韓国のホラー短編集。5つの短編と各話の終了ごとに短く流れる不気味なオカルト教団の話の全部で6話からなり、一応、6作はつながっている設定で、1つ1つは良くも悪くもないのですが、わかりにくい。5つの短編は完全にホラーとしての方向がバラバラなので、無理に一つの話にまとめなくても良かったのでは。 作品情報 2023年韓国映画 監督:チェ・ウォンギョン 出演:キム・チェウン、チョン・ジュンウォン、クォン…
「男はつらいよ」終了後、松竹の看板シリーズとなった「釣りバカ日誌」も「ハマちゃんスーさん瀬戸の約束」で20周年となった。大企業社長のスーさん(三国連太郎)と万年平社員のハマちゃん(西田敏行)の釣りを巡る珍道中は今作も健在。このマンネリぶりが人気の秘訣か。 【ストーリー】 スーさんこと鈴木一之進(三国)は鈴木建設社長を引退し、会長に退くこととなった。第一線から身を引いたことで心身ともにガ…
木村拓哉が型破りな検事として活躍する人気ドラマを豪華キャストで映画化した「HERO」。内容には色々突っ込みたいけど、ファンにとっては久利生公平が再び見られるだけで満足かも。 【ストーリー】 東京地検城西支部に戻ってきた久利生(木村拓哉)に対して、6年も放って置かれた事務官の雨宮(松たか子)はよそよそしい。ある日、久 利生は傷害致死事件の公判を担当することになった。 逮捕された梅林…
カルト的人気を誇る諸星大二郎の漫画をオール北海道ロケ(ワンシーンだけ沖縄がある)で実写化した「壁男」。低予算で無名俳優ばかりということもあり、レベルが低くてイライラしたけど、そのもやもや感を映画の内容に反映させているのは見事でした。 【ストーリー】 地方都市の情報番組のレポーター響子(小野真弓)に壁男の情報が寄せられる。壁男は人間でも妖怪でもなく、壁の中にひそんでこちらを見守る存在だ…
名美という女性にこだわる作品を作り続ける石井隆監督の「人が人を愛することのどうしようもなさ」。狂気じみたエロスの爆発は、この作品が良かったというと良識ある人から眉をひそめられそうだけど、見て良かった。 【ストーリー】 女優の名美(喜多嶋舞)に雑誌編集者の葛城(竹中直人)が新作映画についてインタビューするという設定で物語は始まる。新作映画「レフトアローン」で名美は夫で俳優の洋介(永島敏…
1956年、世界中で人気となったテレビドラマ「スーパーマン」の主演俳優、ジョージ・リーヴスが自殺した。その死の謎を追う「ハリウッドランド」は、ハリウッドの虚飾の世界は描かれたけど、実際の事件だけにモヤモヤ感が残る映画だった。 【ストーリー】 1956年6月16日、俳優ジョージ・リーヴス(ベン・アフレック)が拳銃自殺した。彼の死に納得がいかない母親のヘレン(ロイス・スミス)は私立探偵の…
シェイクスピア作品の映画化で知られるケネス・ブラナーがモーツァルトのオペラを大胆に翻案した「魔笛」。映画としてみるよりも、映像と音楽の饗宴としてみたほうが楽しめました。 【ストーリー】 第一次世界大戦で、士官のタミーノ(ジョゼフ・カイザー)は毒ガス攻撃をうけ、死にかけているところを夜の女王(リューポウ・ベトロヴァ)の侍女たちに救われる。 敵対するザラストロ(ルネ・パーペ)にさらわ…
95年に社会現象を巻き起こしたアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」。97年に映画化されたが、今回、装いも新たに再映画化される。今回の「エヴァンゲリヲン新劇場版 序」は全4部作の第一作で、オリジナルのキャストが結集。テレビ版の6話までを踏襲している。 【ストーリー】 セカンドインパクトと呼ばれる大惨事が起きた後の世界。使徒と呼ばれる謎の敵が人類を襲っていた。国連の特務機関ネルフは、対使徒用…
「時効警察」の三木聡の新作「図鑑に載ってない虫」。もともと緩い小ネタが特徴だけど、ここまで小ネタだらけだと辟易する。しかも、全部自分の笑いのツボとは違っていた。見る人を相当選ぶ作品だ。 【ストーリー】 フリーライターのオレ(伊勢谷友介)は、雑誌の美人編集長(水野美紀)から、人をいったん仮死状態にしてから生き返らせる薬「シニモドキ」の取材を命じられる。 友人のエンドー(松尾スズキ)…
クエンティン・タランティーノとロバート・ロドリゲスという2人のクセモノ監督が1970年代のB級映画を3本立てで公開する映画館「グラインドハウス」へのオマージュで競作した「グラインドハウス」。2つあわせて3時間で、米国では興行的に失敗したためか、日本では「デス・プルーフ」と「プラネット・テラー」に分けて興行される。今回みたのはタランティーの「デス・プルーフ」 【ストーリー】 テキサスの…
日本人映画監督で唯一全米一位を達成した人気監督はだれでしょう。それは黒澤明でも宮崎駿でもなく、ホラー映画「呪怨」シリーズの清水崇監督でした。呪怨シリーズが大好きな僕は、ハリウッド版の新作「呪怨 パンデミック」にも大満足。早く次回作がみたいな。 【ストーリー】 東京のインターナショナルスクールに通う冴えない女子高生、アリソン(アリエル・ケベル)は、同級生のヴァネッサ(テレサ・パルマー)と…
「彼女を信じないでください」カン・ドンウォン出演のリバイバル作第二弾の「オオカミの誘惑」。少女マンガファンには楽しめるかもしれないが、男性映画ファンとしては強引な展開の連続に鼻白んでしまった。 【ストーリー】 父の死で田舎からソウルに転校してきたハンギョン(イ・チョンア)は垢抜けない女の子。けれども、高校の番長で女性にもてもてのヘウォン(チョ・ハンソン)からなぜか惚れられる。さらに、…
美しい映像、音楽に美しすぎる悪女のもの哀しい物語。「そして、デブノーの森へ」は、いかにもクラシックなフランス映画そのもの。ストーリーにやや難があるとはいえ、この雰囲気にどっぷりとひたるのはいいかも。 【ストーリー】 スイス在住の世界的な小説家のダニエル(ダニエル・オートゥイユ)は義理の息子ファブリーゾ(ジョルジュ・ルパーノ)の結婚式に出席するため、イタリアの小島に行く。途中の船で美し…
ホラー映画という触れ込みだけど、怖いところが1箇所もない稀有な映画「伝染歌」。映画ではなく、AKB48のプロモーションでした。頑張っていた伊勢谷友介と松田龍平が気の毒に思えた。 【ストーリー】 学校で同級生の香奈(前田敦子)が自殺した。その場にいた友人のあんず(大島優子)は香奈が死ぬ直前に口ずさんでいた歌が気にな り、友人たちと自殺の原因を調べていく。 同じころ、三流雑誌「MAS…
女性を描くことに定評のあるスペインのペドロ・アルモドバル監督の「ボルヴェール 帰郷」。カンヌでペネロペ・クルスら6人の女優まとめて主演女優賞を受賞しているし、真面目でインテリっぽい作品かと思っていったら、ブラックユーモア交じりで、エンタメとしてみても傑作でした。 【ストーリー】 ライムンダ(ペネロペ・クルス)は失業中の夫パコ(アントニオ・デ・ラ・トレ)と15歳の一人娘パウラ(ヨアンナ・…
日本のアニメは世界に冠たるもので、今年もハイレベルのものが多かった。しかし、「ベクシル 2077日本鎖国」は技術のすごさを見せ付けるものの、ストーリーはつぎはぎの寄せ集めにすぎないうえ、主役の演技もひどく、ひさびさのダメダメアニメだった。 【ストーリー】 21世紀初頭、日本はロボット技術で世界を席捲していた。国連は安全性や倫理を問題に人型ロボットを規制しようとするが、それに反発した日…
海外ロケや大爆発までして邦画にしては意欲的なアクション大作なんだけど、ストーリーが今一つ。主人公が正義の味方でなくて金目当ての産業スパイということで、テンションが下がっちゃうんですよね。 作品情報 2020年 日本映画 監督:羽住英一郎 出演:藤原竜也、竹内涼真、佐藤浩市 上映時間:110分 評価★★★(五段階) 観賞場所:イオンシネマ茅ケ崎 2021年劇場鑑賞32本
難病もの、真夏のウィンドサーフィン、伊東美咲がヒロインというのを聞くだけで、色眼鏡でみていたら結構よかったのが「Life 天国で君に逢えたら」。考えてみると、難病ものの映画って、恋人同士か、子供が死ぬ話しがほとんどで、中年おやじが妻子を残してというのは思いつきません。同年代としてはしんみりしてしまいました。 【ストーリー】 プロウインドサーファーの飯島夏樹(大沢たかお)は、妻の寛子(…
