各国の天才ハッカーが共同してAIを騙し、FX(外国為替証拠金取引)で大儲けを企むという、設定だけは面白そうなんですが、邦画にありがちな大金を描けない問題がここでもさく裂。演出もスローで睡魔との戦いでした。 作品情報 2025年日本、台湾映画 監督:米倉強太 出演:阿部寛、菜々緒、アリッサ・チア 上映時間93分 評価:★★(五段階) 観賞場所:Tジョイ横浜 2025年劇場鑑賞248本
日本でも根強いファンがいる台湾の映画監督、侯孝賢(ホウ・シャオシェン)。僕は前作の「珈琲時光」は爆睡して、気付いたら映画が終わっていたという空前絶後の経験をしたのだが、百年恋歌も、最初からずっと寝てました。ストーリーの起伏がないと、映像や音楽でいくらみせてもきつい。僕にはあわない監督です。 【ストーリー】 1966年、1911年、2005年の3つの時代の男と女の恋を描いた3本のオムニバス。3本と…
昨年、81才で惜しくも亡くなったロバート・アルトマン監督の遺作「今宵、フィッツジェラルド劇場で」。アルトマンらしい群像劇だったけど、「ザ・プレイヤー」や「ショートカッツ」が好きな僕としては、もう少し毒のある内容でも良かったかな。でも、アルトマンの最後を飾るのにふさわしい作品だった。 【ストーリー】 ミネソタ州の地方ラジオ局の番組「プレイリー・ホーム・コンパニオン」はフィッツジェラルド…
オープニングでは文字通り鳥肌が立った。クラシックとヒップホップが融合したアップテンポな曲の中、主役2人のダンスシーンが交互に映し出されていく。今年ナンバー1のつかみだった。ところが、エンディングロールは原曲が倖田來未の歌に差し替えられている。こうしたダンスムービーでは本編終了後原曲で余韻にひたる雰囲気が大事なのに。最高で始まり、最悪に終わった映画が「ステップ・アップ」だった。 【ストーリ…
僕は映画はどちらかというと、内容、脚本を重視しているのだけど、役者が本当にはまっているのなら、それはそれで良い。吉本ばなな原作の「アルゼンチンババア」は主要登場人物3人のはまり具合がぴったりで、話に難はあったけど、最後のタンゴだけで心がじんわりきました。 【ストーリー】 女子高生みつこ(堀北真希)に不幸は突然やってきた。母親(手塚理美)が病死したうえ、石彫り職人だった父(役所広司)が…
ペンギンが「マイウェイ」をアップテンポにタップで歌う予告編から、すっげえ楽しみにしていた「ハッピーフィート」。これまで見た米アニメ映画の中でもトップクラスの面白さだったけど、中盤だれるのが痛い。 【ストーリー】 コウテイペンギンの世界は誰もが心の歌を持っていて、それが求愛のポーズだった。しかし、マンブル(声イライジャ・ウッド)は、父メンフィス(ヒュー・ジャックマン)、母ノーマ・ジーン…
架空の街、真室町(モデルは歌舞伎町)の暴力団抗争を扱った人気ゲームを三池崇監督、北村一輝主演というVシネマぽい顔ぶれで映画化した「龍が如く」。ゲームをしたことがないので、ストーリーに不満はあるが、岸谷五朗がノリノリで暴れまくる姿を見るだけで入場料のもとはとれた。 【ストーリー】 真夏の熱帯夜、真室町では銀行強盗が起き、警察(哀川翔、松重豊ら)が銀行を包囲するなど騒然とするなか、伝説のヤ…
不気味な夜の博物館で、展示物たちが動き出す。そんな子供の夢をそのまま映画にした「ナイトミュージアム」。童心に帰れて楽しめました。 【ストーリー】 ラリー(ベン・スティラー)は夢みたいな発明ばかり追いかけていて、定職もない。妻のエリカ(キム・レイヴァー)に三行半を突きつけられたうえ、家賃も払えない状態に。 小学生の息子ニック(ジェイク・チェリー)と暮らすために、ハローワークにいった…
ミラ・ジョヴォヴィッチが悪女を演じる「ポイント45」。DVを受ける女性の愛憎と復讐劇なのだけど、正直期待外れの作品でした。 【ストーリー】 キャット(ミラ・ジョヴォヴィッチ)はニューヨークのスラム街を仕切るビッグ・アル(アンガス・マクファーデン)の情婦。キャットはいつかこの街を抜け出して海辺で暮らすというアルの言葉を信じているが、現実はアルの目をかすめて、拳銃の密売で金を稼いでいる。 …
「青春金属バット」に続く熊切和嘉監督の新作「フリージア」。リアルな銃撃戦による暴力描写、雪の中の対決など映像的には「青春金属バット」より進んでいるが、稚拙だけど才気を感じる「青春金属バット」の方が好みです。 【ストーリー】 近未来のニッポン。戦時下、殺人事件の被害者遺族が敵討ちを認められる「敵討ち法」が制定された。裁判所の許可がおりれば、特定の日時、場所で、遺族は執行代理人を雇い敵討…
新作「フリージア」の上映に伴い、熊切和嘉監督の旧作「青春金属バット」が札幌で初上映された。東京では昨夏の上映で、既にDVDも発売されているのだが、せっかくだから見にいった。若手映画監督らしい、才気と思いいれがこもっているが、観客は置いてけぼりになりそうな作品。でも、こういうのも好きです。 【ストーリー】 高校の野球部で万年補欠の難波(竹原ピストル)はエースの石岡(安藤政信)から頭にデ…
篠原涼子が警視庁の検挙率ナンバー1刑事を演じたフジテレビのドラマ「アンフェア」。誰が敵で誰が味方かわからない上質なサスペンス。このドラマでは「アンフェアなのは誰か」を探していたのだが、映画を見て分かりました。アンフェアなのはフジテレビ。せっかくの傑作ドラマをぐちゃぐちゃにしやがって〜(怒) 【ストーリー】 強引な捜査で公安部に異動した雪平夏見(篠原涼子)は警察内部の不正を探っていた。…
「パイレーツ・オブ・カリビアン」「アルマゲドン」などハリウッド大作ならお任せのプロデュサー、ジェリー・ブラッカイマーが、トニー・スコット監督、デンゼル・ワシントンと組んだ「デジャヴ」。いかにもハリウッド大作をトニー・スコットがひねってみましたという感じだけど、もう一ひねりほしかった。 【ストーリー】 ニューオリンズでフェリーが爆破されるテロ事件が起こる。捜査にあたったダグ(デンゼル・ワ…
黒沢清監督の新作「叫」。主演に黒沢組常連の役所広司を起用し、陰鬱でじっくりしたテンポの黒沢作品だけど、僕は今一つ入りきれなかった。でも前作「LOFT」 よりずっといい。 【映画】 埋立地で女性の他殺体が見つかる。女性は水溜りで窒息死していた。地元署の吉岡(役所広司)、宮地(伊原剛志)らが捜査にあたるが、死体には吉岡の指紋がついていた。身に覚えのないことに動揺する吉岡。さらに、吉岡に不…
幕末、密航して英国に留学した長州(現在の山口県)出身の5人の若者を描いた「長州ファイブ」。丁寧に作られていたが、歴史の勉強をする学習映画みたいでした。 【ストーリー】 幕末、西欧人を追い払えと、尊皇攘夷を唱えた長州藩だが、「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」と、若者5人が英国留学を希望する。鎖国の日本では海外留学が発覚したら死刑になる。しかし、西欧へ行って先進技術を学び、「生きた機…
1970年代後半に日本中の子供を怖がらせた都市伝説、「口裂け女」。僕も噂に夢中になった小学生でした。まさか30年後に映画化されるとは思わなかった。 【ストーリー】 口裂け女の噂が子供たちの間で広まっていた。公園に現れるという噂を聞いて見にいった小学生が行方不明になってしまう。小学校教師の京子(佐藤江梨子)も、目の前で口裂け女に教え子をさらわれてしまう。 失意の京子に同僚教師の松崎…
パリ、オペラ座のトップダンサーが総出演したバレエ映画「オーロラ」。話自体は、たわいもないおとぎ話なのだが、とにかく幻想的なバレエの数々にうっとり。 【ストーリー】 踊りを禁じられた国のオーロラ姫(マルゴ・シャトリエ)は、王(フランソワ・ベルレアン)から禁じられても踊ることをやめない。王国の財政が危機に瀕し、オーロラ姫は金持ちの王子と結婚することになった。母の王妃(キャロル・ブーケ)は反対…
「亡国のイージス」「KT」など男くさい骨太の映画の印象が強い阪本順治監督が熟年おばさんの心境を描くミスマッチに期待して見にいった「魂萌え」。結論からいうと、よく出来た映画だったが、少し前に放映したNHKドラマを上回れなかったと思う。NHKの実力が良く分かった。 【ストーリー】 定年退職した夫隆之(寺尾聡)が病気で急死した。途方にくれる妻、敏子(風吹ジュン)の前で、米国に行ったまま家の面倒を…
