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ゆず
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桶川市
出身
那覇市
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2013/07/23

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  • 【怖い話】気のせい

    新東名の森掛川インターを降りた先に南アルプスの緑が拡がっている。目的地はとある滝。当時私たち夫婦はパワースポットをめぐる旅に凝っていて、その滝も隠れパワースポットとして深夜ラジオで紹介されていたものだった。夫は学生の頃から深夜ラジオ視聴を趣味にしている。社会人になってから深夜にリアルタイム視聴することが難しくなっても、動画投稿サイトなどにアップロードされているラジオ番組を聴いていた。最近じゃ私も面白いものを教えてもらっていくつか一緒に視聴している。その滝を紹介していた番組もアップロードされたラジオ番組のひとつだった。午前10時過ぎにインターを降りて、30分くらい経ったころだった。ナビの調子がおかしいことに気づく。右に曲がれって言うのだけれど、ナビの画面を目の前の車窓もどうみても1本の林道があるだけで右折で...【怖い話】気のせい

  • 細かすぎて伝わらない朝ドラあるある選手権2024

    お久しぶりでーーす!※ひよっこ~虎に翼、こころ、オードリー、カーネーションっていうラインナップ。※基本的に敬称略※もう全部ネタバレしてます関連リンク・細かすぎて伝わらない朝ドラあるある選手権2019・『べっぴんさん』の「うわあ……」となったシーン3選・【遊川脚本】『純と愛』のえぐすぎる展開87選。【伝説の朝ドラ】・NHK朝ドラ感想記事のまとめ1.茨城という魔境、『ひよっこ』(2017年前期)・みね子の門出回がほんのり北の国から・古谷一行・木村佳乃・沢村一樹っていう組み合わせなのサスペンス感。・彼女の誕生日、プロポーズのため実家の仕送りで石付き指輪買ったのに、渡す直前になって「親不孝は嫌い!」って言われちゃった島谷くん、強く生きて。・ビートルズの曲は心の耳で聴いてください・沢村一樹をめぐる木村佳乃と菅野美穂...細かすぎて伝わらない朝ドラあるある選手権2024

  • 【加筆修正】細かすぎて伝わらない朝ドラあるある選手権2019

    たいていの問題はヒロインが土下座して謝罪すれば解決する。『梅ちゃん先生』~『べっぴんさん』、『ゲゲゲの女房』、『おしん』、『てるてる家族』ほか。基本的に敬称略でネタバレです※2024.112019年の執筆記事に加筆修正しました!関連リンク・『べっぴんさん』の「うわあ……」となったシーン3選・【遊川脚本】『純と愛』のえぐすぎる展開87選。【伝説の朝ドラ】・こんな『ひよっこ』はいやだ!【茨城、それは魔境】・NHK朝ドラ感想記事のまとめ。1.細かすぎる朝ドラ総論□朝ドラ水落オープン□『あまちゃん』のアキは水落ちというより飛び込みだが、ロケーションもフォームも見事であった。□純粋な水落ちといえば、『ごちそうさん』が圧巻。□『マッサン』の水落ちは中盤だけれども、「序盤ですでに恋に落ちていた」ってのなんかロマンチック...【加筆修正】細かすぎて伝わらない朝ドラあるある選手権2019

  • 【ショートショート】足音

    小学校3年生の頃、体育の授業が大嫌いだった。中でもマラソンが大嫌いの中でも特に大嫌いだった。今日はマラソンの練習がありますなんて予告されようものなら、前日に水風呂に入って風邪をひこうとした。授業ですら嫌で嫌で仕方がないのだから、練習などミリともしたくない。そんな大嫌いなマラソンの練習につき合わせたのがミカちゃんだった。だからか、私はミカちゃんにちょっと、いや、かなりムカついついた。走るのが大好きですらりと手足の長いミカちゃんと、本を読むのが大好きで鈍くさいヒロちゃん。共通点なんてどこにもないはずなのに、苗字の順が前後しているというだけで強制的に友達になってしまう。友達のはじまりなんて案外そんなものだ。別に友達にならなくてはいけないわけでもない。なんだったら友達をやめることだって問題はない。そんなこと今なら...【ショートショート】足音