ジャッキー・チェンとクリス・タッカーの人気シリーズ「ラッシュアワー3」。日本ではヒット作に恵まれないジャッキーだけど、本作、米国では1億ドルを越すヒットになった。真田広之も重要な役で出演しており、日本でもヒットすればいいなあ。 【ストーリー】 中国マフィア対策の国際会議で中国大使が狙撃される。警護にあたっていたリー(ジャッキー・チェン)は犯人を追いかけるが、自分と因縁のあるケンジ(真…
阿波踊りとヒップホップの融合という面白そうな設定をどう生かすか期待して見にいった「阿波DANCE」。青春映画の佳作「シムソンズ」のスタッフとは思えないグタグタの出来にがっかり。 【ストーリー】 東京でヒップホップのダンサーを目指す少女茜(栄倉奈々)は両親の離婚で母(高樹澪)の田舎の徳島県鳴門市に引っ越す。何もない田舎町でがっかりする茜。 茜が転校した高校には、阿波踊りに命をかける…
スティーブン・ソダーバーグ監督とジョージ・クルーニーが豪華俳優のお友達を集めて楽しくやっているオーシャンズシリーズもこれが3作目。ぬるい内容だけど、皆楽しそうに演じており肩が凝らずに見られる作品です。 【ストーリー】 ダニー・オーシャン(ジョージ・クルーニー)の仲間、ルーベン(エリオット・グールド)が、強欲なホテルオーナー、バンク(アル・パチーノ)に騙されて身包みはがされたあげく、シ…
広島の原爆被害が現在にも通じる恐ろしさは、ドキュメンタリー映画「ヒロシマナガサキ」でも描かれたけれど、それを麻生久美子、田中麗奈という若手映画女優の見事な演技で見せた「夕凪の街 桜の国」。しっとりと心に染み入る作品でした。 【ストーリー】 昭和33年の広島。原爆投下後10年以上たっても、子供のころ被爆した皆実(麻生久美子)は、体にケロイドが残るゆえに、夏でも長袖のシャツをきている。同…
フィンランドのカウリスマキ監督の敗者三部作最終章「街のあかり」。三部作は独立した話なので、これだけ見ても大丈夫。暗く真面目な、いかにも北欧らしい作品でした。 【ストーリー】 ヘルシンキの警備員、コイスティネン(ヤンネ・フーティアイネン)は友人も恋人もいない寂しい男。仕事も満足にできず周りからはバカにされているが、いつかは独立して起業し、バカにした連中を見返してやるのが夢だ。 ある…
ありふれた日常のなかでも、時々生きることって素晴らしいと実感することがある。「世界はときどき美しい」は5編の独立した短編からなり、それぞれ、たいしたストーリーはないけど、生きている中でのささいな幸せを描いた作品。映像も凝り、音楽も心を癒すし、生きることに疲れたときに見れば、心に染み入ると思う。 【ストーリー】 第一話「世界はときどき美しい」 ヌードモデルの野枝(松田美由紀)は、もう…
「セカチュー」、「北の零年」などヒットメーカー行定勲監督の最新作「遠くの空に消えた」。行定監督は好きなことを撮ろうとしたんだろうけど、観客は置いてけぼり。「プロヴァンスの贈りもの」と比べてつくづく思うが、何で、洋画の監督は作りたいものをつくっても、観客が楽しめるのに、邦画は観客置いてけぼりになるのだろう。 【ストーリー】 のどかな畑が広がる馬酔村は、空港建設反対で揺れていた。そこの小…
「グラディエーター」でアカデミー賞を総なめした、リドリー・スコット監督とラッセル・クロウの新作「プロヴァンスの贈りもの」は癒し系映画の典型。賞とりレースや、CG使いまくりでビッグバジェットのアクション大作とはかけ離れて、2人が伸び伸びと楽しんでいる感じは見ているこちらにも伝わってきた。 【ストーリー】 ロンドンの敏腕トレーダー、マックス(ラッセル・クロウ)は金儲けのことしか考えていな…
あのイチロー選手も少年時代夢中になったという、伝説の野球漫画「キャプテン」が実写映画化された。子役達の棒読みには、そのうち慣れてしまうのだけど、アクション映画畑の室賀厚監督はこの手の青春映画の一番肝心の部分をスルーしてしまい、子供のころに夢中になったファンとしてはちょっとがっかり。 【ストーリー】 下町の公立中学校の弱小野球部、墨谷二中に転校してきた谷口タカオ(布施紀行)。彼は野球全…
田舎は良いという映画は都会人の思い込みであり、あんまり好きではないのだけど、「天然コケッコー」は珍しく田舎の素朴な良さが琴線に響いた。暑い夏に爽やかに癒される作品だった。 【ストーリー】 山陰の山合いの村。小中学生合わせて6人しかいない小さな分校で、中2のそよ(夏帆)は子供達の面倒をみるしっかりもののお姉さんのような存在だ。夏の暑い日、東京から格好いい転校生、大沢(岡田将生)がやって…
米国の著名な建築家、フランク・ゲーリーに密着したドキュメンタリー映画「スケッチ・オブ・フランク・ゲーリー」。フランク・ゲーリーか建築に興味がないかぎり、オススメできない作品でした。
タイトルが「ファウンテン 永遠につづく愛」だし、ヒュー・ジャックマン、レイチェル・ワイズの2大スターが主演するし、幻想的なラブストーリーを見にいったつもりが、久々にトンデモ映画をみてしまいました。まあ、口当たりの良いフワフワ菓子のような映画は世に満ち溢れているので、こういう強烈なのもあっていいかもしれませんが、そういう映画だという予備知識がないとびっくりすること請け合いです。 【ストーリー…
三遊亭円朝の名作怪談落語「真景累ケ淵」を「リング」の中田秀夫監督が映画化した「怪談」。化け物の怖さではなく、女の情念の怖さと美しさは良く撮れており、古き良き怪談映画の再来を目指す意気は伝わりました。しかし、脚本の練りこみが今一つ。もう一工夫あれば、傑作になったのに。 【ストーリー】 江戸時代、盲目の按摩、宗悦(六平直政)は貸した金を踏み倒そうとする侍深見新左衛門(榎木孝明)に切り殺さ…
昭和の歌謡曲名曲12曲をモチーフにしたオムニバス映画「歌謡曲だよ、人生は」。全体的に小粒で、歌謡曲とそれほどリンクしない作品もあった。もっとはじけてもよかったのでは。 【ストーリー】 監督、タイトル、元歌の発表年と歌手の順。 オープニング 「ダンシングセブンティーン」(昭和43年、オックス)」 第一話 磯村一路監督「僕は泣いちっち(昭和34年、守屋浩)」 昭和30年代、北国の高…
内容は薄いけど、男達の友情と裏切り、そしてとことんバイオレンスを描いた韓国映画「相棒 シティ・オブ・バイオレンス」。重厚なボクシング映画「クライング・フィスト」のチョン・ドゥオン監督が、こういう奇天烈な映画を主演兼監督でやるとは思わなかった。 【ストーリー】 高校時代の仲良し5人組みの1人、ワンジェ(アン・ギルガン)が不良少年たちに絡まれて殺されたと聞き、ソウル警察の腕利き刑事、テス…
人種間の争いに悩むカリフォルニアの高校を舞台に実話を基にした「フリーダム・ライターズ」。ロス暴動直後の話とはいえ、アメリカの学校はこんなに危険なところとは。 【ストーリー】 1994年、ロス郊外のロングビーチの高校に新任の女教師、エリン(ヒラリー・スワンク)が赴任してきた。同校の周囲は治安が悪く、黒人、ヒスパニック、アジア系などが人種に分かれて、殺し合いも日常茶飯事だった。 クラスを…
韓流映画お得意の難病ものを死刑囚に変えただけかとたいして期待していなかった「私たちの幸せな時間」。どうしてどうして、人間の罪と罰といった重たいテーマにまで突っ込んだ良作で、ラストはジーンときました。 【ストーリー】 裕福な家庭に育ち、一時は歌手として活躍しながらも、今は自殺未遂を繰り返すユジョン(イ・ナヨン)は、奉仕活動として修道女であるモニカ叔母(ユン・ヨジョン)に従い、死刑囚、ユ…
「ユアン少年」「ボンボン」に続いて犬シリーズの3作目。竹内結子の復帰作として話題を呼んだ「サイドカーに犬」。まったりとした内容を復帰作に選んだのは彼女の作戦か。子役との息も合い、のんびり見られました。 【ストーリー】 OLの薫(ミムラ)は会社で嫌なことがあり、仕事をサボって釣堀にいった。ぼんやりと20年前の特別な夏休みを思い出した。 薫(松本花奈)が小4の夏休み。母(鈴木沙羽)が…