韓国のスター、イ・ビョンホンの最新作「夏物語」。美男美女の悲恋物語だが、韓国映画にしては珍しく難病は出てこない。それは評価するのだが、前半をもっと削れば違った印象になったのにもったいない。 【ストーリー】 60歳過ぎても独身の大学教授スギョン(イ・ビョンホン)のもとに、教え子の放送作家、スジン(イ・セウン)からテレビ出演の依頼がくる。初恋の女性を探すというものだ。スギョンから情報を聞いたスジ…
実在の反アパルトヘイト(人種隔離政策)の闘志を描いた「輝く夜明けに向かって」。実話を基にしており、言葉としては知っていた南アフリカの状況が良く分かった。2010年ワールドカップが南アフリカで開かれることもあり、勉強になる作品。 【ストーリー】 1980年、南アフリカではアパルトヘイトによって黒人は差別され、反発したアフリカ民族会議(ANC)が白人(ボーア人)への闘争を繰り広げていた。石油工…
女子高生のカリスマYoshi原作で、友達とは何かを描いた「ディアフレンズ」。チープな演出、ご都合主義の展開、そして主役の熱演、強引な泣かせ。何かに似ているかと思ったが、見終わって気付いた。80年代に一世を風靡した大映ドラマにテイストが似ているのだ。 【ストーリー】 天性の美貌で渋谷でクラブの女王として君臨する女子高生リナ(北川景子)。彼女は「友達は必要なときに利用するもの」と割り切り、周…
私生児として生まれ、初めて会った父に拒絶されたため信じられない冷酷な行動をとった男の姿を描いた「キング 罪の王」。主演のガエル・ガルシア・ベルナルの2枚目だけどはかなげな姿がかえってショックを呼ぶ傑作だ。 【ストーリー】 海軍を除隊したエルビス(ガエル・ガルシア・ベルナル)は、亡くなった母親から聞かされた自分の父親に会うためにテキサスにやってくる。牧師となっていた父デビッド(ウィリアム・ハ…
30代になると、いい加減自分の人生の先が見えてくる。今更、子供のころの夢だったプロ野球選手にも映画スターにもなれるわけない。そんな投げやりな毎日に活を入れてくれるのは「世界最速のインディアン」。何しろ63歳で地球の裏側に行き、世界最速を競うレースに出場するスーパー爺ちゃんの実話なのだ。 【ストーリー】 1962年、ニュージランドに住むバート・マンロー(アンソニー・ホプキンス)は63歳になっ…
「私の名前はキム・サムスン」のヒットで人気を呼んだヒョンビンの初主演作「百万長者の初恋」。王子さまと難病という手垢にまみれた題材を、工夫もせず映画化した。ヒョンビンのファンか、今までまったく韓流を見たことない人向け。 【ストーリー】 大金持ちの御曹子、カン・ジェギョン(ヒョンビン)は傲慢なボンボン。高校生なのにお姉ちゃんをはべらせ高級クラブで豪遊したり、高級車でのドライブなど遊びほうけて…
紀元前の中国に忽然と現れ、消えた墨家。非戦を訴えながら侵略された国を守る謎の戦闘集団だ。「墨攻」は墨家の一人、革離(アンディ・ラウ)が10万の大軍に囲まれた梁国を守る物語。原作と音楽は日本、主役は香港、そして敵の将軍は韓国の名優アン・ソンギとアジアの才能が集結。迫力ある戦闘シーンを堪能した。 【ストーリー】 梁は隣接する大国、趙の猛攻を受けようとしていた。趙は名将、巷淹中(アン・ソンギ)に…
家族というのは何だろう。ストレートな直球でなく、緩やかに投げかける「幸福な食卓」。スローテンポに慣れてしまえばまったりした雰囲気が心地よかった。 【ストーリー】 「父さんは今日で父さんを辞めようと思う」。中原佐和子(北乃きい)の中3の春休み。朝の食卓で父さん(羽場裕一)が突然宣言した。中原家は3年前から歯車が狂い始めていた。父の自殺未遂、母(石田ゆり子)の家出。成績優秀な兄(平岡祐太)は大…
手塚治虫のコミックを平成の世に実写化した「どろろ」。脚本、演出、出演者、それぞれ欠点が多いが、むしろそれが愛すべき存在に昇華したラズ映画。不評の声も多いが、どうして楽しめました。 【ストーリー】 戦乱の世、赤ん坊のときに48の魔物に体を奪われた百鬼丸(妻夫木聡)は、魔物を倒して奪われた部分を取り戻す旅を続けている。魔物退治の途中で助けられた、自称天下の大泥棒、どろろ(柴咲コウ)は、百鬼丸の左手…
ホームレスから億万長者になった男性の実話をウィル・スミス主演で描いた「幸せのちから」。彼の幼い実の息子、ジェイデン・クリストファー・サイア・スミスとの共演がピタリとはまっていたが、日米の金銭観の違いの方が気になった。 【ストーリー】 1981年のサンフランシスコ、医療機器のセールスマン、クリス(ウィル・スミス)は販売不振で苦しい生活で、妻のリンダ(タンディ・ニュートン)とは口論ばかり。 …
日本では「ベルばら」で知られる悲劇の王妃マリー・アントワネット。ソフィア・コッポラが監督した映画「マリー・アントワネット」は内容はないが、軽快にゴージャスで楽しかった。PV感覚でお気楽に見るにはいいのでは。 【ストーリー】 オーストリアの王女、マリー・アントワネット(キルステン・ダンスト)は政略結婚のため、フランスの王太子ルイ・オーギュスト(ジェイソン・シュワルツマン)と結婚するため、フラ…
韓国プロ野球初の女性選手を目指す女子高生を主人公にした作品。韓国映画ならもっと喜怒哀楽を盛り上げるかと思ったのですが、ちょっと淡々としすぎていて物足りなかったような。 作品情報 2019年 韓国映画 監督:チェ・ユンテ 出演:イ・ジュヨン、イ・ジュニョク、ヨム・ヘラン 上映時間:105分 評価★★★(五段階) 観賞場所:109シネマズグランべリパーク 2021年劇場鑑賞28本
フランス映画というとおしゃれ系というイメージが強いが、1960年代〜70年代にフランスノワールと呼ばれる、渋い男の映画を描いた名作が多かった。アラン・ドロンやジャン・ギャバンらが裏社会に生きる男の絶望や愛を、撮影も暗めにして描く作品群。近年、日本に公開されるフランス映画ではとんと見なかったが「あるいは裏切りという名の犬」で久々にフランスノワールが戻ってきた。男の渋さ、雰囲気はたまらない。 【ストー…
俳優の奥田瑛二が監督した「長い散歩」。児童虐待と老人の孤独という現在の社会問題を正面から扱ってるが、よくよくみると突っ込みどころが多かったのが残念。それでもこうした問題を真正面から取り上げる映画は貴重である。 【ストーリー】 名古屋の校長を定年退職した安田松太郎(緒形拳)は堅物で家族の心を理解しなかったため、妻の節子(木内みどり)はアル中となって病死し、娘の亜希子(原田貴和子)に縁を切ら…
第二次大戦当時のロンドンに劇場を作った老婦人と頑固な支配人を描いた「ヘンダーソン夫人の贈り物」。歌も踊りもふんだんにあるが、どんな困難に負けない不屈の英国人魂を見事に描いており、こちらが疲れているときなどに元気が出そうな作品だ。 【ストーリー】 1937年、死別した夫の莫大な遺産を得たヘンダーソン夫人(ジュディ・デンチ)はロンドンにあるウインドミル劇場を買い取った。上流階級の女性が劇場のオ…
香港映画「インファナル・アフェア」をマーチィン・スコセッシ監督が、レオナルド・ディカプリオ、マット・デイモン、ジャック・ニコルソンと豪華キャストでリメイクした「ディパーテッド」。2時間半を超える上映時間を最後まで飽きずに見られ、単体としてはまあまあだが、オリジナルほどの緊張感はなかったのが残念。 【ストーリー】 ボストンのアイリッシュ・マフィアのボス、コステロ(ジャック・ニコルソン)は、…
「Shall we ダンス?」の周防正行監督の11年ぶりの新作「それでもボクはやってない」は今の司法をリアルに描いた傑作。知っている人は当たり前のことだらけだが、大多数の人にとっては新鮮な話ばかり。いつ冤罪が降りかかってくるか分からないこんな世の中じゃ、この映画を見ていざというときに備えることも重要かも。 【ストーリー】 フリーターの徹平(加瀬亮)は、満員電車の中で痴漢をしたと女子中学生(柳生みゆ…
