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夢見月夜曲 http://yumemizukiyakyoku.blog.fc2.com/

日高千湖のオリジナルBL小説ブログです♪『薄き袂に宿る月影』はこちらへ移動しております。

日高千湖
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2014/02/17

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  • 恋とは戦さのようなもの・35

    「今朝、私に蔵野を紹介した大学時代の友人に連絡しました。蔵野は私の事を

  • 恋とは戦さのようなもの・34

    「大丈夫ですか?」タクシーに乗ってやっと一息付けた。「ああ、大丈夫。君が来てくれて、助かったよ。よく、俺があそこにいるのが、わかったね?」「はい。綱本室長に」「ああ、そうか」意識がはっきりしているだけでも

  • 恋とは戦さのようなもの・33

    もうすぐ日付が変わる。この店に来て1時間半。お銚子3本を空にしたが、酔ったというほどでもない。自分ではそう思っていたんだが、今夜は妙に眠い。酒を飲んで眠くなる性質じゃない。どっちかと言えば、いきなりネジが切れてパタリと寝てしまう方。「私はそろそろ失礼します」稲村くんが休むなら明日も早起きしなければならない。そう考えて、俺はさっきから20分おきに同じ台詞を言っている。これで3度目だ。何度も腕時計を...

  • 恋とは戦さのようなもの・32

    蔵野との約束は、午後10時。蔵野の行きつけだという店で待ち合わせた。蔵野は約束の時間まで「隼人社長たちと飲んでますから」と、言ったので時間は気にしなくてもいい。他の人との待ち合わせなら時間どおりに到着するように努力するが、相手が蔵野で結構ダラダラとしてしまう。 今夜も「春山くんが一緒だ」、と佐井寺くんから報告があった。「朝、隼人から電話が掛かってきました」と聞いて、いい気はしない。

  • 恋とは戦さのようなもの・31

    翌日、稲村くんが出勤してくれるか多少の不安はあった。きっと俺よりも先に出勤し、いつものように美味しいコーヒーを出してくれるはず。そう信じて朝を迎えたが、朝食後にスマホを確認すると稲村くんから欠勤のメールが届いていた。「休むって」今まで有給休暇は取ってもらっているが、欠勤は一度もない。稲村くんからのメールは丁寧だったが他人行儀だった。「君が厳しい事を言うからだよ」「そうかな?厳しかったけど、彼には...

  • 《三木猫屋》へようこそ~三木昌人の華麗なる転身(笑)

    ★2月22日は猫の日です。どの子が誰か、想像しながら読んで下さいね♪ご笑納下さいませ>^_^...

  • Valentine's Dayは、いとをかし【後編】

    《BlauGarten》のスタッフルームに個人のデスクはない。ひょうたん型の大きなテーブルを置き、ミーティングや休憩中は自分の好きな席に座る感じ。それは店長の俺や伊織さんも同じだ。自分の好きな席に座る、とは言っても個人個人で好みの場所がある。コーヒーのサーバーや電気ポット、冷蔵庫の近くにいると「コーヒー注いで」とか「冷蔵庫からあれ取って」と頼まれるから、その近くは皆が敬遠しがちだ。当然のようにそ...

  • 恋とは戦さのようなもの・30

    「お待ちください!」俺を追い掛けて来た稲村くんの顔は青ざめていた。靴を履く俺を飛び越して玄関ドアの前に手を広げて立った。「待ってください」「駅は左に行けばよかったね?」「山下常務!」「ああ、気にしないで。駅まで歩いてタクシーを拾うよ」「違うんです!」稲村くんは急に「帰る」と言い出した俺が、怒っている、と勘違いしているようだ。「稲村くん。君が蔵野部長の所へ行きたいのなら止めはしない」「そうではなくて...

  • Valentine's Dayは、いとをかし【前編】

    ★すみません、遅くなりましたがバレンタインデーSS『まあちゃんが読みたいです』とリクエストくださいました、さきさま~お待たせしました!!「ねえってば~!」「ちょっと待ってよ」「無理~!」《BlauGarten》に出勤した俺を待っていたのはまあちゃんだった。今日はバレンタインデー。白いダウンのロングコートを着て、グレーのファーを首にグルグル巻き。店の裏口の階段に座り込んで待っていたまあちゃんは、俺の...