「ユアン少年と小さな冒険」に続いて、犬の映画「ボンボン」を見た。こういうプログラムを組むとは、札幌のアート系映画館、シアターキノは渋い。ファミリー向けの「ユアン少年」と違い、「ボンボン」は大人のほろ苦さがあり、一定以上の年をとった人ほど、味わえると思いました。 【ストーリー】 アルゼンチン南部のパタゴニア。中年男ビジェガス(フアン・ビジェガス)は実直な性格なのに妻とは長年別居し、20…
名犬ラッシー+忠犬ハチ公といった映画「ユアン少年と小さな英雄」。中味はたわいないけど、テリア犬のボビーがかわいかった。犬好きなら心がなごみます。 【ストーリー】 19世紀のスコットランド。町の巡査グレイ(トーマス・ロックヤー)が飼っているボビーは小さな体だけど、勇敢な犬で、警察犬として人気者。ところがグレイ巡査が強盗に殺されてしまう。ボビーと仲良しの少年、ユアン(オリヴァー・ゴールデ…
ハリウッドにおけるアジアホラーの影響はかなり及んでいると実感させられたのが「ゴーストハウス」。アジアホラーを見慣れている人はさほど恐くないだろうけど、慣れてないと結構恐い映画です。 【ストーリー】 アメリカの人里はなれた農家で、一家が何者かに襲われて行方不明になった。それから数年後、ある事情でシカゴから引っ越してきた一家が農家に転居してくる。 長女ジェス(クリステン・スチュワート…
見ているだけでクラシックが聞きたくなる。音楽映画は数多くあるけれども、そういう映画は少ない。アニメ映画「ピアノの森」は音楽の楽しさというものを素直に思い出させてくれる素晴らしい映画だった。 【ストーリー】 有名なピアニストを父に持つ小学校5年生の雨宮修平(声・神木隆之介)は祖母の容態が悪いために田舎の学校に転校してきた。そこで、クラスメイトの一ノ瀬海(上戸彩)という不思議な少年に会う…
見終わったあと久々に苛立ちを感じてしまった「毛皮のエロス」。ニコール・キッドマン、ロバート・ダウニーJRとハリウッドでもお気に入りの俳優が出ていただけに哀しい。 【ストーリー】 1958年、写真家の夫アラン(タイ・バーレル)のアシスタントを務めるダイアン・アーバス(ニコール・キッドマン)は裕福な家庭に育ち、かわいい子供にも恵まれていた。 ある日、上の階に不気味な仮面をかぶった男ライ…
人気テレビドラマの映画化で、予算規模が大きく派手な特撮を使っているけど、やはり子供騙しにすぎなかった「西遊記」。でもファミリーで見るならこういう映画もありかなとも思います。 【ストーリー】 天竺へ向かう三蔵法師(深津絵里)と孫悟空(香取慎吾)、沙悟浄(内村光良)、猪八戒(伊藤淳史)は砂漠のなかで飢えに苦しんでいた。そこへ、悪い妖怪金角(鹿賀丈史)、銀角(岸谷五朗)に苦しめられている玲…
「キューティーハニー」「口裂け女」のサトエリ主演のキワモノ映画かと思ったら、なかなか見所があった「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」。後半から尻上がりに良くなるため、前半のテンポがもう少しよかったらと惜しかった。 【ストーリー】 石川県の携帯も通じないド田舎で暮らす清深(佐津川愛美)と宍道(永瀬正敏)は異母兄弟。両親が交通事故で死んだため、東京で売れない女優をやっている長女の澄伽(佐藤…
1984年、アフリカの奥地にいたユダヤ民族の末裔をイスラエルに移送した史実をもとに、ユダヤ人になりすました少年の苦悩を描いた「約束の旅路」。国家、民族とは、家族とはを考えさせられる秀作でした。 【ストーリー】 エチオピアにいて差別や飢饉に苦しんでいたユダヤ民族の末裔をイスラエルに運ぶモーセ作戦。スーダンの難民キャンプで、エチオピア系ユダヤ人だけが助かるため、餓死寸前の女性(マスキー・…
世界各地で貧困や戦争にも負けずに懸命で生きる子供たちの姿を7カ国の監督が描いた「それでも生きる子供たちへ」。最近のオムニバス映画に外れはないけど、その中でもひときわ心を打たれる作品でした。 【ストーリー】 第一話「タンザ」(メディ・カレフ監督、アルジェリア) アフリカ・ルアンダでゲリラ部隊に加わる少年タンザ(ビラ・アダマ)。友人が次々と殺されていくなか、町へ行って学校を爆破するよう命…
第二次大戦で連合軍の無差別爆撃により壊滅的な被害を受けたドイツの町、ドレスデン。空襲下のなかで、連合軍兵士とドイツ人看護師の許されぬ恋を描いた「ドレスデン、運命の日」は、ヒロインの人物造形に失敗し、見ていて引いてしまいました。 【ストーリー】 ドレスデンの大学病院の看護師、アンナ(フェリシタス・ヴォール)は、父(ハイナー・ラウターバッハ)が病院長ということもあり、病院の優秀な医師、ア…
写真家の若木信吾が20年間撮り続けてきた祖父、啄次(04年に死去)への思いを描いた「星影のワルツ」。祖父への愛情や家族、友人への思いはよく伝わってきたとはいえ、単なる監督のプライベートフィルムにしかすぎなかった 【ストーリー】 写真家の信人(山口信人)は実家の浜松に帰省した。祖父(喜味こいし)が祖父の兄(吉井裕海)とともに酒盛りをやり、母(神崎千賀子)や父(影山宜伸)は迷惑そうだが、…
15年ぐらい前、レンタルビデオ屋の片隅にあった一山いくらのB級アクションが、劇場版になって蘇った感じがある「忍者」。チープでレトロな感じはそれなりに楽しめたけど、わざわざ劇場まで行こうという物好きは少ないのか、日曜の夕方にもかかわらず、他に客はいなかった。久々の映画館貸切状態でのびのび見れました。 【ストーリー】 ウイルスを破壊する画期的なワクチンが日本の科学者、菊池博士によって発明…
天才的な現代芸術か、人気ミュージシャンが映画という題材をひねっただけのこけおどしなのか、判断がつきにくかった「ダフトパンク エレクトロマ」。ダフトパンクというミュージシャンは初めて知ったけど、斬新な構成には唸らせられた。 【ストーリー】 人間になりたい2体のロボットが荒野を進む。
ディズニーの新作アニメですが、大人の事情で上映館が激減。せっかくのいい作品で、最近のディズニーものでは上位に入るのにもったいない。機会があればどうぞ。 作品情報 2021年 アメリカ映画アニメ 監督:ドン・ホール、カルロス・ロペス・エストラーダ 声の出演(吹き替え):吉川愛、高乃麗、森川智 上映時間:108分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:イオンシネマ茅ケ崎 2021年劇場鑑賞31本
1950年代のフランスの名画「モンパルナスの灯」。貧苦のうちに死んだ画家モジリアニの伝記映画だけど、今からするとスローテンポなところがあわない。 【ストーリー】 1917年、アル中で売れない画家のモジリアニ(ジェラール・フィリップ)は、美しい娘ジャンヌ(アヌク・エーメ)と運命的な出会いをする。愛人関係にあったベアトリス(リリー・バルマー)と別れるが、結婚をジャンヌの両親に反対される。駆…
文革終了後の中国の田舎町に生きる家族を描いた「孔雀〜我が家の風景」。ドラマティックに盛り上がるわけでもないのに、見終わったあと、心にズンと来る良作でした。 【ストーリー】 文革が終了して、自由を感じられるようになった1970年代後半の中国。田舎町に住む少女ウェイホン(チャン・チンチュー)は、単調で退屈な毎日や、口うるさい母(ファオン・メイイン)、知恵遅れの兄ウェイクオ(ファン・リー)…
人工尾ヒレで病気のイルカを助けた実話を基にした「ドルフィンブルー」。沖縄の海とイルカに癒されるのはいいけど、人間パートがダメダメ。夏だし、筋は気にしないでイルカの可愛さを見ていたほうが正解かも。 【ストーリー】 沖縄の美ら海水族館に新任の獣医、植村(松山ケンイチ)が赴任した。最初は飼育係(坂井真紀、池内博之ら)の雑用ばかりやらされて腐るが、課長(利重剛)からイルカの生態を知るにはデータ…