新年早々、脚本、演出、出演者などすべての面であわなかった「僕は妹に恋をする」。早くも今年のワースト候補。松本潤ら出演者のファン以外、見るのは時間の無駄だと思う。 【ストーリー】 高校3年生の双子の兄妹、頼(ヨリ、松本潤)と郁(イク、栄倉奈々)。幼いころに草原で頼は郁をお嫁さんにすることを誓った。だが、高校生になった頼は郁に冷たい。 頼の親友、矢野(平岡祐太)が郁に告白したことで状況が…
両親が不仲で、家庭崩壊中の家族を子供たちの視点から見る「イカとクジラ」。誰が悪いというわけではないのに家族が壊れ、自分の力ではどうしようもない子供というのは哀しいが、自らの体験を下に脚本も書いたノア・バームバック監督が温かい目線で見ているから救われる。 【ストーリー】 1980年代のニューヨーク・ブルックリン。売れないけどプライドだけは高い作家のパパ(ジェフ・ダニエルズ)は本業では喰えな…
今世紀初頭のオーストリアの画家クリムト。日本でも人気が高いが彼を描いた「クリムト」は爆睡した。これほど寝たのは初めてだと思う。
米国の前副大統領、アルバート・ゴア。彼は下院議員時代から一貫して環境保護を訴え、政界を引退したあとも世界中を飛び回って講演活動をしている。ドキュメンタリー映画「不都合な真実」は彼の講演に沿って、地球温暖化がいかに緊急に対応しなければならない課題かを訴えたドキュメンタリー。大げさでなく、今すぐできることを始めなければ、僕が生きているうちに人類は崩壊するかもしれない。
01年、JR新大久保駅でホームに落ちた人を助けようとして亡くなった韓国人青年イ・スヒョンさんの実話をもとにした「あなたを忘れない」。日韓親善天皇皇后両陛下も試写会にいかれるそうだが、何かとギクシャクしがちな日韓関係改善の一助になるだろうか。 【ストーリー】 韓国の大学生イ・スヒョン(イ・テソン)は、スピッツの音楽を聞いたことから日本に関心を持ち、留学する。日本で、スヒョンは路上ライブ中にチンピ…
渡辺淳一のベストセラーを豪華キャストで映画化した「愛の流刑地」。テレビ界の大御所、鶴橋康夫の演出は手堅いが、ヒロインが不倫、ヌードの役が多い寺島しのぶなだけに、最初から既視感があるのが欠点。 【ストーリー】 小説家の村尾(豊川悦司)は不倫相手の冬香(寺島しのぶ)に性交渉中、「本当に愛しているのなら私を殺して」と頼まれ、首を絞めて殺してしまい、逮捕される。殺人か嘱託殺人か。 裁判の課程で…
キアヌ・リーブス、ウィノナ・ライダーなどそうそうたる登場人物をロトスコープという本物そっくりにする特殊アニメで制作された「スキャナー・ダークリー」。麻薬中毒を扱った映画だが、こちらの頭もトリップしているような不思議な感覚に陥った。 【ストーリー】 近未来の米カリフォルニア。覆面麻薬捜査官のボブ(キアヌ・リーブス)はDと呼ばれる新しい麻薬を追っていた。友人のバリス(ロバート・ダウニーJr.…
予告をみて香港製の難病ラブストーリーかと思って見にいった「雨音にきみを想う」。ところが、重いラブストーリーであるが、内容は全然違っていた。さらに、ラストがつい最近みた某映画そっくりで、唖然とした。制作年、制作国からして単なる偶然の一致だろうが、こういうこともあるのかが不思議。 【ストーリー】 ウィンイン(フィオナ・シッ)は、病気で寝たきりの兄フェン(チャン・コッキュン)と5歳の姪シウヤウ…
豪華スター共演でCMを見ると軽快な犯罪ゲームかと思った「ラッキーナンバー7」。ばらばらに見えた謎がラストで解かれるサスペンスで、懲りすぎているため、最後まで頭を使わないと良く分からない。よく考えるとストーリーにアラがあるし、ちょっと狙いすぎた感じはある。 【ストーリー】 空港のロビーで殺し屋グッドキャット(ブルース・ウィリス)が20年前、幸運を示すある数字が原因となり、幸せな一家が不幸のど…
「紀子の食卓」の園子温監督が2002年に撮影しながら長らくお蔵入りしていた「HAZARD」。昨年のマイベスト3になった「紀子の食卓」に比べると稚拙で青臭い作品だが、エネルギーは感じられた。 【ストーリー】 バブル崩壊後のニッポン。退屈な日常に飽いていた大学生シン(オダギリジョー)は、学校の図書館で「地球の危険な歩き方」という本を見つけ、ニューヨークの犯罪都市HAZARDについて読む。退学…
旧年(2006年)は産まれてから一番映画を観た年になった。映画館で見た映画は345本。これだけ映画をみると、年初に観た映画の印象は薄れてしまいよくないのだが、それでもベスト10をとった。洋画邦画とも近年まれに見る豊作の年だったと思う。 日本映画 1、虹の女神
寒い冬にぴったりの、心温まる現代の寓話。何かと嫌なニュースが多かった2008年だけど、年末にこういう映画を見られたというのは、来年は良い年になるのでは、と期待してしまいます。 【ストーリー】 雪が積もった小さな町に住むラース(ライアン・ゴスリング)は、心優しくて町中の人から慕われているけど、極端にシャイ。特に女性が苦手で、同僚のマーゴ(ケリー・ガーナー)が話しかけてくると、一目さんに…
「スパニッシュ・アパートメント」で見事な群像劇を描いたセドリック・クラピッシュ監督の新作「PARIS」。フランス映画らしい淡々とした流れだけど、パリとそこに住む人々への愛情が満ちあふれたやさしい群像劇でした。 【ストーリー】 ムーラン・ルージュのダンサー、ピエール(ロマン・デュリス)は重い心臓病で職場を辞める。心臓移植しなければ助からないといわれた。姉のエリーズ(ジュリエット・ピノシュ…
フランスフィルムノワールの幻の名作、「ギャング」(1966年)のリメイク作品。金と名誉のために男たちが殺し合うクラシックな雰囲気は出ており、名作劇場にいれてもいいけれど、あまりにも古めかしく感じられるのも事実でした。 【ストーリー】 1960年代のフランス、大物ギャングのギュ(ダニエル・オートゥイユ)は脱獄に成功して、かつての仲間の未亡人、マヌーシュ(モニカ・ベルッチ)のもとへ向かう…
2004年に低予算ながら、強烈なアイデアと意表をつくラスト、それにいかにもいたそうな残酷描写で映画ファンをうならされた「ソウ」。その後、年1作ずつ続編が公開された。さすがに5作目となるとパワーダウン。シリーズのつじつまあわせに終始しているような気がする。1作目のような衝撃はもう、みられないのか。 【ストーリー】 連続殺人犯ジグソウ(トビン・ベル)が死んでも、惨劇はとまらなかった。ジグ…
島根県を舞台にした高校生の青春物語。非常に丁寧に撮られているのだけど、田舎バンザイと難病が絡むというのは手あかにまみれており、個人的にはちょっと飽きた。作品そのものは悪くはないので、島根もそうだし、田舎から都会に出てきて疲れている人にはいいかもしれません。 【ストーリー】 島根県雲南市の高校3年生、鉄郎(橋爪遼)の1日は入院中の母親(宮崎美子)に牛乳を届けることから始まる。もうすぐ夏…
「君の涙ドナウに流れ」で、女流監督とは思えない骨太の大河ドラマを演出したハンガリーのクリスティナ・ゴダ監督の新作(本国では「君の涙」の前作)は、小粋なラブコメ。女性の悩みは東西を問わないウィットに飛んだ脚本に、思わずクスリとしてしまいました。 【ストーリー】 女性脚本家ドラ(ユーディット・シェル)は30過ぎても男運に恵まれない。きょうも不倫の最中、相手の奥さんに踏み込まれ、パンティ一…
97年に作られたオリジナルは「世界で最も不快な映画」と、賛否真っ二つに割れた伝説のカルト映画。カンヌ映画祭で審査委員のベンダースが上映途中で退席したり、英国では上演禁止運動が起こったといわれるほど。今作はミヒャエル・ハネケ監督自身が、同一脚本、構図でセルフリメイク。見る前の覚悟とは異なり、僕はものすごく気に入りました。 【ストーリー】 湖沿いの別荘にバカンスに出かけたジョージ(ティム…
航空自衛隊初の女性救難ヘリパイロットを描いた本作品。主役たちの棒読み演技と、自衛隊の活躍のギャップの差は激しく、自衛隊の広報ビデオみたい。けれども、男の子だったら、航空救難団の格好良さにあこがれるだろうな。僕ももっと若かったら航空救難団に入りたかったよ。 【ストーリー】 幼い頃、母を救ってくれた航空救難団にあこがれ、航空自衛隊初の女性救難ヘリパイロットになった遥(高山侑子)。だが、実…
インドの買春窟の貧しい子供たちがカメラを手にすることによって未来への希望を見いだすという、2004年アカデミー賞受賞のドキュメンタリー。時間もコンパクトで良くできた作品であるんだけど、僕の好みからすると、淡々としすぎていました。