  • 恋とは戦さのようなもの・29

    「居酒屋に呼ばれて、憧れていた人と一緒に飲めて、舞い上がっていた僕はすっかり酔っ払ってしまって。フラフラしているのを石場さんが送る、と言ってくれたんです」「そう」「優しく介抱されて、家まで送ってもらって・・・」パターン見えたな。「石場さんにとって僕との事は遊びでした。わかっていたんです・・・。当時は同性愛者に向けられる目はまだまだ厳しかったんです。それは山下常務もおわかりですよね?」「ああ、わかる...

  • 恋とは戦さのようなもの・28

    稲村くんの家は玄関の電気が点いているだけでひっそりとしていた。隣家や周囲の家には電気が点いていて、まだ人の息遣いが感じられる時間。稲村くんの家も玄関に電気が点いているだけで生気を感じる。この前彼を送った時は玄関に電気もなく、庭園灯が足元を照らしていただけだった。寒々しい印象の家だったが玄関の脇に明かりがあるだけで、家の印象はずいぶんと違う。 一人暮らしには広過ぎる家。待つ人もない暗い所に帰るのは...

  • 恋とは戦さのようなもの・27

    「のんちゃんは『滝山産業』のアミューズメント部門を統括しておられる森実部長をご存知ですよね?」のんちゃんは情報通だ。政治家、文人、経済界の大物が通うこの店で常にアンテナを張る。ここでの話はのんちゃんがトップシークレットだと判断すれば決して他人の耳に入る事はないから、ここで何人の総理大臣が誕生したかわからない、と言われるのは満更噓ではない。誰かの人となりを知りたいなら、のんちゃんに尋ねるのが一番だ。...

  • 恋とは戦さのようなもの・26

    春山くんは定時になると勢い良く部屋を飛び出して行った。佐井寺くんは提出された研修日誌を読み、印鑑を押してから俺に渡した。「山下店長、お願いします」「佐井寺くん、すまなかったね。気を遣って春山くんを誘ってくれたんだろう?」「いえ。彼の歓迎会もまだでしたからね。でも、ちょっと嫌味だったかな?」春山くんは嫌味とも皮肉とも思ってないだろう。それに我々との歓迎会よりも、隼人たちのお供をした方が楽しいだろう...

  • 河野組日誌・10~『T』番外編

    敬治は俺とマレーシアに住んでいた頃、通いの家政婦から料理を習った。「習った」と言っても、炒め物や簡単なサンドウィッチ等を手伝いながら作れるようになっただけだ。味噌汁は俺が教えた。俺が美味い味噌汁が作れるかと言えば、そうでもない。その頃は、どれだけキッチンを荒らそうが家政婦がいるから関係なかったんだ。まあ、俺は根本的に彼が"何も出来ない"と気が付いていたし、帰国後それが問題になる事はないという事も承...

  • 恋とは戦さのようなもの・25

    「山下店長。蔵野部長は何を考えてるんですかね?」蔵野が使った紙コップを手に取った佐井寺くんは頭を捻った。佐井寺くんにしては珍しく、少々乱暴に投げ込まれた紙コップ。ゴトッと鈍い音がした。感情を波立たせる事は滅多にない彼を苛立たせるなんて、蔵野もたいしたものだ。「さあね。俺にもわからないよ」俺の記憶が正しければ、彼は例の雑誌取材の件で俺らには良い感情を抱いていないはず。それがあの愛想の良さは何だ?雑誌...

  • 河野組日誌・9~『T』番外編

    ★先日、バレンタインデーSSのリクエストを先着順で募りました所、一番の方から「敬ちゃん&文ちゃんで」とのご希望がありました。他の方々からも「飯坂」「敬治」「槌屋補佐(笑)」と『T』関係者の名前が上がっておりましたので、今回はそれらをまぜまぜした感じで書かせて頂きました!!では、どうぞ♪ キッチンから、キャッキャッと楽しそうな声が聞こえてくる。箸が転がっても可笑しいという年齢はとっくに過ぎてると思うん...

