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2014/09/19

  • プレーバック劇団芝居屋第42回公演「通る道」11

    弔い上げと墓仕舞いの件が穏便な内に話が住み、お互いの心の距離も縮まっていい時間を過ごした角田家一同の前に、文子が現れ法要の始まりを告げる。文子「皆様、法要の準備が出来ましたので、本堂の方へご案内いたします。尚,法要が終わりましたらそのままタクシーで御斎の会場へご案内致しますのでお荷物はお持ちください」聖司「あのう、文さん。荷物を持って本堂に行くんですか」文子「ああ、そうだよ」奈美恵「こっちには戻って来ないの」文子「そうなのさ」妙子「どうして?」文子「それがさ。案山寺さんが法要が終わったらその足で他所に回らねばなんねええのさ、そこの寺がちょうど老松に行く手前にあるもんだから、そこで落としてくれって言うもんでね。(声を潜め指で〇)渋い人なのさ」文子「正一さん、悪いね」正一「しょうがねえじゃねえか。文ちゃんも一...プレーバック劇団芝居屋第42回公演「通る道」11

  • プレーバック劇団芝居屋第42回公演「通る道」10

    さて話を続けましょう。三十三回忌で父親の回忌法要を辞め、父親がこの家のご先祖様として崇める事にした正一は、皆の前で初めて息子としての想いを吐露します。正一「もともと横浜の出身だったオヤジがこの街にたどり着いたのは軍隊の赴任地だったからだそうだ。戦後復員したオヤジを待っていたのは焼け野原の横浜だった、家も家族も空襲で無くして天涯孤独となったオヤジは新天地を求めてここに来たんだ。そうして孤軍奮闘。角田工芸を作って四十三年。この街の文化人として尊敬される様になった。お前達も祖父さんの葬式を憶えてるだろう」聖司「ええ、はっきり覚えてます」奈美恵「トウチャンが来る前にその話になったの、すごい人出だったって」文子「本当にすごかったよね」正一「そうか・・・・」今は父親の歳を超えてしまった自分を顧みながら、父を思うと親子...プレーバック劇団芝居屋第42回公演「通る道」10

  • プレーバック劇団芝居屋第42回公演「通る道」9

    主催の正一が文子の案内で現れます。今は角田家の当主である正一は東京に居を構えており、今出席している聖司、妙子、奈美恵も同様でありました。本家がこの街から出た角田家の親戚はすでにちりぢりとなっており、出席の有無の連絡もなかったのです。結局33回忌の出席者はこの五人のみという事になりました。この五人が顔を合わせるのも6年前の27回忌以来です。その6年の間それぞれの生活の変化なぞ知る由もありません。話は他人行儀なものから始まります。正一「おお、まあまあだ、奈美恵、お前は元気なのか」奈美恵「ええ、相変わらず」正一「そうか、そんならいい」妙子「お義兄さん、ご無沙汰しております」正一「おお、妙ちゃん。正二が世話になってるな」妙子「とんでもありません」正一「まったくあいつは弱いな。で、どうなんだ具合は」妙子「お陰様で、...プレーバック劇団芝居屋第42回公演「通る道」9

  • プレーバック劇団芝居屋第42回公演「通る道」8

    ホッとした妙子がトイレに行くのと入れ替わりに聖司が帰ってきます。聖司「なあ、奈美恵。伯父さんから何か聞いてる?」奈美恵「何を?」聖司「回忌法要の事さ」奈美恵「別に何も聞いてないけど」聖司「調べたら回忌法要の終了って大体三十三回忌が区切りで弔い上げらしいんな」奈美恵「ああ、そうなの。だったら・・」聖司「御祖父さんも先にご先祖様になった御祖母さんの仲間に入るんだよ」奈美恵「じゃ今回で二人とも先祖様になっちゃうの?」聖司「ああ、そういうことだな」奈美恵「じゃ、こっちでの法要はなくなるって事かしら」聖司「さてね。三十三回忌で弔い上げになるんだったらその筈だけど・・・後は伯父さんの胸三寸ってとこだな」奈美恵「なるべくなら全部東京で済まして欲しいな」聖司「こんな事伯父さんには言えないけど。・・・まあ、本音だよな」奈美...プレーバック劇団芝居屋第42回公演「通る道」8

