、自治体単位の権限と強制力の差で、日本では、拘束力を持つ法的規制は、人権侵害にあたるとして、短絡的に反対する。しかし、「他人の権利を侵害してまで、自己の権利を主張することは許され...★帰省自粛と帰国断念(後編)
お盆帰省は、自粛ムードだが、帰省したら、「すぐ帰れ!」と、ビラが投げ込まれた事件は恐怖だ。政府が、お盆帰省を規制しているわけではなく、自費でPCR検査を受け、自費で帰省する人が、「東京に住んでいる」という理由で、誹謗中傷されたのでは、怒りのやり場が無く、卑劣な行為だ。以前、パチンコやカラオケ店等で、嫌がらせを受けた事例があったが、「自粛警察」とか「帰省警察」は、歪んだ正義感から発した行為で、犯罪の範疇だ。しかし、東京のエピセンター化や変異説が登場し、地方都市への拡散のフェイズに移ったので、感染恐怖が、嫌悪⇒偏見⇒差別へと広がって行く。政府が、方針転換しない現状では、今後も心理的な感染連鎖が続き、予期せぬトラブルも起こり得る。そんな折、パースに住む娘から、10月の帰国を断念したと知らせてきた。覚悟していたが、完全...★帰省自粛と帰国断念(前編)
団体旅行では、一定の規律があるが、個人旅行の場合でも、周囲への気配りを忘れたくない。今回の旅行でも、愉快なことを沢山経験したが、最後の一つの出来事が、すべてを台無しにした。「gotoトラベル」は、経済再生策で、旅行中のトラブルは、旅行者のマナー問題に違いないが、政策に起因するトラブルも発生する。お金が絡めば、人品を卑しくするのが世の習いで、gotoキャンペーンは、イートも控えており、札びらで頬を打つようで、あまり歓迎できない。だいいち、「ゴー」とか「ステイ」や「ホーム」、「イート」は、飼い犬のしつけ用語で、我々を人間扱いしていないのではないか、と文句を言いたくなる。政府は、感染者数が多くなっても、死亡率が低ければ良いと考えている節がある。悲しすぎる。"(-""-)"★GOTOトラベルの弊害⑥(完)人品卑しく
金沢に帰る8月4日、9時30分発の送迎バスに乗りこむと、5分前だったが、一組の夫婦が待機していた。定刻少し前、大学生風の女性が「もう少し時間がかかりそうなんです」と、ドライバーに告げに来た。事前予約性なので、全員揃うまで発車できない。彼は、「電車の乗り継ぎ時間があるんで」と言ったが、女性は、無言でホテルへ戻ったので、会話にならなかった。さらに、待つこと5分。前の席の婦人が、明らかに苛立った風で、「電車に間に合いますよね!」とドライバーに詰め寄った。そこへ、若い男女が5人乗ってきたが、誰一人、詫びもせず、無言で後方の席に座った。しかし、依然として発車しないので、不安に感じ始めた時、若い男性が、「すみません」と言って、走り込んできた。バスが走り出して間もなく、後ろから「次の電車、何時かな?」、「違うルート調べて」と...★GOTOトラベルの弊害⑤スマホ馬鹿
二日目の朝食後、ホテルの送迎バスで穂高駅まで送ってもらい、穂高神社や碌山美術館、道祖神めぐりを楽しむ途中で、偶然、見つけた蕎麦屋に入った。信州そばは、店ごとに味に個性があって、どこも期待にたがわず美味しいが、久しぶりに食べた「クルミそば」は絶品。これだから、ぶらり旅はたまらない。ホテルに戻り、夕食まで間があったので、駐車場をひと回りしたら、地元以外では、練馬・多摩・世田谷・横浜・所沢、名古屋等のナンバーが多かったが、立地条件を考えれば、当然だった。他に、茨城や群馬、新潟、さらには滋賀ナンバーを見つけたが、北陸三県の車はなかった。我々のように、交通機関を利用する人もいるので、正確ではないが、宿泊客の半分が長野県内で、関東4割、その他1割の見当だった。隅の方に、ホロをかぶせて車体ナンバーを隠している車を見つけた。も...★GOTOトラベルの弊害④リサーチ