  • 恋とは戦さのようなもの・24

    俺が『滝山産業』へ赴く時には稲村くんを同行しない事にした。彼が蔵野部長の前で萎縮してしまうというのもあるが、現場にいる佐井寺くんで事足りるからだ。開設準備室を確保する事が出来た事もあり、春山くんには直接『滝山産業』に出社してもらっている。佐井寺くんが兼任している役職を他の者に割り振れば、佐井寺くんには3号店に専念してもらえるのだが、本社勤務になった圭介くんは時間になったらとっとと消えるのでそうも...

  • 恋とは戦さのようなもの・23

    ★長々とお待たせ致しました~!!すみませんでした!!状況を考えると『恋文』と並行してUPするのは無理だと判断しまして、こちらを一旦休載しておりました。ここまでの話は忘れてしまった方、ごめんなさい!!復習してくださいΣ( ̄ロ ̄lll) 翌日、出勤して来た春山くんは饒舌だった。銀座で遊んだ事があるなら、一度はその名を耳にした事があるだろう高級クラブ《カサブランカ》。そこへ連れて行かれた彼はすっかり舞い上がっ...

  • 恋文・123【最終回】

    夜が明けた。習慣というものは恐ろしいもので、目覚ましがなくても毎日同じ時間に目が覚める。お屋敷では判を押したように始まる朝も、恭悟と迎えた朝は特別だった。僕が生まれ変わった"特別"な朝。カーテンの隙間から、朝日が僕らを覗いていた。 いつもの時間に目が覚めたけれど、今日はやる事がない。いつもならリビングへ行き、玄関の掃除。雨戸を開けて旦那さまとラジオ体操をして、朝食。でも、今日は恭悟の温もりを感じな...

  • 恋文・122

    ★今回18歳未満の方閲覧禁止となります。年齢に達しない方は回れ右!!表現がお嫌いな方も回避願います!! 薄暗い部屋。恭悟は、そーっと僕の頬を両手で包み込む。まるで薄いガラスの器を手で持つかのような、繊細な手付きだ。何度も頬を撫で、耳元から髪をかき上げたり、おでこにキスしたり。まじまじと見つめられただけでも気分が高揚していく。僕の雄は緩く勃ち上がって、早く恭悟の手で触れて欲しかったりする。恭悟は自分...

  • 恋文・121

    ベッドはシングルサイズだ。背の高い恭悟には少し狭くないかなと思いながら、僕はベッドに座って彼の動きを目で追っている。恭悟は僕をベッドに座らせると、急に「グラス洗ってくる」と言ってテーブルの上の空き缶や皿をキッチンに運んで洗い始めた。「恭悟」「はーい!」恭悟は振り返らない。ジャーッと勢い良く水を出しながらグラスを洗う。僕はふわふわしたままで、それが終わるのを待っている。「先に寝ていいよ!」「うーん...

  • 恋文・120

    僕は紙袋を恭悟の方に押しやった。恭悟は紙袋を受け取ると自分の横に置いた。その横顔が、ちょっとだけ寂しそうな事にはすぐに気が付いた。「その・・・」「ごめん」「違うんだ、その」「うん」恭悟は無理に笑顔を作って、から揚げを口に入れた。何事もなかったようにビールを飲み、ポテトチップスの袋を開ける。バリッという音が2人の間に出来た亀裂のように感じる。「チョコレート、食べる?」「うん」恭悟はニコニコしながら...

  • 恋文・119

    ドキドキしながら食事を続けた。美味しいはずのお寿司の味がわからなくなった。テーブル越しに目が合うと僕はあたふたしてしまい、それを見た恭悟が笑う。恭悟はドキドキしないのかな?僕は初めての"お泊り"に心臓が破れそうなんですけど? 一緒に商店街まで行き、ドラッグストアで歯ブラシと下着の替えを買った。「パジャマは・・・」「後は寝るだけだし。パンツと歯ブラシがあればいいだろ?真冬じゃあるまいし」「あ、うん」...

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