対中国の切札のひとつ台湾は1950年代から中国と対峙しており、冷戦期は対共産圏の防波堤として、アメリカの支援を受けていました。ところが、1979年の米中国交正常化にともない、徐々にアメリカの対中配慮が目立ち、台湾への武器輸出を渋るようになり
探知能力が大幅向上南シナ海で中国の圧力を受けているフィリピンは、対抗するための装備・能力が足りておらず、軍の近代化が急務となっています。こうしたなか、同じ対中国で利害が一致する日本との連携強化が図られ、2023年11月に日本産の防空監視レー
警務隊が使うバイク強力な兵器を持ち、各基地・駐屯地が小さな「町」を形成する自衛隊には、規律維持を目的とした独自の警察組織「警務隊」が存在します。※警務隊について詳しくはこちら⇩いわゆる憲兵に該当する警務隊は敷地内の交通安全も担うため、陸上自
近距離攻撃用の対潜兵器水雷戦を得意とした旧日本海軍では、駆逐艦や巡洋艦に伝家の宝刀ともいえる酸素魚雷の発射管を載せていました。こうした魚雷はミサイルに取って代わられて廃れたものの、海上自衛隊の護衛艦は今でも魚雷発射管を積んでいます。ただし、
米の関与、露の牽制、独の抑制第二次世界大戦後の1949年に誕生したNATO(北大西洋条約機構)は、加盟国同士で守り合う軍事同盟です。条約の第5条に定められた防衛義務に基づき、加盟国の誰かが攻撃されたら、全員で参戦・反撃する「集団防衛」の仕組
北海道限定の貴重な火砲陸上自衛隊の普通科部隊において頼りになる大火力といえば、牽引タイプの120mm重迫撃砲になりますが、これを自走化した「96式自走120mm迫撃砲」というのも存在します。しかし、残念ながらこちらは北海道の第7師団にしか配
米空母を支える「鷹の目」アメリカは軍事力を遠方まで展開できる「戦力投射能力」では他国に追随を許しておらず、それを構成するひとつの要素が原子力空母を中心とした空母打撃群です。原子力空母が持つ航空戦力は、中小国の空軍力に匹敵するとも言われ、数々
海自が使う初等練習機自衛隊パイロットといえば、どうしても航空自衛隊のイメージが強いものの、海上自衛隊で哨戒任務などに就くパイロットたちも忘れてはなりません。主にP-1哨戒機や護衛艦搭載型のSH-60哨戒ヘリコプターを操る海自パイロットたちも
沿岸警備能力の底上げ南シナ海で中国の軍事的圧力を受けるフィリピンは、矢面に立つべき海軍が旧式艦艇ばかりで構成されているうえ、平時における沿岸警備能力も全く足りていません。こうした状況は中国を利するだけであり、アメリカの同盟国、そして日本の友
役割は違えど、連携して戦う各車現代陸軍の必須装備として戦車や装甲車があげられますが、後者には「装甲兵員装甲車」「歩兵戦闘車」をはじめとするさまざまな種類が存在します。戦車はなんとなくイメージが付くものの、装甲車の種類はややこしく、おおざっぱ
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対中国の切札のひとつ台湾は1950年代から中国と対峙しており、冷戦期は対共産圏の防波堤として、アメリカの支援を受けていました。ところが、1979年の米中国交正常化にともない、徐々にアメリカの対中配慮が目立ち、台湾への武器輸出を渋るようになり
世界最大の輸送ヘリ世界最大の輸送機といえば、アメリカのC-5ギャラクシーですが、世界最大の輸送ヘリはロシアの「Mi-26 ヘイロー」です。旧ソ連はNATO側を打ち破るべく、大量の戦力・火力で圧倒しながら、西ヨーロッパをすばやく制圧する狙いで
次世代の主力艦イギリス海軍といえば、かつては世界の七つの海を支配するなど、圧倒的な艦隊規模を誇ったものの、いまは見る影もありません。現在のイギリス海軍は予算削減にともない、艦艇数の減少と低い稼働率に悩み、単純な艦隊規模だけで比べたら、海上自
わずか数年で倍増日本周辺を含む世界情勢が悪化するなか、自衛隊の能力強化と戦力向上を図るべく、日本は防衛政策を大転換させました。その一環として、防衛費の増額があげられますが、わずか数年で1.5倍まで増えており、まもなく「倍増」する見込みです。
対中国の機動装備アメリカが対テロから対中国戦に動くなか、米海兵隊も大幅な組織改編・装備刷新を行い、2030年までに島嶼戦向けの体制を目指します。「第二の陸軍」から本来の姿に戻るわけですが、その過程で戦車大隊を廃止しながら、高機動なロケット砲
すでにアジア最強。中国が経済大国になるにつれて、その軍事力も成長の一途をたどり、特に海・空戦力の増強ぶりはすさまじいです。中国海軍といえば、2000年代までは小型艦艇と旧式艦が多く、いわゆる「沿岸海軍」でした。アメリカに挑む能力などなく、9
