chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
遠藤雷太のうろうろブログ
フォロー
住所
未設定
出身
未設定
ブログ村参加

2014/10/06

arrow_drop_down
  • ジョン・カーニー監督『ONCE ダブリンの街角で』

    2025/7/13・ストリートミュージシャンの男性が、訳アリそうな女性と音楽を通じて仲良くなっていく話。・書いてみると本当にありふれたよくありそうな話。・展開に意外性がない一方で、細かい描写がおもしろい。・冒頭のやりとりは好き。どう見てもイケてない、くたびれたおじさんにイケてるとほめられる悲しさ。・悪態つきながらも小銭を渡すところも程よい。人柄が出ている。街全体がやや貧しい雰囲気。・ビッグイシューを手にしたまま歌を聴きに来る女性。見た目が小奇麗でちょっと異物感がある。・絶対そんな展開ではないのはわかっているものの、実際にこの感じで近づいてくる人がいたら、怪しい勧誘や押売りを警戒しなきゃダメだと思う。・二人には音楽があるので、それほど警戒しあうようなことはなく、すぐに仲良くなる。・二人をつなぐ掃除機の存在感...ジョン・カーニー監督『ONCEダブリンの街角で』

  • Jesse Vogelaar『僕とコウモリ』

    2025/7/12家が崩れて屋根の下敷きになった男が、電話で友人と短編映画の脚本会議をする話。一応、そういう話に見えるし、あらすじにもそう書いてある。でも、実際のところはよくわからない。というか、たぶん違う。会話が続いていても、登場人物の口は全く動いていない。劇中劇の作りに見せかけて、映像には劇中の話しか映っていないように見える。展開には特別意外なところはなかったけど、短編ならではのトリッキーな見せ方だった。脚本自体のアイディアはほんとしょうもない。失恋から立ち直ろうとする話で、なぜかファンシーなコウモリが訪ねてきて同居生活をする。本当に死ぬ間際にこんなしょうもない話をしていたんだったら面白いのかもしれない。壁パンチに、全然力が入っていない。たぶん物に当たらない良い人なんだろうけど、あれで家は崩れないと思...JesseVogelaar『僕とコウモリ』

  • カミュ『異邦人』

    2025/7/11・海辺の町に住む青年ムルソーが、殺人と母親の死を悼む様子を見せなかったことで、死刑判決を受ける話。・殺人よりも母親の死に悲しむ様子を見せなかったことが決定的だったらしい。よくわからん。・一方で、殺されたアラビア人のことには誰も関心がなさそう。かわいそう。・ムルソーは村上春樹作品の主人公感がある。・常に温度感が低く、母親が死んでも平然としているし、彼女にも性欲以上の興味はなさそう。・ただ、周りの人間からはわりと慕われている。自分から近づこうとしなくても、周りの人が勝手に近づいてくる感じ。こんな人、実在するのかな。・レエモンには都合のいい存在だったとも言えそうだし、他人に無関心だからこそ、ある種の人たちにとっては話しやすい相手だったとは言える。・「こんなことを話してしまって嫌われないだろうか...カミュ『異邦人』

  • Sacha Calame & Florian Dilloo『蘭』

    2025/7/10海辺の家で花を育てながら暮らしている女性に悪い虫がつく話。SAMANSAでアニメは初めて。動きはほとんどなく、登場人物も声を出さない。BGMだけ。アニメの技術としては最低限の短編だけど、単純化した線画と色彩の情報量が案外多く、眺めていて退屈しない。これだけ単純化されていても、花びらにたかる虫は気持ち悪い。花の構成要素もどことなく人体を感じさせる薄気味悪さ。男性の不潔そうな顔つきや女性の裸体描写が妙に生々しい。そんな具合に、デフォルメ加減はうまく調整されている。実際に何が起きているのか、はっきりはわからない。どうしても女性=花、男性=虫の隠喩と考えてしまうけど、どちらかと言うと、女性が男性と交わることで個人から女性という属性に変容していく話という解釈のほうがいいような気がする。北野武映画を...SachaCalame&FlorianDilloo『蘭』

  • カミュ『異邦人』(第二部/5)

