2014年1月
「良太! 次はあれに乗るわよ」 日曜日。さよちゃんと一緒にテーマパークへ。 猫のキャラクターをモチーフにしたコーヒーカップに乗り、次はメリーゴーランドを要求されている。「あらあら、連続で回転系なのね。お姉さん、酔っちゃうかも」「綾瀬部長、馬車でしたら上下
「綾瀬部長! 千香! 聞いてくれ! あの元凶がわかったんだ!」 猛ダッシュで学校へ。さよちゃん家から10分で部室に辿りついた。「あらあら、良太君。お久しぶり。だめよー、部活サボっちゃ」「綾瀬部長、すみませんでした。けど、聞いてください」 ……と、部室を見
「と、ところでさ。新聞部が悪評流されてるって、怒ったんだよね?」「あ、あぁ」 さよちゃんのお母さんが作りだした気まずい空気を嫌ってか、かなり強引な話題転換がきた。「で、それを風紀委員が率先してやっていると思っているわけね」「……まぁ、事実だしな」 せっか
「こ、こんにちわ」「な、な、何であんたがうちにいるのよー! 平井良太!」 目を丸くして驚くさよちゃん。そりゃそうだろう。俺がさよちゃんだったとしたら、どの面下げて来たんだって思う。「平井君って言うのね。せっかく来てくれたんだから、上がっていく?」「あ、い
学校から歩いて15分。 住宅街の一角にあるマンション。この7階にさよちゃんが住んでいるらしい。「お、こっから学校見えるんだ」 マンションの柵の上から南東を眺めると、小さく学校が見える。 今も部室では、きっと千香と綾瀬先輩が新聞を作っているんだろう。 現
「お前、高木のこと知らないのか? 去年生徒会から新聞部を廃部にするように言われた時、必ず更生させると言って、あのコが新聞部の存続を訴えてくれたんだぞ」 何だ? どういうことだ? 何か根本的に話しがズレている気がする。高木さんが新聞部を守ってくれた?「どう
さよちゃんと喧嘩した。 いや、喧嘩ではないな。一方的にこっちが黒い感情をぶつけただけだ。 自室のベッドの上。天井を見つめたまま、今日の出来事を振り返る。「何で、新聞部に対してあんなに熱くなってしまったんだろう」 誰に言うわけでもなく、自問自答する。 何
2014年1月
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