【パイプ①】事務所の扉の中央にはスタッフオンリーと書かれたプレートが貼ってあった。でかでかとマジックペンで書かれたその文字は、書き手の教養の無さを表しているよ…
【ライブハウス】年期の入ったライブハウスはタバコと酒の匂いがこびり付いていて、それは観客達の体臭と入り混じり、独特の香りを放っていた。「相変わらずだな」福田は…
【階段】薄暗い階段の壁にはバンドのポスターがビッシリと、そして乱雑に貼られていた。目立つ場所にはポスターが何重にも貼られていて、ライブハウスの歴史を感じさせる…
第一章【風俗街】昼間の茹だるような暑さが幾らか和らいだ頃、福田は知り合いとの約束を果たすために風俗街へと出かけていた。洗濯籠から適当に取ってきたダイタイ染めの…
【プロローグ】男達は人気の無い道路を白いハイエースで走っていた。密集した住宅の窓からは、柔らかな光が漏れはじめている。「先輩、裏道で正解ですね。予定より早く事…
17年蝉は天敵に襲われても逃げず食われるのだそうだ。何故かというと、個体の数が多いので多少食われても問題ではないからである。私はこの話を聞いたとき、蝉1匹が1…
時計回りが右回りだということを昨日の夜に初めて知った。ことのきっかけは、「水を出すときは水道のバルブを左回りに緩めましょう」というワードを聞いた私が、彼女に質…
お前は何故、ここにいるのか。お前は何故、ここに来たのか。お前は何故、仕事をしているのか。お前は何故、生活しているのか。お前は何故、生きているのか。お前は何故、…
どこの偉い人が言っていたのか忘れたのだが、人にとって唯一平等に与えられているものは時間だけなのだそうだ。それを聞いた時は確かにそうだと思ったのだが、歳を重ねる…
貴女が新しく何かを始めようとした時、貴女の近しい人がそれを反対することがあるでしょう。それは貴女のことを心配するが故の反対であり、私はその行為を貴女が理解する…
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