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2011/06/05

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  • ぬるぬる

    台所で、溜まりに溜まった汚れた皿を洗っている。洗剤を含んだ柔らかなスポンジからは、香料のオレンジと混じってかびのようなにおいがしていた。 すぐ隣の窓...

  • 常日頃

    ここのところ随分日記をさぼってしまった。とはいえ部屋でノートの日記は書いている。 日記を書くのは習慣なのだ。 (こっちの日記は、一応まとまった量...

  • 塔と君.2

    僕の生活史を説明するのはとても簡単だ。 僕はある時、木の根元に座っていた。なぜそんな所に座っていたかは知らない。ともかく僕は木の根元に座っていて...

  • 塔と君.1

    雨上がり、朝はいつもより清浄さを増していた。いばらは雨露をまとい、光をきらきらとはねている。光の粒子の色が、見えた気がする。 僕は寝床に身を起こし、...

  • トイレ

    おはよう。今僕はむしゃむしゃ牛丼を食べている。 最近、生活リズムが崩れていて、週末は完全に昼夜逆転生活をしていた。元々僕は睡眠時間を長くとる傾...

  • ロンドン

    学校は晴れているのに、町の向こうは雲が厚く、雨が降っているのが分かった。晴れと雨の境目だろうか? 研究室の何人かが慌てて帰宅する。洗濯物を干している...

  • くじら.6

    工業団地の朝は早く、日の出と共に活動を始める小鳥みたいだ。トラックの音や、金属の音、モーター音が遠くから潮風に乗って運ばれてくる。 僕はまだ眠って居...

  • くじら.5

    それから母親の家に居たのは二週間かそこらだった。この頃のことは余り覚えていない。 彼女の家で何か食べたり、話したりしているうちに一つずつなにかを忘れ...

  • くじら.4

    換気扇がくるり、くるりとゆっくりと回っている。まだ夜になっていないのか…、かなり暗かったが自分の手足を見ることが出来た。ふと思いついて、さっき掴んだ兄さ...

  • くじら.3

    ジージー、と延々アブラゼミが鳴いている。その中に、ツクツクボウシの声。その他にも色々聴こえたが、ベースはアブラゼミ。 僕は兄さんに連れられて、川に魚...

  • くじら.2

    やがて、くじらは水の中に沈んでいった。服が水浸しで、しばらく飛べそうになかった。 くじらが居なくなってから、遠巻きに様子を伺っていた風たちが集まって...

  • くじら.1

    色素の濃い青い空に、真っ白な入道雲がくっきりとした形を作っている。 僕は上空からきらきらと光る海を眺めた。海の向こうには工場地帯だろうか、人工的...

  • 月と太陽の話

    湿った空気がアスファルトの上を覆っている。 僕は自転車に乗っている、まるで水の中を進むみたいにペダルが重たい。進むたびに空気がゆるゆると撹拌された。...

  • 目次メモ

    小説系の目次を作りました。 余計迷子になる地図みたいです。 まえがき、簡単なメモ、自己紹介など このブログについて =僕の事= 未完の長...

  • 母さんのボート.3

    =書き溜めていた文章の転載= 夜が明けると、僕は坂の上に行ってみた。そこから見ると、僕のいたところは池が干上がってしまったみたいに窪んでいるのが分...

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