シンガポールのホラーを始めてみた「冥土」。「アパートメント」に続いてアジアホラーの連発だけど、最近みたホラーでは一番怖かった。 【ストーリー】 旧暦7月のシンガポール。華僑の間では、この月は冥土の門が開き、この世に未練や恨みを残した亡霊が現れると伝わっている。 フィリピンから弟の病気代を稼ぐため、シンガポールにメイドとして働きに来たローサ(アレッサンドラ・ロッシ)。住み込み先の中…
9時56分になると住人から死者が出るという怪奇現象を扱った韓国ホラー「アパートメント」。はっきりいって怖くないし、筋も苦しかったけど、韓国ホラー独特の静的な描写はなかなかのもの。 【ストーリー】 OLのセジン(コ・ソヨン)は向かいの団地「幸福アパート」の明かりが午後9時56分になると一斉に消えることに不思議に思う。翌朝、アパートで自殺した住人が発見される。その晩、帰宅途中のセジンは地下鉄…
「死にたくなければテンション上げろ」の言葉通り、テンションが上がりっぱなしだった「アドレナリン」。こういう真面目に最初から最後までバカやっている映画って案外好きなんです。 【ストーリー】 ロスの殺し屋チェリオス(ジェイソン・ステイサム)は、対立していたリッキー(ホセ・パブロ・カンティージョ)に襲われ、中国製の毒を打たれる。ほっておけば1時間で死んでしまう。 体内にアドレナリンが出…
ある犯罪をめぐり、登場人物が次々と異なる証言をして、見るものを混乱に陥れる「ダウト」。古くは黒澤明の「羅生門」があるし、設定はよくあるのだが、張り巡らした伏線とテレビドラマの「24」のように刻一刻と変わる状況がサスペンスをもり上げてくれた。 【ストーリー】 野心家で次期市長を狙う検事のフォード(レイ・リオッタ)は深夜、部下で恋人の検事補ノラ(ジョリーン・ブラロック)が自宅で男性アイザック(…
浅野忠信が主演する映画といえば、言葉に言い表せないが、いわゆるサブカル、アートの雰囲気漂うもの。アジアの俊英が集まって作った「インビジブル・ウェーブ」も、まさにそんな作品で睡魔との闘いだった。 【ストーリー】 香港の料理人、キョウジ(浅野忠信)はボス(トゥーン・ヒランヤサップ)の妻(久我朋乃)と不倫をしていた。ボスはキョウジに妻を殺してタイのプーケットで暮らすよう命令する。 キョ…
実際の選挙の裏側までカメラが入り込んだノンフィクション映画「選挙」。もうすぐ参院選だけど、これは非常に良く出来た映画であり、投票前にぜひ見ていただきたい作品だった。 【ストーリー】 2005年秋、川崎市宮前区では参院補選、市長選、市議補選のトリプル選挙が行われた。切手コイン商の山内和彦(40)は自民党の公募に受かり、市議補選に立候補する。選挙にまったく素人の山内は、民主、共産などのライ…
金沢を舞台に謎めいた美少女がおりなす復讐劇「吉祥天女」。鈴木杏の演技力は見事だったが、原作を読んでいないからか、ストーリーがよく分からなかった。 【ストーリー】 天女の子孫だといわれる金沢の名家、叶家。その末裔の美少女、小夜子(鈴木杏)が十数年ぶりに金沢へ戻ってきた。転校先の高校には、叶家の財産を狙う遠野家の暁(深水元基)と、義理の弟の涼(勝地涼)がいた。衰退する叶家を守るには、小夜子は…
マジックにとり憑かれた2人の男の宿命の対決を描いた「プレステージ」。複雑な入れ子構造とアンフェアギリギリのトリックで、途中で理解不能になる人も多く、世評は割れているけど、メタミステリー好きなら十分楽しめる逸品です。 【ストーリー】 19世紀末のロンドンは2人の有名なマジシャンが対立していた。「偉大なるダントン」ことロバート・アンジャー(ヒュー・ジャックマン)、「プロフェッサー」ことアルフ…
大林宣彦監督が往年の名作をセルフリメイクした「転校生〜さよならあなた」。映画の出来としては微妙だけど、80年代の尾道3部作のファンには絶対オススメ。 【ストーリー】 両親の離婚を機に、尾道から母(清水美砂)の生まれ故郷である長野に戻ってきた斎藤一夫(森田直幸)。長野は幼いころに住んだことがあり、転校先のクラスで幼馴染の斎藤一美(蓮佛美沙子)と再会する。 裏山にある思い出の場所、さび…
溝口映画の遺作「赤線地帯」は、遊郭を舞台に現代でも通じる男と女の哀しさとこっけいさを描いている。黛敏郎の電子音楽を使った奇怪なBGMも印象的。 【ストーリー】 売春防止法が国会で議論されている昭和30年の東京・吉原の特飲店(今のソープランドのような店)「夢の里」。強欲な主人夫婦(進藤英太郎、沢村貞子)のもと、病気で失業中の夫を養うために働くハナエ(木暮美千代)、美少女だが男を騙して金を貢…
今回、札幌で上映された溝口作品8本の中で、唯一気に入らなかったのが「お遊さま」。いくら50年前の作品とはいえ、主役達の心理が理解不能だった。 【ストーリー】 京都の商家の跡取り慎之助(堀雄二)は見合い前に偶然、見合い相手の一行に出くわす。その中のお遊(田中絹代)に一目ぼれするが、見合い相手は妹のお静(乙羽信子)だった。お遊はバツイチ子持ちで、慰謝料で遊び歩いており、当時の常識からすると…
ベテラン降旗康男監督に、最近ノッている妻夫木聡の主演、そしてベストセラー作家浅田次郎原作と、それぞれのパーツは豪華なのにまとめてみたら今一つだった「憑神」。妻夫木クンは女性共演者がしっかりしていないとダメなのだろうか。 【ストーリー】 幕末、貧乏旗本の次男坊、彦四郎(妻夫木聡)は養子先を離縁され、兄左兵衛(佐々木蔵之助)に養ってもらういじけた生活を送っていた。ある日、昌平坂学問所のラ…
タイトル通り、カトリーヌ・ドヌーヴ、エマニュエル・ベアールらフランスの錚々たる女優陣が輝かんばかりの演技を見せ付けた「輝ける女たち」。男の身からすれば、ちょっとこのノリにはついていけないな、という感じでした。 【ストーリー】 南仏ニースのキャバレー「青いオウム」のオーナー、ガブリエル(クロード・ブラッスール)が急死した。息子同様に生活していたニッキー(ジェラール・ランヴァン)は自分が…
在宅医療で人の終末期を考える大変まじめな作品。高橋伴明監督の人脈か意外と渋い役者がでています。 作品情報 2020年 日本映画 監督:高橋伴明 出演:柄本佑、坂井真紀、奥田瑛二 上映時間:112分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:シネスイッチ銀座 2021年劇場鑑賞30本
上田秋成の怪談集「雨月物語」の中から、溝口健二が「浅芽が宿」「蛇性の淫」をもとに制作した。仕事よりも愛というメッセージが受け取られる本作は、ある意味「近松物語」より、現代にも通用する話しなのかもしれない。 【ストーリー】 戦国時代、琵琶湖畔で農業をしながら陶器を作っている源十郎(森雅之)は妻宮木(田中絹代)や幼い子供のために必死に働いていた。弟の藤兵衛(小沢栄)は武士になって立身出世…
黒澤明、小津安二郎と並ぶ日本映画の名匠溝口健二。黒澤、小津はDVDで何度も見たことがあるが、溝口だけは縁がなかった。それが札幌のシアターキノで溝口の特集が始まり、初めてその幽玄の世界に浸れることができた。 【ストーリー】 江戸時代、不倫で駆け落ちすれば磔の厳しい刑罰が待っていた。京の裕福な大経師以春(進藤栄太郎)は金にも女にも汚い暴君だった。後妻のおさん(香川京子)は実家の借金を頼も…
10年前に一世を風靡したインド映画のスーパースター、ラジニカーントが帰ってきた。正式題名は「ラジニカーント★チャンドラムキ/踊る! アメリカ帰りのゴーストバスター」というこの作品は、アクション、ホラー、ラブコメ、ミュージカル、家族愛などあらゆる要素がてんこ盛りの2時間40分。メインテーマの「リピーテ!」というフレーズが頭にこびりついて離れません。 【ストーリー】 久しぶりにインドに戻った…
中国の陶器の映画かと思ったら、中国残留孤児を取り上げた真面目な映画だった「ひいろ」。その生真面目さすぎるところが多少鼻についたけど、良心的な作品だった。 【ストーリー】 上海の大学生、彩陽(小崎さよ)は祖母が危篤になったさい、自分の父が日本人の残留孤児であることを知る。本当の祖母加藤せつ(南田洋子)に会って、自分達が生きていることを知らせるため、日本に短期留学する。 右も左も分か…