JR穂高駅から送迎バスで15分程。安曇野の森に囲まれた静かなリゾートホテルは、4万坪以上の広大な敷地を誇り、ゆっくり時の経過を楽しむのに相応しい。滞在二日目の朝、ガーデン・スペースで食事をする3人家族を見かけた。清々しい空気の中での食事は、最高の贅沢で、仲睦まじい家族を羨ましく感じた。そこへ、一匹の子ザルが、近づいて行くのを見て、ハッとしたが、テーブルの数m手前で立ち止まり、食べ物のくずを拾って食べ始めた。その後、1匹、2匹と増え、3匹になったが、その家族は、平然としているので、ハラハラしながら、見ていたら、女の子が、パンをちぎって猿の方へ投げたので、3匹が先を競ってあさり、騒ぎ出した。「猿と目を合わせないように」、「食べ物を与えないように」との注意書きが貼ってあっても、両親が、止めもせず、写真を撮る光景は、見...★GOTOトラベルの弊害③無作法
新型コロナの感染者数が、右肩上がりに増え始めた7月中旬、私は、6月に予約しておいた安曇野のホテルをいったん、キャンセルした。その後も感染者数が増え続けたが、政府の方針に変化が無いので、ホテルの空室状況を検索したら、以前より、空室が増えていた。関東・中京方面の人達の自粛ムードに加え、お盆前なら空いている筈と思い、7月29日に再予約し、8月2日から二泊三日で、安曇野に出かけた。ホテルに着き、検温を済ませたら、担当者のほうから、「当ホテルは、キャンペーンの対象になりますので、チェックアウトまでに、必要書類を揃えておきます」と、親切に説明してくれた。一方、私の隣りでチェック・イン手続きをしていた婦人が、「連れは東京だけど、私は神奈川なので、代表者を私に変更して、領収書を書いて下さい」と、頼みのを聞き、不快になった。天皇...★GOTOトラベルの弊害②あい路
今まで、GWやお盆・夏休み、或いは、正月に混みあうことを承知で、帰省や墓参り、旅行等々、それぞれの思いで行動したので、肉体的な疲れが出ても、金銭的な、不平・不満が出なかった。人は、抑圧されれば、必ず反発する。外出自粛を長期間、強いられれば、規制が解除されたら、自由に行動したくなるのが人情だ。さて、新型コロナの影響で、政府は、緊急事態として、個人の自由意思を制限した。その重しが取り除かれたら、「gotoキャンペーン」が無くても、旅行などに出かけたくなる。「3密を避けること」を強いる政府が、「密」を作るための政策を、しかも、東京を除外し、受け入れ側の準備不足も承知のうえで、実施時期を繰り上げたのだから、自己矛盾も甚だしい。旅行に出かけることに、後ろめたさを感じる必要はなく、「旅行中、何をするか」を問題視したい。★GOTOトラベルの弊害①自己矛盾
麻雀で、「国士無双」をあがれば、「役満だぁ!」と小躍りするほど、出現確率が0.03~0.04%と低く、狙っていると、すぐ見破られるので、よほど配牌が揃わないと、難しい役満だ。若い頃、半荘に1回、必ず、国士無双を狙う友人がいて、手がばれても、「自摸にかける」とニヤニヤしながら、パイを運んでいた。一度、彼に不用意に、国士無双を振り込んで、顔色を無くしたことがあり、私の一番嫌いな役満になった。今は、二人共、マージャンをしないが、走友として、長い付き合いをしている。さて、その当時、彼は「国士無双」に拘る理由を言わなかったが、本来の意味は、「国内に並ぶ者がいない優秀な人物」のことを指す。総理大臣は、国士無双と同じで、その地位にある者は、それに相応しい見識を備えていると思いたい。★「国士無双」ヤーイ!
