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増田再起
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2014/09/19

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  • プレーバック劇団芝居屋第42回公演「通る道」11

    弔い上げと墓仕舞いの件が穏便な内に話が住み、お互いの心の距離も縮まっていい時間を過ごした角田家一同の前に、文子が現れ法要の始まりを告げる。文子「皆様、法要の準備が出来ましたので、本堂の方へご案内いたします。尚,法要が終わりましたらそのままタクシーで御斎の会場へご案内致しますのでお荷物はお持ちください」聖司「あのう、文さん。荷物を持って本堂に行くんですか」文子「ああ、そうだよ」奈美恵「こっちには戻って来ないの」文子「そうなのさ」妙子「どうして?」文子「それがさ。案山寺さんが法要が終わったらその足で他所に回らねばなんねええのさ、そこの寺がちょうど老松に行く手前にあるもんだから、そこで落としてくれって言うもんでね。(声を潜め指で〇)渋い人なのさ」文子「正一さん、悪いね」正一「しょうがねえじゃねえか。文ちゃんも一...プレーバック劇団芝居屋第42回公演「通る道」11

  • プレーバック劇団芝居屋第42回公演「通る道」10

    さて話を続けましょう。三十三回忌で父親の回忌法要を辞め、父親がこの家のご先祖様として崇める事にした正一は、皆の前で初めて息子としての想いを吐露します。正一「もともと横浜の出身だったオヤジがこの街にたどり着いたのは軍隊の赴任地だったからだそうだ。戦後復員したオヤジを待っていたのは焼け野原の横浜だった、家も家族も空襲で無くして天涯孤独となったオヤジは新天地を求めてここに来たんだ。そうして孤軍奮闘。角田工芸を作って四十三年。この街の文化人として尊敬される様になった。お前達も祖父さんの葬式を憶えてるだろう」聖司「ええ、はっきり覚えてます」奈美恵「トウチャンが来る前にその話になったの、すごい人出だったって」文子「本当にすごかったよね」正一「そうか・・・・」今は父親の歳を超えてしまった自分を顧みながら、父を思うと親子...プレーバック劇団芝居屋第42回公演「通る道」10

  • プレーバック劇団芝居屋第42回公演「通る道」9

    主催の正一が文子の案内で現れます。今は角田家の当主である正一は東京に居を構えており、今出席している聖司、妙子、奈美恵も同様でありました。本家がこの街から出た角田家の親戚はすでにちりぢりとなっており、出席の有無の連絡もなかったのです。結局33回忌の出席者はこの五人のみという事になりました。この五人が顔を合わせるのも6年前の27回忌以来です。その6年の間それぞれの生活の変化なぞ知る由もありません。話は他人行儀なものから始まります。正一「おお、まあまあだ、奈美恵、お前は元気なのか」奈美恵「ええ、相変わらず」正一「そうか、そんならいい」妙子「お義兄さん、ご無沙汰しております」正一「おお、妙ちゃん。正二が世話になってるな」妙子「とんでもありません」正一「まったくあいつは弱いな。で、どうなんだ具合は」妙子「お陰様で、...プレーバック劇団芝居屋第42回公演「通る道」9

  • プレーバック劇団芝居屋第42回公演「通る道」8

    ホッとした妙子がトイレに行くのと入れ替わりに聖司が帰ってきます。聖司「なあ、奈美恵。伯父さんから何か聞いてる?」奈美恵「何を?」聖司「回忌法要の事さ」奈美恵「別に何も聞いてないけど」聖司「調べたら回忌法要の終了って大体三十三回忌が区切りで弔い上げらしいんな」奈美恵「ああ、そうなの。だったら・・」聖司「御祖父さんも先にご先祖様になった御祖母さんの仲間に入るんだよ」奈美恵「じゃ今回で二人とも先祖様になっちゃうの?」聖司「ああ、そういうことだな」奈美恵「じゃ、こっちでの法要はなくなるって事かしら」聖司「さてね。三十三回忌で弔い上げになるんだったらその筈だけど・・・後は伯父さんの胸三寸ってとこだな」奈美恵「なるべくなら全部東京で済まして欲しいな」聖司「こんな事伯父さんには言えないけど。・・・まあ、本音だよな」奈美...プレーバック劇団芝居屋第42回公演「通る道」8

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