在日英国人のジョン・ウィリアムス(スターウォーズの作曲者とは別人)が、英国の名作「不思議な国のアリス」と日本の怪談をミックスして作った「スターフィッシュホテル」。幻想的な雰囲気にはまれるかどうかだけど、1回見ただけじゃ分かりにくい。 【ストーリー】 平凡な会社員有須(佐藤浩市)の楽しみは人気ミステリ作家黒田(串田和美)の小説を読むことだった。ある日、妻ちさと(木村多江)が失踪する。必…
ジュディ・デンチとケイト・ブランシェットという新旧2大女優の共演が見事だった「あるスキャンダルの覚え書き」。90分余の小品だけど、人間のドロドロとした底意地の悪さを手堅い演技で表現した2人はたいしたものだ。 【ストーリー】 労働者階級の中学校に勤めるバーバラ(ジュディ・デンチ)は定年前の老教師。生徒には厳格で、他の教師からも一目置かれている。ここに、美術教師シーバ(ケイト・ブランシェット…
難病もの+長澤まさみということで、見る前から見た気になってしまった「その時は彼によろしく」。実は、そんな単純なオチではなかったのだけど、突っ込みどころ満載のふわふわした甘たるいお菓子のような作品でした。 【ストーリー】 水草店「トラッシュ」の店長、智史(山田孝之)は対人関係が苦手な青年。ある日、トップモデルの鈴音(長澤まさみ)が姿を現し、強引に店に泊り込む。 しばらくして、彼女が…
お気に入りの監督、キム・ギドクの作品となれば最初から身構えてしまうが、その中でも飛びぬけた実験作だったのが「リアル・フィクション」。最初から最後まで緊張したまま画面に見入ってしまって、見た後ぐったり疲れた。そのうえ、帰宅後フジテレビ系のドラマ「わたしたちの教科書」を見たもんだから…。 【ストーリー】 僕(チュ・ジンモ)はソウルのマロニエ公園で肖像画を描く売れない画家。ショバ代をヤクザ(…
韓国の鬼才、キム・ギドク監督の未公開映画特集第二弾で「ワイルドアニマル」を見た。ギドクが若いころ放浪したパリを舞台に、良く出来た映画だったが、彼の作品にしてはまとまりすぎていた気がした。 【ストーリー】 パリに留学した画家のチョンヘ(チョ・ジェヒョン)は仲間の絵を盗んでは売るなどすっかり堕落した生活を送っている。ある日、密入国した北朝鮮の亡命兵士ホンサン(チャン・ドンシク)の荷物を騙…
トルコ音楽のロードムービーという触れ込みで、昨年の「ロードムービー」の傑作、「太陽に恋して」のファティ・アキン監督だから、爽やかな恋愛ドラマだと思ったら、何とトルコ音楽のドキュメンタリーだった。これは驚きました。
ノルウェーで1975年に制作された人形アニメ映画「ピンチクリフグランプリ」。ノルウェーは30年以上たった今でも観客動員記録を守っている名作だそうだ。 【ストーリー】 田舎の小さな村ピンチクリフの郊外の丘のうえに住む発明家兼自転車修理工のレオドルは、助手でアヒルのソランと、気の弱いハリネズミのルドビグと暮らしていた。ある日、レオドルの昔の助手で、レーシングカーの設計図を盗み出したアドルフ…
松本人志の「大日本人」と、公開時期も一緒、カンヌにも行った事で、対決が盛り上がっている北野武監督の「監督・ばんざい」。個人的にはこっちの方がお気に入り。 【ストーリー】 ギャング映画を得意とする映画監督キタノ・タケシ(ビートたけし)はギャング映画を二度と撮らないと宣言したが、他にどんな映画をとっていいのか分からない。純愛、小津風、昭和三十年代風、ホラー、SF、時代劇と企画をつぎつぎに…
にらみつけるような女の子の絵で知られているアーティストの奈良美智。彼が故郷の青森県弘前市で開いた大規模な展覧会を軸に追っかけたドキュメンタリー「NARA 奈良美智との旅の記録」を見た。
イタリアが産んだ偉大な芸術家、ルキノ・ヴィスコンティ監督の遺作「イノセント」。クライマックスのせりふに「目をあけて幕引きをしっかり見よ」というのがあるが、まさにヴィンスコンティ自身のフィルモグラフィーとかぶって見えた。 【ストーリー】 19世紀末のイタリア。裕福な貴族トゥリオ(ジャンカルロ・ジャンニーニ)は、貞淑な妻のジュリアーナ(ラウラ・アントネッリ)をほったらかしにしたまま、愛人のテ…
松本人志の初監督作品として話題を呼んだ「大日本人」。従来の映画の枠組みを壊し、コントを大画面でやったもので、一般観客置き去りのシュールな作品なので賛否は分かれるだろう。僕は松本が初監督でこういう作品を撮ったことはすごいと思うが、個人の好みでいえば嫌いだし、映画というジャンルでみるとなってない。 【ストーリー】 大佐藤(松本人志)は、防衛庁の委託を受けて、日本に出現する巨大な獣(怪獣)を…
イタリアの宝石と呼ばれる美人女優、モニカ・ベルッチが主演して、愛とは何かを描いた「ダニエラという女」。最初はちょっと変わったラブストーリーかと思ったけど、終盤は暴走しまくり。フランス映画もあなどれない。 【ストーリー】 高級娼婦が集まるバーの中でもダニエラ(モニカ・ベルッチ)はひときわ美しい。ある日、冴えない中年男のフランソワ(ベルナール・カンバン)がやってきて「宝くじで400万ユーロ…
リメイクが2020年秋クールでやったので、オリジナルのほうもみてみました。世代的にずれるのですが、原作は当時少年だった層には大人気のジャンプ漫画で、ゲームとオリジナルのバランスをうまくとっていました。 【ストーリー】 魔王ハドラー(声・青野武)が倒されて平和になった世界。絶海の孤島デルムリン島ではモンスターが平和に暮らしていたが、そこに1人の人間の赤ん坊が流れ着いた。やがて成長した少年ダイ(…
孤独な中年男がタンゴ教室に通って女性と出会って癒されるという、フランス版「Shall we ダンス?」といった趣きの「愛されるために、ここにいる」。しかし、人生の孤独やほろ苦さを描くのは、邦画やハリウッドよりもはるかにうまい。 【ストーリー】 裁判所の執行官ジャン=クロード(パトリック・シェネ)は50歳を過ぎたが妻と離婚、施設に入っている年老いて気難しい父(ジョエルジュ・ウィルソン)の面倒を一人…
リリーフランキーのベストセラー「東京タワー」はスペシャルドラマ、連続ドラマと続いており、映画までやるのはいい加減おなかいっぱいかとおもったけど、樹木希林の熱演とオダギリジョーの独特の存在感で、しっかりしあがっていた。 【ストーリー】 1960年代の筑豊地帯。若いころのオカン(内田也哉子)は飲んだくれで暴力をふるうオトン(小林薫)に愛想をつかして実家で暮らしていた。小学生のころのボク(…
心に傷を追った人たちが再生する姿をジョン・トラボルタとスカーレット・ヨハンソンで描いた「ママの遺したラブソング」。スカーレットはこの作品で2年前のゴールデングラブ賞候補になっており、じっくり撮れた佳作だけど2年前の作品を何で今上映するのか不思議。 【ストーリー】 フロリダで怠惰な生活を送っていた少女パーシー(スカーレット・ヨハンソン)は母親が死んだとの知らせを受けて、故郷のニューオリ…
ヒュー・グラントとドリュー・バリモアというラブコメ人気俳優同士が初共演した「ラブソングができるまで」。もう少しはじければ良かったのに残念。個人的にはドリューの「50回目のファーストキス」「2番目のキス」の方が面白かった。 【ストーリー】 80年代のヒットグループ「POP」のボーカル兼作曲担当のアレックス(ヒュー・グラント)。今やグループは解散し、ソロ活動をしているが人気は低迷、どさま…
パリをこよなく愛する映画監督たちがあつまって、1編約5分の短編18本を作った「パリ、ジュテーム」。パリのさまざまな断面、大人の恋愛が、掌編ならではの構図でみられて面白かった。
地方都市にいる若者の焦燥感、やるかたのない不満を描いた「松ケ根乱射事件」。発砲事件が多い昨今、刺激的なタイトルであることは間違いない。 【ストーリー】 90年代のお話。雪が積もっている小さな田舎町、松ヶ根町で、車にはねられた女性みゆき(川越美和)が倒れていた。検視に立ち会った警官の鈴木光太郎(新井浩文)の見ている前で、みゆきは息を吹き返し、訳アリの男、西岡(木村佑一)のもとに帰ってい…