  • プレーバック劇団芝居屋第42回公演「通る道」7

    ようやく坊守文子の身の上話が終わり二人きりになった妙子と奈美恵には足のしびれを隠す余裕はありませんでした。この騒ぎが久しぶりに会った二人の距離を縮めます。会うのは法事などの特別な日以外にない親戚同士、会話は近状報告的なものになりますが、日ごろ会わないという気安さが本音の話を引き出します。妙子には夫の正二の健康状態が気がかりでした。妙子「実はね・・・いや、いい。なんでもない」奈美恵「いやね、なによ言いかけて。溜まったものがあるんだったら、吐き出した方がいいわよ。お互い忙しくしてるんだから、何か聞いてもすぐ忘れちゃうわ」妙子「そうか、会うのは法事ぐらいなもんだものね、お互いに」奈美恵「そうよ。ここで吐いたものはお祖父ちゃんが全部持って行ってくれるわ」妙子「そうか、そうだね」妙子「実は・・・先生の事なの」奈美恵...プレーバック劇団芝居屋第42回公演「通る道」7

  • プレーバック劇団芝居屋第42回公演「通る道」6

    「ご住職はお元気ですか」「お元気でねえの」「ご病気ですか」「死んじゃったの」・・・この会話、2年前に住職を亡くなってから寺を訪れる檀家さんと絶えず行われてきたので、今ではその後の説明が立石に水です。奈美恵「・・・あのう、いつですか?」文子「もう二年前さ」奈美恵「ああ、そうでしたか」妙子「亡くなった原因は?」文子「脳溢血さ」妙子「あらまあ」文子「いやあ、人の命なんてあっけないもんだよ。檀家さんの葬式やってさ、炬燵で一杯やってたらコロッだもの。あとウントモスントモ言わねえんだから、まあまああっけないもんだ」奈美恵「そうだったんですか」妙子「あの、お幾つで・・」文子「ああ、七十五だ」妙子「あゝ、そうですか」奈美恵「早かったですね」文子「なに、飲んべえで高血圧だもの遅かれ早かれって感じだべさ」文子「まあ、逝くのは...プレーバック劇団芝居屋第42回公演「通る道」6

  • プレーバック劇団芝居屋第42回公演「通る道」5

    聖司が一服の為席を外したのと入れ替わりに正一の姪の赤坂奈美恵と義妹の角田妙子が凍えて走り込んで来ます。奈美恵「ああ、助かった」妙子「ウウ・・歯の根が合わないわ」何と言っても3月の北海道は東京の人間には応える寒さです。妙子「アーッ、火って有り難いわよね。フワって寒さから解放される」文子の声「失礼します」慌てて防寒着を脱ぎ、正座する二人。お茶うけを持った文子入って来て。文子「(居住まいを正し)本日は遠路はるばるご苦労様です。法要は十一時からですのでこちらでしばらくお待ちください」奈美恵「本日はよろしくお願いします」妙子「お願いします」まあ、型通りのご挨拶です。文子「寒かったしょ」奈美恵「ホテル出た時はすごく晴れてたからこんなに寒いとは思いませんでした」文子「放射冷却ってやつだ。お決まりだよ」奈美恵「ひさしぶり...プレーバック劇団芝居屋第42回公演「通る道」5

  • プレーバック劇団芝居屋第42回公演「通る道」4

    住職の様子を聞いた聖司への返答が「死んじゃったの」じゃそりゃあ驚きます。聖司「エッ・・・エエ―ッ!」文子「あれまあ、知らなかったのかい」聖司「ええ、初めて聞きました」文子「葬式には正一さんが来てくれてたから、てっきり・・ああそうかい、知らなかったんだ」聖司「ええ。ああ!知らぬ事とはいえ・・ご愁傷様です。・・・あのう、いつ?」文子「もう二年前さ」聖司「ああ、そうでしたか」ここを先途と住職の没後の苦労話が披露されます。文子「ちょうどコロナの最盛期だったから葬式も身内だけでひっそりとやったんだが、いやあ、人の命なんてあっけないもんだよ。人の葬式やってさ、炬燵で一杯やってたらコロッだもの。あとウントモスントモ言わねえんだから、まあまああっけないもんだ」聖司「あのう・・・どうして・・」文子「ああ、どうして死んだって...プレーバック劇団芝居屋第42回公演「通る道」4

  • プレーバック劇団芝居屋第42回公演「通る道」3

    暫くして玄関の引き戸が勢いよく開きます。その瞬間吹き込む風が音を立てます。誰か来たようです。聖司の声「今日は」遠く風の音。聖司の声「すいません・・・あの・・・どなたかいませんか」風の音。聖司の声「・・・(大きく)すいません!」文子の声「(大きく)ハーイ」聖司の声「(大きく)あのう、角田ですけど」33回忌の法事の一番乗りは施主正一の甥っ子の角田聖司です。余程寒かったと見えて入って来た聖司は手っ取り早く股火鉢ならぬ股ストーブで暖を取ります。この股ストーブってのが暖を取るのに手っ取り早いんです。接待に来た文子に慌てる聖司に。文子「いいからいいから、そのまんまでいいから。まだ寒いショ」聖司「・・ああ、そうですか。それじゃ失礼して」聖司、文子の言葉に素直に甘えます。この二人の関係は正造の葬式以来の付き合いですから3...プレーバック劇団芝居屋第42回公演「通る道」3

