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2014/10/11

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  • 卍屋龍次地獄旅

    鳴海丈/徳間文庫1999年11月15日初版。「股旅・ハードボイルド」とは、いかにも本作品らしい呼称である。実は、これは官能小説でもあり、時代小説でもあり、そしてハードボイルドでもある。幼い頃、運命を共にしていた相方の「おゆう」を探しながら、卍屋として街道筋を旅する主人公である。「おゆう」の面影を探しながら、しかし訪れる先々でおかしな事件が身に降りかかる。街道筋、宿場町と背景を替えながらの旅は「股旅」であろう。そして、事件毎に対峙する敵との戦いに火花を散らすのが主人公の「無楽流石橋派脇差居合術」だ。時代モノとしてはこれもまた欠かせない殺陣の場面、ハードボイルドである。その合間を接着するように必ず女が登場し、官能場面が描かれる。読者はこの三つを楽しみながら読み進む訳だ。個人的には、総じて股旅部分をもう少し史実に基づ...卍屋龍次地獄旅

  • 金曜日の本屋さん

    名取佐和子/ハルキ文庫2016年8月18日初版、2017年9月28日第五版。ファンタスティックな感じの本好きの話し。か、と言って御伽噺ではない。ミステリー・ファンとしてはやはりちょっとモノ足りない。「金曜堂」はオーナー、店長以下、日々頑張っている訳だが、見方によっては金持ちの道楽ともいえる。本屋としては理想的なのだが、今時店じまいする本屋も多い中、商売としてはなかなか難しい。そんな中で本好きの著者が思い切り理想的に書いたのがこの作品ということになるだろう。ご多分に漏れない自分としても、気持ちは判るが、なかなか辛い世の中であるもう一つ、「家業を継ぐ」という課題がある。本屋に限らず、日本の多くの中小企業、商店が悩んでいる後継者問題である。この作品の中でも知海書房の息子(史弥)や和久興業の息子(靖幸)が居る。親が作り...金曜日の本屋さん

  • アベノマスク

    05/25、我が家にもアベノマスクが届いた。現時点で配布できたのは国民の二割ほどだという。勤め先では素早く50枚入り一箱を所属社員に配布して既に久しい。緊急事態も解除しようかという時に何を今更の感は否めない。差し当たり、日本政府の「具体的な対策」の結果が目の前にある訳だが、個人として何だか寂しいし、悲しい。「迅速に決断し、切れ目なく、スピード感を持って、・・・」等々の勇ましい言葉が虚しく響く。職場では時短が行われ、給料は減額、勿論時間があっても何処にも出掛けられない。何等政府や自治体の支援、援助、サポートといったものが感じられないまま、ただ悶々と自粛する日々であった。一ヵ月や二か月、給料が半減したからといって干上がることもないが、タイミングが悪いというか、間が悪いというか、中には苦境に陥る人も少なくない。そんな...アベノマスク

  • 火刑都市

    島田荘司/講談社文庫2020/03/13初版。出だしから明らかに刑事モノ、警察モノで、東京生まれの中村吉造刑事が主人公。警備員の焼死というスッキリしない事件に遭遇し、疑問を抱きながら徒労と思えるような捜査を積み重ねていく。この過程で読者をドップリ巻き込んでいく。そうするうちに、もう一人の主人公がおぼろげに姿を現してくる。新潟越後寒川の情景は東京モンの中村刑事の視点にして、とてもよく出来ているように思う。東京モンだからこそと、言えるかもしれない。テーマとして殺人事件であることに変わりないが、背景が難しい。この作品には2つの見方があると思う。一つは東京の人為的変貌に対する恐れ、或いは怒りであろうか。東京と越後寒川のあまりに大きな格差への戸惑いもある。もう一つは、自らの存在をどうしても正当化することが出来ない自己矛盾...火刑都市

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