予告編では、遠藤憲一扮する化け物が「ア、ラ、ラ、ラ、ラ…」とつぶやくセリフが印象に残っているが、映画の出来そのものも「ア、ラ、ラ、ラ、ラ…」だった。 【ストーリー】 この宇宙には最強の金属オリハルコンがあり、地球に落下した。オリハルコンは3つに分かれ、「大帝の剣」「闘神の独杵鈷」「ゆだの十字架」の3種の神器になっていた。 江戸時代初期、「大帝の剣」を持つ大男の浪人、万源九郎(阿部…
90歳越えてもなお現役監督として、昨年「犬神家の一族」を公開した市川崑監督。かれのドキュメンタリーを「リリイシュッシュのすべて」の日本映画の俊英、岩井俊二が撮影したとなれば、映画ファンとしては見過ごすわけにはいくまい。
ロッキーシリーズは1作目を大昔見ただけ。最近のスタローンというだけで、「ちょっと勘弁」となってしまう。ところが、ロッキーシリーズ最終作「ロッキー・ザ・ファイナル」は素直に感動しました。オススメの逸品です。 【ストーリー】 伝説のチャンピオン、ロッキー(シルベスタ・スタローン)も50歳を越えた。愛する妻エイドリアン(タリア・シャイア)を数年前になくし、生まれ育ったフィラデルフィアの下町で…
数々の映画賞を受賞し、菊地凛子がオスカーにノミネートされた「バベル」の上映を前に、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥの小特集が札幌郊外の映画館で行われている。まず、4年前の意欲作「21グラム」を見た。 【ストーリー】 重い心臓病で余命1カ月の大学教授ポール(ショーン・ペン)に妻、メアリー(シャルロット・ゲンズブール)は人工授精で子供が欲しいと迫る。 前科者のジャック(ベニチオ・…
「上海の伯爵夫人」「プロミス」など海外映画への進出を着実に進めている真田広之。新作の「サンシャイン2057」はイギリスの鬼才ダニー・ボイル監督(「トレインスポッティング」「ザ・ビーチ」)のSF映画で、共演もキリアン・マーフィー(「麦の穂をゆらす風」「プルートで朝食を」)、ミシェル・ヨーら国際色豊か。作品もいかにも英国のSFぽい話だった。 【ストーリー】 西暦2057年、太陽の力が弱ま…
統一地方選の真っ最中、時節柄ふさわしい「オール・ザ・キングスメン」を見にいった。政治家の原点が何か深く考えさせられた。日米とも興行成績は芳しくないが、一人でも多くの有権者に見てもらい作品だった。 【ストーリー】 1950年代の米ルイジアナ州。郡の出納係ウィリー(ショーン・ペン)は賄賂をもらって手抜き工事をした上司を告発するが、逆に職場を追われてしまう。それでも不正を追及するウィリーに…
香港黒社会の実情を描いたジョニー・トー監督の「エレクション」。登場人物の区別がつかないうえ、題材の割りにはなかなか盛り上がらず淡々と流れており、不思議に思っていたら香港では「エレクション2」というのがあって、そちらの方の序章みたいなものだそうだ。ぜひ、「エレクション2」と一挙公開してほしい。 【ストーリー】 香港の黒社会(暴力団)で最大の組織、「和連勝会」は2年に1度、会長を幹部の選…
「氷の微笑」「ロボコップ」などで知られるパール・ヴァーホーヴェン監督が故郷のオランダに帰り、第二次大戦中の愛と裏切りを描いた「ブラックブック」。オランダ映画史上最高の制作費をかけたそうだが、ストーリー上の多少の穴もなんのその。勢いで押し切るのはさすがヴァーホーヴェン。 【ストーリー】 第二次大戦中のオランダ。ユダヤ人の女性歌手、ラヘル(カリス・ファン・ハウテン)は、安全地域に逃げよう…
最近、あちこちで見る大森南朋初主演映画の「キャッチボール屋」。いかにもありそうだけど実はどこにもない、現代の御伽噺のようなまったりした話でした。 【ストーリー】 会社をリストラされたタカシ(大森南朋)は故郷に戻って、高校時代の野球部仲間と飲んで泥酔。初恋の女の子に告白するため、酔った勢いで東京へ行く。気づくと公園のベンチで寝ていた。 目の前では「10分100円 キャッチボール屋…
予告編をみたときに、子役のあまりにも演技してますという力みと、滑舌の悪さが気になり、それほど期待せずにみた「バッテリー」。見終えるとどの子役も野球少年にぴったりで、爽やかな気分になれる青春映画ど真ん中だった。 【ストーリー】 天才投手の巧(林遣都)の一家は中学入学前の春休み、岡山県の田舎の祖父(菅原文太)の家に引っ越す。弟の青波(鎗田晟裕)のぜんそくがひどく療養もかねていた。野球に打…
長い間待っただけある、見ごたえ十分の完結編。日本のサブカルチャーにとって一つの区切りがついたのかもしれません。僕も年をとったなあ。 作品情報 2020年 日本映画アニメ 総監督:庵野秀明 声の出演:緒方恵美、林原めぐみ、宮村優子 上映時間:155分 評価★★★★★(五段階) 観賞場所:109シネマズ港北 2021年劇場鑑賞29本
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韓国のホラー短編集。5つの短編と各話の終了ごとに短く流れる不気味なオカルト教団の話の全部で6話からなり、一応、6作はつながっている設定で、1つ1つは良くも悪くもないのですが、わかりにくい。5つの短編は完全にホラーとしての方向がバラバラなので、無理に一つの話にまとめなくても良かったのでは。 作品情報 2023年韓国映画 監督:チェ・ウォンギョン 出演:キム・チェウン、チョン・ジュンウォン、クォン…
2017年のタイ映画のハリウッドリメイク。ベースは一緒ですが、金持ちがより金持ちなアメリカの現状にあった形に改変されています。ラストもいかにもアメリカ映画っぽい。 作品情報 2024年アメリカ映画 監督:J・C・リー 出演:カリーナ・リャン、ジャバリ・バンクス、ベネディクト・ウォン 上映時間97分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:Tジョイ品川 2025年劇場鑑賞246本
劇団☆新感線の話題の舞台を映画館で上映する「ゲキ×シネ」の最新作。昨年秋に話題を呼んだ、鎌倉幕府滅亡をモチーフにした架空の日本のアクション時代劇です。 作品情報 2025年日本映画 演出:いのうえひでのり 出演:生田斗真、中村倫也、西野七瀬 上映時間185分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:Tジョイ品川 2025年劇場鑑賞245本
アメリカの黒人差別の歴史と音楽の歴史をモチーフにした大傑作のホラー映画。鑑賞後、考察サイトを読めば読むほど奥の深さに感動します。ネタバレあり(といってもあらかた知られていますが)のレビューですので、観たい方は事前情報なしでまず鑑賞を…。 作品情報 2025年アメリカ映画 監督:ライアン・クーグラー 出演:マイケル・B・ジョーダン、マイルズ・ケイトン、ヘイリー・スタインフェルド 上映時間137分 …
ニューヨークの救急隊の過酷な現状をリアルで陰鬱なタッチで描いた社会派映画。アメリカで救急隊員の自殺が社会問題になっているというのもわかります。 作品情報 2023年アメリカ、イギリス映画 監督:ジャン=ステファーヌ・ソヴェール 出演:ショーン・ペン、タイ・シェリダン、キャサリン・ウォーターストン 上映時間125分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:ヒューマントラストシネマ有楽町 2025年劇場鑑賞24…
モノクロの移民映画というと、「ラ・コシーナ 厨房」で観たばかり。本作のほうが登場人物の行動が理解でき、非常に静かなタイプのヒューマンストーリーでした。 作品情報 2023年アメリカ映画 監督:ババク・ジャラリ 出演:アナイタ・ワリ・ザダ、グレッグ・ターキントン、ジェレミー・アレン・ホワイト 上映時間91分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:ヒューマントラストシネマ有楽町 2025年劇場鑑賞242本 …
毒親、貧困の女子大生2人を描いたシスターフッド映画。宗教シーンなど唐突に感じられるところもありますが、抑制されて淡々とした雰囲気がたまらない感じの傑作です。 作品情報 2025年日本映画 監督:井樫彩 出演:南沙良、馬場ふみか、本田望結 上映時間115分 評価:★★★★★(五段階) 観賞場所:109シネマズ港北 2025年劇場鑑賞241本