  • プレーバック劇団芝居屋第42回公演「通る道」2

    さてこの芝居の舞台は北海道のある町です。時は3月。暖冬とはいえ北海道ですから寒風が吹きすさぶ厳しい寒さの中、角田家の33回目の法事が執り行われようとしています。ここは角田家の菩提寺泉水寺。この寺は嘗て炭鉱で栄えた町にあったが、今は炭鉱の閉鎖と共に市内からのバスも1時間に2本という寂れた場所となっていた。時刻は午前9時。角田家の法事は午前11時予定なのでまだ角田家の者は来ていない。泉水寺の坊守の武田文子が武田家を迎える準備に控えの間に現れた。外では寒風が吹き、時折うなりをあげて通り過ぎる。寺内とはいえすっかり冷え切った控えの間は地元の人間にも寒さがこたえる。文子「うう・・凍れるねえたらしばれるよ・・・なしてこったらトコに生まれたんだべな、まったく」石油ストーブをつけ部屋を暖める文子。文子と角田家は長い付き合...プレーバック劇団芝居屋第42回公演「通る道」2

  • プレーバック劇団芝居屋第42回公演「通る道」1

    さてこの度の公演は角田家の先代当主角田正造の三十三回忌に集う五人の人間物語でございます。まず登場人物の紹介と参りましょう。まず法事が執り行われる菩提寺泉水寺の坊守(住職の奥さん)武田文子。演じますのは永井利枝〈劇団芝居屋)角田家本家長女故角田佳奈の娘、赤坂奈美恵。演じますのは増田恵美(劇団芝居屋)角田本家次男、角田正二の嫁角田妙子。演じますのは細川量代(劇団芝居屋)角田本家長女故角田佳奈の長男、角田聖司。演じますのは木ノ下敬志(劇団芝居屋期間限定劇団員)。角田家当主、三十三回忌施主、角田正一。演じますのは増田再起(劇団芝居屋)。この五人がお送りいたします。お楽しみに。プレーバック劇団芝居屋第42回公演「通る道」1

  • 劇団芝居屋第42回公演「通る道」

    昨日、劇団芝居屋第42回公演「通る道」がお陰様を持ちまして無事千秋楽を迎えました。短期間の公演ながらお陰様で大好評の内に幕を下ろすことが出来ました。御来場の皆様ありがとうございました。次回公演を楽しみに。一覧を見るカレンダー<<3月>>日月火水木金土12345678910111213141516171819202122232425262728293031劇団芝居屋第42回公演「通る道」

  • 初日打ち上げ!!

    昨日は劇団芝居屋第42回公演「通る道」の初日でした。初日と言っても今回は三日間公演という短期な公演という事もあり、公開ゲネもやったので実質的には二回公演となりました。いや、疲れましたね。とはいえ、この疲労感を吹き飛ばしてくれるのがお客さんの反応です。お陰様で喜んでいただきました。いや、その後の初日打ち上げのビールの美味い事。この上ありませんでした。さて本日は二日目。褌を引き締めて頑張ります。初日打ち上げ!!

  • 小屋入り

    この小屋は今を去る22年前に我が劇団芝居屋が旗揚げ公演をした劇場です。青雲の志を持ちこの小劇場から出発したわけですが、志の稚拙さに気づき迷走の22年です。でもね、今回は自信があります。ようやく迷走を脱却し、明快な結論を提供できるという自信を持つ作品ができました。1時間30分決して退屈させない自信あり。それにしても22年前からここの劇場は何一つ変わっていません。こんな事ってあるんでしょうか。周りは今も新造、新築のオンパレードなのです、ここの外景は22年前のままです。開催劇団の舞台写真が飾られた階段を下がっていくとそこがスタジオあくとれです。漆黒に塗られた壁は汚れが目立たないための配慮でしょう。確かにその目論見は成功しています。更に下って行くと劇場が現れます。初演の頃はこの小屋でも大きく感じたものです。でも今...小屋入り

  • 劇団芝居屋第42回公演「通る道」稽古場稽古終了

    本日は3月1日(金)~3月3日(日)に行われる劇団芝居屋第42回公演「通る道」の稽古場稽古最終日です。明日が小屋入り、建て込み、場当たりと忙しいので本日はアルコールなしで大人しく家路につきました。約1時間35分の小品ですが、濃密なものとなっております。まだチケットは残っています。決してご損はさせませお時間がありましたら是非お越しください。https://ticket.corich.jp/apply/297294/004/劇団芝居屋第42回公演「通る道」稽古場稽古終了

