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夢見月夜曲 http://yumemizukiyakyoku.blog.fc2.com/

日高千湖のオリジナルBL小説ブログです♪『薄き袂に宿る月影』はこちらへ移動しております。

日高千湖
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2014/02/17

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  • 磯の鮑の片思い・38

    未知久の手が俺の尻を撫でた。「触るな」「いいじゃないか。風呂上り、最高。やわやわだ」パジャマの上から未知久の手が尻を揉みしだく。未知久も漸くいつもの調子を取り戻したようだ。「尻を揉むな。手を離せ」未知久の腕は俺から離れない。もう片手は俺の腰に巻き付いていて、しっかりと固定されている。俺も一応は拒否しているが、まあいいかって気になっていたりする。「嫌だ。昨日も今日も触ってないもん」「未知久の

  • 磯の鮑の片思い・37

    「ところで真央。なんでお前まで頭を抱えてるんだよ?」ソファーに座った未知久が俺の膝を突く。ありゃ・・・やぶ蛇だ。「・・・まあ」今度は俺の方が目を逸らす番だった。「それが・・・その・・・」「言ってみろよ」「俺の事はいいじゃん!問題はタカシだろう?」形勢逆転する前に追及しておかなくては。「さっき松沢と焼肉を食ったって言ったよな?」スルーした所、しっかりと覚えていたな。「うん、言った」「松沢のクセに生意...

  • 磯の鮑の片思い・36

    未知久は俺が不安になったと思ったのか、両手で俺の手を掴み包んだ。ちゃんと目を見てくれた。「ちゃんと言ったよ。俺には恋人がいるって」「そりゃ、言ってもらわないと困る」俺は口を尖らせた。ちゃんと言えたなら良し、だ。「タカシん家に行ったんだ」「いつ?」「昨日。真央が出勤してから。ここに来たいって言うから、断った。うちでコーヒー飲ませろって言うんだ。仕方がないからタカシのマンションまで歩いて行ってコーヒ...

  • 磯の鮑の片思い・35

    「おかえり」「ただいま」未知久はスッと視線を逸らしてビールを飲んだ。やましい気持ちがなければ目は逸らさないはず。「なあ」「うん?」腹が立つけど、ここは抑えて。俺はテーブルとソファーの間に入って未知久の真ん前に立った。未知久は俺をジッと見上げている。膝が触れ合う距離だ。いつもなら「風呂上り、最高ーっ!」とか言って、ベタベタと尻を撫で回すクセに・・・。触ってもらえない、可哀相な俺。「俺、何かしたか?」...

  • 磯の鮑の片思い・34

    駅へ向かって歩きながら未知久に電話をした。未知久がメンバーと一緒の時は絶対に電話はしないんだけど。俺は今、猛烈に未知久の声が聴きたいのだ。 3コール目で未知久の声が聞こえてきた。『はい』という一言だけなのに、ズンと響く声が、耳から、脳へ、下肢へと伝わる。『はい』と言っただけで黙っている未知久。受話器の向こうがザワザワしている。賑やかな雰囲気だから、まだどこかの店にいるのだ。「俺」『おう』「まだ帰...

  • 磯の鮑の片思い・33

    本気なのか、純さんたちのラブラブに当てられているだけなのか。松沢くんに告白されて驚いた俺は、何と言葉を掛けていいのかわからなかった。ここが笑い飛ばした方がいい場面なのか、それとも真面目に返事をすべきなのか。普通なら「バカじゃないのか!?俺、男だよ?」と笑ってしまえばいいのだろうけど。純さんたちの事とか、自分の事とか、考えてしまって軽くいなせなかったのだ。「あのさ」「はい」「純さんたちは特別だと思...

  • 磯の鮑の片思い・32

    「あーっ、お腹一杯」昨夜からのモヤモヤを引きずっている俺は、いつもの倍くらい食べてしまった。ビールをジョッキ2杯飲み、満腹で眠気さえもよおしている。松沢くんが見付けてきた店はとにかく安い。そして美味い。畜産業を営んでいる親戚から直接仕入れる黒毛和牛の肉は、他店よりも3、4割安い。「カルビ、美味しかった」満腹になった腹を擦って、デザートの杏仁豆腐を口に運んだ。「結構、食いますね。片平さん」「うん。ス...