1950年代の名作SF映画の半世紀ぶりのリメイクで、キアヌ・リーヴス、ジェニファー・コネリーは頑張ってるけど、脚本がお粗末すぎ。期待していただけに、ちとがっかり。 【ストーリー】 宇宙生物学者のヘレン(ジェニファー・コネリー)ら各地の科学者たちが突然、軍隊によって強制的に集められた。地球に宇宙から謎の物体が飛来しているというのだ。家に置いてきたまだ幼い義理の息子ジェイコブ(ジェイデン…
ディカプリオとリドリー・スコット監督が組んだ米国のうさんくささを告発する映画。途中までは面白かったのだけど、ラストがちょっと、個人的な好みと違いました。 【ストーリー】 ヨーロッパでイスラム過激派のテロが相次ぐ。CIAのイラク駐在工作員フェリス(レオナルド・ディカプリオ)は、イラクで命がけの諜報活動を行い、重傷を負いながらも、テロ組織のアジトがヨルダンにあることを突き止める。 C…
怖くて切なく、温かいという相反するような要素をすべて兼ね備えた一級の作品。あえて分類すればホラーになるんだろうけど、最後にはやさしい感動に包まれました。 【ストーリー】 孤児院出身のラウラ(ベレン・ルエダ)は、閉鎖された孤児院を障害児施設として復活させようと、夫で医師のカルロス(フェルナンド・カヨ)、7歳の息子シモン(ロジェール・プリンセプ)とともに、海辺の村に戻ってきた。ラウラの心…
ディズニー・ピクサーの新作アニメ「ウォーリー」。見る前はどこか「所詮ディズニー」と思ってましたが、クオリティの高さにびっくり。子供から大人まで楽しめ、感動できる作品です。ただ、アカデミー賞ノミネートの噂はやりすぎだと思うけど。 【ストーリー】 地球がゴミだらけとなり、人類が宇宙に逃げ出してから700年間。ゴミ処理ロボットのウォーリーは1体だけで、黙々とゴミを処理していた。いつしか感情…
予告編を見たら、ものすごい迫力のあるSFアクションなのに、世評が悪すぎ、逆に興味が出て、見る予定がなかったのに見に行きました。期待せずにアクションだけ見れば、それなりのものかな。ストーリーはお話にならなかったけど。 【ストーリー】 ロサンゼルス郊外で謎の爆発事件が起き、取材にあたったテレビ局記者のイーサン(ジェイソン・ベア)は巨大なは虫類のうろこを発見する。イーサンは子供のころ、不思議…
スペインの歴史時代劇「アラトリステ」。主演のヴィゴ・モーテンセンの男臭さは堪能できるが、原作小説のファンかスペインの歴史に詳しくないと、何が何だかさっぱり分からない。せめて、公式サイトでストーリーを把握しないと困難な間口の狭い映画でした。 【ストーリー】 17世紀のスペインは、世界一の大国の座を英国に奪われ、徐々に衰退していった。スペイン歩兵部隊の傭兵で、剣の達人アラトリステ(ヴィゴ…
今年亡くなった市川昆監督の幻の名作時代劇。93年にフジテレビのハイビジョンドラマとして実験的に製作され、ベネチア映画祭の招待作品にもなったが、国内ではBSの実験放送で一度流れただけで、存在すら埋もれていたもの。フランキー堺、岸田今日子と物故した名優も出ています。 【ストーリー】 正四郎(中井貴一)は男手一つで育てた娘のゆか(古柴香織)の婚礼の朝、妻のふさ(浅野ゆう子)のことを回想して…
中流が多い日本ですが、目に見えない格差というのがあります。なかでも女性同士ではマウントみたいなのもあって大変。そんな人間関係を俯瞰的に眺める描写がすこぶる面白い。現代の細雪という評論もあったけど納得です。 作品情報 2020年 日本映画 監督:岨手由貴子 出演:門脇麦、水原希子、高良健吾 上映時間:124分 評価★★★★★(五段階) 観賞場所:ヒューマントラストシネマ有楽町 2021年劇場鑑賞27本 …
第二次大戦中のBC級戦犯を描いた往年の名作ドラマの脚本を、オリジナルと同じ橋本忍がリメイク。TBSドラマで知られる福沢克雄監督が初メガホンをとった。主役が中居くんと仲間由紀恵ということでもあり、いかにもテレビ的かとそれほど期待していなかったけど、結構、真面目な作品でした。 【ストーリー】 高知の港町の床屋、清水豊松(中居正弘)は、妻の房江(仲間由紀恵)、幼い息子の健一(加藤翼)と貧し…
1920年代の米アメフト界を舞台にしたスポーツラブコメ。アメフトのルールを知らないので、おもしろさがあまり分からない。禁酒法やキャリアウーマンの先駆けなど、当時の雰囲気は良く出ていたと思うけど。 【ストーリー】 1920年代、大学アメフトは人気絶頂だったが、プロはまったく人気がなく、各地で細々とやられていた。ブルドックスのベテラン、ドッジ(ジョージ・クルーニー)はトリック的なプレーが得…
北乃きいと林遣都のラブコメと思いきや、自身がプロデューサーをかねる大沢たかおが前面に出過ぎてしまい、肝心の内容が散漫になってしまった。北乃きいが、ものすごく魅力的にとれていただけに、作り方を考えてほしかった。 【ストーリー】 いじめられっ子の稔(林遣都)は幼稚園の時から気の強い幼なじみの亜紀(北乃きい)に助けられてきた。高校生になり、美人の亜紀にいいよる男もいっぱいいるが、趣味は不良…
ハリウッドを真っ正面から、からかったコメディ大作。大物スターが思いも寄らぬ役でゲスト出演していたり、俳優論が聞かれるのはいいけれど、米国のエンタメ界やハリウッド映画に詳しくないと、ちょっと分かりにくい。米国では大受けしたけど、日本では今ひとつのヒットで終わるかな。 【ストーリー】 落ち目のアクション俳優ダグ(ベン・スティラー)は、ベトナム戦争を題材にした超大作映画「トロピック・サンダ…
スティーブン・キング原作の映画に外れが多いと言われる。今年は「ミスト」という傑作があったので、キング映画史上、一番の大ヒットと呼ばれた本作も楽しみに見に行ったのだけど… 全然怖くないんですけど。 【ストーリー】 ホラー作家のエンズリン(ジョン・キューザック)は、心霊現場の体験ルポを何冊も書いているが、幽霊を見たことなど無く、存在を信じていなかった。ある日、ニューヨーク・ドルフィンホテ…
ジュリアン・ムーアら豪華スターに木村佳乃、伊勢谷友介も共演し、今年のカンヌのオープニングで話題を呼びました。パニック映画だけど、人間の醜悪な部分をこれでもか、と描いているので、見ている間、どんよりとしてしまう。体調と覚悟をしないと、しんどい作品だと思います。 【ストーリー】 ある日、運転中の日本人男性(伊勢谷友介)が突然視力を失う。目の前が真っ白になるという不思議な症状だった。妻(木…
1960年代後半のGS(グループサウンズ)ブームを舞台に、音楽に懸ける若者たちを描いた青春コメディー。これも、悪くはないんだけど、青春映画らしいむちゃくちゃさや、胸にずしんと響いてくるものは感じなかった。 【ストーリー】 1968年、日本中がGSブームに沸いている中、ミュージシャン志望のシュン(水嶋ヒロ)とケンタ(浅利陽介)は先輩バンドのタツオ(高岡蒼甫)にビートルズが極秘来日している…
それなりに悪くはないんだけど、テレビの2時間ドラマスペシャルでも十分ではない?といったレベル。女性が見れば身につまされることがあるのかもしれません。 【ストーリー】 派遣社員の美奈子(辺見えみり)は30歳になるのに、仕事もいい加減、男とも真剣に恋愛しない、趣味はなしと、退屈な毎日を送っている。だが、親友の麻衣(佐藤仁美)に飲みに行こうと連れていかれたダーツバーでイケメン店員の篠塚(加…
邦題と予告編に完全に騙された。大人のラブコメと思いきや、「世にも奇妙な物語」に出てきそうな、シュールなストーリー。ただ、男性と女性の恋愛観の違いなどはうまく出ているかも。 【ストーリー】 落ち目のミュージシャン、ゲリー(マーティ・フリーマン)はCMなどで嫌々食っている。恋人のドーラ(グウィネス・パルトロー)は、彼の覇気の無さを嫌っており、倦怠期で口論ばかり。憂うつな毎日だが、ある晩、…
平均年齢80歳の合唱団を描いたハートフルな映画。あまりにも出来過ぎているので、フィクションかと思ったら、何とドキュメンタリー映画でした。事実は映画より奥が深いといったところでしょうか。 【ストーリー】 米国マサチューセッツの田舎町にある合唱団「ヤング@ハート」。平均年齢80歳ということに驚くが、何とヨーロッパツアーを開いて、ノルウェー国王の前で歌うほど、世界的な合唱団。しかも、レパート…