  • 御前試合

    昨日はコロナの影響で2019年から行う事の出来なかった後援会会長御臨席の通し稽古総見を5年ぶりに行いました。後援会長のお名前は尾藤真理子さん。何故こんな仰々しい題名を付けたかというと、この方二十代前半の頃から私の役者人生は勿論、私の作品作品を全て見てもらってます。ですからもう50年以上のお付き合いになる訳です。この方自身も日活のニューフェイスとしてデビューされ将来を有望視された女優でした。結婚を機に芸能界から身を引き、良き観客として私たちを後援してくれる事になったのです。さて、この日の出演者はこの逸話を良く知っている者だけなので緊張も一通りではありませんでした。それは優しい口調や慎重な言い回しで、見て感じたままの良し悪しをはっきり言ってくれます。それは役者のそれまでの稽古の結果なので観客の意見として認めざ...御前試合

  • 劇団芝居屋第42回公演「通る道」本番八日前です。

    いや、いよいよ本番八日前です。連日の13時から21時までの一日稽古。一日3回の通し稽古、残り時間の抜き稽古。77歳の老骨にはちょっときついものがあります。ですが良いものを創るためです、骨身を削っております。出演者の自分創りも佳境に突入中でこだわりの細部の調整段階です。まあ、劇団芝居屋に於いてはここからが本稽古と言っていいでしょう。もうすぐ劇団芝居屋恒例本番一週間前の後援会長の御前稽古も始まります。さてどんな反応を示してくれるでしょうか。楽しみです。観劇希望の方は下記のアドレスからチケットをお求めください。https://ticket.corich.jp/apply/297294/004/よろしくお願いします。劇団芝居屋第42回公演「通る道」本番八日前です。

  • 本番十五日前

    劇団芝居屋第42回公演「通る道」の稽古もいよいよ佳境。本番十五日前です。稽古も一日稽古となり、セリフ合わせを含めて、細かい当たり稽古、通し稽古をしています。13時の稽古開始から21時の終了まで夕食休憩の40分を除き全て稽古の贅沢な時間です。役者達の人間創りも固まりつつあります。何しろ出演者4人の少数精鋭の布陣。連日充実した稽古で公演時間も1時間30分台ほどに固まってきました。楽しんで頂ける作品となっております。お時間がありましたら是非お越しください。役者一同お待ちしております。チケットご希望の方は下記アドレスよりどうぞ。https://ticket.corich.jp/apply/297294/004/本番十五日前

  • 週間稽古の終わりはやっぱりコレですね

    毎回同じ様な構図になりますが、稽古がはじまり初の土曜ということで稽古終わりに一杯。劇団芝居屋では一週間で稽古を区切って土曜日にまとめたダメ出しをすることにしています。日々の細かいダメ出しは当然の事ながらありますが、ダメ出しを受けて役者は自分の演ずる人間創りをする訳ですから、その努力の結果を見る時間が必要です、役者に任せる時間がですね。土曜日はその結果に対する評価を提示する日となります。役者はそれを受けて自分創りを更に深めるといった事が公演に至る間繰り返し本番に臨みます。その為には一杯は必要不可欠です。ただ飲みたいだけだろうって?ええ、確かにそうですね。芝居を肴に飲む酒は美味いですからね。週間稽古の終わりはやっぱりコレですね

  • 劇団芝居屋第42回公演「通る道」本格稽古開始

    元旦から続く震災や事故に心が沈みがちですが、そうかといってそこに甘んじてはいられません。やるべきことをやるという事で劇団芝居屋第42回公演の公演稽古が本日から開始されます。これから3月3日の千秋楽まで全力で駆け抜けるつもりです。今回の様な少人数の公演は以前から出来ればやりたいと思っていました。一人一人の役者が存在の際立つ為の力量を発揮し、作品の出来そのものの責任を役者自身が全身全霊で受け止めるそんな作品を作りたかったのです。まさにその機会を得ました。今は劇団芝居屋が目指す「覗かれる人生芝居」の最高峰に至る表現をと意気込んでおります。お時間がありましたら是非この舞台をご覧ください。決してご損はさせません。チケットのお求めは下記のアドレスからどうぞ。https://ticket.corich.jp/apply...劇団芝居屋第42回公演「通る道」本格稽古開始

