2346 新米が令和の顔で炊き上がる 北の轍

2345 花火終章 かすかに妻の影 北の轍

2344 米寿過ぎまだ声かかり役に立つ 北の轍

2343 咲く日傘笑顔が浮かぶ妻の影 北の轍

2342 子らの声消える公園老いる街 北の轍

2341 まだ寝ないもう起きている母の影 北の轍

2340 修羅に耐え今喜びのダイヤ婚 北の轍

2339 忌のたびに遺影の妻は若返る 北の轍

2338 好きな娘が譲ってくれた流行り風邪 北の轍

2337 駄菓子屋のおばちゃんおまけ飴ひとつ 北の轍

2336 のんびりと気付かぬふりの愛もある 北の轍

2435 捨て切れぬ夢追っかけてまだ卒寿 北の轍

2434 また生きる喜びくれた北の夢 北の轍

2433 甘党のDNAに変わり種 北の轍

2432 遺影には自慢の笑顔これに決め 北の轍

2431 六道の辻でのんびり酌む地酒 北の轍

2430 娘らと住み日日平穏はありがたい 北の轍

2429 まだ寝ないもう起きていた母の影 北の轍

2428 年金日わが家一番和む朝 北の轍

2427 存えて白寿へ学ぶ稿起こす 北の轍

2426 転移なし再診無事に弾む靴 北の轍

2425 飲み放題当番幹事笑む余裕 北の轍

2424 駄菓子屋で昭和ロマンを子らと買う 北の轍

2423 シベリアの兵の遺骨に五銭玉 北の轍

2422 ちゃぶ台の昭和の絵図に笑い詠む 北の轍

2421 まだ意欲あり嫌なことは嫌という 北の轍

2420 車椅子押して尊い命聞く 北の轍

2419 あの笑顔見たくて今日もボランティア 北の轍

2418 逞しく映えるシニア北大地 北の轍

2417 娘らの愚痴聞く懐の深い母 北の轍