  • over

    大学時代に好きだった男が夢に出た朝、目覚めは最悪だった。酒を飲んだわけでもないのに、二日酔いのような吐き気が込み上げてきた。浩一とは大学のゼミで知り合った。19歳、冬が終わりかけた時期に何かの拍子で好きになった。きっかけ自体は覚えていない。メンタル少し弱っていたときに優しい言葉をかけてくれたとかそんなもんだった気はする。基本的にはいわゆるバカ話ばかりだけれども、たまに真剣な話もした。普段はおちゃらけているくせに、真面目な話をする横顔はやけにカッコよく見えた。しっかりとした芯を持ちながらも、危うさのある魅力的な男に見えたのだ。2人で過ごす時間が長くなり、自然と好きになっていたし、彼も私のこと悪いとは思っていなかったと思う。帰り道は待ち合わせて駅まで歩いた。九段下の夜桜が美しい季節。夜の首都高をドライブし、レ...over

  • 【ショートショート】innocent world

    高速のインターを降りた車は、街を背にして走る。一直線に伸びる片側2車線の道路は車もまばらだ。窓を開けると、昨日の雨とかすかな夏が香る。新緑と青空のコントラストがまぶしい10時過ぎ。ランチにはまだ少し早い。せっかくだからこの先の高台にある展望台まで妻を連れていこう。何年ぶりだろうか、あの展望台。「懐かしいな」ひとりごとのつもりが思わず口に出していた。ごく小さなボリュームのつもりだったが、妻は聞き逃さなかったらしい。「このへん来たことあるの?」「まあ」「最近?」「いやもう10年、15年くらい前の話」「女と?」この手の話に嫉妬はしないのはありがたいのだが、面白がって聞いてくるので恥ずかしくなる。案の定、頷くよりも前にニヤニヤ笑っていたのは横目で見えていた。「さてはデートで来たんでしょ?」前の会社の同期に花江って...【ショートショート】innocentworld

  • 【ショートショート】UFO

    「いたいた、久しぶり」「……久しぶり」別れを告げた日から10年は経っているはずなのに、彼は暗い店内ですぐに私を見つけ、私も声をかけてきた男性が彼だとすぐに分かった。偶然にも元彼をSNSで見つけた。DMを送ってみたらせっかくだから飲もうということになった。普段よく使うチェーンの居酒屋ではなく、お酒の美味しいお店を予約していた。久しぶりに会うのだから。せっかくだし良いもの食べたい飲みたいから。オープン席でもいいかなと迷ったけれど、でもやっぱり個室のほうかなと個室にした。あんまり騒がしいのは嫌だから。個室の方が落ち着いてゆっくり話せるから。これは下心なんかじゃない。5分前までそう思っていたはずなんだけれど、着席早々に袖をまくり、ネクタイを片手で緩める手に目を奪われてしまった。「どうかした?」「ううん、なにも。乾...【ショートショート】UFO

  • 生命兆候

    クリスマスを過ぎた街は一気に加速度を上げて、2008年を片付けようとする。人の心臓が止まった音を聞いたのは、そんな1年で最も寒い季節だった。その日、当時勤務していた介護施設の夜勤に入っていた。それなりに忙しさはあったものの入居者は順番に就寝し、無事に日付が変わった。オムツ交換が終わったタイミングで一服しに喫煙所へ向かう。次の巡視までまだ少し時間がある。落ち着いているし今のうちに少し仮眠をとっておこうか、とぼんやり時計を見上げたときだった。夜勤リーダーの横山さんから内線が入り、一気に目が覚めた。「はい」「フロア落ち着いてる?」「皆さん寝てます」「そしたら医務室のバイタルセット一式持って来て。あと聴診器も」何が起きたのか判らず、リーダーに指示された通りにバイタルセットを持って階段を2階分かけ上がる。暗いフロア...生命兆候

  • ワンスター

    20代の頃、とある靴を欲しがっていた。「丸トゥのパンプス、ヒール部分は5cmくらいかな。インソールは小花柄で、ストラップ止めてるボタンはくるみボタンみたいなやつ。長く立っていても足が痛くならず、駅の階段を駆け下りることができる程度の締め付け感」なんて言うと友人はたいていケラケラ笑って、そのあとに「そんなリクエストの多い靴、そもそも存在するの?」と真顔で尋ねた。私も真顔で答える。「わかんない」雑誌をめくり、通販サイトを探す。ここかな、と目星のブランドを見つけては季節ごとに新作をチェックする。それもいいのだけれど、やはり自分の足で探したい。繁華街のファッションビルや、ショッピングモール、アウトレット。渋谷、原宿、表参道、新宿も街中を歩き通して探した。たまにこれかな?という一足を見つけることもあった。試着時に違...ワンスター

