ニューヨークに1人で暮らす老人レオは一度心臓発作を起こしてからは、いつ死んでもいい覚悟はできているものの、しばらく誰にも気づかれずに死んでいるのだけは避けたいという思いから、毎日用もないのに出かけ、人目につくように行動したりしている。例えばカフェでコーヒーをわざとこぼしたり、アートスクールのヌードモデルに応募したり。数年前からは偶然出くわした幼馴染のブルーノと同じアパートに暮らして毎日互いの生存確認をしている。そんな彼には故郷ポーランドで愛し合ったアルマという女性とナチスの侵略により離ればなれになり成就できなかった過去がある。作家希望の彼は恋愛時から別れの時までの彼女との物語を綴っていて、それを先にチリに移住する友人に託した。自分と再会できた時に渡して欲しい。もし自分が生き延びれなかった場合にはアルマに渡...TheHistoryofLove