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  • おかしな日本人:7 不平症

    政府は"常に反対"の対象と決めてあるかのような政党と報道機関があります。日常そういう人たちを相手にしていると、とにかく不平不満を持ち込まれない対処法が身に付き、何ごとにも支障を起こさないこと丸く収めることが優先されます。不平症に罹った人たちは、不平の発露が生き甲斐ですから、何を望みどういう状態を目指したいのかは口にしません。不平のタネづくりには、真実も道理も考慮されません。いよいよ不平のタネが尽きれば、質問という責め具を使います。不平、質問、質問、不平と、政治本来の目的とはまったく関係のない言葉と怒号のやり取りが、議場で繰り返され、そのもっとも愚劣な部分が切り取られてニュースと呼ばれる映像と記事に仕立てられ、国内外に発信されます。こちらでバカ呼ばわりしている外国の人からは、日本人こそバカではないのかと思われてい...おかしな日本人:7不平症

  • おかしな日本人:6 呼び名惚れ

    グローバルという呼び名が一時もてはやされ、何でもかでもグローバルを付ければ人気を博すように見えた時期がありました。それが、力のある企業が地球規模の経済活動を押し広げる戦略の呼び名らしいことに人々が気づき始めると、グローバルを冠した呼び名は、どこか間抜けなようにも聞こえるようになります。それぞれの地域でそこにあった生活を続けているものを、ガラッと変えさせて世界中まったく同じように一体化しようというのもバカげた話なのに、それが理想と唱える人もいます。理想と言いながら、それはただ自分の思い通りにしたいという野心でしかないでしょう。海外で新しい呼び名を耳にすると、すぐに惚れ込んで試してみようとする、そこまではよいのですが、自分の心まで明け渡し、脳の働き方まで変えてしまうのは、危ない性格だと思うのですが、いかがでしょうか...おかしな日本人:6呼び名惚れ

  • おかしな日本人:5 不動信仰

    得た場、得た座を明け渡さない、これは遊牧民を除けば世界中の多くの人に共通の、どこか信仰のような感情でしょう。とくに川の近くの眺めの良いところに、終の棲家を得た人は、景観を遮られるのは否、その場から他に移るのも否と思うでしょう。堤防はダメよと言い続けて半世紀を無事に過ごし、それ見たことか何も起きないではないかと思っていたところに、百年に一度のことがやってきてしまい、水に浸かってしまったのは、まことにお気の毒です。この現象は、自然が変わったのではなく、大きな変化の一部分です。地球上の人間が寄ってたかって自然の変わり方に影響を与えてしまっていることもあるでしょう。それに気付かなかったのですから、しかたがありません。川の近くに住む人は、いつも気持ちのよい川風を受けていられて羨ましいと思ったこともありましたが、やはり、川...おかしな日本人:5不動信仰

  • おかしな日本人:4 適量無視

    漁師は魚を獲るのが仕事です。漁業は魚を獲るだけでなく、育てて獲って集めて市場に提供するのが仕事です。育てることをないがしろにすれば、漁業は成り立ちません。育てるというと、まず囲って餌を与えることを考えそうですが、魚はそんなことをしなくても自由にどこにでも泳いで行かせれば、自分で餌を見つけ食べて大きく育つでしょう。獲ることだけ心を奪われ、大きくなるまで待たなければ育てることが中途半端に終わります。掌に乗るような大きさのマグロを獲ってしまったのでは、魚が育つわけがありません。見つけたらすぐ獲ってしまわなければほかの人に獲られる、それなら協定を結んで稚魚のうちは獲らないことにすればよいのに、目先の利益だけを追う漁業社は、それぞれ気ままを続けたがります。農林水産省という役所がありますが、そこでは、魚を育てることにどれだ...おかしな日本人:4適量無視

  • おかしな日本人:3 摘出癖

    細かいことへの気配りは、社会生活にとってだいじなことです。ものごとの細かい観察は、科学研究にもだいじなことです。細かい部分の性能や仕上がりは、製品の価値を高めるだいじなことです。ただ、細かいということと、部分にこだわることとには、大きな違いがあります。社会の機能には全く影響のない、たかだか数万円の金銭のやりとりを、違法の枠にあてはめて大問題に仕立て上げ、国会の審議を止めてしまうという愚かな戦略がまかり通るというのは、部分へのこだわりをだいじにし過ぎる市民感情のあらわれでしょう。問題にされた黒い水引に包まれた金銭の移動という物理現象は、日頃の交誼か恩義への返礼という意味しかもっていません。それは、平和な社会生活にも、国家喫緊の問題にも影響は皆無です。このように、細かい部分を摘出して責めてみたがるのは、私たちの平均...おかしな日本人:3摘出癖