  • 七草粥

    元旦からの厄災に会われた方々に心よりお見舞い申し上げます。いや、実際まさにこれから新年会と集まった親族がテーブルについた途端の大きな揺れと、飛び込んできた地震速報に正月気分も吹っ飛んでしましました。一日も早い復旧をお祈りいたします。あの後の羽田の事故。波乱万丈な本年を予感させます。とはいえ、新年を迎えた事には違いがありませんので、わずかながらでも正月行事に参加しようと今朝七草粥を食しました。今年は殊の外おせちの減りがおそく胃も疲れてはいませんが・・・まあ、一つの区切りです。七草粥

  • 新年明けましておめでとうございます。

    明けましておめでとうございます。昨年中はいろいろとお世話になりました。本年も劇団芝居屋を宜しくお願い致します。2024年の劇団芝居屋は3月と10月の公演を予定しております。ご後援の程よろしくお願いいたします。3月公演新年明けましておめでとうございます。

  • 忘年会どころじゃありません。

    さて忘年会シーズンも真っ只中。私もご多分に漏れず肝臓を酷使しています。ですが、今年9月に41回目の公演を終え後次回公演予定が来年の10月という事で、劇団員からこの間に小さい公演をという声が上がりましてね、劇場選びなど具体的な事を始めたんです。半ば冗談半分の話だったのですが、3月頭にスタジオあくとれが開いているという話から急に話が進みましてね。私に書け書けとテレパシーを送って来るんです。まあ、私も間隔がちょっと長いなという思いもあり、細かい事は省いた形で台本創りに入りました。少人数小公演という縛りが功を奏したんでしょうね、10月11日に起稿して11月17日に脱稿しました。これには劇団員も慌てたようです。まあ、皆いろいろ調整しないといけない事はありますからね。というわけで12月9日に初顔合わせという事でボチボ...忘年会どころじゃありません。

  • 誕生日兼クリスマス会

    昨夜は孫2号の誕生日兼クリスマス会。ウチでは暮れ最大のイベントです。みんな健康に同じような集いが出来るというのは幸せな事だとつくづく思う今日この頃です。兎に角元気が一番です。誕生日兼クリスマス会

  • 顔合わせ

    劇団芝居屋第42回公演「通る道」初顔合わせ。本日来年3月1日から3日まで中野スタジオあくとれで行われる劇団芝居屋第42回公演「通る道」の初顔合わせです。今回はあえて少数精鋭でお送りします。いつもの場所で初の本読み。いつもの場所で出陣の酒席。幾つになってもいいですね、この高揚感。そうそう、中野スタジオあくとれは21年前に劇団芝居屋が旗揚げ公演をした劇場です。お楽しみに。顔合わせ

  • 顔合わせ

    劇団芝居屋第42回公演「通る道」初顔合わせ。本日来年3月1日から3日まで中野スタジオあくとれで行われる劇団芝居屋第42回公演「通る道」の初顔合わせです。今回はあえて少数精鋭でお送りします。いつもの場所で初の本読み。いつもの場所で出陣の酒席。幾つになってもいいですね、この高揚感。そうそう、中野スタジオあくとれは21年前に劇団芝居屋が旗揚げ公演をした劇場です。お楽しみに。顔合わせ

  • プレーバック劇団芝居屋第41回公演「七曲り喫茶紫苑」

    9八月・移転期限日一週間前・訣別・三十五度8月21日となりいよいよ紫苑の立ち退き期限日です。若手の応援を受け店内の片付けがはじまっています。「天国と地獄」の曲が薄く流れえている。調理場から段ボール箱を持ってきて積み上げる作業姿の登和。タオルにTシャツ姿の淳と総司が入って来る。登和「それ、運んで」総司「了解しました」総司、運び出す。登和「淳、調理場から空箱と新聞紙持ってきて」淳「ハイ」調理場から持って来て段ボール箱を組み立てる淳。タオルにTシャツ姿の良子が来る。続いて京子と早紀も作業する格好で来る。若手にとって唯一息抜きの場所であった紫苑の引っ越しです。皆テキパキと働きます。良子「店の周りは金網に取り囲まれて、まるで動物園の中にいる感じ」早紀「緑の檻の中にね」良子「そうそう」京子「本当にそうですよね」淳「こ...プレーバック劇団芝居屋第41回公演「七曲り喫茶紫苑」

  • プレーバック劇団芝居屋第41回公演「七曲り喫茶紫苑」12

    8七月・移転一ヶ月前・昼・三十四度早いもので七月の声を聴きました。炎天下の最中今日は万年青の解体の日。女将の典子が半狂乱の体で良子と登和に止められながら来ます。登和「女将さん・・・」典子「なんであたしが万年青のあんな姿を見なけりゃならないのよ・・」登和「そうですよね。分かります,分かりますよ、女将さん」良子「女将さん。しっかり、しっかりしてね」典子「良子、あんただってわかるだろうあたしの気持ち」良子「分かります、分かりますとも」典子「万年青はあたしのすべてなんだ。あたしの七十五年が壊されているんだよ」登和「分かってます。ええ、分かってますとも」解体の音一際大きく。典子「ああ、あたしの万年青が殺される」やがてプツンと解体の音がやみ、静寂の時が流れます。典子「・・・どうなったの・・」良子「解体が・・・終わった...プレーバック劇団芝居屋第41回公演「七曲り喫茶紫苑」12