ゾンビ映画というジャンルを作り上げたジョージ・A・ロメロ監督の最新作。流行のPOV(主観映像)方式を使用しながら、原点回帰的な作りになった。現代社会批判がストレートすぎる気もするが、言いたいことが良く伝わる作品だった。 【ストーリー】 山の中で卒業制作の映画を撮っていたピッツバーグ大映画学科の学生たちは、ラジオニュースで死体が甦って人間を襲っていると聞いて驚く。ニュースを信じないもの…
学校の授業でブタを飼った子供たちの1年を描く「ブタがいた教室」。命の尊さや日本人のメンタリティーなどさまざまなことを考えながら見てました。見た人は賛否両論真っ二つに割れるとはいえも、東京国際映画祭で2冠をとった評価も納得の出来です。1990年に、大阪の小学校で実際に行われた授業が基になっています。 【ストーリー】 4月、6年2組の担任星(妻夫木聡)は教室に子ブタをもってきた。1年間飼…
都会で疲れたOLが田舎で癒やされるという、ものすごいありがちなプロットだけど、美しい風景と主役2人のはまった演技で、文字通り癒やしの映画に仕立てあがりました。疲れているときに見るのにいいかも。ただし、序盤で寝てしまうかもしれませんが。 【ストーリー】 対人関係が苦手で、毎日の生活に疲れたOLの千鶴(加藤ローサ)は自殺を決意。港町からタクシーに乗り、人けのないところへ行くように頼む。連…
大ベストセラーでドラマにもなったのだけど両方未見。古厩智之監督らしく手堅い作品だけど、もっと泣けるかとおもったら、まったく泣けなかった。正直、子役を使ったほうが良かったと思うよ。 【ストーリー】 1学期が終了する日、帰宅した中2の裕(小池徹平)は家が差し押さえになって立ち入り禁止になり、中の家財道具が全部外に放り出されているのにあぜんとする。やがて帰ってきた大学生の兄(西野亮廣)、…
人間、いくつになっても夢を諦めることはない、と教えてくれる優しい映画。ストーリーはすべて想定の範囲内とはいえ、暗いニュースが続く現実のつらさを少しでも忘れさせてくれる映画は良いですよね。 【ストーリー】 スイスの山村。80歳のマルタ(シュテファニー・グラーザー)は、長年連れ添った夫を亡くして、悲しみから立ち直れずにいた。心配した友人たちはマルタが刺繍が得意だったことを思い出し、破れて…
ミシェル・ゴンドリー版ニューシネマ・パラダイス。ゴンドリー特有のハンドメイドな感じが強いとは言え、映画を深く愛する人にはオススメの作品です。 【ストーリー】 ニュージャージーの古びたデンタルビデオ屋。取り扱ってるのはDVDもなくVHSだけだ。戦前の伝説のジャズメン、ファッツ・ウォーラーの生家であるというが、古い建物は市の再開発地区に指定されてしまい、改築しなければフレッチャ店長(ダニ…
2006年のデンマーク映画「アフター・ウェディング」のハリウッドリメイク。重苦しい雰囲気に2大女優の共演は見ごたえがありますが、なんか登場人物のわがままに振り回されている気がしてのりきれませんでした。 作品情報 2020年 アメリカ映画 監督:バート・フレインドリッチ 出演:ジュリアン・ムーア、ミシェル・ウィリアムズ、ビリー・クラダップ 上映時間:112分 評価★★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネ…
イラク戦争で実際に起きた米軍による少女暴行殺害事件を、巨匠ブライアン・デ・パルマがフェイクドキュメンタリーの手法で映画化した、非常に重たい作品。ベネチアで銀獅子賞を取りながら、東京では渋谷のミニシアターだけの上映とあり、相変わらず日本の配給システムには首を傾げてしまう。 【ストーリー】 2006年、イラクのサマラに駐屯する米軍部隊。目に見えた戦闘はなく、精神的に緊張を強いられながらも…
北野武も映画化した座頭市を、綾瀬はるか主演の女座頭市ものにした「ICHI」。「ピンポン」の曽利文彦監督らしく、けれん味たっぷりだけど、チャンバラ時代劇としては、最近見た中では上位に入りました。 【ストーリー】 盲目の瞽女(ごぜ)=女芸人、市(綾瀬はるか)は、実は剣の達人。目が見えないとあなどって、襲いかかる男たちもいるが、仕込み杖で片っ端から斬りまくる。ある日、3人の野盗に襲われた市…
新垣結衣が学ランを来て応援団長になるというユニークな設定の「フレフレ少女」。映画としては取るに足りないけど、新垣の魅力があふれんばかりでており、アイドル青春映画としてはそこそこの出来。「コードブルー」では印象が薄かったが、本作でガッキーがこんなにかわいく見えるとは思わなかった。 【ストーリー】 桜木高校2年の桃子(新垣結衣)は、内気な文学少女。グラウンドで野球部のボールが当たったとこ…
グローバル化で搾取されるメキシコの労働者たち。命すら奪われる悲惨な状況を、主演のジェニファー・ロペスがほれ込んで製作された本作。邦題は意味深だけど、米国では上映できなかったほどのいわく付き作品。 【ストーリー】 メキシコの米国国境の町、フアレスには人件費を安くすまそうと、世界中から工場が建てられている。メキシコ人労働者は劣悪な環境で酷使されているが、さらに、この地域では15年間で50…
最近、題名に首を傾げるケースが多いのだが、「家政婦は見た」のもじりのような本作もその一つ。結ばれてはならぬ禁断の愛を、激動のスペイン史の中で描いた傑作なのに、矮小化されちゃう邦題ですね。 【ストーリー】 18世紀末のスペイン。画家のゴヤ(ステラン・スカルスガルド)は国王(ランディ・クエイド)の信頼も厚い宮廷画家だが、世の中の矛盾を絵筆に込めて描いた作品は、保守的な教会からは批判的に見…
津川雅彦ことマキノ雅彦監督の第二作。前作の「寝ずの番」がよく、また、父親のマキノ雅弘の名作を息子がリメイクするうえ、脚本が「風林火山」の大森寿美男であり、興味津々でいったけど、正直、期待はずれ。昔の時代劇が好きな人向けですね。 【ストーリー】 幕末、清水の次郎長(中井貴一)は情に厚い売り出し中の親分。惚れ合ったお蝶(鈴木京香)との祝言のさなかに捕り方に踏み込まれ、大政(岸部一徳)ら子…
タイトルとキャッチコピーが悪くて、見に行く気がなかったけど、時間が空いたので見たら、なかなか良い映画。1年がかりでロケをした丁寧な作品であり、このままヒットせずに終わるのはもったいない作品でした。 【ストーリー】 青森県の三本木農業高校。馬術部の生徒は馬の世話で土日もない生活を送っている。2年生の香苗(長渕文音)は、目の病気に苦しむ馬タカラコスモス(コスモ)の世話をしている。コスモは病…
96歳と国内最長老の新藤兼人監督の半自伝的映画「石内尋常高等小学校 花は散れども」。現在の映画というよりも、とてもクラシックな作り方で、邦画黄金期の作品のよう。これを批判する人もいるのだけど、新藤作品に何を期待して見ているのか。 【ストーリー】 大正12年、広島県の山村・石内村の小学校の担任、市川先生(柄本明)は型破りの先生だった。居眠りをしている児童から、朝まで徹夜で稲刈りを手伝わ…
若手期待の星の吉高由里子の体当たり演技ばかりが話題になっていたけど、劇演出家で世界的にも著名な蜷川幸雄が監督していることもあり、一種独特の空気。その空気を好むか嫌いか、観客によって大きく代わりそう。 【ストーリー】 「スプリット・タンって知ってる?」 19歳のルイ(吉高由里子)はクラブで踊っていたアマ(高良健吾)からいきなり声を掛けられる。舌の先にピアスをいれ、そこから穴を広げて…
アメコミ原作の映画は、米国では大ヒットしても日本では期待はずれの成績に終わることが多いのだけど、本作もその一つ。アメリカ人には面白いのだろうけど、僕からすればぬるいアクション映画にしか見えず、さもありなんといったところ。 【ストーリー】 兵器会社の社長スターク(ロバート・ダウニーJr)は大富豪にしてロボット工学の天才。アフガニスタンに新型ミサイルのデモンストレーションに来たところ、テロ…
