気だけは若い。 超純情小説や日々のさまざまなことを、ぼちぼちとつづっています。
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黄金に実った稲田を囲むように真っ赤な彼岸花が咲いた。 我が家は六十軒くらいのこじんまりした団地で、もう半世紀余りが過ぎ人も家も老いた。 それでもそれなりに皆さん元気で平穏な日々を有難いと思っている。 昔はここも田舎だったが、今は歩いて十分以内に生活に必要な商店、病院はすべてある。 市の中心に出るのもバスでも二十分。シルバーさん?でも快適な日常生活は維持できる。 それに団地の北は市街化調整区域とやらで、かなり広い田圃が残っている。 三分の一しか稲作はなくて後は休耕田。よくわからないが田圃もそう簡単には売れないらしい。 ここがまた素敵で夕方薄暗いところに子供くらいの鷺が座っていていてギョッとしたり。 小さな鳥も沢山いるし、草花も色を添え、セミや虫の声も、季節の風も嬉しい。 彼岸花をみていて、あれっもしかして敬老の日かもと思った。この頃の祭日は分かりにくい。 ..
朝ゆっくりと新聞を読む。 とにかく全ページに目を通して政治も文化もスポーツに経済面も。 多少斜め読みの感じもするが、千秋の大切な日課のひとつである。 そして今日地方版の片隅に真っ赤な実をつけた山桃の木の写真をみつけた。 千秋はとっさに母の実家にあった大きな山桃の木を思いだした。何十年振りだろう。 あの村を離れてもう半世紀近い。学生時代までは夏休みや冬休みを待ちかねて弟たちと すっ飛んで行った。祖父母と叔母たちの優しさだけが待つ故郷へ。 ただ屋敷の周りに何本もあった、柿やみかんや、杏にイチジク。畑にはトマトが食べ放題。 本当に食べるもののなかった終戦直後。これら何よりのご馳走だった。 千秋はふと思い出した。あれは小学四年生の夏休みだ。赤黒く実った山桃は美味しい真っ盛り。祖母が食べごろだから、後で取ってあげるから待っていてねと買い物に出かけた。 山桃の木..
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