ジョンは肩肘をつき、上から私の顔を少し覗き込むようにした。暗闇で彼の表情をはっきりと読み取ることは出来なかったが、いささか動揺しているようにもうかがえる。ため…
思ったよりも早く帰宅したジョンに連れられ、軽く外食をすませてまたアパートへと戻ってきた。明日から通常通り授業が始まることもあり、早々と歯磨きをしてパジャマに着…
「ごめんね。そんなに時間かからないと思うけど。終わったらすぐに帰ってくるから。」「わかった。また昼寝でもしてるよ。じゃ、気を付けね。」ジョンがパタンとドアを閉…
セットされていた携帯電話のタイマーが、キラキラした音を立てながら鳴り響く。同時に体を上下に伸ばし、ほぐれたところでジョンの顔を見上げた。「たくさん昼寝して、ス…
私たちはイエローキャブに乗り込み、メトロポリタン美術館を散策し始めた。今朝一緒にボデガに行ってから、私たちは外に出ると必ず腕を組んだり、手を繋いでいた。隣に並…
アパートを一歩外に出ると、肌に突き刺さるような寒さに身をすくめた。「黄菜、滑りやすいから腕につかまって。」「うん。」私はニコリと微笑んで見せた。新雪はまだ柔ら…
ふと目を開けるとまだ辺りは暗闇に包まれていた。冴え切った頭で再び寝ようとしても、体は完全に日本の時刻を刻んでいる。しばらく頑張ってみたが、どうしても瞼が自然と…
ジョンは靴下と赤いセーターを脱ぎ、Tシャツ一枚とジーンズ姿になった。その横で私はフェイクパールが連なったネックレスだけを外し、テーブルの上にそっと置いた。替え…
決して暖かいとは言えないニューヨークの地下鉄だが、地上に上がるとその寒さが体の芯まで伝わるようだった。吐き出された息は、車のヘッドライトを通して白く顔全体を包…
「黄菜の気持ちはよくわかる。だけど前にも言ったように俺は遠距離恋愛を2回も経験して、どちらもうまく行かなかった。それに黄菜は東京で働いていて、俺は大学院を卒業…
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