「良太! 次はあれに乗るわよ」 日曜日。さよちゃんと一緒にテーマパークへ。 猫のキャラクターをモチーフにしたコーヒーカップに乗り、次はメリーゴーランドを要求されている。「あらあら、連続で回転系なのね。お姉さん、酔っちゃうかも」「綾瀬部長、馬車でしたら上下
「綾瀬部長! 千香! 聞いてくれ! あの元凶がわかったんだ!」 猛ダッシュで学校へ。さよちゃん家から10分で部室に辿りついた。「あらあら、良太君。お久しぶり。だめよー、部活サボっちゃ」「綾瀬部長、すみませんでした。けど、聞いてください」 ……と、部室を見
「と、ところでさ。新聞部が悪評流されてるって、怒ったんだよね?」「あ、あぁ」 さよちゃんのお母さんが作りだした気まずい空気を嫌ってか、かなり強引な話題転換がきた。「で、それを風紀委員が率先してやっていると思っているわけね」「……まぁ、事実だしな」 せっか
「こ、こんにちわ」「な、な、何であんたがうちにいるのよー! 平井良太!」 目を丸くして驚くさよちゃん。そりゃそうだろう。俺がさよちゃんだったとしたら、どの面下げて来たんだって思う。「平井君って言うのね。せっかく来てくれたんだから、上がっていく?」「あ、い
学校から歩いて15分。 住宅街の一角にあるマンション。この7階にさよちゃんが住んでいるらしい。「お、こっから学校見えるんだ」 マンションの柵の上から南東を眺めると、小さく学校が見える。 今も部室では、きっと千香と綾瀬先輩が新聞を作っているんだろう。 現
「お前、高木のこと知らないのか? 去年生徒会から新聞部を廃部にするように言われた時、必ず更生させると言って、あのコが新聞部の存続を訴えてくれたんだぞ」 何だ? どういうことだ? 何か根本的に話しがズレている気がする。高木さんが新聞部を守ってくれた?「どう
さよちゃんと喧嘩した。 いや、喧嘩ではないな。一方的にこっちが黒い感情をぶつけただけだ。 自室のベッドの上。天井を見つめたまま、今日の出来事を振り返る。「何で、新聞部に対してあんなに熱くなってしまったんだろう」 誰に言うわけでもなく、自問自答する。 何
「なぁ、さよちゃん……いや、高木さん。今まで楽しかったよね? 滑稽な俺を見て」「えっ?!」 高木さんが目を丸くし、驚いた表情を作る。「バカにしてたんだろ? 俺を、そして新聞部を。私の助言を信じ込んでバカなことやってるって」「な、何を言っているの?」 自分
「おねーさん、帰ってきたわ」「えっと……綾瀬部長。何をどうしたら、そんな結果になるんですか?」 風紀委員に無茶な3本勝負を持ちかけに行った綾瀬先輩。 意外に早く部室へ帰ってきた。 何故か、さよちゃんを連れて。「ふふふ、私の提案した3本勝負。風紀委員長に直
「風紀委員長を拉致しましょう」「千香、流石にそれはやりすぎ」 対風紀委員との作戦会議。 風紀委員と争いになるかもしれないが、あくまでそれは手段であり、目的は新聞部の悪評を撤回すること。 まず、どうすれば新聞部の悪評が撤回されるのかを考えなければならない。
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