傷ついた一家が、偶然、市民劇団に参加したことで癒されて行く物語。ノースターでちょっとごつごつしている展開ですけど、じんわりくる小品でした。 作品情報 2024年アメリカ映画 監督:ケリー・オサリヴァン、アレックス・トンプソン 出演:キース・カプファラー、ドリー・デ・レオン、キャサリン・マレン・カプフェラー 上映時間115分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:ローソンユナイテッドシネマみなとみら…
日本ではすっかりブームの落ち着いたF1ですが、本作はまさにテンションバク上がりで、レースシーンに血沸き肉踊ります。王道的なストーリーに、ギンギンのBGMそして迫力ある映像と大満足の作品でした。 作品情報 2025年アメリカ映画 監督:ジョセフ・コシンスキー 出演:ブラッド・ピット、ダムソン・イドリス、ケリー・コンドン 上映時間155分 評価:★★★★★(五段階) 観賞場所:ローソンユナイテッドシネマみ…
オーストラリアの鬼才、アダム・エリオット監督が8年がかりで制作したクレイアニメ。一人の女性の数奇な運命をブラックユーモアたっぷりに描いています。 作品情報 2024年オーストラリア映画 監督:アダム・エリオット 声の出演:セーラ・スヌーク、コディ・スミット=マクフィー、マグダ・ズバンスキー 上映時間94分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:キノシネマみなとみらい 2025年劇場鑑賞238本
アン・ジュングン(安重根)による伊藤博文暗殺を描いた歴史サスペンス。韓国では大ヒットしたそうですが、僕からすると作品自体は普通という感じでしょうか。 作品情報 2024年韓国映画 監督:ウ・ミンホ 出演:ヒョンビン、パク・ジョンミン、リリー・フランキー 上映時間114分 評価:★★★(五段階) 観賞場所:キノシネマみなとみらい 2025年劇場鑑賞237本
人間の欲望や心の暗部を描いた韓国映画。ラストはハッピーエンドかバッドエンドかは観る人によってことなりそうだけど、ある種のフェチズムの理想かもしれません。 作品情報 2024年韓国映画 監督:キム・デウ 出演:ソン・スンホン、チョ・ヨジョン、パク・ジヒョン 上映時間115分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:キノシネマみなとみらい 2025年劇場鑑賞236本
単純な犯罪のはずが思わぬハプニングで二転三転していく様子を、伏線はりまくりの脚本で描いたサスペンス。ちょっとチートな武器もでてくるとはいえ、俳優たちの巧みな演技で最後まで楽しませてくれました。 作品情報 2025年日本映画 監督:堀江慶 出演:三浦りょう太、浅川梨奈、石田明 上映時間114分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:川崎チネチッタ 2025年劇場鑑賞235本
コロナ禍で学校生活が制限された天文部員たちが、夢や希望をかなえようともがく青春ストーリー。さわやかさに心をうたれますが、ちょっと話を詰め込みすぎた感じも。 作品情報 2025年日本映画 監督:山元環 出演:桜田ひより、水沢林太郎、岡部たかし 上映時間126分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:川崎チネチッタ 2025年劇場鑑賞234本
ダニー・ボイルが携わる28時間後、28日後に続くシリーズ3部作の3作目。ゾンビ映画というよりは、少年の成長を描いたアドベンチャー映画という印象です。でも、前半の感染者が襲ってくるかの怖さはなかなかのもの。 作品情報 2025年イギリス映画 監督:ダニー・ボイル 出演:アルフィー・ウィリアムズ、ジョディ・カマー、アーロン・テイラー=ジョンソン 上映時間115分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:川崎チネ…
テレビアニメと違い、原作よりのダークな雰囲気を漂わせる映画「LUPIN THE IIIRD THE MOVIE」シリーズの第5作。僕は過去作を観ていなかったので、あまりにもダークでホラーな感じにびっくりしました。 作品情報 2025年日本映画アニメ 監督:小池健 声の出演:栗田貫一、大塚明夫、片岡愛之助 上映時間93分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:川崎チネチッタ 2025年劇場鑑賞232本
序盤はご都合主義のありがちなキラキラ青春映画で、途中退席しようかと思うくらいイライラしましたが、さすがは「ヒロイン失格」などの幸田もも子原作とあり、途中から確変。そつなく作品をまとめました。ただ、僕の鑑賞後、同キャストでドラマ化も発表され、なんのために入場料を払ったのかというがっかり感も。 作品情報 2025年日本映画 監督:松田礼人 出演:畑芽育、大橋和也、木村慧人 上映時間102分 評価:…
人がいっぱい死ぬアニメは苦手ですしテレビシリーズが長いと途中で挫折しまうので、本作や鬼滅の刃の劇場版は自分から観に行く気はないのですが、娘がファンなので一緒に行ってきました。 作品情報 2025年日本映画アニメ 監督:御所園翔太 声の出演:中村悠一、櫻井孝宏、永瀬アンナ 上映時間111分 評価:★★★(五段階) 観賞場所:109シネマズ湘南 2025年劇場鑑賞230本
2017年にたった一人で7年がかりで制作され、狂気のストップモーションアニメといわれた「JUNK HEAD」の続編。 キモ可愛い独創的なクリーチャーたちに度肝を抜かれつつ、壮大なスケールに唖然とします。一度では理解しきれなかったのでもう一度観に行こうかな。 作品情報 2025年日本映画アニメ 監督:堀貴秀 出演:松岡草子、杉山雄治、三宅敦子 上映時間105分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:川崎チネチッタ …
雰囲気は良いんだけど脚本ががばがばで、最後夢オチかと思ったほど。でも、がばがば過ぎて内心突っ込みながら観られたので、そこそこ楽しめました。 作品情報 2024年韓国映画 監督:イ・ヨソプ 出演:カン・ドンウォン、イ・ムセン、イ・ミスク 上映時間99分 評価:★★★(五段階) 観賞場所:川崎チネチッタ 2025年劇場鑑賞228本
ブログにアップするのを忘れてました。上半期のベスト10です。今年も秀作ぞろいでした。例年に比べてハリウッドを含め割と有名どころが上位に入りました。格差、貧困をテーマにした作品や国際情勢のドキュメンタリーが上位に入っているのも今年の特徴です。 ブログ村のランキングです。よかったらポチッと押してください
1940年、撃沈した敵船の乗組員を救助した潜水艦の実話。イタリアの戦争映画はこれまで観たことがなかったので興味深かった。 作品情報 2023年イタリア、ベルギー映画 監督:エドアルド・デ・アンジェリス 出演:ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ、マッシミリアーノ・ロッシ、シルヴィア・ダミーコ 上映時間121分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:イオンシネマ座間 2024年劇場鑑賞249本
韓国の月面着陸を描いたSFスペクタクル大作。韓国人の自国上げはすごいけれど、月でのCGは割とよくできているのに、地上でのイノシシのCGがとてもチャチというアンバランスは笑えました。 作品情報 2023年韓国映画 監督:キム・ヨンファ 出演:ソル・ギョング、ド・ギョンス、キム・ヒエ 上映時間129分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:109シネマズグランベリーパーク 2024年劇場鑑賞248本