    2025/7/7独房に戻ったムルソーは空の移り変わりや逃亡の可能性、刑罰、上訴について思いを巡らせる。司祭との問答で彼は激高するが、最終的には自分は幸福だったと悟る。これで終わり。ちょっとあっけなかった。解説のページ数が案外多かったこともあり、急に終わった印象。刑の執行までいかない。「結局、この人何だったの」という疑問が残る。そして、その疑問に、「こんな人だ」と言えたとしても、意味があるのかないのか。終始温度感の低いムルソーから怒りを引き出した御用司祭は案外優秀なのかもしれない。宗教としては定型句でも、他人から「我が子」呼ばわりされたら嫌な気持ちになる人がいるのはわかる。ただ、家族に対する意識も希薄なんだよなこの人、とも思う。そこで激高するということは、神に何かをゆだねるような生き方は嫌なんだろうか。おそ...カミュ『異邦人』(第二部/5)

  • カミュ『異邦人(窪田啓作訳)』第二部/4

    2025/07/03裁判が続く。検事は「ムルソーは犯罪を予謀した」と主張する。弁護士は懸命に弁護を試みるが、ムルソーへ斬首刑の判決が下される。「予謀」は犯罪を前もって計画すること。購入したばかりの日本国語大辞典アプリで調べたが出てこなかった単語。がっかり。ムルソーは話している内容よりも、検事の熱量に興味を持っている様子。たしかに他人一人を死に追いやるという大事に気後れすることなく職務を全うしようとしている。彼の話には、創作や想像も結構含まれているし、職務熱心なあまり、むしろ人としての大事なものを失っているように見える。死罪一人いくらみたいなインセンティブでもあるのかな。もしかして、ムルソーはアラビア人に刃物で刺されそうになったことを周りに話していないのか。刃物は重要な物証にもなるはずなのに。あと、斬首刑っ...カミュ『異邦人(窪田啓作訳)』第二部/4

  • ジョナサン・デミ監督『羊たちの沈黙』(1991年)

    2025/7/7・FBIの実習生スターリングが、収監中の凶悪犯罪者レクターから助言を受け、連続猟奇殺人犯に迫る話。・サイコホラーの名作とは言え、最近こういう緊張感を煽ってきそうな作品は得意ではないので、楽しめるかどうか半信半疑で見てみる。・結論、そういう自分でも緊張感が途切れず楽しめた。・グロい描写もなくはないけど、思っていたよりはだいぶん気を遣われている感じ。・主演はジョディ・フォスター。FBIの見習い的な立場。学生らしい青臭さを感じる。大女優になった今では出せない雰囲気。・しっかり訓練は受けていても、いざ実戦になると、全く余裕がなくなる感じが初々しい。オーバーアクトとも感じたけど、実際、いきなりあれくらいの場面に遭遇したらああなるのかも。・名前のない警察たちのほうがやっぱり頼りになりそうに見える。レク...ジョナサン・デミ監督『羊たちの沈黙』(1991年)

  • カミュ『異邦人(窪田啓作訳)』第二部/3

    2025/07/03およそ一年の拘留期間を経て、ムルソーの事件の裁判が始まる。裁判長や陪審員たちの関心は彼と母親の関係に集中し、擁護側の証人の声は届かなかった。また暑い夏がやってきて、ようやく裁判が始まる。太陽や暑さに関する言及が多い。検事の、母親を大切にしない奴は凶悪犯罪を犯すのだという、よくわからない理屈とそれに同調する人々。殺されたアラビア人のことは忘れられているように見える。「彼は母親を埋葬したことで告発されたのでしょうか、それとも一人の男を殺害したことで告発されたのでしょうか。」(p103)という弁護人の精一杯の主張も、母親を大切にしない人と殺人には関係があるはずだという野蛮な理屈で覆される。万事他人事に思われたムルソーも、裁判に興味を持ったり、泣きたくなったり、セレストに対して抱きしめたくなっ...カミュ『異邦人(窪田啓作訳)』第二部/3

  • Avi Kaye『ランニング・アウト』

    2025/07/04帰省の準備や仕事に追われ、心にゆとりのない青年ジェイクが、ちょっとした出来事をきっかけに大きな気づきを得る話。彼は母親からの電話に対しても当たりが強くて見ていてちょっと嫌な気持ちになる。最後のアイラブユーすら言わせないのは、かなり意地悪に見える。母親に強く当たれるのは依存の裏返しでもある。それでも、今まで自分が似たようなことをしていなかったのかと顧みると自信ない。たぶん、世の中に似たような人はたくさんいる。いるはず。大きな事件は起きていないけど、心が動く小さな瞬間を逃さず切り取って短編作品に仕立てている。似たような構造の出来事は、現実にたくさん起きているだろうから、彼の変化に共感できる人は多いと思う。好きなアプローチ。小道具としてのパソコンの使い方が巧い。でも、約束したことだけはやった...AviKaye『ランニング・アウト』