2002年から調達開始事実上の軍隊である以上、陸上自衛隊でも対人狙撃に取り組み、各地の普通科連隊に狙撃班を配置しています。ひとつの班は6名構成とはいえ、実際の行動では2人1組になり、狙撃と観測で役割分担する形です。このとき、アメリカ製の「M
長距離化する現代空戦空での戦いといえば、トップガンのように相手を視認しながら、その背後に回り込み、ミサイルを撃ち込むイメージでしょう。しかし、レーダーの性能向上、対空ミサイルの長射程化にともない、このようなドッグファイト(有視界戦闘)ではな
北方の守護神として海上保安庁といえば、巡視船・巡視艇で海上警備を行い、最近は尖閣諸島周辺を守るべく、南西方面に新型船を集中投入しています。これに対して、長らく北海道海域の守りを担い、「北方の守護神」と呼ばれてきたのが、艦齢47年のベテラン巡
203mm砲向けの専用車両以前、陸上自衛隊は「203mm自走砲」という巨砲を使い、北海道でにらみを利かせてきましたが、2024年に惜しまれながら退役しました。この203mm自走砲の配備は1984年に始まり、それに合わせて専用の弾薬運搬車が開
小型旅客機を改造現代戦では戦闘機だけでなく、広範囲を探知できる早期警戒機が欠かせず、多くの旅客機改造型が使われてきました。スウェーデンの「Saab340 AEW」もそのひとつであり、小型旅客機の背中にレーダーを載せた形です。 基本性能:S
唯一の核運搬手段イギリスといえば、国連の常任理事国であって、認められた核保有国のひとつです。ところが、アメリカやロシアとは違い、現在は地上配備型と爆撃機型は持っておらず、原子力潜水艦でしか運用していません。「ヴァンガード級」潜水艦が唯一の核
衝撃的な基地の奇襲以前、航空基地などを襲撃部隊から守り、その機能を維持する「基地警備隊」を取り上げました。しかし、これは対人戦闘に主眼を置き、その装備は不十分と説明しました。とりわけ対ドローンの懸念が強まるなか、2025年6月にロシアで大事
正規・非正規手段の併用ウクライナ侵攻が国家間戦争であるのに対して、近年は「ハイブリッド戦争」という事態も登場しました。これは従来のように正規軍のみならず、武装市民や傭兵部隊、偽情報、サイバー攻撃なども使い、軍事と非軍事の境を不明瞭にしながら
重武装の初イージス韓国のイージス艦といえば、日本の一部界隈が「ポンコツ」と呼び、欠陥扱いされることが多いです。しかし、これは実態を反映しておらず、正しい評価とは言えません。では、韓国初のイージス駆逐艦である「世宗大王級」とは、一体どのような
自爆ドローンの脅威ドローン(無人機)の本格登場によって、地上戦の様相は大きく変わり、特に徘徊・自爆型の活躍は目覚ましく、その対策が急務となりました。ウクライナでは砲兵戦力とともに、自爆ドローンが敵の前進を鈍らせており、たとえ戦車であっても、
高い汎用性、運動性能陸上自衛隊が活動するうえで、上空からの航空偵察は欠かせず、そのために観測ヘリコプターを運用してきました。現在はドローンの登場を受けて、こうしたヘリはお役御免になりつつあるなか、つい最近まで使われていたのが「OH-6」にな
陸海空をまとめて指揮有事の可能性が高まるなか、自衛隊の各部隊をよりスムーズに運用すべく、2025年3月に統合作戦司令部が創設されました。これは市ヶ谷の防衛省本省に置き、約240人と小規模ながらも、陸海空の各自衛隊をまとめて指揮・運用する機能
小さいが、高い柔軟性すでにアメリカで無人艦隊の試験運用が進むなか、新たな無人水上艦「USX-1デファイアント」が登場しました。あくまで実験目的とはいえ、新型無人艦として数ヶ月の試験航海に挑み、米海軍が目指す無人艦隊構想において、新たな扉を開
100%国産の代替品ロシア=ウクライナ戦争において、とりわけ大きな戦果をあげながら、世界から注目されたのが「HIMARS(ハイマース)」です。これはアメリカの高機動ロケット砲ですが、その機動力は一撃離脱戦法に適しており、ロシア軍に精密攻撃を
本土決戦に向けた首都移転1945年8月、日本政府は降伏か本土決戦の選択を迫られたところ、昭和天皇の御聖断によって前者の道を選びました。しかし、これが本土決戦へと進んでいた場合、同年11月には九州南部、翌年3月には関東へと連合国軍が上陸するは
成功率90%の守護神ハマスやヒズボラとの衝突が絶えないなか、イスラエルは定期的に飛来するロケット弾や迫撃砲弾にいつも悩まされてきました。奇襲攻撃では数百発ものロケット弾が撃ち込まれるケースもあり、イスラエル側としてはこれらを撃墜して都市部を
目的はステルス技術研究世界最強のアメリカ海軍では、その優位性を維持するべく、新しい技術・兵器を開発してはいろいろ試してきました。そのなかには以前取り上げた無人艦「レンジャー」も含まれますが、今回はかつて存在した謎の船「シー・シャドウ(Sea