  • おかしな日本人:2 民族差別

    はるかむかしに遡って血統を調べれば、ほとんどの国の人は、複数の民族にたどり着きます。国民のすべてが、民族によって区別されることなく、叡智を発揮しながら国の発展に向けてたゆみない努力を続けられることが望ましい平和な状態と言えるでしょう。ところが、世の中には、抗争を稼業にしているような小集団もあって、静かに暮らしている人々が常に差別され迫害を受けているかのような錯覚を誘導する虚言をまき散らし、人々の心に妖火をともし煽りたてます。人間は、帰属する集団が小さい場合、とかく劣等差別意識を持ちがちで、特別な処遇や生活条件を当然のように所望する人もなかには現れます。少数の民族に特別な援助を施し、特権を与えることは、実質は優遇差別になってしまうのですが、全体の平静維持を願うあまり、文化の継承保存をもっともらしい理由立てにして、...おかしな日本人:2民族差別

  • おかしな日本人:1 神話嫌い

    現代科学では同じことを再現して確かめることができなければ真実ではないだろう、だから神話と呼ばれるものは信じてはならないという空気の中で育ってきた人がたくさんいます。その人たちは、「日本の歴史は神話と結びついているからこそ、格別にユニークなものとなっている」(日本国紀百田直樹)という説には、違和感を拭い去れず足を踏み入れられずにいるのでしょう。こういう人たちの心を塞いでいる重い緞帳を開くにはどうしたらよいのでしょうか。にほんブログ村おかしな日本人:1神話嫌い

  • 縛られた縄を振り解こう:31 他責症

    学説・論文にとって文献は力強い傍証材料になります。ただし、学説・論文の裏付けに文献が正しく用いられた場合、その関係が有効なのであって、正当に使われなければ、ただの偽造文書に過ぎません。また、学説・論文は、ものごとを説き明かし伝えようとする意図や意思の発表手段なので、膨大な量の文献のさまざまな部分を取り出し、つなぎ合わせて読めるようにしたところで、学説・論文にはなりません。それは単なる調査報告か紹介記事でしかないのです。学説・論文を評価する場合、ともすれば参考文献の数に惑わされがちになりますが、参考文献が少ない、あるいは書かれていないからといって、その学説・論文に価値がないとは言えません。自分が信じていた世間一般に植え付けられた思考様式と異なる論を、参考文献から見つけ出せないことを理由に軽々に排斥する人には、評論...縛られた縄を振り解こう:31他責症

  • 縛られた縄を振り解こう:30 隠蔽症

    人心を惑わさない、もめごとを避ける、波風を立てさせない、静かに、穏やかに、騒ぎ立てない、安穏平和がいちばんという暮らし方は、多くの人が望むところです。それを理由に借りて、だいじなことでも言いにくいから知らせずにおく、そのうちに知られては困ることになっていく、それが時を経れば手がつけられなくなる、世紀をまたいでも解決できない、次の世紀末にようやく人々はあきらめ、苦い思い出だけが残る、これが安穏平和なのでしょうか。水面下という言葉がよく使われます。誰にも経過がわかるようでは交渉ごとがうまくいかないので、話をうまくまとめておいて、結果がはっきりしたときに皆に知らせるための方法をひと言で、多かれ少なかれ事情を知った人が得意げに話す場合の用語です。これは、こっそりやっていて情報は隠蔽されているという状態の言い換えに過ぎな...縛られた縄を振り解こう:30隠蔽症

  • 縛られた縄を振り解こう:29 過接触症

    触れたがらないのとは逆の障害もあって、相手構わず接触を試みるのは、接触恐怖よりもさらに大きな負の効果をもたらします。相手が言質を利用しようと接触を待ち構えていることに、過接触症の人は気づきません。要職にある人、あるいは元XXと呼ばれる人が過接触症にかかり、見境いがつかなくなれば被害は拡散します。渡航も言論も自由な国では、過接触症の被害は計り知れなものになります。にほんブログ村縛られた縄を振り解こう:29過接触症