  • カミュ『異邦人(窪田啓作訳)』第二部/2

    2025/6/29ムルソーは刑務所に入れられた。彼は数か月の独房生活にだんだん慣れていった。彼は少なくとも5か月独房に入れられている。本人の温度感も低かったし、人を殺しているものの正当防衛的なことを想像していたので、ちょっと意外だった。判事との雑なやり取りも影響しているっぽい。面会のシステムが独特に感じる。面会人とは二重の鉄格子で隔てられている。鉄格子間も8~10メートルくらい離れている。遠い。大きめの声を出さないと話ができないし、一対一ではないので他の人の声も邪魔そう。面接に来たのはマリイだったが、家族ではないため何度も来ることはできないらしい。昔少し読んだだけの印象だけど、村上春樹っぽさを感じてきた。言外にずっと主人公の「やれやれ」を感じる。作品名は忘れたけど、狭い穴の中に閉じ込められている描写があっ...カミュ『異邦人(窪田啓作訳)』第二部/2

  • カミュ『異邦人(窪田啓作訳)』第二部/1

    2025/6/29ムルソーは逮捕される。クリスト教徒の判事の機嫌を損ねつつ、尋問を受ける。彼の身柄は憲兵に託される。二部のはじまり。前章で彼は眼を斬られたと思ったんだけど触れられていない。違うんだろうか。ムルソーは相変わらず他人事感覚で尋問を受ける。心証をよくしようという意思が見えない。敬虔な判事は「神を信じるか」と聞くが「信じない」と答える。どうしてこんなにやる気がないんだろう。こういう淡々としている感じは作中人物としてあんまり好きではない。現実味がない。そう考えてみると、ちょっと何かあると周囲にキレ散らかしていたラスコーリニコフは、まだ人間臭かった。ただ、前章で、好きな浜辺の特殊な沈黙をうちこわしてしまったと感じてから、更に銃を撃ち込んでいるので、そこで少し苛ついていたなかなとは思った。「悔恨よりも倦...カミュ『異邦人(窪田啓作訳)』第二部/1

  • カミュ『異邦人(窪田啓作訳)』第一部/5

    2025/6/29ムルソーとマリイはレエモンに誘われ、彼の友人の別荘に遊びに行く。レエモンは元恋人への暴行によりアラビア人に付きまとわれている。彼らとのいざこざのすえ、ムルソーはアラビア人の一人を射殺してしまう。第一部の最終章だからか急に長い。そして、派手ないざこざが発生する。急にピストルが出てきてビックリする。物としてはあるだろうけど、チンピラとしか思えないレエモンくらいでも持てるものなんだ。またムルソーとマリイが海でイチャイチャしている。読み飛ばしそうになる。マリイとの結婚話でも、相変わらず、他者に関心のなさそうなムルソー。謎の合席女も登場するが、いまのところ何者なのか不明。悪友と悪友の友人の別荘に恋人を連れて行くのは、嫌な予感しかしなかったけど、特に問題なかった。まだ油断できないけど。ここからムルソ...カミュ『異邦人(窪田啓作訳)』第一部/5

  • Benjamin Berman『スリムになる4つの簡単な方法』

    BenjaminBerman『スリムになる4つの簡単な方法』2025/6/30痩せるための4つのステップを、ある失恋した男をモデルケースにして紹介する話。いきなりビール1杯はパン7枚に相当すると言われる。どういう計算なんだろう。4ステップのうちの一つに失恋が出てくる。また失恋。短編動画の住人は、みんなよく付き合っているし、よくフラれている。まったく一般化できるものではないし、何で失恋なのかの理屈はよくわからなかった。前の恋人の前でうまくいっているように見せるのは大事。というか、未練ある前提なのか。内容はともかく、意味の異なる屋上からの景色を二回見せる構成はうまいというか、映像づくりが手馴れている感じ。参考にできる。たしかに主役の男性は当初だいぶぽっちゃりしているが、映像が進むにつれ、どんどんスリムになって...BenjaminBerman『スリムになる4つの簡単な方法』

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、遠藤雷太のうろうろブログさんをフォローしませんか?

ハンドル名
遠藤雷太のうろうろブログさん
ブログタイトル
遠藤雷太のうろうろブログ
フォロー
遠藤雷太のうろうろブログ

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用