  • 【ショートショート】君が好き

    12月、クリスマスの頃は1年で最も寒い時期だという。車の中はエンジンをかけても暖かくならず、外からずっとコートを着ている。ラジオからはクリスマスソング特集が小さく流れていた。冷え込む東京の空の下、複雑に絡み合った首都高は今、東京タワーをぐるりと回った。赤い光が夜を照らす。雪がちらつき始めた冬の夜。「寒いねと言う君のいる暖かさ」「なんかうっすら聞いたことあるな、それ。なんだっけ」「確かサラダ記念日こんな感じなんだよね」「ああそれだ」天現寺、芝公園、竹橋。矢印は自由気ままな方向をさしていて、グロリアは車線変更をしながら右や左に分岐を選んでいく。あまりに違和感なくウインカーを出すものだから、本当に道をわかってるのかと思いつつ、このまま大都会に迷い込んでいられたらいいのにとさえ思っていた。私と彼は初対面というわけ...【ショートショート】君が好き

  • 大人は秘密を守る

    先生が煙になったのは、今にも雲が剥がれ落ちてきそうな冬の日だった。ピアノを習いたいなんて言った覚えはない。いや覚えてないだけでもしかしたら言ったのかもしれない。言ったとしても、そもそも熱意はなかった。『ピアノのレッスン』という言葉に憧れただけ、そんな軽い気持ちで開いた防音扉は子供心ながらにとても重く冷たかった。毎週火曜日の夕方6時半。気の重い30分だった。ちっとも上手にひけやしない。多分センスがない、向いてない。正直なところ面白くない。楽しくない。「これはまいった、思った以上につまらない」練習が足りないから弾けないなんて当然とわかりながら、でも練習はそんなにしたくない。辞めたいと言えればいいけれど、まだ3ヶ月も経ってないからさすがに気が引ける。とりあえずこの30分を耐えればいい、と困った顔で先生を見上げる...大人は秘密を守る

  • 【ショートショート】Simple

    21世紀最初のクリスマスを迎えた渋谷はひどいお祭り騒ぎだった。ハチ公口の改札口のその先、センター街に通じるスクランブル交差点には人が溢れかえっていた。爆音で流れるクリスマスソングが空で合唱している。夏の田んぼでよくみるカエルの合唱のようだった。イルミネーションがともり始め、青や緑、黄色の看板が光り出す。叫び声に近い笑い声は、祭りのどんちゃん騒ぎのようだった。さすがにこれだけ混みあっていると会話もままならない。「すごいね」「ほんとすごいね」私が彼の左手を強く握り、彼もまた握り返す。どちらかがこの手を離したら私たちはすぐにはぐれてしまうだろう。17歳の私たちは硬く手を握り合って渋谷の街を歩く。CDショップで流行りのCDを視聴。ヘッドホンをそれぞれ片耳に当てて目を閉じると、音楽の向こう側に彼の体温を感じる。音楽...【ショートショート】Simple

  • 【ショートショート】今宵の月のように

    「おつかれさまです、お先に失礼します」アパートの一室の扉を開けると、ひんやりとした夏の夜の空気に包まれる。時計は20時を回っていた。駅へ降りていく線路沿いの坂道を下る。ああ疲れたなぁ。いったい今日は何時間働いたんだっけ。あれ、お昼ごはん何食べたっけ。そもそも食べたっけ、あれどうだったっけ。笑いながら歩くカップルとすれ違う。居酒屋から楽しそうな歌声が聞こえる。カレーの匂いが香る。お腹と涙腺がキュッと収縮した。今の職場、都内A駅近くの訪問介護事業所に入職して1年半が経った。人手不足、休日返上、残業。全て無事に、というわけではないが、我ながらよく続いたと思う。出入りの激しい業界だ。よっぽどの要領の悪さでなければ半年経てば中堅、1年経てばベテラン、それを越えればお局扱いになる。「もう、1年半か」初々しさの残ってい...【ショートショート】今宵の月のように

  • メダカの伴走

    子どもの頃に図書館の本棚から取り出していたのは取っていたのはズッコケ三人組だった。長いシリーズだが、刊行されてる分は読み切った。読み切った直後は爽快な結末に浸っていたが、すぐに気づく。これは虚構だ。私はハチベエにはなれないし、モーちゃんやハカセみたいに頼りになる仲間もいない。クラスの中にもしかしたらズッコケ3人組はいたのかもしれないけれど、モブキャラの私には関係はない。ドラマチックな事件は起こらない。それが現実だ。それをわかりながら、本を愛していた。虚構の中の登場人物はいつも世界を生きていた。本を開いて、活字を覗き込めば、そこに世界が広がる。その心持ちは、教室の片隅にあったメダカの水槽を覗き込んでる気分によく似ていた。寝る時間も食べる時間も、歩く時間すら惜しんで本を開いた。下校中歩きながら読んでは、何回か...メダカの伴走

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