  • 縛られた縄を振り解こう:28 接触恐怖症

    知るきっかけに恵まれても、触れてみる機会を得ても、未知のことにはなるべく近づかないという生活習慣の備わった用心深い人がいます。用心深さも度を過ぎれば、社会との接触を恐れるようになります。社会との接触恐怖が、集団になると世界との接触恐怖にもつながっていきます。近海であっても海の向こうのことには見ても聞いても素知らぬふり、決してものを言わずに押し黙る、個人のことでなく国会がそんな接触恐怖症にかかったとき、世界からは経済的に好都合な相手としか見られなくなるでしょう。にほんブログ村縛られた縄を振り解こう:28接触恐怖症

  • 縛られた縄を振り解こう:27 発揮症

    地方行政機構の頂点、都道府県で言えば知事の座を占めると、行政執行の権力が与えられます。権力には、魔力が働きかけをします。その一つは、持った権力を早く使わなければならないという、つまらない切迫感です。権力執行の最も簡単なのは、プロジェクトの中止です。大プロジェクトは実行は大変ですがやめるのは簡単、「中止しなさい」のひと言ですみ、ヤッター気分を味わうことができますます。地方行政の要諦は安定と成長でしょう。安定と成長には、世間の耳目を引くような権力発揮は必要ありません。ところが、目立ちたがりの人が首長になると、発揮症を自分で抑えられなくなります。発揮症と仲良しの権力魔は、持っていればよい権力を、発揮しなければならない権力に変質させます。とにかく目立つことをしなければという発揮症は、地方が国の一部分であることさえ忘れさ...縛られた縄を振り解こう:27発揮症

  • 縛られた縄を振り解こう:26 ゲーム縄

    ゲームも人を縛りつけます。ゲームオタクを過ぎると、ゲーム依存症と呼ばれる人も出てきます。重症になると、ゲームがたよりというのではなく、ゲームに24時間縛られ、夢の中でもゲームを続ける、そうなれば依存症どころではありません。ゲームは誰にも迷惑をかけないからいいだろうという人は、電車に乗って座ったとき、向かい側の席にいる人全員が、スマホを手にして指をピコピコ動かしている場面の気味悪さを味わったことがないのでしょう。自分がゲームに縛られていれば、ほかの人のことは目に入りませんから。にほんブログ村縛られた縄を振り解こう:26ゲーム縄

  • 縛られた縄を振り解こう:25 無痛が善

    人間にとって、痛くもかゆくもないのは、どうでもよいことの代表的形容です。確かに痛さはいやなものです。痛みを取り除く方法はいろいろあります。それを人に相談すれば、医師に診てもらえと言うでしょう。医師にまずすすめられるのは、薬を飲め、貼れ、つけろということでしょう。わずかな痛みでも、薬で早く取り除くほうがよいかどうか、それは大いに疑問です。薬の力を借りなければ痛みを忘れられないような体質に、じわじわと変わっていくからです。にほんブログ村縛られた縄を振り解こう:25無痛が善

  • 縛られた縄を振り解こう:24 外交儀礼

    常人であれば、大きな顔をして来られそうにない相手を、儀式に招待、なぜと問われてそれが外交という答えもあります。もう一度、常人であれば、理由を作って丁重なお断りが来ると期待しても、仕方がないから行ってやると言わんばかりの返事が来る、それもまた外交なのだそうです。顔を見合わせれば、手を差し伸べないわけにはいきません。そんなことを繰り返していくうちに、儀礼が儀礼でなくなり、相手には優越感、こちらには鬱屈感が積もっていきます。国際交流の実績としてだいじなのは、そこではっきりものを言わせ、世界に向かって正確に報道しておくことで、作り笑顔の握手写真ではありません。会ったときにボソボソと交わしていた話などは記録に残らないでしょう。記録にない記憶だけでは、自分の発言をだいじにする人同士でなければ、切り札にはなりません。下手な心...縛られた縄を振り解こう:24外交儀礼

  • 縛られた縄を振り解こう:23 定型句

    「マー」「ヤッパ」「すごい」、この三つの語句には、話に混ぜ始めると連続して出てくるという奇妙な力があります。話をする頭の回転が、ぐるっと回るとまた元に戻る壊れたネジのようになってしまうのでしょうか。これにまた「自分の中で」が加わって入り込むと始末に負えなくなります。ついまねをするとたちまち抜けなくなる言葉グセは、いったん絡まれるとなかなか解けません。先日のラグビー選手の試合後のインタビューでは、これが聞かれず、まことにさわやかでした。にほんブログ村縛られた縄を振り解こう:23定型句