マルダーの後継者として冷戦期の西ドイツといえば、他の西側諸国に先駆けて「歩兵戦闘車」を作り、対ソ連の最前線としてその発展に力を入れました。有名なのがいまも使われている「マルダー」ですが、その後継として開発されたのが、最近なにかと話題になる「
日々の航空安全を守る我々が普段利用している飛行機は、広い大空を飛ぶとはいえ、好き勝手に飛んでいるわけではありません。海に航路があるのと同じく、広大な空にも航空路というきちんと設定された「道」があるのです。これら航空路の交通安全といえば、滑走
ソ連時代の莫大な遺産ロシアによるウクライナ侵攻は予想に反して長期消耗戦となり、ロシア軍はすでに10万近い兵士と3,000両以上の戦車を失いました。他の装甲車や火砲、航空機も合わせれば、その損害は「特別軍事作戦」としては明らかに許容範囲を超え
安保協力の本格化日本がアメリカとの同盟強化を進めるなか、近年は「準同盟関係」ともいえる国も増えていて、その筆頭がオーストラリアとイギリスです。今回は後者を解説するものですが、オーストラリアとの準同盟については以前の記事を読んでいただければと
その組織・予算規模日本は国土面積こそ38万平方kmと世界61位ですが、四方を囲む海洋面積で比べると一気に6位まで躍り出ます。この海洋面積は領海、そして資源開発などを認められた排他的経済水域を含めたもので、豊富な水産物と海底資源が眠っている重
燃料気化弾を放つ自走火砲ウクライナに全面侵攻したロシアは、千両単位の戦車や装甲車、そして大量の兵士を失いました。こうした苦戦のなか、ウクライナ軍に対して猛威をふるい、珍しく戦果をあげているのが、自走多連装ロケットシステム「TOS-1」です。
旧軍の流れを汲んだ戦車日本戦車といえば、第二次世界大戦の弱いイメージを長く引きずっていましたが、いまは90式戦車や最新の10式戦車のおかげで、その地位は大きく向上しました。しかし、その道のりは決して楽なものではなく、それは戦後初の国産戦車「
ファランクスの対抗馬対空戦闘時の最終手段として、軍艦によくみられる「近接防御火器(CIWS)」ですが、これは特定の兵器を指すのではなく、あくまで兵器の種類になります。ただし、アメリカ製の「20mm ファランクス」があまりに有名なので、いまで
安全保障面で急接近日本の周辺国のうち、フィリピンは中国や韓国と比べてあまり話題になりませんが、近年は安全保障面での関係を強めている重要国です。過去を乗り越えて友好関係を築いてきたなか、対中国で似た苦悩を抱える日比両国の距離は急速に縮まってい
実証機「X-47A」を発展改良アメリカは「MQ-9リーパー」ような無人攻撃機を当たり前のように使っていますが、なかには性能的には優れていながら、開発中止になったケースもあります。そのひとつが空母艦載機として目指していたX-47B無人攻撃機、
柔軟な緊急展開部隊自衛隊の任務は言うまでもなく国土防衛ですが、最近では在外邦人を保護したり、テロ攻撃への対処なども求められるようになりました。こうした任務は特殊作戦群の仕事と思われがちですが、彼らは本当の意味での「最終カード」であって、そう
日本が目指す新型無人潜水艇無人機(ドローン)の活躍と比べて目立ちませんが、海における無人技術も着実な発展を遂げていて、ウクライナの無人水上艇がロシア海軍に損害を与えたり、米海軍にいたっては無人艦隊を試験運用中です。こうしたなか、日本も遅れを
監視網を補完する「目」平時や有事を問わず、防空任務では相手の航空機をいち早く見つけて、味方を誘導することが至上命題であり、この能力が現代航空戦の勝敗を分けます。空の警戒監視は全国28箇所に設けられた航空自衛隊の地上レーダーサイトが基本的に担
グローバル・パートナー国米欧など32カ国が加盟する世界最大の同盟「NATO(北大西洋条約機構)」は、いまや単なる軍事同盟ではなく、欧州地域から戦争をなくして安定化を図る政治的基盤になりました。そんなNATOは冷戦終結とソ連崩壊を受けて、地域
ドイツの新しい防空兵器戦場で自爆ドローンが脅威となったのを受けて、これらを防空ミサイルよりも安く撃墜できる対空戦車が再評価されています。安価なドローンに毎回ミサイルを差し向けるのは割に合わず、費用対効果では機関砲の方が圧倒的に優れている形で
反省を生かした後継艦アメリカの海軍力が原子力空母やイージス艦に支えられているなか、初代イージスともいえる「タイコンデロガ級ミサイル巡洋艦」は老朽化にともなう退役を迎えています。当初は「CG(X)」という新しいミサイル巡洋艦を目指していたとこ
戦後初の国産機関銃陸上自衛隊は現場での火力支援用に5.56mm機関銃の「MINIMI(ミニミ)」を配備していますが、それまでは約40年間にわたって国産の「62式7.62mm機関銃」を使ってきました。これは戦後初の国産機関銃でありながら、その