  • プレーバック劇団芝居屋第41回「七曲り喫茶紫苑」11

    7六月・移転二ヶ月前・移動三月の移転意思の表明から三ヶ月。清彦と早紀の補償交渉や移転場所もそれぞれ決まり移転が始まりました。それと同時に横丁の取り壊しも進み七曲りもなばかりとなって来ました。良子「今日は朝からどっちの引っ越し」淳「鳥功す、明日が海路すね」良子「あら、二日続けてお引越しだ。北口の店見に行った?」淳「ええ、改装工事が終わったんで大将と一緒にね。今の店より結構広かったすね」良子「そう、じゃ淳も頑張んなくちゃね」淳「頑張りますよ。これから新しい店になると思うと何だかワクワクしますね」良子「そうなんだ。若いからね、先行きが楽しみなんだね」」淳「ママはそうじゃないんすか」良子「そりゃそうよ、成ろうことならここの場所にずっと居たかったんだから」淳「ああ、そうなんだ」まあ、若い者にはこの辺の気持ちはわかり...プレーバック劇団芝居屋第41回「七曲り喫茶紫苑」11

  • プレーバック劇団芝居屋第41回「七曲り喫茶紫苑」10

    6一週間後・昼・代理・二十六度金蔵の尾てい骨骨折から一週間後、典子は紫苑である女性と待ち合わせします。予定の時刻を過ぎて慌てた面持ちで現れた女性は・・・。早紀「遅くなってすいません。道に迷っちゃったもんですから・・」友永早紀という名前でした。典子「・・・早紀ちゃんなの?」早紀「ハイ、友永早紀です」典子「あらあ、立派になっちゃって・・あたしの事分かる?」早紀「・・・万年青のおばさまですよね。いつも父がお世話になっております」典子「とんでもない、お世話になってるのはこっちの方」早紀「め、滅相もないことでございます。」典子「・・立ち話もなんだから・・さあ、座って座って」ずいぶん昔の知り合いのようです。典子「緊張してる?」早紀「ええ、少し・・」典子「ねえ、早紀ちゃんがこの横丁出て何年になるかしら」早紀「私が五歳の...プレーバック劇団芝居屋第41回「七曲り喫茶紫苑」10

  • プレーバック劇団芝居屋第41回「七曲り喫茶紫苑」9

    5同日・夜・二十度七曲りの皆が応援した淳の試合は見事淳が勝利をおさめました。万年青での一次会も終わり、紫苑の二次会の為先遣隊として良子と若手が席作りに来ました。良子「ソーレソレソレ、お祭りだ」燥ぎまくった若手がきます。総司「勝者矢崎淳!!」まだ万年青に残ってる老体組と若手合わせて十人分の席をつくります。良子「ご苦労さん。来るの何人だっけ」総司「僕らを含めて十人ですね」良子「じゃ、テーブル動かして席作ろうか」淳「ママ、どういう形にしますか」良子「そこのソファ席から椅子席のテーブルをこう並べて・・」総司「椅子は両サイド置いていいですね」良子「ああ、そうだね。京子ちゃん」京子「ハイ」良子「冷蔵庫からビール出して」京子「ハイ、了解」こういう時の若手はテキパキ働くもんです。みるみる席がつくられていきます。総司「淳君...プレーバック劇団芝居屋第41回「七曲り喫茶紫苑」9

  • プレーバック劇団芝居屋第41回「七曲り喫茶紫苑」8

    4五月・移転三ヶ月前・午後・二十五度今日は淳の東日本新人王戦準決勝の日。京子たちと応援に行く予定の良子は早じまいの支度をしております。そこへ万年青の登和が来店します。良子「あら登和さん、いらしゃい。珍しいわねこんな時間に」登和「ほら、今日は淳君の応援じゃない、試合の後の寄り合いの準備だけだから仕込みが少なかったの」良子「そうか、さて戦勝会となるか残念会となるか」登和「ドキドキね」良子「・・ねえ、何か飲む」登和「コーヒー頂戴」良子「了解」登和「ねえ、良ちゃんも行くんでしょう」良子「ええ、十六時に京子達と待ち合わせしてるの。もうそろそろ来るんじゃないかな」登和「試合は何時から」良子「試合開始が十八時。会場まで一時間見とけばいいかなって」登和「じゃ、あたしも一緒していい」でも登和の様子がいつもと違うんですな。登...プレーバック劇団芝居屋第41回「七曲り喫茶紫苑」8