  • 縛られた縄を振り解こう:22 ぷりぶり信仰

    仕事っぷりがいいよ、働きぶりがなかなかのものだ、そう言われると、仕事に生き甲斐が生まれます。ところが、この生き甲斐がまたなかなかの曲者で、仕事の成果よりも生き甲斐を生かすほうに力を向けさせるという悪さをしかけます。報道の仕事でも、伝える中身が、ものごとのありのままの姿よりも、伝える人自身の努力を伝えたがるようになっていきます。危ない所に行ってきたとか、会い難い人に会ってきたとか、取材の困難さが売りもののような報道姿勢で、人々の興味を引き寄せるのです。報道を受け取る人のイメージも、取材している場面がまず頭に描かれるようになって、伝えなければならない対象の実態でも、訴えかける何かでもなくなっているのです。ニュースでだいじなことは、何なのでしょうか。にほんブログ村縛られた縄を振り解こう:22ぷりぶり信仰

  • 縛られた縄を振り解こう:21 言葉のたが

    「発表中の暴風警報が解除されました」発表中なのに解除、台風が来ると奇妙な放送が繰り返されます。発表というのは知らせる行為で、知らせてしまえば発表という行為はそこで終わりでしょう。発表中と言われると、まだ発表が終わっていないのにと聞こえます。放送にはもうひとつ奇妙なことが重なっています。警報が発表されるということです。警報は、元来命を守るために出される、自衛の意識を共通に持たせる一種の指令であるはずです。それならば警報が出されることは、発表というなかば呑気な言い方ではなく、発令と言わなければ言葉の強さは伝わりません。発令というと、「なんだ、役所はシミンに命令するのか、行動の自由を妨げるのか」などと、わけのわからない難癖をつける輩が現れてうるさいので、発表と軽めに言っておこうかという、いじましさが感じられるのです。...縛られた縄を振り解こう:21言葉のたが

  • 縛られた縄を振り解こう:20 新旧

    消費財は新製品、新型発売と言われると、どこか何かが良くなっていると思い込まされます。飲みものなどは、味の記録は残せないので、そっと昔の味に戻しておいても、旨いと思ってもらえるかもしれません。新しいと呼べば、人びとの目を引くだけで、良くなっているとは限らないでしょう。モノでなく、生活環境や価値判断の新旧も、良否善悪とは無関係です。家族の結びつき、家庭の環境、親子の関係、夫婦の役割なども、高名な先生がこうしなさいと言ったところで、それが万人に適した最も望ましいこととは言えません。その先生が考えた最良の方法というだけのことで、意地の悪い想像をすれば、先生は自分では違うことをしているかもしれないのです。欧米のどこかで声高に言われていることが、これまでになかった新しい考えであるからと言って、それが善良なものかどうか、日本...縛られた縄を振り解こう:20新旧

  • 縛られた縄を振り解こう:19 抗議恐怖

    抗議されることはいやなものです。いやだからと言って、何ごとにも抗議を避ける習性がそなわると、別段抗議の要素もない論議さえ避けたがるようになります。自分以外の意見を耳にすると、自分が逆らわれていると感じてしまう、ある種の病に近い性状に陥ることもあります。いま本州中央部の某県首長が、気の毒なことに、その実例になっています。にほんブログ村縛られた縄を振り解こう:19抗議恐怖

  • 縛られた縄を振り解こう:18 ガーマニア

    一つのことにこだわり続けるとマニアと呼ばれます。マニアのこだわりの対象はモノだけではないようです。やや強引かもしれませんが、口癖もマニアの一種と言えなくもなさそうです。頭の働きが口癖に現れる、つまりものごとを、何かにつけある人やある概念に結びつけて考えたがり、それがつい口に出てしまうのです。何でもすぐにXXガーというマニアを、ガーマニアと名付けてみました。アベガー、財源ガー、民意ガーと、ガーをつければ何ごともガーの前のXXのせいにできるという便宜マニアです。このガーマニアは、責任回避体質の人に多く見受けられるようです。にほんブログ村縛られた縄を振り解こう:18ガーマニア