グローバル化した世界で、安い労働力を求めて資本は世界中に拡大していく。その事実を少女たちの目を通して、分かりやすく解説するドキュメンタリー「女工哀歌」。映画評では彼女たちがかわいそう、という意見が多いけど、僕は明日は我が身だと思ってゾッとしました。 【ストーリー】 中国広東省の縫製工場。リーバイス、ウォルマートなど世界中からジーンズの注文を受けるこの工場は農村から出稼ぎにきた多くの若…
原作マンガが星新一の小説との盗作疑惑を指摘されていたし、予告編をみてもいかにも泣かせようとするあざとい作品かと思い、最初は見る気がなかったけど、たまたま時間が合ったのでみたら、さすが瀧本智行監督、一筋縄でいかない作品に仕上げてました。 【ストーリー】 国家の繁栄のために若者の1000人に一人は国家によって強制的な死が与えられる。小学校1年のときに遅効性の毒を打たれ、その運命からはだれ…
リチャード・ギア、ダイアン・レインという渋い中年男女の恋愛なのに、物語はハーレクインロマンスか、ベタな韓流映画のような中身。恋愛映画は好きな方だけど、ここまで完全に女性向けの作品だとなあ。 【ストーリー】 主婦のエイドリアン(ダイアン・レイン)は、夫のジャック(クリストファー・メローニー)は愛人のもとに走られ、娘のアマンダ(メイ・ホイットマン)は反抗期、息子のダニー(クリスチャン・ダ…
アクション映画の技術の進歩は目を見張るものがあり、本作もマトリックスをさらに進化させたような映像はただただすごいとしかいいようがない。それでも、単純な勧善懲悪にしなかったので、好みは分かれるかも。 【ストーリー】 職場では仕事ができないため嫌みな女上司(ローナ・スコット)からいじめられ、恋人(クリスティン・ヘイガー)は親友(クリス・ブラット)と浮気していると、何から何まで冴えない青年…
小学生の妊娠というショッキングなテーマで賛否両論の「コドモのコドモ」。上映中止を求める声も寄せられていますが僕は否定的。映画にモラルを求めすぎるのもいかがかと思うが、僕はせめて映倫はPG12指定(12歳未満は保護者同伴)をするべきだったと思う。 【ストーリー】 小学校5年生の春菜(甘利はるな)は、同級生のヒロユキ(川村悠椰)と興味本位で「くっつけっこ」をして、妊娠してしまう。両親(斉…
若手監督、無名の役者といかにも素人っぽい作りの作品。主要登場人物を演じる俳優の顔を誰も知らないというのは(あとで経歴をみれば、ちょい役などで出ていたのを思い出したが)、久々の経験。序盤は正直いってつらかったけど、見終わえてみれば、それなりに楽しめた作品でした。 【ストーリー】 ミュージシャンとして上京したものの、バンドをクビになって地元の香川に戻ってきたカツヲ(石田真人)。バンドへの…
うちの娘のためならば、俺はもしかしたら魔王も倒せるかもしれない(2019年)<br />
ラノベ原作特有の長いタイトルなんですが、アニメでは魔王がでてきませんでした。なんか異世界の日常と冒険が中途半端で、円盤の売上から見ても続編はかなり困難みたいです。 【ストーリー】 魔人族の少女ラティナ(声・高尾奏音)は予言によって故郷を追われ、一緒にいた父も死んでしまい困っていたところを冒険者のデイル(岡本信彦)に助けられて、町で暮らすことになる。 下宿先の酒場、踊る虎猫亭で働くよう…
西島秀俊、加瀬亮という、ぬぼーとしながらも、邦画界では引っ張りだこの2人に加えて、若手女性監督お得意の、たいした出来事が起きないゆるゆる路線。悪くはないのだけど… 【ストーリー】 死んだ父親に借金を背負わされた野上(西島秀俊)は会社も辞めてしまい、頼りになるのはぼけた祖父(高橋昌也)が持っている土地だけ。そこには古ぼけた空きアパートが建っており、大家は近所の居酒屋の女将、藤子(香川京…
楳図かずおの名作ホラーマンガを原作に、高橋洋脚本(「リング」)、鶴田法男監督(「リング0」)とJホラーど真ん中の組み合わせ。だけどいわゆるホラー的な怖さはなく、女性というものの怖さ、哀しさが感じられる作品でした。 【ストーリー】 人間の運命を見続けながら何百年も生きている不思議な美少女おろち(谷村美月)。彼女は終戦直後、映画スター門前葵(木村佳乃)の屋敷に現れる。門前家は、呪われた秘密…
フランシス・コッポラといえば、「ゴッドファーザー」「地獄の黙示録」と70年代には世界的な大ヒットを連発した監督。その10年ぶりの新作が東京では1館だけの公開という扱いはさみしいですね。バラにこだわった美しい映像などは見応えがあったのに。 【ストーリー】 第二次大戦前のルーマニア。孤独な老教授ドミニク(ティム・ロス)は、死を目前にして、言語の起源を解明するという研究が未完のまま終わりそ…
ドラマ「ちりとてちん」で女性落語家にスポットが浴びるなど、落語のドラマや映画が何本かあるけど、外れはなし。役者の落語もなかなかうまいものですね。 【ストーリー】 幼い頃、大好きな叔父(利重剛)が死ぬ前に、病床で落語を演じたことがきっかけで、落語家を目指した香須美(ミムラ)。あこがれの落語家、三松家柿紅(益岡徹)には「女は落語家にはなれない」とすげなく断られるものの、今の師匠、三々亭平…
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各国の天才ハッカーが共同してAIを騙し、FX(外国為替証拠金取引)で大儲けを企むという、設定だけは面白そうなんですが、邦画にありがちな大金を描けない問題がここでもさく裂。演出もスローで睡魔との戦いでした。 作品情報 2025年日本、台湾映画 監督:米倉強太 出演:阿部寛、菜々緒、アリッサ・チア 上映時間93分 評価:★★(五段階) 観賞場所:Tジョイ横浜 2025年劇場鑑賞248本
韓国のホラー短編集。5つの短編と各話の終了ごとに短く流れる不気味なオカルト教団の話の全部で6話からなり、一応、6作はつながっている設定で、1つ1つは良くも悪くもないのですが、わかりにくい。5つの短編は完全にホラーとしての方向がバラバラなので、無理に一つの話にまとめなくても良かったのでは。 作品情報 2023年韓国映画 監督:チェ・ウォンギョン 出演:キム・チェウン、チョン・ジュンウォン、クォン…
2017年のタイ映画のハリウッドリメイク。ベースは一緒ですが、金持ちがより金持ちなアメリカの現状にあった形に改変されています。ラストもいかにもアメリカ映画っぽい。 作品情報 2024年アメリカ映画 監督:J・C・リー 出演:カリーナ・リャン、ジャバリ・バンクス、ベネディクト・ウォン 上映時間97分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:Tジョイ品川 2025年劇場鑑賞246本
劇団☆新感線の話題の舞台を映画館で上映する「ゲキ×シネ」の最新作。昨年秋に話題を呼んだ、鎌倉幕府滅亡をモチーフにした架空の日本のアクション時代劇です。 作品情報 2025年日本映画 演出:いのうえひでのり 出演:生田斗真、中村倫也、西野七瀬 上映時間185分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:Tジョイ品川 2025年劇場鑑賞245本
アメリカの黒人差別の歴史と音楽の歴史をモチーフにした大傑作のホラー映画。鑑賞後、考察サイトを読めば読むほど奥の深さに感動します。ネタバレあり(といってもあらかた知られていますが)のレビューですので、観たい方は事前情報なしでまず鑑賞を…。 作品情報 2025年アメリカ映画 監督:ライアン・クーグラー 出演:マイケル・B・ジョーダン、マイルズ・ケイトン、ヘイリー・スタインフェルド 上映時間137分 …
ニューヨークの救急隊の過酷な現状をリアルで陰鬱なタッチで描いた社会派映画。アメリカで救急隊員の自殺が社会問題になっているというのもわかります。 作品情報 2023年アメリカ、イギリス映画 監督:ジャン=ステファーヌ・ソヴェール 出演:ショーン・ペン、タイ・シェリダン、キャサリン・ウォーターストン 上映時間125分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:ヒューマントラストシネマ有楽町 2025年劇場鑑賞24…