台湾に民主化を定着させた、李登輝元総統が亡くなったが、日本人の価値観を高く評価した人だった。2004年に、八田技師と西田幾多郎を生んだ金沢を訪れた時、二人をその日本精神の体現者と評した。さて、日本への外国人観光客の国別ランキングでは、中国・韓国で約50%近くを占めるが、石川県では、台湾が30%強と一番多く、中国と韓国合わせて12%ほど。これは、とりもなおさず、金沢市出身の八田技師が考案した「3年輪作」実現の給水法で、台湾の農業に多大な貢献をした功績に対する恩返しだと思う。彼は、日本の政治家は、「東京や法律でしかものを考えられない人ばかり」と指摘し、「指導者には対話こそが必要だ」と語ったが、今の日本の政治家に、真摯に受け止めて欲しい言葉だ。歴史に名を刻む政治家には、哲学的な政治思想が息づいている気がする。★李登輝さんの死
「命預けます」は、藤圭子のヒット曲だが、”夜の新宿花園でやっと開いた花一つ♪”と、ハスキーでけだるい声が、不思議な魅力を醸し出した。”嘘もつきます生きるため酒も飲みます生きるためすねるつもりはないけれど♪”は、政府に「命あずけます」とすがるしかない、一般市民の心理だ。一方、私は、「ビルの谷間の川は流れない人の波だけが黒く流れていく」で始まる、クールファイブの「東京砂漠」の歌詞を、”🎼ビルの谷間を人は流れるネオンの波だけが心を癒してくれる”と口ずさむ。新型コロナの拡大が収まらないことに対する人々の不安と苛立ちが、感染リスクが高くても、ネオン街に足を向かわせる。本来なら、安倍総理に向かって、「🎼あなたがいれば日はまた昇るこの東京砂漠」で結びたいのだが、、、。"(-""-)"★安倍総理!命預けます(番外編):飲む心理
「3密を避け、マスク・手指の消毒」等の感染防止策は、濃淡があっても、かなり社会に浸透している。国民が、政府の方針に忠実に従っているのに、新規感染者数が一向に減らない以上、政府が責任を問われても当然だ。こともあろうに、愚策と酷評された「アベノマスク」を、知らぬ間に、保育所や高齢者施設、障害福祉施設などを対象に、7月30日から約8,000万枚を追加(第三次)配布する予定だった。野党の追及をかわしていた厚労省だが、配布対象者等から「不要だ」、「ありがた迷惑だ」との声が相次ぎ、分割配布の奇策に出たと思ったら、次には、希望する所に配ると、二転三転している。しかし、残りを備蓄に回せば同じことで、4月からの通算で、約1億4,000万枚(約247億円)。今回の追加分だけで118億円余りを投じる政府の真意を測りかねる。国民の不幸...★安倍総理!命預けます(後編):大丈夫?
安倍首相が、緊急事態宣言を解除し、「経済との両立」を表明したのは、5月25日。経済再生の目玉として、7月22日から「GOTOトラベル」が始まったが、業界・国民双方に「時期尚早」の声があがった。専門家による分科会の尾身会長は、7月29日、gotoキャンペーンの開始判断の先送りを申し入れたが、受け入れられなかった、と語った。その時期は、政府が「東京外し」を決めた16日の数日前だった。また、7月30日、東京医師会会長が、「日本全体が、感染の火だるまに陥っていく」と危機感を露わにし、「国会を召集して、法的強制力を持った補償を伴う休業要請に必要な法改正」を訴えた。しかし、WHOの事務局長が、7月27日、日本とオーストラリアを、「感染の封じ込めに成功している」と評価した発言に、政府は気を良くしたのか、従来の路線を軌道修正す...★安倍総理!命預けます(前編):選択肢
能楽の流派は、観世・宝生・金春・金剛・喜多の「シテ方五流」だが、江戸時代には、新興の喜多流を「座」に加えず、「四座一流」と称した。加賀藩祖の前田利家は、金春流を愛好していたが、5代目藩主綱紀が、宝生流を奨励したので、金沢では、加賀宝生として根付いた。一方、徳川家康は観世流、秀忠が喜多流、綱吉は宝生流を愛でたので、能楽は、時代の趨勢に翻弄され、観世流と宝生流が中軸となった。また、囃子方は、笛、小鼓、大鼓(おおつづみ)、太鼓(たいこ)で構成し、「四拍子」と呼ばれるが、それぞれ独立した流派がある。なお、太鼓(たいこ)は、観世流と金春流の二派に分かれる。父は、謡は初代佐野吉之助直伝で、太鼓は、金春流の柿本豊次(金沢出身、のちの人間国宝)に師事し、40歳で、金春流の免許皆伝を得たが、第二次大戦中、軍属として召集され体を壊...★コロナが取り持つ(番外編2/2):加賀宝生の軌跡
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