  • プレーバック劇団芝居屋第41回「七曲り喫茶紫苑」7

    3四月・移転四ヶ月前・朝・十五度・その2良子が帰ってきました。すると先ほどの顛末は毛ほども見せずいつもの紫苑の客を演じる二人です。良子「ねえ、もう始まったわよ」功一「何が?」良子「ホラ、丸万市場に行く手前三階建ての雑居ビルがあるでしょう」功一「ああ、小田万ビルな」良子「知ってるの」功一「ああ、コロナ前は店終わったらよく行ってたスナックがあってな。それがどうした」良子「解体工事が始まったらしいよ。養生して足場の組み立てしてた」功一「ええ、あそこが!・・・ああ、区画整理内だもんな。そうか始まったか」良子「ほら、あそこ横丁の入り口でしょう、あんなところで工事始まっちゃったら客足に影響するよね」功一「ああ、それでだ」良子「なにさ」功一「いや、ゆんべやけに客足が落ちたからよ」良子「あら、功さんとこも」良子「やだ、会...プレーバック劇団芝居屋第41回「七曲り喫茶紫苑」7

  • プレーバック劇団芝居屋第41回「七曲り喫茶紫苑」6

    3四月・移転四ヶ月前・朝・十五度・その1いつもの朝です。ママの良子は買い物で留守にしてますが、七曲りのにんげんにとって勝手知ったる紫苑です。居たい様にいます。今朝は奇しくも淳のボクシングジムの会長の海路と仕事先の鳥功の大将功一が一緒になりました海路「オイス」功一「オッ、権藤ジムの会長さん、オハヨウさん。朝のロードワークかい」海路「ああ。こ、功ちゃん早いね」功一「ああ、ここんトコ客が戻って来てたんだが、ゆんべはエアポケットみたいにクソ暇でさ、腹立ったから早仕舞いしてふて寝さ。そうしたら朝早くに目がパッチリだ」海路「そ、そういえばウチもそうだったな」功一「何かあったのかな」海路「さあね・・・」功一「どうだい、淳の調子は」海路「いいよ。じ、淳は絶好調さ。でもトレーナーの俺がいけねえ。・・・俺もめっきり駄目になっ...プレーバック劇団芝居屋第41回「七曲り喫茶紫苑」6

  • プレーバック劇団芝居屋第41回「七曲り喫茶紫苑」5

    2同日・深夜・気温九度移転期限日が9月3日と決まったその夜。閉めた紫苑におでん屋万年青の女将典子と右腕の登和がやって来ます。それはそうです。長年住み慣れた七曲り路地からの立ち退きが決まったのですから心穏やかではいられません。良子も同じ気持ちです。典子「ちょっとゴメンよ」良子「あら、カアサン、珍しい」典子「閉店は分かってるんだが、チョット奥借りるよ」良子「どうぞどうぞ」登和「良ちゃん、ごめんね」良子「何を仰いますやら」という訳で良子もご相伴して一杯。典子「(ため息)・・七十五年。・・・七十五歳か・・・」良子「何ですか」典子「おでん屋万年青さ、万年青の年齢」良子「そうか、万年青は七十五年ですか」典子「カアサンが復員してきたトウサンとこの七曲りに店を持ったのはあたしが生まれた昭和23年だった。だからおでん屋万年...プレーバック劇団芝居屋第41回「七曲り喫茶紫苑」5

  • プレーバック劇団芝居屋第41回「七曲り喫茶紫苑」4

    1三月・移転六か月前・報告・・気温12度・・その2役所で移転意思の確認表明をした金蔵をはじめとした主だった者が帰って来る時刻となりました。先ず帰って来たのは通称社長と言われている金蔵が一人で着ました。それもビックニュースを持って。金蔵「なあ、知ってる?」良子「なあに?」金蔵「清彦のやつなゆんべ酔っぱらって、店の階段から転げ落ちたんだぜ」」良子「えっ、あの急な階段から!大丈夫だったの」金蔵「大丈夫な訳ねえよ。骨折だと」良子「何でまた」金蔵「例によって年甲斐もなくはめ外したんだよ」良子「じゃ、役所には・・」金蔵「来たよ。奴にも意地って奴があるからな。海ちゃんに負ぶさって来た」まあ、60を越した男がやる事じゃありません。良子「(水を出す)ねえ社長だけ?あとの人は?」金蔵「ああ、帰りがけだからついでに土手の桜見て...プレーバック劇団芝居屋第41回「七曲り喫茶紫苑」4