モノクロの移民映画というと、「ラ・コシーナ 厨房」で観たばかり。本作のほうが登場人物の行動が理解でき、非常に静かなタイプのヒューマンストーリーでした。 作品情報 2023年アメリカ映画 監督:ババク・ジャラリ 出演:アナイタ・ワリ・ザダ、グレッグ・ターキントン、ジェレミー・アレン・ホワイト 上映時間91分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:ヒューマントラストシネマ有楽町 2025年劇場鑑賞242本 …
毒親、貧困の女子大生2人を描いたシスターフッド映画。宗教シーンなど唐突に感じられるところもありますが、抑制されて淡々とした雰囲気がたまらない感じの傑作です。 作品情報 2025年日本映画 監督:井樫彩 出演:南沙良、馬場ふみか、本田望結 上映時間115分 評価:★★★★★(五段階) 観賞場所:109シネマズ港北 2025年劇場鑑賞241本
傷ついた一家が、偶然、市民劇団に参加したことで癒されて行く物語。ノースターでちょっとごつごつしている展開ですけど、じんわりくる小品でした。 作品情報 2024年アメリカ映画 監督:ケリー・オサリヴァン、アレックス・トンプソン 出演:キース・カプファラー、ドリー・デ・レオン、キャサリン・マレン・カプフェラー 上映時間115分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:ローソンユナイテッドシネマみなとみら…
日本ではすっかりブームの落ち着いたF1ですが、本作はまさにテンションバク上がりで、レースシーンに血沸き肉踊ります。王道的なストーリーに、ギンギンのBGMそして迫力ある映像と大満足の作品でした。 作品情報 2025年アメリカ映画 監督:ジョセフ・コシンスキー 出演:ブラッド・ピット、ダムソン・イドリス、ケリー・コンドン 上映時間155分 評価:★★★★★(五段階) 観賞場所:ローソンユナイテッドシネマみ…
オーストラリアの鬼才、アダム・エリオット監督が8年がかりで制作したクレイアニメ。一人の女性の数奇な運命をブラックユーモアたっぷりに描いています。 作品情報 2024年オーストラリア映画 監督:アダム・エリオット 声の出演:セーラ・スヌーク、コディ・スミット=マクフィー、マグダ・ズバンスキー 上映時間94分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:キノシネマみなとみらい 2025年劇場鑑賞238本
アン・ジュングン(安重根)による伊藤博文暗殺を描いた歴史サスペンス。韓国では大ヒットしたそうですが、僕からすると作品自体は普通という感じでしょうか。 作品情報 2024年韓国映画 監督:ウ・ミンホ 出演:ヒョンビン、パク・ジョンミン、リリー・フランキー 上映時間114分 評価:★★★(五段階) 観賞場所:キノシネマみなとみらい 2025年劇場鑑賞237本
人間の欲望や心の暗部を描いた韓国映画。ラストはハッピーエンドかバッドエンドかは観る人によってことなりそうだけど、ある種のフェチズムの理想かもしれません。 作品情報 2024年韓国映画 監督:キム・デウ 出演:ソン・スンホン、チョ・ヨジョン、パク・ジヒョン 上映時間115分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:キノシネマみなとみらい 2025年劇場鑑賞236本
単純な犯罪のはずが思わぬハプニングで二転三転していく様子を、伏線はりまくりの脚本で描いたサスペンス。ちょっとチートな武器もでてくるとはいえ、俳優たちの巧みな演技で最後まで楽しませてくれました。 作品情報 2025年日本映画 監督:堀江慶 出演:三浦りょう太、浅川梨奈、石田明 上映時間114分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:川崎チネチッタ 2025年劇場鑑賞235本
コロナ禍で学校生活が制限された天文部員たちが、夢や希望をかなえようともがく青春ストーリー。さわやかさに心をうたれますが、ちょっと話を詰め込みすぎた感じも。 作品情報 2025年日本映画 監督:山元環 出演:桜田ひより、水沢林太郎、岡部たかし 上映時間126分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:川崎チネチッタ 2025年劇場鑑賞234本
ダニー・ボイルが携わる28時間後、28日後に続くシリーズ3部作の3作目。ゾンビ映画というよりは、少年の成長を描いたアドベンチャー映画という印象です。でも、前半の感染者が襲ってくるかの怖さはなかなかのもの。 作品情報 2025年イギリス映画 監督:ダニー・ボイル 出演:アルフィー・ウィリアムズ、ジョディ・カマー、アーロン・テイラー=ジョンソン 上映時間115分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:川崎チネ…
テレビアニメと違い、原作よりのダークな雰囲気を漂わせる映画「LUPIN THE IIIRD THE MOVIE」シリーズの第5作。僕は過去作を観ていなかったので、あまりにもダークでホラーな感じにびっくりしました。 作品情報 2025年日本映画アニメ 監督:小池健 声の出演:栗田貫一、大塚明夫、片岡愛之助 上映時間93分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:川崎チネチッタ 2025年劇場鑑賞232本
序盤はご都合主義のありがちなキラキラ青春映画で、途中退席しようかと思うくらいイライラしましたが、さすがは「ヒロイン失格」などの幸田もも子原作とあり、途中から確変。そつなく作品をまとめました。ただ、僕の鑑賞後、同キャストでドラマ化も発表され、なんのために入場料を払ったのかというがっかり感も。 作品情報 2025年日本映画 監督:松田礼人 出演:畑芽育、大橋和也、木村慧人 上映時間102分 評価:…
人がいっぱい死ぬアニメは苦手ですしテレビシリーズが長いと途中で挫折しまうので、本作や鬼滅の刃の劇場版は自分から観に行く気はないのですが、娘がファンなので一緒に行ってきました。 作品情報 2025年日本映画アニメ 監督:御所園翔太 声の出演:中村悠一、櫻井孝宏、永瀬アンナ 上映時間111分 評価:★★★(五段階) 観賞場所:109シネマズ湘南 2025年劇場鑑賞230本
2017年にたった一人で7年がかりで制作され、狂気のストップモーションアニメといわれた「JUNK HEAD」の続編。 キモ可愛い独創的なクリーチャーたちに度肝を抜かれつつ、壮大なスケールに唖然とします。一度では理解しきれなかったのでもう一度観に行こうかな。 作品情報 2025年日本映画アニメ 監督:堀貴秀 出演:松岡草子、杉山雄治、三宅敦子 上映時間105分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:川崎チネチッタ …
ブログにアップするのを忘れてました。上半期のベスト10です。今年も秀作ぞろいでした。例年に比べてハリウッドを含め割と有名どころが上位に入りました。格差、貧困をテーマにした作品や国際情勢のドキュメンタリーが上位に入っているのも今年の特徴です。 ブログ村のランキングです。よかったらポチッと押してください
1940年、撃沈した敵船の乗組員を救助した潜水艦の実話。イタリアの戦争映画はこれまで観たことがなかったので興味深かった。 作品情報 2023年イタリア、ベルギー映画 監督:エドアルド・デ・アンジェリス 出演:ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ、マッシミリアーノ・ロッシ、シルヴィア・ダミーコ 上映時間121分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:イオンシネマ座間 2024年劇場鑑賞249本
韓国の月面着陸を描いたSFスペクタクル大作。韓国人の自国上げはすごいけれど、月でのCGは割とよくできているのに、地上でのイノシシのCGがとてもチャチというアンバランスは笑えました。 作品情報 2023年韓国映画 監督:キム・ヨンファ 出演:ソル・ギョング、ド・ギョンス、キム・ヒエ 上映時間129分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:109シネマズグランベリーパーク 2024年劇場鑑賞248本
