気だけは若い。 超純情小説や日々のさまざまなことを、ぼちぼちとつづっています。
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鈴は父の転勤のため故郷の村を出て大きな街にやって来た。 五時間も汽車に揺られてトンネルをいくつもくぐり、紅葉した山の木々いつまでも続く青い海。 鈴はこの旅を退屈することなく希望と好奇心でいっぱいだった。 母に時々睨まれるほど弟妹とはしゃいでいた。 父から住む家が小さいことだけは何度も聞かされていた。 大きな街は戦争でやられ焼け野が原になったのだと聞かされていた。 汽車を下りて駅前の広場に立った時、鈴は言葉が出なかった。 弟が痛いと言うほどその手を握りしめていた。 高い建物はひとつもなく、た焼け野が原の街に電車の線路が真っすぐに延びていた。 やって来た電車で官舎のある所まで十五分くらい。 「お父ちゃん小さい家はこの電車くらいの大きさ?」小さい声できく鈴に父は頷いた。 これから鈴たち家族七人が住む家に着いた。 「大きいじゃな..
短い秋を楽しむ間も無いままに冬の声を聞いた。 立春と聞けば心も弾むのに、一文字違うだけで立冬は何となく寂しく侘しい心地がする。 先日剪定をして頂いた。 この職人さんに剪定をお願いするようになってもう十一年。 知人の紹介で初めて来られた日、庭を丁寧に見てから私に言った言葉が忘れられない。 「この庭を見ていると、作った人の気持ちがとてもよく分かります。愛情がいっぱいですから」 四十代と思われる彼の顔を思わず見直してしまった私。本当に嬉しかった。この人なら 夫が自分で作りたかった庭を引き継いで大切にしてくれるような気がして安心した。 朝の八時半から五時半まで黙々と作業をされるので、お茶を差し上げる時だけ話をする。 椿、梅 さくらんぼ ウバメガシ 利休梅 百日紅 山茶花 つつじ 紫陽花 木蓮 そして松 小さい庭に、まあいっぱい。 この上牡丹を..
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