  • プレーバック劇団芝居屋第41回「七曲り喫茶紫苑」3ー1

    この劇団芝居屋第41回公演「七曲り喫茶紫苑」は以下の喫茶店「紫苑」の店内を舞台に展開されます。1三月・移転六か月前・報告・・気温12度・・その1今日は七曲り路地の住人にとって大切な日であります。というのも区画整理地区になった七曲りからの移転意思のあるなしを表明する日だったのです。年中無休を貫く喫茶紫苑の良子と団体客の予約の為参加できない功一は、役所に行く金蔵達も委任状を金蔵託して結果を待っていました。金蔵の営む不動産屋事務員京子もその一人。結果を待つ間良子の花札占いで自分の運勢を見て貰います。良子「はい、京子ちゃん、アンタが引いた札は菖蒲。吉凶札は吉札、陰陽札は陽札。菖蒲の咲く、寸分の狂いも無く建てられた八橋は、権威、富の象徴と出てるね」なんのこっちゃな内容ですが・・良子「だからね。アンタの運勢を紐解くと...プレーバック劇団芝居屋第41回「七曲り喫茶紫苑」3ー1

  • プレーバック劇団芝居屋第41回公演「七曲り喫茶紫苑」2

    さてさて本日は「七曲り喫茶紫苑」の舞台に登場する役者の紹介です。この通称七曲り路地と言われる路地はかつて特徴のある十五店舗の店で構成されていましたが、この四年のコロナ禍で五店舗まで減少していました。喫茶紫苑はここに生きる人達の憩いの場となっていました。七曲りの老舗店おでん屋「万年青」の二代目女将影山典子(75歳)。戦後両親が典子の誕生を機に始めたのが「万年青」の為、「万年青」の歴史は丸々典子の年齢と同じなのでした。演じましたのは永井利枝。今や「万年青」の次に古い喫茶「紫苑」の二代目店主中村良子(45歳)前店主が年齢的な事から引退したことをきっかけに店を譲られ、得意な占いを売りに七曲りの憩いの場として切り盛りしている。演じましたのは増田恵美。「万年青」の典子の片腕として長年勤めて来た福田登和(50歳)。アパ...プレーバック劇団芝居屋第41回公演「七曲り喫茶紫苑」2

  • プレーバック劇団芝居屋第41回公演「七曲り喫茶紫苑」1

    9月3日にお陰様で劇団芝居屋第41回公演「七曲り喫茶紫苑」も無事千秋楽を迎えることができました。と、言う訳でさて恒例のプレーバックが始まります。先ずはこの作品のあらすじをどうぞ。東京郊外のある私鉄沿線の街。駅前の繁華街から少し離れた横丁の路地裏にこの話の舞台になる喫茶紫苑がある。この曲がりくねった路地は通称七曲りと呼ばれ昭和の匂いを残す十一店舗の個性豊かな飲み屋が集っており、長年庶民の隠れ家的な場所となっていた。この路地の住人には長年にわたる懸念があった。それは以前から計画されていた再開発事業による区画整理であった。住民の反対によって近年まで滞っていた区画整理計画も、四年に渡るコロナ禍の影響により繁華街が大きな打撃を受けた事で執行される事が決定し、事業は加速的に進行し、何回かの説明会を経て移転意思の確認と...プレーバック劇団芝居屋第41回公演「七曲り喫茶紫苑」1

  • 暑気払い!!

    劇団芝居屋第41回公演「七曲り喫茶紫苑」稽古中盤。追い込み前の暑気払い!!暑気払い!!

  • 何故八月公演か!

    からの~これといった次第よろしく。何故八月公演か!

  • 劇団芝居屋第41回公演チラシ完成

    あらすじ東京郊外のある私鉄沿線の街。駅前の繁華街から少し離れた横丁の路地裏にこの話の舞台になる喫茶紫苑がある。この曲がりくねった路地は通称七曲りと呼ばれ昭和の匂いを残す十一店舗の個性豊かな飲み屋が集っており、長年庶民の隠れ家的な場所となっていた。この路地の住人には長年にわたる懸念があった。それは以前から計画されていた再開発事業による区画整理であった。住民の反対によって近年まで滞っていた区画整理計画も、四年に渡るコロナ禍の影響により繁華街が大きな打撃を受けた事で執行される事が決定し、事業は加速的に進行し、何回かの説明会を経て移転意思の確認という段階に至った。ここに至って七曲りにかろうじて残った五店舗も立ち退きを承諾する為の条件闘争に入ったのであった。果たして七曲りの住民と喫茶紫苑やの行く末や如何に。ただいま...劇団芝居屋第41回公演チラシ完成

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