性暴力を扱って話題の作品で、関連シーンは男の僕が観ても吐き気がするほど不愉快でした。さらに、原作からかもしれませんが、男は暴力的、女は被害者と単純な二元論に落とし込んでいるのも不快。一連の騒動も踏まえて、今年ぶっちぎりのワーストです。 作品情報 2024年日本映画 監督:三木康一郎 出演:奈緒、猪狩蒼弥、風間俊介 上映時間116分 評価:★(五段階) 観賞場所:109シネマズ川崎 2024年劇場鑑賞…
若きクリエイターの情熱と挫折を描いているのですが、「ルックバック」と同時期の公開は痛かった。3Gキャラにもはまれず、眠気との戦いでした。 作品情報 2024年日本映画アニメ 監督:ぽぷりか 声の出演:花江夏樹、伊瀬茉莉也、内田雄馬 上映時間68分 評価:★★(五段階) 観賞場所:川崎チネチッタ 2024年劇場鑑賞246本
マイアミの黒人刑事コンビを主人公にした人気シリーズ第4弾。1作目は1995年なんですが、僕はシリーズ初見。ストーリーは突っ込みどころ満載でしたけど、アクションは工夫していて面白かった。 作品情報 2024年アメリカ映画 監督:アディル・エル・アルビ、ビラル・ファラー 出演:ウィル・スミス、マーティン・ローレンス、ジェイコブ・スキピオ 上映時間115分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:Tジョイ品川プ…
アレクサンダー・ペイン監督作品らしい、1970年の全寮制学校を舞台にした心温まるヒューマンドラマ。まんべんなくよくできた秀才型の作品といえましょう。 作品情報 2023年アメリカ映画 監督:アレクサンダー・ペイン 出演:ポール・ジアマッティ、ダヴァイン・ジョイ・ランドルフ、ドミニク・セッサ 上映時間133分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネマズシャンテ 2024年劇場鑑賞244本
韓国の名優2人によるホラー。最後まで科学で分析できるのか、それとも超常現象なのかどちらともとれますが、僕は超常現象派でしょうか。今年みたホラーの中ではお気に入りの部類です。 作品情報 2023年韓国映画 監督:ユ・ジェソン 出演:チョン・ユミ、イ・ソンギュン、キム・グムスン 上映時間94分 評価:★★★★★(五段階) 観賞場所:川崎チネチッタ 2024年劇場鑑賞243本
台湾映画の名作の日本リメイクですが、ラストが記憶と全然違っていて、あらためて台湾版のあらすじをネットで確かめました。オリジナルファンとしては日本版の解釈にはがっかり。主人公たちを高校生でなくて大学生にしたのも大人の事情というやつでしょうか。 作品情報 2024年日本映画 監督:河合勇人 出演:京本大我、古川琴音、横田真悠 上映時間114分 評価:★★★(五段階) 観賞場所:川崎チネチッタ 2024年…
音を立てると襲ってくる宇宙人の恐怖を描いた人気ホラーの第3弾。過去2作の主役だったエミリー・ブラントは登場せず、宇宙人が地球を襲撃した当日のニューヨークのパニックをキャストを一新して描いています。 作品情報 2024年米国映画 監督:マイケル・サルノスキ 出演:ルピタ・ニョンゴ、ジョセフ・クイン、アレックス・ウルフ 上映時間100分 評価:★★★(五段階) 観賞場所:ブルク13 2024年劇場鑑賞241本…
1999年のタイを舞台に、それまでずっと一緒だった双子の女子中学生が、初恋に落ちたことで大人への階段を上っていく物語。タイの田園風景は異国なのにどこか懐かしく、切なく悶え死にそうなストーリーとともに、僕の心に突き刺さりました。 作品情報 2023年タイ映画 監督:ワンウェーウ・ホンウィワット、ウェーウワン・ホンウィワット 出演:ティティヤー・ジラポーンシン、アンソニー・ブイサレート、スパクソーン・…
韓国の名匠、ホン・サンス監督の新作で、彼の作品で初めて寝ないでみられた。体調を整えて臨んだかいがありました(笑)。 作品情報 2022年韓国映画 監督:ホン・サンス 出演:クォン・ヘヒョ、イ・ヘヨン、ソン・ソンミ 上映時間97分 評価:★★★(五段階) 観賞場所:シネマジャック&ベティ 2024年劇場鑑賞239本
父親を事故で失った高校生の喪失感と行き場のない怒りを描いたフランス映画。高校生はゲイでベッドシーンも多く、さすがフランスの高校生は進んでいると本筋とは若干ずれたことを思ってみていました。 作品情報 2022年フランス映画 監督:クリストフ・オノレ 出演:ポール・キルシェ、ジュリエット・ビノシュ、ヴァンサン・ラコスト 上映時間122分 評価:★★(五段階) 観賞場所:シネマジャック&ベティ 2024…
チェンソーマンの藤本タツキの短編漫画を、押山清高が監督、脚本、キャラクターデザインを1人で手掛けてアニメ化。創作者にとって非常にエモい作品で世評が高いのがわかるのですけど、特典で配られた漫画と登場人物の苗字が違うのはなぜだろう。 作品情報 2024年日本映画アニメ 監督:押山清高 声の出演:河合優実、吉田美月喜 上映時間58分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:109シネマズ川崎 2024年劇場鑑…
M・ナイト・シャマランの娘のイシャナ・ナイト・シャマランの監督デビュー作で、父親は制作に回ってます。作風はかなり影響されてると思いました。賛否両論のようですけど、個人的には雰囲気は悪くなかったと思います。ややネタばれの感想を。 作品情報 2024年アメリカ映画 監督:イシャナ・ナイト・シャマラン 出演:ダコタ・ファニング、オルウェン・フエレ、オリヴァー・フィネガン 上映時間102分 評価:★★★…
環境保護のためテキサスの石油パイプラインを爆破させようとする若者たちを描いたサスペンス。アメリカ映画にしては珍しく、テロリストを主人公にした作品です。配給のネオンは「パラサイト 半地下の家族」「逆転のトライアングル」「落下の解剖学」と小規模ながら尖ったラインナップの会社で、さすがの眼力。 作品情報 2022年アメリカ映画 監督:ダニエル・ゴールドハーバー 出演:アリエラ・ベアラー、サッシャ・…
英国のシンドラーと呼ばれ、669人のユダヤ人の子どもを救った実在のエピソードの映画化。「関心領域」「フィリップ」と違って王道的な描き方でした。 作品情報 2023年イギリス映画 監督:ジェームズ・ホーズ 出演:アンソニー・ホプキンス、ジョニー・フリン、ヘレナ・ボナム・カーター 上映時109分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:ヒューマントラストシネマ有楽町 2024年劇場鑑賞234本
柚月裕子原作の警察ミステリーですが、まさかこういう方向にならないよなというよくあるパターンになってしまったのは残念。配役もちょっとネタばれっぽくなってしまって。 作品情報 2023年日本映画 監督:原廣利 出演:杉咲花、萩原利久、安田顕 上映時119分 評価:★★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネマズ川崎 2024年劇場鑑賞233本
10世紀のインドを舞台にした豪華絢爛の史劇「PS1 黄金の河」の続編。全編に比べて派手なアクションが少なかったのが残念。史劇だけあって、史実通りに思わぬ人が途中退場するなどインド古代史を知らない分、驚きはありました。 作品情報 2023年インド映画 監督:マニラトナム 出演:ヴィクラム、ジェヤム・ラヴィ、アイシュ…
90歳でベストセラーエッセイを書いた佐藤愛子を、今年90歳の草笛光子が熱演。タイトルとはうらはらに、年をとっても素敵な生き方ができると実感できるユーモア交じりのヒューマンストーリーでした。 作品情報 2024年日本映画 監督:前田哲 出演:草笛光子、唐沢寿明、真矢ミキ 上映時99分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネマズららぽーと横浜 2024年劇場鑑賞231本