性暴力を扱って話題の作品で、関連シーンは男の僕が観ても吐き気がするほど不愉快でした。さらに、原作からかもしれませんが、男は暴力的、女は被害者と単純な二元論に落とし込んでいるのも不快。一連の騒動も踏まえて、今年ぶっちぎりのワーストです。 作品情報 2024年日本映画 監督:三木康一郎 出演:奈緒、猪狩蒼弥、風間俊介 上映時間116分 評価:★(五段階) 観賞場所:109シネマズ川崎 2024年劇場鑑賞…
若きクリエイターの情熱と挫折を描いているのですが、「ルックバック」と同時期の公開は痛かった。3Gキャラにもはまれず、眠気との戦いでした。 作品情報 2024年日本映画アニメ 監督:ぽぷりか 声の出演:花江夏樹、伊瀬茉莉也、内田雄馬 上映時間68分 評価:★★(五段階) 観賞場所:川崎チネチッタ 2024年劇場鑑賞246本
マイアミの黒人刑事コンビを主人公にした人気シリーズ第4弾。1作目は1995年なんですが、僕はシリーズ初見。ストーリーは突っ込みどころ満載でしたけど、アクションは工夫していて面白かった。 作品情報 2024年アメリカ映画 監督:アディル・エル・アルビ、ビラル・ファラー 出演:ウィル・スミス、マーティン・ローレンス、ジェイコブ・スキピオ 上映時間115分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:Tジョイ品川プ…
アレクサンダー・ペイン監督作品らしい、1970年の全寮制学校を舞台にした心温まるヒューマンドラマ。まんべんなくよくできた秀才型の作品といえましょう。 作品情報 2023年アメリカ映画 監督:アレクサンダー・ペイン 出演:ポール・ジアマッティ、ダヴァイン・ジョイ・ランドルフ、ドミニク・セッサ 上映時間133分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネマズシャンテ 2024年劇場鑑賞244本
韓国の名優2人によるホラー。最後まで科学で分析できるのか、それとも超常現象なのかどちらともとれますが、僕は超常現象派でしょうか。今年みたホラーの中ではお気に入りの部類です。 作品情報 2023年韓国映画 監督:ユ・ジェソン 出演:チョン・ユミ、イ・ソンギュン、キム・グムスン 上映時間94分 評価:★★★★★(五段階) 観賞場所:川崎チネチッタ 2024年劇場鑑賞243本
台湾映画の名作の日本リメイクですが、ラストが記憶と全然違っていて、あらためて台湾版のあらすじをネットで確かめました。オリジナルファンとしては日本版の解釈にはがっかり。主人公たちを高校生でなくて大学生にしたのも大人の事情というやつでしょうか。 作品情報 2024年日本映画 監督:河合勇人 出演:京本大我、古川琴音、横田真悠 上映時間114分 評価:★★★(五段階) 観賞場所:川崎チネチッタ 2024年…
音を立てると襲ってくる宇宙人の恐怖を描いた人気ホラーの第3弾。過去2作の主役だったエミリー・ブラントは登場せず、宇宙人が地球を襲撃した当日のニューヨークのパニックをキャストを一新して描いています。 作品情報 2024年米国映画 監督:マイケル・サルノスキ 出演:ルピタ・ニョンゴ、ジョセフ・クイン、アレックス・ウルフ 上映時間100分 評価:★★★(五段階) 観賞場所:ブルク13 2024年劇場鑑賞241本…
1999年のタイを舞台に、それまでずっと一緒だった双子の女子中学生が、初恋に落ちたことで大人への階段を上っていく物語。タイの田園風景は異国なのにどこか懐かしく、切なく悶え死にそうなストーリーとともに、僕の心に突き刺さりました。 作品情報 2023年タイ映画 監督:ワンウェーウ・ホンウィワット、ウェーウワン・ホンウィワット 出演:ティティヤー・ジラポーンシン、アンソニー・ブイサレート、スパクソーン・…
韓国の名匠、ホン・サンス監督の新作で、彼の作品で初めて寝ないでみられた。体調を整えて臨んだかいがありました(笑)。 作品情報 2022年韓国映画 監督:ホン・サンス 出演:クォン・ヘヒョ、イ・ヘヨン、ソン・ソンミ 上映時間97分 評価:★★★(五段階) 観賞場所:シネマジャック&ベティ 2024年劇場鑑賞239本
父親を事故で失った高校生の喪失感と行き場のない怒りを描いたフランス映画。高校生はゲイでベッドシーンも多く、さすがフランスの高校生は進んでいると本筋とは若干ずれたことを思ってみていました。 作品情報 2022年フランス映画 監督:クリストフ・オノレ 出演:ポール・キルシェ、ジュリエット・ビノシュ、ヴァンサン・ラコスト 上映時間122分 評価:★★(五段階) 観賞場所:シネマジャック&ベティ 2024…
チェンソーマンの藤本タツキの短編漫画を、押山清高が監督、脚本、キャラクターデザインを1人で手掛けてアニメ化。創作者にとって非常にエモい作品で世評が高いのがわかるのですけど、特典で配られた漫画と登場人物の苗字が違うのはなぜだろう。 作品情報 2024年日本映画アニメ 監督:押山清高 声の出演:河合優実、吉田美月喜 上映時間58分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:109シネマズ川崎 2024年劇場鑑…
M・ナイト・シャマランの娘のイシャナ・ナイト・シャマランの監督デビュー作で、父親は制作に回ってます。作風はかなり影響されてると思いました。賛否両論のようですけど、個人的には雰囲気は悪くなかったと思います。ややネタばれの感想を。 作品情報 2024年アメリカ映画 監督:イシャナ・ナイト・シャマラン 出演:ダコタ・ファニング、オルウェン・フエレ、オリヴァー・フィネガン 上映時間102分 評価:★★★…
環境保護のためテキサスの石油パイプラインを爆破させようとする若者たちを描いたサスペンス。アメリカ映画にしては珍しく、テロリストを主人公にした作品です。配給のネオンは「パラサイト 半地下の家族」「逆転のトライアングル」「落下の解剖学」と小規模ながら尖ったラインナップの会社で、さすがの眼力。 作品情報 2022年アメリカ映画 監督:ダニエル・ゴールドハーバー 出演:アリエラ・ベアラー、サッシャ・…
英国のシンドラーと呼ばれ、669人のユダヤ人の子どもを救った実在のエピソードの映画化。「関心領域」「フィリップ」と違って王道的な描き方でした。 作品情報 2023年イギリス映画 監督:ジェームズ・ホーズ 出演:アンソニー・ホプキンス、ジョニー・フリン、ヘレナ・ボナム・カーター 上映時109分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:ヒューマントラストシネマ有楽町 2024年劇場鑑賞234本
柚月裕子原作の警察ミステリーですが、まさかこういう方向にならないよなというよくあるパターンになってしまったのは残念。配役もちょっとネタばれっぽくなってしまって。 作品情報 2023年日本映画 監督:原廣利 出演:杉咲花、萩原利久、安田顕 上映時119分 評価:★★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネマズ川崎 2024年劇場鑑賞233本
10世紀のインドを舞台にした豪華絢爛の史劇「PS1 黄金の河」の続編。全編に比べて派手なアクションが少なかったのが残念。史劇だけあって、史実通りに思わぬ人が途中退場するなどインド古代史を知らない分、驚きはありました。 作品情報 2023年インド映画 監督:マニラトナム 出演:ヴィクラム、ジェヤム・ラヴィ、アイシュ…
90歳でベストセラーエッセイを書いた佐藤愛子を、今年90歳の草笛光子が熱演。タイトルとはうらはらに、年をとっても素敵な生き方ができると実感できるユーモア交じりのヒューマンストーリーでした。 作品情報 2024年日本映画 監督:前田哲 出演:草笛光子、唐沢寿明、真矢ミキ 上映時99分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネマズららぽーと横浜 2024年劇場鑑賞231本