  • 縛られた縄を振り解こう:17 瀬戸際

    瀬戸際に立たされている、今が瀬戸際、そんな言葉を聞かせて、何か手を打たなければという気に人々をさせてしまうビジネスがあります。地球温暖化、海洋汚染、等々、瀬戸際産業の題材は何でもよいのです。枯渇、絶滅、人々はとかくモノがなくなることを恐れます。生物にも絶滅危惧種という分類が作られていますが、人間界には絶滅危惧症がときどき流行します。肥料、殺虫剤、その他の化学製品に広範囲で使われているリンも、百年経たないうちに枯渇しそうだというニュースもあります。しかし、何億年もかけて出来上がった地球が、百年そこそこでどうなるものでもないでしょう。ことさらの無駄遣いはよくありませんが、品質が変わるほどの買いだめはまったく無意味です。にほんブログ村縛られた縄を振り解こう:17瀬戸際

  • 縛られた縄を振り解こう:16 言霊

    言葉には霊の力があって、良い言葉は幸運を招き、不吉な言葉は凶事を招くと言われます。病気の話ばかり聞いていると、病魔が忍び込んでくるような、いやな気分になります。言霊が妙な信奉につながると、それに縛られて、考えなければならないことも話題から遠ざけ、忌避されるようになります。たとえば、戦争は嫌だと思いつめると、戦いに備えるという考えが戦争を招く、という思考恐怖症に陥ることもあります。戦いという字も嫌だとなれば、その文字がいくつも出てくる憲法第九条のように、国の存亡にかかわることでも、議題どころか話題にもしたがりません。そういう人が、国会議員にも多数いるようです。言霊には、発せられる言葉のさらに外側で、言霊というものがあるという思いが人の心を縛り付けてしまうという、不思議な力が秘められているようです。にほんブログ村縛られた縄を振り解こう:16言霊

  • 縛られた縄を振り解こう:15 平等

    生きものはみな平等に扱わなければならないと言ったら、ダニもサソリもかと、すぐに言い返されるでしょう。人間は、と言い換えたらどうでしょうか。そのとおりと言いかけて言葉に詰まれば、正常な思考力の片鱗が見えたと言ってよさそうです。平等と言っても、与えられる条件または機会が平等なのか、あるいは結果が平等になるのかによって、その是非は変わります。また結果の平等が、どんな場合にも是とは言い切れません。たとえば、外国からやってきて、居心地の良い日本に住み着きながら、日本の国を悪しざまにののしって得意顔をしている人に、善良な日本人と同等な生活条件を与えるのも、その図々しい人にとって結果は平等でしょう。それを、平等の精神、博愛の喜びなどとニコニコしている人がいたら、手を叩いて褒めたくなりますか。なんでも平等を望むのは、幸せを望む...縛られた縄を振り解こう:15平等

  • 縛られた縄を振り解こう:14 謙譲美徳

    モスクワの地下鉄で、ラッシュアワーにエスカレーターの両側を使うよう利用客に求めるキャンペーンを始めたというニュースがあります。一つのステップを一人で占領せずに左右両側を使いましょうという呼びかけですが、日本では、言われなくても乗れば左側に寄り右側は急ぐ人が歩いて上がれるようにあけておくことが、自然に行われています。歩くと危ないからやめてくれという放送を耳にすることさえあります。体格の違いもあるでしょうが、エスカレーターのような一瞬の居場所でも自分のものという占有感覚が、彼の国の人には身についているのでしょうか。互いに譲り合う心を持たない人々の国とは、それに合った付き合い方をしなければ、相手は譲られた恩義など全く感じません。人間の性格はみな同じではないのです。にほんブログ村縛られた縄を振り解こう:14謙譲美徳

  • 縛られた縄を振り解こう:13 悪法

    香港のデモ制圧に覆面禁止法が発令されました。デモに参加するなら堂々と、という言い分は聞こえはよいのですが、参加者の個人が特定されれば、一族がとんでもない迫害を被り、日常生活が成り立たなくなるおそれが十分にあります。デモは多数意見の表明手段で、参加者が顔を見せる見せないは個々人の自由選択でよいことです。制圧したい側の人の都合のみで覆面を法で禁止するのは、まさに片手落ちなのです。法や条例と呼んでおけば、制定の意図、手続き、予想される結果に正当性が認められなくても従わなければならないというのは、おかしな話です。「悪法もまた法なり」というソクラテスの言葉は、それだけを取り出せば、追い詰められた自害前の捨て台詞で、箴言とするに足らないものに聞こえてしまいます。「悪法もまた法、ただし改めなければならない法である。戒めのため...縛られた縄を振り解こう:13悪法