  • 磯の鮑の片思い・31

    ミッチーとタカシは恋愛関係にある。だが人気商売の2人は、関係が周囲にバレないように気を配っている。俺さまミッチーに振り回されるタカシだが、ミッチーはタカシを溺愛していて・・・。ああ、どうしてこんなストーリーを思い付くんだろう・・・。純さんはこの小説を毎日読んでいるらしい。「ねえ、ねえ!この2人、どうなると思う?」純さんは興味津々だ。「さあ?」「事務所にバレちゃったら、どうするんだろう!?」ストー...

  • 磯の鮑の片思い・30

    「真央ちゃん!」「は、はいっ!」いけない・・・。ボーッとしていた。仕事が手に付かない。ココアをトレーに載せて配っていた純さんが、不思議そうな顔で俺の顔を覗き込んだ。「大丈夫?気分でも悪いの?」社長も松沢くんも俺たちを見ている。もしかして、3人に心配をかけていたのかな?「・・・大丈夫です」「真央ちゃん?どうかしたの?元気ないよ?」コトンと置かれたマグカップは未知久のお土産だ。マグカップを見ただけで、...

  • 磯の鮑の片思い・29

    未知久が帰宅したのは23時を過ぎていた。途中で『ごめん、タカシと飯を食う事になった』とメッセージがきた。こんな事は滅多にない。「仕方がないか」鍋の材料は冷蔵庫に入れて、冷凍ピラフとレトルトのふかひれスープを温める。男2人暮らしにはレトルトや冷凍食品は必須だ。ふかひれスープは、放送すると必ず完売する大人気商品。「うーん、美味ーい」大きなふかひれが入った中華スープは本当に美味しいんだけど、でも味気な...

  • 磯の鮑の片思い・28

    休憩時間に未知久に電話したが、連絡が取れない。すでにレッスンに出掛けたようだ。ドラマの撮影が終わるとアルバムのプロモーション。アルバム発売と当時にライブが始まる。ライブが終わるまで、未知久たちは非常に忙しくなる。 ダンスレッスンならミミちゃんも連れて行ったはずだ。『お疲れさま。タカシの用事は何だったの?』と、メッセージだけ送っておく。「真央ちゃん」給湯室にいた俺を見つけて、純さんが駆け込んでくる...

  • 磯の鮑の片思い・27

    翌朝、未知久はいつものようにミミちゃんを連れて散歩に出た。吐く息が白くなる程の冷え込みではないが、今朝は冷えた。ミミちゃんは白いマントを着せてもらい、「いってらっしゃい」と見送る俺に「どうせあんたは仕事なんでしょ?」という顔で可愛いポーズをしてみせた。公園を何周かして戻るのは大体30~40分後。その間に俺は朝食の後片付けをして身支度を整える。未知久とは入れ違いで出勤だ。「急がないと!」食洗器に食...

  • 磯の鮑の片思い・26

    食事が終わって落ち着いてから、カバンの中の資料をテーブルに並べた。俺としては

  • 磯の鮑の片思い・25

    松沢くんから『OKです』と返事が来て、明後日一緒に食事する事になった。未知久は明後日がライブの打ち合わせで帰りが遅くなる。15時には未知久からミミちゃんとのツーショット写真が届き、夕食にはデパ地下のお惣菜を買ってきているらしい。 17時になったらすぐに会社を出よう、と残りの2時間は集中した。社長が「藤代くんが戻ってきてるんだから、仕事の目処が付いたら帰っても構わないよ」と言ってくれたが、定時までは...

  • 磯の鮑の片思い・24

    今朝もタカシに会った事を未知久に伝えるの、忘れていた。まあ、いいか。そういえば昨日、タカシが近所に引っ越してきたのを未知久は知らなかったな。あれから連絡取ったのかな、とか考えていたら電車がホームに入ってきた。「あっ」松沢くんにメッセージ送るの、忘れてた・・・。帰宅したらメッセージ送るねって言ったな、俺。未知久のスケジュールを確認したまでは良かったが、都合の良い日を考えるの忘れていた。 満員電車か...

  • 磯の鮑の片思い・23

    目覚めると、ミミちゃんは俺の胸の上で寝ていた。どんなに可愛がっても、所詮はミミちゃんカースト最下層に位置する俺だった。誰かに追い掛けられて派手に転んだ夢を見たのは、ミミちゃんの体重の所為に違いない。 昨日のように朝のお散歩に行きたいミミちゃんは、ご飯の後に玄関でウロウロしていた。「未知久が行くなって言ったんだからな」と言い聞かせたが、ミミちゃんは期待を込めた瞳で俺を見上げるのだ。その表情が破壊的...

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