  • 縛られた縄を振り解こう:12 美徳

    約束をたがえない、これは人間の美徳の一つです。あたりまえのことをなぜ美徳と呼ぶのか、それは、はじめから約束を破るつもりでする、あるいは約束という概念がもともとない、そんな民族が実在するからです。政治を生業とする人の中にも、美徳よりも利得が先という人は数多くいるでしょう。美徳が稀少価値になってくると、それを持ち続けようとする人は、そこから外れる気配さえも見せまいと懸命になります。いわゆる「ブレない」という気質にこだわると、政府として行ったこと決めたことは、情勢がどう変わろうと覆すことも変えることもできないものという呪縛から逃れられなくなります。むかしといってよいほど前に、後のちへの影響など考えずにされてしまったこと、決めてしまったことに、変えなくてもよい理由づけを先にしておいて、変えない宣言を上塗りのようにしてい...縛られた縄を振り解こう:12美徳

  • 縛られた縄を振り解こう:11 蓄財

    蓄財願望は無限に拡大します。実体の見える財には蓄積できる限度があるので、いわゆる泥棒のすることなどはたかが知れています。モノによらない仮想の財は、置き場に困ることがないので、際限なく蓄積されます。蓄財がとどまるところを知らなくなれば、その獲得者は蓄財行為の継続に縛られ、ものごとの判断基準がすべて儲かるかどうかに置き換えられます。同業のことも自国のことも、時局のことにも、経済性以外の価値は意に介されなくなります。そうなれば、隣国から絶え間なくやってくる儲け話の巧言に吸い寄せられる醜態も、相手には媚態に見えるだろうという錯覚のわなにはまりこんでしまいます。にほんブログ村縛られた縄を振り解こう:11蓄財

  • 縛られた縄を振り解こう:10 同調圧力

    日本人は和を尊びます。日本初といわれる貨幣にも和同開珎という文字が刻まれています。仲よく、穏やか、素晴らしい性格です。みんなに迷惑をかけない、自分勝手なことはしない、素晴らしい生活習慣です。ところが、あまりにもかたくなに和にこだわっていると、和こそが宝ものとなり、和に瑕のつくことを極端に恐れるようになって、同調圧力の加えやすい状態となります。一つひとつのことがらに、みなはどう考えているだろうか、それだけがまず気になります。TVも新聞も、みなの考えを知るためのよりどころとして見たり聞いたりすることになります。たちの悪いTV新聞が、多くの人の気持を、ある一つの方向に引き寄せるたくらみを持てば、見出しの一文字、キャスターのひとことで効果を得ることもできます。TV新聞は間違ったことは言わない伝えないと信じ込んでいる人は...縛られた縄を振り解こう:10同調圧力

  • 縛られた縄を振り解こう:9 加害

    自国を加害者に仕立てる、そんなことをわざわざ考えるのは、狂った人は別として、それによって特別の利益が得られる場合に限られるでしょう。日本が過去に加害者であったという奇妙な思い込みに縛られている人は、まだまだいるようです。この夢想加害は、実はその人たちがもっている願望なのではないか、とふと思いました。侵略、弱い国の植民地化、そんな潜在願望があるのです。過去に描く夢想加害には、自分の責任は感じません。自分には責任の及ばないところで、同胞に敵をつくって機会をこしらえては責めたてていれば、いくらでも夢想加害ビジネスを続けることができます。内心はいじいじ、顔と声は偉そうに、何とも卑劣な精神構造ではありませんか。にほんブログ村縛られた縄を振り解こう:9加害

  • 縛られた縄を振り解こう:8 我慢

    日本の歴史をまっすぐ見つめていくと、ほぼ一世紀の間、和の精神を支える我慢強い民族性発揮があだになっていることがわかります。我慢強さの限界意識が薄れると、我慢下手になります。仕事となると、理不尽なことにも仕打ちにも、目をつぶって我慢します。そのとき考えるのは、それぞれの仕事の座の継続維持でしょう。仕事の座を失わないことが最優先という頭の働きは、能力と待遇の調和が崩れていることがそうさせる場合もあります。能力水準が低ければ、今の有利な待遇をほかの場で得られることはないだろうと考えます。首長や議員という仕事の座もそうでしょう。選挙のときに票を集めることだけはできても、当選してその座を得た後、座にふさわしい仕事をするには能力不足で、お仕着せの権限をただ消費するだけという例が、あちこちに見られます。そのとき我慢を強いられ...縛られた縄を振り解こう:8我慢

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